秋を探しに小湊鐵道（後編）思ったよりも早く... [小湊鐵道キハ200と鉄道情景]
明日は...というか、日付変わって今日、水曜日、間もなく＜変態鉄＞は朝8時から
“断食期間”にかかる。そう、大学病院に行く日がやって来たのである。
順調に進めば終了予定は11時半。今晩だけはシャワーなどが無理だが、食事などに
ついては通常通り。“断食明け”には、ちょっと豪勢なものを食べようと、それを
楽しみにして西新宿にある病院に向かうのである。
【2018年10月25日13時22分】 小湊鐵道線・高滝－上総久保（後追い）
さて、10月25日の小湊鐵道訪問記の後編。全長40 kmあまりの路線のうち、
五井～上総牛久までの区間は市原市中心部の住宅密集地が続き、“里山”の風景が
撮れるのは上総牛久～上総中野の区間。でも、こちらは何と言っても列車本数が
少なくて。そういう意味では＜徒歩鉄＞にとっては1日中滞在しても、1～2箇所に
絞って撮るしか無くて、実に悩ましい路線。
（紛らわしくて恐縮だが...）13時台まで上総久保駅周辺で、15時台からは
上総大久保駅周辺で撮ることにしたのである。
夕方の斜光線に照らし出されるキハを撮ることを狙っての上総大久保駅だが...
…… ……
2018年10月25日（木）晴れ
【2018年10月25日13時22分】 小湊鐵道線・高滝－上総久保
雷神下踏切での撮影は思ったような感じでは無かったものの、柿を絡めて撮れたり
いつもの踏切で反対向きにカメラを構えてみたら、思ったよりもスッキリ撮れたり。
午前中からの上総久保駅周辺での撮影は“収穫あり”だった。
【2018年10月25日14時43分】 小湊鐵道線・上総大久保駅（後追い）
ということで“後半戦”。15時の上総大久保駅だが、山間にあるからだろうか
すでに山の陰に入る時間に入る時間帯になってきており、駅周辺はちょっと
薄暗くすら感じるのだった。
いま乗ってきた2両編成は15時過ぎに折返し五井ゆきとして戻ってくる。
それを月崎側の築堤のカーブで...
背景がスッキリして電柱などがあまり入らない構図を選びたいが、この時間帯、
それにも増して、刻一刻と方角を変えていく太陽が自分の背中に来るように
立ち位置を少しずつ調整して...。
そういう意味で築堤のカーブを自由に切り取れるこの場所というのは非常に魅力的。
果たして、如何に!?
【2018年10月25日15時16分】 小湊鐵道・上総大久保－月崎
上総大久保駅を発車したキハが、ファインダーの中に飛び込んでくる。
「光ってくれ!!」
2両編成の全体がファインダーの向こうに見えたとき、2両目のキハが輝いてくれた。
とりあえず、“ギラリ”成功である。
このキハ、この先の里見駅で下りキハと交換する。だから、後続列車は続けて
やってくるのである。平日ダイヤであっても昼間時間帯には「里山トロッコ」の
スジが引かれていて、トロッコの運転日で無いと、その分、列車間隔が開いて
しまうのである。ということで、今度の下りキハまでは30分弱。
＜徒歩鉄＞にとっては、次の撮影地を見つけてカメラをセットして...
30分というのは、それほど余裕があるわけでは無くて。
【2018年10月25日15時43分】 小湊鐵道線・上総大久保－月崎
でも、同じような撮り方を2枚続けても...
近くにあるススキを上手く絡められないかと悪戦苦闘。
実はカーブした築堤の先には何かの工房のようなものがあって、本当はこの場所で
カメラを構えると線路回りが意外とゴチャゴチャしてしまう場所で。
だからこその“ススピン”（手前のススキにピントを合わせて列車をボカすこと）を
選択した。タテ位置にすべきかどうか迷ったのだが、これはこれで良かったかと。
キハの顔に光が回らないが、その分、ヘッドライトが目立ってくれて。
ススキには夕方の斜光線がよく似合う...と勝手にそう思っている＜変態鉄＞だった。
【2018年10月25日15時44分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
この場所、築堤のカーブを走ってくる列車を撮ってから、大急ぎで10メートルほど
道路側に動けば上総大久保駅のホームに停車するキハの姿を撮ることができる。
昼間に比べて夕暮れ時の太陽がオレンジ色というか赤く見えるのは、太陽光が通過
してくる大気の層の厚さが変わるから...だそうだが、カメラを触る者としては
やはり、夕暮れ時の斜光線というのは素晴らしいのである。
＜撮り鉄＞の世界では、こういう光線状態を“エロい”と表現する。
山間の上総大久保駅、駅自体は山々の陰に入って暗く見えるが、駅の少し手前の
線路だけが、まるで舞台の上でスポットライトを浴びているように見えて...。
“会心の1枚”とは到底言えないまでも、慌ててスナップした1枚としては十分に
“エロい1枚”が撮れたように思うのである。
でも、「慌ててスナップした1枚」としてでは無く、こういうのを
狙って撮りたいわけで。そのチャンスは、いまのキハが折返し戻ってくるとき。
【2018年10月25日15時59分】 小湊鐵道線・上総大久保－月崎
列車が、先ほどのススキのポイントと同じ位置に来たときに、あのカーブの
反対側から...。狙うは上総大久保駅 16:10発の第40列車。
駄菓子菓子...だが、しかし、時刻はすでに16時。
“みるみるうちに”という言い方がピッタリなくらい、その動きが目で見える位の
速さで、陽射しの届くエリアは狭まっていくのである。
振り返れば、太陽は背後の山々の木々の先に触りかけていて...
