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白銀の只見線を探して(15=最終回)最後は“第2”で不覚を... [会津・越後のキハ[只見・磐越西線]]

スケジュールの都合上、今年は3月場所を自宅のTVで視られるのは、土曜日の7日目
だけだった。その唯一のチャンスに...

中継が始まって知ったので嬉しさも倍増だが、荒磯親方(元・横綱 稀勢の里)の
“解説デビュー”を見守る(?)ことができた。スーツ姿は、まだ慣れないのか、
初々しさはあったが、技術面も含めて解説は非常に明快、初解説とは思えない
分かりやすくて好感のもてる解説だった。来場所以降も、ぜひ解説で視てみたいと
思ったのだった。できれば、向正面解説に入って、あの北の富士勝昭さんとの
掛け合いも視てみたい気がするのである。

(一部を除いて)上位陣が安泰、その一方、三役には若手が台頭してきて、
今年の後半から来年にかけて、新たな盛り上がりが期待できそうな大相撲である。

さて、<鉄>ブログとして...

人間って、誰にでも、後から思えば「なぜ、こんなことしたのだろう!?」と
自分自身でも理解に苦しむようなこと...ってないだろうか。

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【2019年1月30日14時08分】 只見線・会津宮下駅前

この日の午後の<変態鉄>こそ、まさにそれだったのである。
迷った末に、午後の第428D列車は只見川第2橋梁のところ...国道沿いで撮ることに
して、少し早めにやってきたのである。会津宮下駅からは徒歩20分ほどの距離
だろうか。

この3泊4日の撮影行、事実上、その最後の撮影となるのが13時ちょうどの第428D列車。
国道の路肩にカメラをセットして、ボーーッとしながら待っていたのだが...

……  ……

2019年1月30日(水)曇りのち晴れ

真冬といえど、晴れれば陽射しが暖かく感じられるわけで。第1橋梁俯瞰を撮影したら
前々日と同じように、そのまま「道の駅」で食事を済ませて。

歩いて宮下の集落に向かうのだった。

雪晴れの道路、路面に積もっていた雪はすっかり解けて、アスファルトも乾いて
いつもと変わらないグレーの道路である。

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【2019年1月30日11時10分】 只見線・会津宮下駅前

駅近くのT字路を折れると、すぐに温泉施設の前を通って、只見川に架かる
橋を渡る。国道400号線に突き当たって右に進めば、ほどなく正面には
只見川第2橋梁が見えてくる。

この場所で撮るのは2度目、でも、前回と違うのは歩道部分は除雪されておらず、
(この日はスノーシューは持ってきていなかった)
やむなく国道の路肩に三脚を立てて。国道とはいえど、交通量は多くはなく。
時折、地元の方のものと思しきクルマが通りかかるくらい。13時の列車まで、
まだ十分すぎる時間があって。タブレット端末を取り出して...

そんなときだった。

遠くの方からエンジン音が近づいてくるのである。フツーのクルマとは違った音。

「えっ、大型トラックが通るの!?」
ただ道幅は十分にあるので、気をつけてさえいれば三脚をずらす必要などは...

でも、道路を見ていても何も走ってこない。そして、次第に近づくエンジン音。

「あぁ、線路を走っているのか...」

と、そのとき、本気でそう思ってしまったのである。いやいや、さすがに線路上を
トラックが走ってきたら一大事である。でも、再びタブレット端末に目を落として...

「あれっ!?」

目の前に現れたのは...

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【2019年1月30日11時43分】 只見線・会津西方-会津宮下

咄嗟のことでEOSくんを構える余裕は無く。コンデジで何とか撮ったこの1枚。
そう、時刻表に載っていない時刻に線路の方から音がして...、それに対して
カメラを構えようと思わなかったのは<鉄>として最大の不覚としか言いようがない。

前日は14時前に会津中川駅近くでタクシーの中から、除雪車を見たのに...

これは1つの“仮説”だが...

除雪用モーターカーでの除雪作業には、国鉄時代のディーゼル機関車を使った
除雪車と違って「線路閉鎖」という手続きが必要である。これは珍しいことでは無く、
例えば、多くの路線で、深夜、終電が行った後、早朝、初電が動き出すまでの
時間帯に「線路閉鎖」手続きをとった上で、大型機械を使った保線作業を行うのも、
その1つである。(この手続きをすれば、信号も消すことができる訳で...)

只見線のうち、特に山間の区間を走る会津坂下から会津川口までの区間、
9:56 に第426D列車(会津若松ゆき)が会津坂下駅に到着後、
12:22 に第428D列車(同)が会津川口駅を発車するまで、営業列車は1本も走って
いない状況が続くのである。だから、その間、線路閉鎖して除雪モーターカーを
走らせるのが“定期運用”のようになっているのではないか...と。

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【2019年1月30日14時12分】 只見線・会津宮下駅

「線路閉鎖手続き」を会津坂下-会津宮下と会津宮下-会津川口で分けて行ない、
上り第428D列車の運転に合わせて、除雪モーターカーとキハの列車が宮下駅構内
(構内に保線用の側線と車庫がある)で行き違いさせる...ということも可能で。
公開されていない『除雪モーターカーの定期運用』も“裏メニュー”的に存在して
居るのでは無いか...と妄想したのである。(晴れても“運転”されているし...)

