秋深まる会津路へ(1)ぷろろーぐ [鉄分の濃い旅行記録]
今年、40歳の<変態鉄>。相変わらず、惑い続けているのだが...
趣味活動の面から言えば、「あと20年早く生まれていれば...」と思うことが
少なくない。趣味活動だけでは無くても、あと20年早く生まれていたら、
百恵ちゃんが、ナマで見えたかも知れないのである。
ちなみに、百恵ちゃんは<変態鉄>が2歳の時に、武道館でマイクを置いた。
あの時代の曲を聴くことが多い<変態鉄>、最近の流行歌はどれを聴いても
区別が付かないのだが...
さて、<鉄>であっても、<変態鉄>の趣味活動の方向性は非常に偏っていて。
小学生の時に興味を持ったのは、特急寝台ブルートレインでも新幹線でも無く、
街中をトコトコと走る路面電車だった。もちろん、昭和が終わろうとしていた時期、
全国20数カ所の都市にしか残っていなかったのだが...
年齢を重ねるにつれて、自分が生まれる前に廃線になっていた路線の中に、
何とも個性的な路線が多い、一度、撮りに行きたかった、乗ってみたかった...と
そう、思える路線が多かったということに気づかされるのである。
【2018年10月30日13時30分】 福島県伊達市保原町字宮下付近
その1つが、福島交通の路面電車だった。全廃になったのは1971年(昭和46年)の
ことである。ナローに端を発し、市街地中心部と郊外を結ぶ複雑な路線網...
その昔は貨物輸送もあったのだそうで。その保存車が、かつてのターミナル駅、
保原駅の近くに保存・展示されている...と聞いて。これを見に行きたいと。
…… ……
<変態鉄>が生まれて初めて、走っている電車の姿を写し止めることだけを目的に
カメラを持って出かけた先は岐阜市の北西部、長良川に架かる忠節橋だった。
そこをゆく名鉄岐阜市内線の路面電車にカメラを向けたのだった。
岐阜市街地を起点に東西に線路を延ばしていた、いわゆる、名鉄岐阜600V線の
全廃は2005年の春だった。“超個性派路線”だった、名鉄の路面電車、その中でも
特に印象に残る区間だったのが、美濃町線の上芥見電停周辺だった。
【2004年4月頃】 名鉄美濃町線(当時)・上芥見電停付近
国道の北側を並走してきた電車、暫し、大通りから離れて昔ながらの...
農地が広がる中に住宅が点在するような感じの。狭い生活道路の片隅に単線の線路。
そこを真紅の電車が走り抜けていく...、堪らない光景が2005年まで残っていた。
でも、これよりディープな光景が...。
本の中のモノクロ写真、ネット上に上がっている画像、福島の路線、非常に魅力的な
鉄道情景が広がっていたのである。
岐阜の町から電車が消えて13年、福島の街からは路面電車が消えて半世紀。
その車両だけでも撮ってきたくて。
【2018年7月30日9時04分】 東北本線・小金井駅
当初は、今年の夏の「青春18きっぷ」で行く予定で計画を立てたのだった。
例えば、新宿駅を朝6時台の電車で出発すれば、正午過ぎに福島駅。
ちょっと早めに夕食をとって、電車に乗れば日付が変わる直前に東京に戻れる訳で。
でも、やはり、静態保存車1両のために1日がかりで単純往復は...ということで。
「近くに何かないだろうか!?」
【2018年10月29日17時21分】 只見線・会津若松駅
と、思いついたのは国鉄型キハ。会津若松運輸区には、まだキハ40系が、まとまった
両数で配置されていて、只見線、磐越西線と、これまた車窓風景の美しい区間を
走っているのである。ということで...
プランは決まっていたのだが、夏場、突然の腹痛で救急搬送されたり、
仕事がバタバタしたり、会津地方のホテルの空室が見つからなかったり...
のびのびになってしまっていたものを、漸く実行に移すことになったのは
ぬぁんと、10月の最後の週だったわけで。
結局、アレコレ悩んだ挙げ句、只見線のキハ40系と福島交通1116号車をメインに、
会津若松で2泊、帰りに福島の保存車に立ち寄って高速バスで東京に戻るという
プランに決まったのだが...