「早く来てくれ!!」
風景写真なら光線が一番キレイな時間を選んでシャッターを切れば良いけど、
鉄道写真は列車が来た瞬間に光線がキレイに当たってくれないとダメ。
ああ゛ぁーーーーーーーーーーーーーーっ
【2018年10月25日16時06分】 小湊鐵道線・上総大久保－月崎
線路周りも急速に暗くなっていって...。
上総大久保駅の踏切が鳴り出したときには、もう諦めるしかない...とハッキリと
わかるような状況になっていた。この築堤で、第40列車が“エロく”輝くのは
10月の中旬頃になるのだろうか!?
（2両編成の連結部分付近だけ、少しだけ光が届いているけれど...）
さて、今度の五井ゆきで帰るとしても、その前に1本下り列車があるわけで。
それを撮らない手はないのだが...
上総大久保駅 16:37発の第31列車である。あと25分ほどだが、
そうなると走行シーンを撮るのは限界に近い状況になっているはずで。
薄暗い中で無理にカメラを構えて被写体ブレの写真を撮るよりも...
そう、＜変態鉄＞にとって最も苦手なアレである。
上総大久保駅手前の直線区間。三脚を畳んで足下に置いて。
写真のマニュアル本には「肩の力を抜いて、腰から上半身全体を回転させて...」
とか書いてあるのだが、どうしても力が入ってしまうものなのである。
【2018年10月25日16時32分】 小湊鐵道線・月崎－上総大久保
そう、流し撮り。
これでも自分の中では「頑張った成果」である。なぜか、1両目の車両中央部から
後部付近にかけての動きを写し止めている。撮影意図不明な1枚である。
そして、これを持って撮影終了。
【2018年10月25日17時09分】 小湊鐵道線・五井駅
上総大久保駅で、先ほど流したキハの折返し、17:27発の第44列車を待った。
もう季節は冬に近づいているわけで...。
17時を回ると外は真っ暗。何もない、まさに何もない無人駅のベンチで列車の
到着を待ったのだった。
養老渓谷への行楽客の帰宅ラッシュも終わった後なのか、2連のキハの車内は終始
空いていて。DMH17Cエンジンの揺れが心地よかった。
【2018年10月25日18時26分】 小湊鐵道線・五井駅
そして五井駅。バスタ新宿ゆきの高速バスは1時間後。フツーの＜鉄＞なら
おとなしく(?)、内房線電車で帰るのだろうが、そこは＜変態鉄＞。
向かったのは、普段と反対側。五井駅西口の...
【2018年10月25日18時42分】 千葉県市原市五井中央西付近
線路沿いにある大手パチンコ店である。
「えっ!? 何...?、コイツ、＜鉄＞の途中でパチンコしているの!?」
と、思うなかれ。パチンコ店に“同居”する形で駅そば店が入居しているのである。
左の自動ドアはパチンコ店、右のガラス戸が駅そば。
撮影を終えた後に、あたたかい蕎麦。ちょっとホッとしたのだった。
そして...
【2018年10月25日18時46分】 小湊鐵道線・五井駅
東口のバス乗り場に移動するわけだが...
