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梅雨空の「ことでんレトロ」撮影記(4) [ことでん旧型たち [高松琴平電鉄]]

いま、<変態鉄>は非常に怒っている。

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業務を調整した結果、土・日・月と3連休がとれることになっていた。
そう、“出撃”しようと思っていたのである。

それなのに...

何だっ!?

行こうと思っていた場所の週間天気も数日前からチェックしていた。

でも...

なぜ、突然!?

そう、台風6号が発生して。明日から関東地方は雨が続くのである。

どうして、<変態鉄>の仕事が休みになるタイミングに合わせて天気が崩れるのか
そのことが非常にアタマに来ているのである。

というわけで、引き続き14日の「ことでんレトロ」の話題。
……  ……

この日、<変態鉄>が絶対に撮りたいと思っていたポイントがあった。晴れると
逆光になるので、こういう雨降りの日にはちょうど良い...だけではなくて
9月の運転を最後に「レトロ電車特別運行」が、仏生山 - 琴電琴平間に短縮され、
高松市街地に乗り入れなくなるのである。

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【2019年5月3日17時39分】 高松琴平電鉄琴平線・太田-三条

長年にわたって空き地のままになっていた琴平線の複線化用地、栗林公園-仏生山の
複線化工事は日に日に進行しており、すでにレールが敷かれた区間もあって。
その工事と「レトロ廃車計画」(これ自体も複線化と関連しているのだが...)による
乗客数の増加で折返し時間に余裕のない高松築港駅への乗り入れを避けたい...
というあたりが原因と思われるのだが...

いずれにせよ、玉藻城をバックに走るレトロ電車はまもなく見納めになる訳で。
普段は、ロケーション...開けた田園地帯の方が撮りやすいので一宮以降の区間で
撮ることが多いのだが、この日は初めて、玉藻城バックにチャレンジしたわけで。

ことでん、高松琴平電鉄というのもその起源をたどれば路線ごとに違う3社。
戦時統合で琴電が発足することになる。“讃岐の阪急”とさえ言われ、当時の
地方私鉄としては立派すぎる設備を誇った琴平電鉄(→ 琴平線)以外の2線は
東讃電気軌道(→ 志度線)、高松電気軌道(→ 長尾線)という路面電車だった。

そんなこともあって、高松市街地の路線の変遷も<変態鉄>には理解できないほど
複雑な経緯をたどるのである。高松市街地には路面電車も走っていて。
でも、“高松市内線”は終戦間近の時期の高松空襲で被災して...

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【2016年12月18日15時40分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港駅

そのとき仮復旧のような形でターミナル駅として高松築港駅ができたような...
このあたり持っている文献などで調べてみても、<変態鉄>のアタマではなかなか
理解できないほど複雑なのである。

「築港線」の区間、瓦町と高松築港間、営業キロは1.7 km、その途中駅が片原町駅。
商店街の中の片原町駅を出て、終点の高松築港までに電車は片原町駅の北側で
90度曲がって東に進路を変え、お堀端を進み、再び90度近く曲がって高松築港駅に
進入するのである。

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生駒親正が築城したとされる高松城は通称・玉藻城、そのお濠は瀬戸内海の海水を
取り入れていて。その城址にあたる玉藻公園に寄り添うように、ことでんの線路が
敷かれていて。そうなるとお城...といっても天守は残っていないが。

艮櫓と電車を絡めて撮るのは、ことでんの撮影で定番中の定番。
でも、晴れると光線状態が良くないのである。ということでチャンスとばかりに...


2019年7月14日(日)雨時々曇り

琴電琴平からやって来て、終点・高松築港の1つ手前、片原町駅が最寄り駅。

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【2019年7月14日14時45分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町駅

駅の北側、静かな感じの商店街(アーケードの方ではない)を少し進めば
「瀬戸大橋通り」に突き当たる。踏切を渡ったところが玉藻公園の
駐車場(上の地図で赤い星印のところ)。日曜とあって常に満車なのか、
駐車場の入口ではクルマが列をなして待っていたのである。

このポジション、撮れそうで撮るのが難しく。玉藻公園の駐車場の植え込みからの
撮影である。この日は管理人さんは不在。停まっているクルマにカメラをぶつけない
ように細心の注意を払いつつ...

場所柄、引きをとれないのである。広角28 mmでないと艮櫓を入れることはできず。
そうすると電車は思いっきり、台形に歪んでしまうのである。ただ、これも
一つの味わいだと割り切って。

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【2019年7月14日13時49分】 高松琴平電鉄長尾線・高松築港-片原町

「築港線」を通って高松築港駅に乗り入れているのは琴平線と長尾線、それぞれ
日中の電車は15分、20分間隔なので1時間に7往復14本の電車を撮れる訳で。

効率が良いといえば、そうなのだが...

まずは1300形の長尾ゆき。緑色の車体色は長尾線の車輌。

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【2019年7月14日14時01分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港-片原町

続いては「羽田へビュン」、京急の広告ラッピング車は琴平線の1080形。
画面手前(左側)には片原町駅へと続く急カーブ、そして画面右奥、艮櫓に隠れた
部分には高松築港駅へと続く急カーブがあって。

栗林公園駅以北は複線のはずの「ことでん」、でも、高松築港駅のポイントは
このわずかな直線区間、駅の数百メートル手前に置くしかなく、単線並列の配線に
なっており。ここを2路線の電車が交互に通るわけで...

ちょうど電車が見えているあたりにダブルクロスの分岐器があるわけで。
琴平線の電車は手前側、お濠側を走ってくる。

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【2019年7月14日14時03分】 高松琴平電鉄長尾線・片原町-高松築港

道路側の線路を直進するのは緑色、長尾線からの高松築港ゆき。琴平線と同じ
1200形だが、なぜか1編成だけ全て緑色に塗られており(広告車ではない)。
<変態鉄>のお気に入りの編成でもある。

「試し撮り」とはいえ、これほどの高頻度運転だから全部撮らないと...とは
ならないわけでもあって。ちなみに、市街地で人もクルマも多いのだが、意外にも
近くにジュースの自販機が見つからず、それが<変態鉄>のイライラの原因にも
なっていたのだが...。

このとき、ちょうど雨は止んでくれて。傘を差さずにカメラを構えられるのは
ちょっとホッとするのだが...

だんだん、色気...というか欲が出てくるモノで。

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【2019年7月14日14時11分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町-高松築港

そう、お濠の水面に電車の姿がクッキリと映ることに気がついて。
“水鏡”というほどキレイではないものの、やはり、それをカットする構図は...

でも、そのためには植え込みをクリアしないと...。
ユニバーサルホームの広告ラッピングはヒマワリと動物のイラストで。
形式もバラエティに富んでいる「ことでん」だが、こうして撮ってみるとレトロ
以外の現有の車輌でも、2編成と同じものがない...は思いっきり言い過ぎだが、
撮っているといろいろとやってくるのも楽しいところ。

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【2019年7月14日14時16分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港-片原町

レトロが来るまで、試し撮りの時間は1時間弱あった。その間、「同じ写真ばかり」
とは言わせない。撮っている本人としては、もはや画面上でミリ単位の調整。
カメラを上に向けたり、右左に振ったり...
ズームリングをちょっとだけ回して...
微調整に微調整を繰り返していたのだった。

先ほどのユニバーサルホームの編成は折返し、一宮ゆきとして。

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【2019年7月14日14時26分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町-高松築港

さぁ、だんだん「レトロ」の時刻が近づいてきた。

でも、まるで待っていたかのように、再び雨が降り出したのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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