【2018年10月28日13時19分】 磐越西線・笈川-堂島
時刻表を見てみると、その出発の日は、只見線では無く磐越西線の方で
「紅葉ハロウィントレイン」というのが。列車番号 9226レ ~ 9233レ というのが
示す通り、機関車が客車を牽引する「客車列車」なのである。
実は、「SLばんえつ物語」を牽いているC57 180号機に不具合が見つかり。
聞くところでは、今も新津の車庫で仕舞われていて、SLの修繕を行う大宮の工場へ
回送できる目途すら立っていないのだとか。
(それが本当なら、来年も「SLばんえつ物語」は“設定無し”かも...)
余ってしまったSL列車用の客車をディーゼル機関車が牽く形で運転されており。
蒸気機関車よりもディーゼル機関車...という、フツーの人には、きっと理解に
苦しまれるような<変態鉄>。
姿こそ変われど、DE10が12系客車の先頭に...、これを撮り逃すわけには
行かなかったのである。
磐越西線の、会津若松に近い撮影地情報をチェックして...。
出発は、10月28日(日)の早朝だった。
2018年10月28日(日)晴れのち曇り
朝6時過ぎの井の頭線で出発すれば良いのだが...
時刻を調べて駅に行ってみると、ぬぁんと...、朝の時間帯なのに、休日の朝なのに
1本前の電車が遅れているのである。
既に5分ほど遅れてきた渋谷ゆき。遅れる理由が、乗ってすぐに分かった。
<変態鉄>が乗り込んだ同じ車両に...、全身入れ墨だらけのオッサンが
暴れているのである。英語混じりの意味不明なことを大声で叫んだり、
電車が動き出すとすぐにタバコに火を付けて、おもむろに吸い始めたり...
車庫と乗務区のある富士見ヶ丘駅で再び。助役さんと交替乗務員が何人かで
乗り込んできて腕を引っ張って、引きずり出そうとするのだが...
柔道とか相撲とか...、そんな経験のありそうなかなり体格の良いオッサン。
押し問答の末、結局、車内に居座ってしまって。
「途中駅、お客様対応があった影響で...」、明大前駅には8分遅れで。
とはいえ、<変態鉄>にとってはスケジュールよりちょっと早くの到着となって。
そんなハプニングもあって6時半の新宿駅。
【2018年10月28日7時13分】 埼京線・大宮駅
「みどりの窓口」で乗車券を購入したら、大急ぎで埼京線ホームへ。
ギリギリセーフで6:42発の快速・川越ゆき。新宿始発だが、部活だろうか
大きなバッグを持った学生さんや、飲み明かした若者たちで満員。
幸いなことに池袋駅で、自分が立っているすぐ前の人が下車して席が空いて...
混雑も赤羽、武蔵浦和で一気に解消されて。7時過ぎに大宮駅の地下ホーム到着
である。
東京から郡山経由で会津若松に向かうなら、フツーは東京駅から新幹線。
運賃は同じなのだが、少しでも節約したい<変態鉄>。当初はもうちょっと
早く起きて宇都宮まで東北本線の普通電車で先行する予定だった。
でも...
前日、料金を調べていて愕然としたのである。表は指定席特急料金だが、自由席は
どうせ一律、520円引き。ということで、郡山までの特急料金は、大宮、小山、
宇都宮と、どの駅から乗っても同額だったのである。
これに気づいたのが、出発前夜。最初は宇都宮まで先行して新幹線「やまびこ」に
乗り換える予定だった。たとえ、5分だけだったとしても朝の起床時間を早める
ことだけは、できれば避けたい...という心理である。
ということで、どうせなら...と大宮から新幹線にしたのである。
コンコースで駅弁を買って7:38発の「やまびこ・つばさ123号」の、「つばさ」の
方の自由席の列に並んだのだった。
【2018年10月28日8時27分】 東北新幹線・郡山駅
ちなみに、後続の「やまびこ125号」でも郡山からの磐越西線の接続は同じ電車に
なるのだが、でも、1本早いのに乗ったのは...
すぐ前に書いたことと無人しているのだが...