階段を下りたところ、広告看板と柵の隙間から覗き込めば、発車待ちするキハの姿。
急ぎ、三脚をセットしてキハと無蓋貨車が並んだシーンを“バルブ”したのだった。
わずかな乗客を乗せて五井駅東口を定刻で出発した小湊高速バス。
30分かからず習志野料金所を通過したのは覚えているが、バスの揺れに気づけば、
もう一般道。新宿中央公園の交差点を右折するところだった。
定刻より少し早くバスタ新宿に戻ったのである。（おわり）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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“断食期間”にかかる。そう、大学病院に行く日がやって来たのである。
順調に進めば終了予定は11時半。今晩だけはシャワーなどが無理だが、食事などに
ついては通常通り。“断食明け”には、ちょっと豪勢なものを食べようと、それを
楽しみにして西新宿にある病院に向かうのである。
【2018年10月25日13時22分】 小湊鐵道線・高滝－上総久保（後追い）
さて、10月25日の小湊鐵道訪問記の後編。全長40 kmあまりの路線のうち、
五井～上総牛久までの区間は市原市中心部の住宅密集地が続き、“里山”の風景が
撮れるのは上総牛久～上総中野の区間。でも、こちらは何と言っても列車本数が
少なくて。そういう意味では＜徒歩鉄＞にとっては1日中滞在しても、1～2箇所に
絞って撮るしか無くて、実に悩ましい路線。
（紛らわしくて恐縮だが...）13時台まで上総久保駅周辺で、15時台からは
上総大久保駅周辺で撮ることにしたのである。
夕方の斜光線に照らし出されるキハを撮ることを狙っての上総大久保駅だが...
…… ……
2018年10月25日（木）晴れ
【2018年10月25日13時22分】 小湊鐵道線・高滝－上総久保
雷神下踏切での撮影は思ったような感じでは無かったものの、柿を絡めて撮れたり
いつもの踏切で反対向きにカメラを構えてみたら、思ったよりもスッキリ撮れたり。
午前中からの上総久保駅周辺での撮影は“収穫あり”だった。
【2018年10月25日14時43分】 小湊鐵道線・上総大久保駅（後追い）
ということで“後半戦”。15時の上総大久保駅だが、山間にあるからだろうか
すでに山の陰に入る時間に入る時間帯になってきており、駅周辺はちょっと
薄暗くすら感じるのだった。
いま乗ってきた2両編成は15時過ぎに折返し五井ゆきとして戻ってくる。
それを月崎側の築堤のカーブで...
背景がスッキリして電柱などがあまり入らない構図を選びたいが、この時間帯、
それにも増して、刻一刻と方角を変えていく太陽が自分の背中に来るように
立ち位置を少しずつ調整して...。
そういう意味で築堤のカーブを自由に切り取れるこの場所というのは非常に魅力的。
果たして、如何に!?
【2018年10月25日15時16分】 小湊鐵道・上総大久保－月崎
上総大久保駅を発車したキハが、ファインダーの中に飛び込んでくる。
「光ってくれ!!」
2両編成の全体がファインダーの向こうに見えたとき、2両目のキハが輝いてくれた。
とりあえず、“ギラリ”成功である。
このキハ、この先の里見駅で下りキハと交換する。だから、後続列車は続けて
やってくるのである。平日ダイヤであっても昼間時間帯には「里山トロッコ」の
スジが引かれていて、トロッコの運転日で無いと、その分、列車間隔が開いて
しまうのである。ということで、今度の下りキハまでは30分弱。
＜徒歩鉄＞にとっては、次の撮影地を見つけてカメラをセットして...
30分というのは、それほど余裕があるわけでは無くて。
【2018年10月25日15時43分】 小湊鐵道線・上総大久保－月崎
でも、同じような撮り方を2枚続けても...
近くにあるススキを上手く絡められないかと悪戦苦闘。
実はカーブした築堤の先には何かの工房のようなものがあって、本当はこの場所で
カメラを構えると線路回りが意外とゴチャゴチャしてしまう場所で。
だからこその“ススピン”（手前のススキにピントを合わせて列車をボカすこと）を
選択した。タテ位置にすべきかどうか迷ったのだが、これはこれで良かったかと。
キハの顔に光が回らないが、その分、ヘッドライトが目立ってくれて。
ススキには夕方の斜光線がよく似合う...と勝手にそう思っている＜変態鉄＞だった。
【2018年10月25日15時44分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
この場所、築堤のカーブを走ってくる列車を撮ってから、大急ぎで10メートルほど
道路側に動けば上総大久保駅のホームに停車するキハの姿を撮ることができる。
昼間に比べて夕暮れ時の太陽がオレンジ色というか赤く見えるのは、太陽光が通過
してくる大気の層の厚さが変わるから...だそうだが、カメラを触る者としては
やはり、夕暮れ時の斜光線というのは素晴らしいのである。
＜撮り鉄＞の世界では、こういう光線状態を“エロい”と表現する。
山間の上総大久保駅、駅自体は山々の陰に入って暗く見えるが、駅の少し手前の
線路だけが、まるで舞台の上でスポットライトを浴びているように見えて...。
“会心の1枚”とは到底言えないまでも、慌ててスナップした1枚としては十分に
“エロい1枚”が撮れたように思うのである。
でも、「慌ててスナップした1枚」としてでは無く、こういうのを
狙って撮りたいわけで。そのチャンスは、いまのキハが折返し戻ってくるとき。
【2018年10月25日15時59分】 小湊鐵道線・上総大久保－月崎
列車が、先ほどのススキのポイントと同じ位置に来たときに、あのカーブの
反対側から...。狙うは上総大久保駅 16:10発の第40列車。
駄菓子菓子...だが、しかし、時刻はすでに16時。
“みるみるうちに”という言い方がピッタリなくらい、その動きが目で見える位の
速さで、陽射しの届くエリアは狭まっていくのである。
振り返れば、太陽は背後の山々の木々の先に触りかけていて...