それを目前にして撮り逃したのが、<変態鉄>だったということ。

尤も、あくまでコレは“「仮説」という名の妄想”である。

ちょっと残念だったわけで...、そして、定刻。

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【2019年1月30日12時51分】 只見線・会津宮下-会津西方

13時前に姿を現したのは、キハ40形の3両編成。“平凡な構図”と言われ、
<徒歩鉄>には便利な場所にもかかわらず、あまり撮影している人を見かけない
第2橋梁だが、雪のせいもあって、かなり良い画が撮れたと思う次第。

次の列車は、会津坂下駅で交換して下ってくる第427D列車。
でも、これを撮るとなると、14:40発のバスに乗るのは厳しくなるわけで。
そのあとの列車は、16時の第430D列車、これでは会津若松到着が17時半。
ホテルに荷物を受け取りに戻って、18時発の高速バスに乗るのは困難である。

まさに“やむを得ず”。

選択したのは「駅撮り」だった。駅の周囲を散歩しながら時間を潰して、
14時過ぎ、入場券を購入してホームへ。

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【2019年1月30日14時09分】 只見線・会津宮下駅

只見線では冬期、積雪の多い時期に限って時刻変更が行われる。
主に、会津坂下からの区間で速度規制が行われるためである。「徐行」の看板が
立てられており...

そんなホームでキハの到着を待ったのである。

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【2019年1月30日14時24分】 只見線・会津宮下駅

14時でもすっかり西に傾いた陽の光を浴びながら、2両編成のキハが駅に到着。

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【2019年1月30日14時24分】 只見線・会津宮下駅

列車側面には光が回らない時間帯であっても、積もった雪がレフ板のような働きを
してくれて、真っ黒にはならずに済むのもこの時期の良いところ。

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【2019年1月30日14時25分】 只見線・会津宮下駅 

ローカル線でもめっきり少なくなった構内踏切を渡るタイプの駅。
思ったよりも降車客は多かったようで...

ホンのひとときだが、駅が賑わう時間なのである。
キハの発車を見届けたら駅前のバスに。

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【2019年1月30日11時10分】 只見線・会津宮下駅前

宮下駅前を定刻、14:40発の会津若松駅前ゆき臨時「只見川線」バス。
「道の駅」でも乗客はなく、自分ひとりだけ。タクシーなら、よくあるケースだが
路線バスで、運転手さんと会話が弾む...という珍しい展開。

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【2019年1月30日14時08分】 只見線・会津宮下駅前

話題は、会津での暮らし...東京が羨ましいということだったが、良いことばかりでも
無いわけで...から地方都市の公共交通機関の置かれている現状といった話、
さらには雑談まで。

「良かったです。お客さんがいなくて空車のバスを走らせてると、どうしても
眠くなるときがあるもので...」

意外にも、路線バスの運転手さんにとっては、回送よりも営業運転中の方が
良いのだそうだ。乗客がいるという緊張感が良い方に働くのだとか...

そんな会話を楽しみながら。

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【2019年1月30日15時38分】 会津バス「只見川線」車内

坂下の町に入れば「山間部」から「都市郊外」へと車窓風景も一変する。
車窓には西に傾いた陽の光の下、会津磐梯山がクッキリと見えていて。

「道の駅 柳津」で乗客は1人増えても、合わせて2名。もともと、朝の往路便が
一番、乗客が多いのだそうで。この「只見川線」バス自体、県など自治体が予算を
とっての“社会実験”的性格の路線になっているみたい。

季節・運転形態を変えながら、只見線への観光客誘致に繋がるかどうかを模索して
いるのだそうで。インバウンド需要を想定しての運行だけに、<徒歩鉄>として
利用している<変態鉄>は“眼中にない”のかも知れないが、壮大な大俯瞰、キハを
撮ることができるためにも、来年度以降も、運行継続して欲しいと願っている次第。

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【2019年1月30日16時08分】 福島県会津若松市駅前町付近

16時過ぎ、会津若松駅前に到着して。

いったんホテルに荷物を取りに行って、三脚をしまったバッグを自宅宛に宅急便で
発送したら、再び駅前へ。ちなみに、往路でも使ったが「夢街道会津」号は
会津バスとJRバスの共同運行。<変態鉄>は偶然、往路・復路ともJRバス関東の
担当便だったが、それとは関係なく、復路も「WEB乗車票」かチケットを運転手さんに
示すことで、路線バスを半額で利用できる。神明通りのホテルから90円で若松駅前。

会津若松バスターミナルを、15分ほど遅れて出発した「夢街道会津20号」。
喜多方始発の便なのだが、会津側、最後の乗車停留所が「アピオ入口」、
そこを発車すると、この日の運転手さん。

「空いている席は自由に...」、ゆったりと過ごすことができた。

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【2019年1月30日22時34分】 東京都渋谷区代々木・バスタ新宿

東北自動車道に入る頃には、遅れも取り戻してしたようで...
この晩も順調に走って。明治通りに入ってからの渋滞で、バスタ新宿には3分ほど
遅れての到着となった。

……  ……

この翌々日の朝、不動産屋さんへ鍵を受け取りに行って...
部屋を変わって、慌ただしい日々が始まったのだった。

昨年秋以降、すっかり、その魅力に“取り憑かれてしまった”只見線キハ。

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【2000年7月6日】 只見線・小出駅

今回も会津川口駅までの、国鉄会津線として開業した区間だけをめぐったのだが...
あとは、もともと「只見線」として開業した(分断されている)新潟県側の区間も
撮りに行きたいと思っている。ただ、それがいつになるのか...

今春のダイヤ改正ではそれほど大きな変化はなかったみたいで。新潟支社所属の
キハが走っているのも、水害による不通区間の復旧までのこと。

一日も早い全線復旧を願いつつ、今しか撮れない様子を撮ってきたい。

田んぼに水が張られる時期を狙って...というか、それまでに訪れてみたいとは
思っているのだが。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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