【2018年10月28日7時43分】 東北新幹線「つばさ123号」(325-1004車内)
まぁ、そんあことはさておき。16号車自由席に腰を下ろしたら、
さっそく、駅弁。朝食なのである。
弁当を食べ終わると、ゆっくりくつろぐヒマもなく、あっという間に郡山である。
郡山駅周辺は、ちょうど紅葉の時期を迎えていたようで。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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趣味活動の面から言えば、「あと20年早く生まれていれば...」と思うことが
少なくない。趣味活動だけでは無くても、あと20年早く生まれていたら、
百恵ちゃんが、ナマで見えたかも知れないのである。
ちなみに、百恵ちゃんは<変態鉄>が2歳の時に、武道館でマイクを置いた。
あの時代の曲を聴くことが多い<変態鉄>、最近の流行歌はどれを聴いても
区別が付かないのだが...
さて、<鉄>であっても、<変態鉄>の趣味活動の方向性は非常に偏っていて。
小学生の時に興味を持ったのは、特急寝台ブルートレインでも新幹線でも無く、
街中をトコトコと走る路面電車だった。もちろん、昭和が終わろうとしていた時期、
全国20数カ所の都市にしか残っていなかったのだが...
年齢を重ねるにつれて、自分が生まれる前に廃線になっていた路線の中に、
何とも個性的な路線が多い、一度、撮りに行きたかった、乗ってみたかった...と
そう、思える路線が多かったということに気づかされるのである。
【2018年10月30日13時30分】 福島県伊達市保原町字宮下付近
その1つが、福島交通の路面電車だった。全廃になったのは1971年(昭和46年)の
ことである。ナローに端を発し、市街地中心部と郊外を結ぶ複雑な路線網...
その昔は貨物輸送もあったのだそうで。その保存車が、かつてのターミナル駅、
保原駅の近くに保存・展示されている...と聞いて。これを見に行きたいと。
…… ……
<変態鉄>が生まれて初めて、走っている電車の姿を写し止めることだけを目的に
カメラを持って出かけた先は岐阜市の北西部、長良川に架かる忠節橋だった。
そこをゆく名鉄岐阜市内線の路面電車にカメラを向けたのだった。
岐阜市街地を起点に東西に線路を延ばしていた、いわゆる、名鉄岐阜600V線の
全廃は2005年の春だった。“超個性派路線”だった、名鉄の路面電車、その中でも
特に印象に残る区間だったのが、美濃町線の上芥見電停周辺だった。
【2004年4月頃】 名鉄美濃町線(当時)・上芥見電停付近
国道の北側を並走してきた電車、暫し、大通りから離れて昔ながらの...
農地が広がる中に住宅が点在するような感じの。狭い生活道路の片隅に単線の線路。
そこを真紅の電車が走り抜けていく...、堪らない光景が2005年まで残っていた。
でも、これよりディープな光景が...。
本の中のモノクロ写真、ネット上に上がっている画像、福島の路線、非常に魅力的な
鉄道情景が広がっていたのである。
岐阜の町から電車が消えて13年、福島の街からは路面電車が消えて半世紀。
その車両だけでも撮ってきたくて。
【2018年7月30日9時04分】 東北本線・小金井駅
当初は、今年の夏の「青春18きっぷ」で行く予定で計画を立てたのだった。
例えば、新宿駅を朝6時台の電車で出発すれば、正午過ぎに福島駅。
ちょっと早めに夕食をとって、電車に乗れば日付が変わる直前に東京に戻れる訳で。
でも、やはり、静態保存車1両のために1日がかりで単純往復は...ということで。
「近くに何かないだろうか!?」
【2018年10月29日17時21分】 只見線・会津若松駅
と、思いついたのは国鉄型キハ。会津若松運輸区には、まだキハ40系が、まとまった
両数で配置されていて、只見線、磐越西線と、これまた車窓風景の美しい区間を
走っているのである。ということで...
プランは決まっていたのだが、夏場、突然の腹痛で救急搬送されたり、
仕事がバタバタしたり、会津地方のホテルの空室が見つからなかったり...
のびのびになってしまっていたものを、漸く実行に移すことになったのは
ぬぁんと、10月の最後の週だったわけで。
結局、アレコレ悩んだ挙げ句、只見線のキハ40系と福島交通1116号車をメインに、
会津若松で2泊、帰りに福島の保存車に立ち寄って高速バスで東京に戻るという
プランに決まったのだが...