「早く来てくれ!!」
風景写真なら光線が一番キレイな時間を選んでシャッターを切れば良いけど、
鉄道写真は列車が来た瞬間に光線がキレイに当たってくれないとダメ。
ああ゛ぁーーーーーーーーーーーーーーっ
【2018年10月25日16時06分】 小湊鐵道線・上総大久保－月崎
線路周りも急速に暗くなっていって...。
上総大久保駅の踏切が鳴り出したときには、もう諦めるしかない...とハッキリと
わかるような状況になっていた。この築堤で、第40列車が“エロく”輝くのは
10月の中旬頃になるのだろうか!?
（2両編成の連結部分付近だけ、少しだけ光が届いているけれど...）
さて、今度の五井ゆきで帰るとしても、その前に1本下り列車があるわけで。
それを撮らない手はないのだが...
上総大久保駅 16:37発の第31列車である。あと25分ほどだが、
そうなると走行シーンを撮るのは限界に近い状況になっているはずで。
薄暗い中で無理にカメラを構えて被写体ブレの写真を撮るよりも...
そう、＜変態鉄＞にとって最も苦手なアレである。
上総大久保駅手前の直線区間。三脚を畳んで足下に置いて。
写真のマニュアル本には「肩の力を抜いて、腰から上半身全体を回転させて...」
とか書いてあるのだが、どうしても力が入ってしまうものなのである。
【2018年10月25日16時32分】 小湊鐵道線・月崎－上総大久保
そう、流し撮り。
これでも自分の中では「頑張った成果」である。なぜか、1両目の車両中央部から
後部付近にかけての動きを写し止めている。撮影意図不明な1枚である。
そして、これを持って撮影終了。
【2018年10月25日17時09分】 小湊鐵道線・五井駅
上総大久保駅で、先ほど流したキハの折返し、17:27発の第44列車を待った。
もう季節は冬に近づいているわけで...。
17時を回ると外は真っ暗。何もない、まさに何もない無人駅のベンチで列車の
到着を待ったのだった。
養老渓谷への行楽客の帰宅ラッシュも終わった後なのか、2連のキハの車内は終始
空いていて。DMH17Cエンジンの揺れが心地よかった。
【2018年10月25日18時26分】 小湊鐵道線・五井駅
そして五井駅。バスタ新宿ゆきの高速バスは1時間後。フツーの＜鉄＞なら
おとなしく(?)、内房線電車で帰るのだろうが、そこは＜変態鉄＞。
向かったのは、普段と反対側。五井駅西口の...
【2018年10月25日18時42分】 千葉県市原市五井中央西付近
線路沿いにある大手パチンコ店である。
「えっ!? 何...?、コイツ、＜鉄＞の途中でパチンコしているの!?」
と、思うなかれ。パチンコ店に“同居”する形で駅そば店が入居しているのである。
左の自動ドアはパチンコ店、右のガラス戸が駅そば。
撮影を終えた後に、あたたかい蕎麦。ちょっとホッとしたのだった。
そして...
【2018年10月25日18時46分】 小湊鐵道線・五井駅
東口のバス乗り場に移動するわけだが...
階段を下りたところ、広告看板と柵の隙間から覗き込めば、発車待ちするキハの姿。
急ぎ、三脚をセットしてキハと無蓋貨車が並んだシーンを“バルブ”したのだった。
わずかな乗客を乗せて五井駅東口を定刻で出発した小湊高速バス。
30分かからず習志野料金所を通過したのは覚えているが、バスの揺れに気づけば、
もう一般道。新宿中央公園の交差点を右折するところだった。
定刻より少し早くバスタ新宿に戻ったのである。（おわり）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ！」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
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