【2018年10月28日13時19分】 磐越西線・笈川-堂島
時刻表を見てみると、その出発の日は、只見線では無く磐越西線の方で
「紅葉ハロウィントレイン」というのが。列車番号 9226レ ~ 9233レ というのが
示す通り、機関車が客車を牽引する「客車列車」なのである。
実は、「SLばんえつ物語」を牽いているC57 180号機に不具合が見つかり。
聞くところでは、今も新津の車庫で仕舞われていて、SLの修繕を行う大宮の工場へ
回送できる目途すら立っていないのだとか。
(それが本当なら、来年も「SLばんえつ物語」は“設定無し”かも...)
余ってしまったSL列車用の客車をディーゼル機関車が牽く形で運転されており。
蒸気機関車よりもディーゼル機関車...という、フツーの人には、きっと理解に
苦しまれるような<変態鉄>。
姿こそ変われど、DE10が12系客車の先頭に...、これを撮り逃すわけには
行かなかったのである。
磐越西線の、会津若松に近い撮影地情報をチェックして...。
出発は、10月28日(日)の早朝だった。
2018年10月28日(日)晴れのち曇り
朝6時過ぎの井の頭線で出発すれば良いのだが...
時刻を調べて駅に行ってみると、ぬぁんと...、朝の時間帯なのに、休日の朝なのに
1本前の電車が遅れているのである。
既に5分ほど遅れてきた渋谷ゆき。遅れる理由が、乗ってすぐに分かった。
<変態鉄>が乗り込んだ同じ車両に...、全身入れ墨だらけのオッサンが
暴れているのである。英語混じりの意味不明なことを大声で叫んだり、
電車が動き出すとすぐにタバコに火を付けて、おもむろに吸い始めたり...
車庫と乗務区のある富士見ヶ丘駅で再び。助役さんと交替乗務員が何人かで
乗り込んできて腕を引っ張って、引きずり出そうとするのだが...
柔道とか相撲とか...、そんな経験のありそうなかなり体格の良いオッサン。
押し問答の末、結局、車内に居座ってしまって。
「途中駅、お客様対応があった影響で...」、明大前駅には8分遅れで。
とはいえ、<変態鉄>にとってはスケジュールよりちょっと早くの到着となって。
そんなハプニングもあって6時半の新宿駅。
【2018年10月28日7時13分】 埼京線・大宮駅
「みどりの窓口」で乗車券を購入したら、大急ぎで埼京線ホームへ。
ギリギリセーフで6:42発の快速・川越ゆき。新宿始発だが、部活だろうか
大きなバッグを持った学生さんや、飲み明かした若者たちで満員。
幸いなことに池袋駅で、自分が立っているすぐ前の人が下車して席が空いて...
混雑も赤羽、武蔵浦和で一気に解消されて。7時過ぎに大宮駅の地下ホーム到着
である。
東京から郡山経由で会津若松に向かうなら、フツーは東京駅から新幹線。
運賃は同じなのだが、少しでも節約したい<変態鉄>。当初はもうちょっと
早く起きて宇都宮まで東北本線の普通電車で先行する予定だった。
でも...
前日、料金を調べていて愕然としたのである。表は指定席特急料金だが、自由席は
どうせ一律、520円引き。ということで、郡山までの特急料金は、大宮、小山、
宇都宮と、どの駅から乗っても同額だったのである。
これに気づいたのが、出発前夜。最初は宇都宮まで先行して新幹線「やまびこ」に
乗り換える予定だった。たとえ、5分だけだったとしても朝の起床時間を早める
ことだけは、できれば避けたい...という心理である。
ということで、どうせなら...と大宮から新幹線にしたのである。
コンコースで駅弁を買って7:38発の「やまびこ・つばさ123号」の、「つばさ」の
方の自由席の列に並んだのだった。
【2018年10月28日8時27分】 東北新幹線・郡山駅
ちなみに、後続の「やまびこ125号」でも郡山からの磐越西線の接続は同じ電車に
なるのだが、でも、1本早いのに乗ったのは...
すぐ前に書いたことと無人しているのだが...
【2018年10月28日7時43分】 東北新幹線「つばさ123号」(325-1004車内)
まぁ、そんあことはさておき。16号車自由席に腰を下ろしたら、
さっそく、駅弁。朝食なのである。
弁当を食べ終わると、ゆっくりくつろぐヒマもなく、あっという間に郡山である。
郡山駅周辺は、ちょうど紅葉の時期を迎えていたようで。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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2018-11-08 03:00
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