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2017夏、中国地方へ(35)つやま駅 [保存車・廃線跡]

試しにネット検索で「岡山県下第二の都市」と入れてみた。
結果は予想通り(?)、共通して“倉敷市”としていた。ちなみに、岡山県に限らず
中国地方全体で見ると、やはり広島、次いで岡山。他県の県庁所在地を差し置いて
第3の都市とされるのが倉敷市なのである。

でも、歴史的にみると「津山」も忘れてはいけない。今では典型的な地方都市だが
城下町として栄え、城跡は現在、サクラの名所としても知られている。
<鉄>にとっては“陰陽連絡の拠点駅”として。

姫路と新見、中国山地を縫うようにして走る姫新線が東西に横切り、
岡山と津山を結ぶのが津山線、そして、津山から鳥取に向かうのが因美線。
津山駅は東西南北、4方向からの列車が乗り入れ。

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【2008年5月9日15時33分】 因美線・美作河井-知和

その全てがキハだった。少し前の記事で「自分が、あと10年早く生まれていたら
趣味活動の面では非常に魅力的な列車などが残っていて...」という話を書いたが、
白地に赤文字の「急行」の表示、キハ58系急行型ディーゼル動車の長編成。
そんなシーンを実見できたのかも知れない。

いまでは1~2両のキハによるワンマン列車が発着するだけ。
でも、かつて、陰陽連絡の拠点として賑わった駅前には...

……  ……

2017年9月3日(日)曇りのち晴れ

津山から岡山へは津山線。快速「ことぶき」号で1時間、普通だと1時間半。
大雑把に言って、日中は快速と普通が各々、1時間半~2時間間隔。

次の岡山ゆきは17:29発の第961D列車。レトロリレーバスは列車との接続が
あまり良くないのが...

でも、だからこそ、津山駅前で見ておきたいものが...

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【2017年9月3日16時52分】 津山線・津山駅前

瓦葺きの駅舎、国鉄時代の急行停車駅に相応しい駅舎は健在なのだが、駅前広場の
整備によってちょっとその姿が捉えにくくなってしまった。

駅から道路を挟んで向かい側に位置していた“広域バスセンター”が駅前に移転し、
路線バスも基本的に駅前広場に乗り入れるようになった。
駅前のリニューアル作業は仕上げに入っているような段階に見受けられた。

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【2017年9月3日16時53分】 津山線・津山駅前

その駅前ロータリーの、舗装も真新しいエリアに...
ひときわ目を引くのが...

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【2017年9月3日16時53分】 津山線・津山駅前

津山出身の幕末の蘭学者、箕作阮甫(みつくり げんほ)の銅像である。

いやいやいや、歴史に疎い<変態鉄>がそんなはずが。
写真の右隅、銅像の台座のところにチラッとだけ写り込んでいる。

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【2017年9月3日16時53分】 津山線・津山駅前

そう、すぐ後ろにはC11 80号機がピカピカになって静態保存されている。
ちょっと不自然なまでにピカピカなのだが...

手すりなど各部に色差しされているのは“お召し列車牽引機”として整備された
その姿を再現しているため。

新製は1935年(昭和10年)の春、日立製作所笠戸工場。新製配置は四国の松山
だったとされている。戦時中に備後十日市(三次)へ転属、さらに戦後すぐ、
1948年(昭和23年)7月に津山機関区に転属になっている。
そう、「まなびの鉄道館」になっている、その扇形庫にも入っていたはず。

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【2017年9月3日16時39分】 津山線・津山駅前

津山機関区時代には1963年(昭和38年)の岡山国体に伴うお召し列車の牽引機に
指定され、さらに、1971年(昭和46年)には津山線のSLさよなら運転の先頭にも
立ったという。その後、会津若松に転じて日中線などで活躍、同線でも
さよなら運転の先頭に立った。

廃車は1975年(昭和50年)、現役生活40年間のうち半分以上が津山機関区配置。
それ以来、津山市内の小学校の校庭に保存されていた。

今年8月、「鉄道遺産を活かした町づくり」の一環として整備の上、小学校から
津山駅前へと移されたのだった。

一般紙を含め、新聞でも取りあげられたので移設自体は<変態鉄>も知っていたが
やはり、一度、見ておきたかった。

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【2017年9月3日16時55分】 津山線・津山駅前

ただ、駅前広場の整備はまだまだ途中段階で、そもそもロータリーの真ん中に
ある展示場所、近づこうにも箕作阮甫像の近くにロープが張られ、SL側は
進入できないようになっていた。

そこに、この小さな説明板。これは「日本一説明板が読みづらい静態保存機」に
エントリーできそう...、そういう点はちょっと残念。

タクシーや高速バスが行き交うロータリー越しに望遠レンズで狙わないと
説明看板を見ることができない...という、何だか不思議な展示方式である。
この後、このあたりは、もう少し整備されるのだろうか??

さて、列車までもう少し時間が。

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【2017年9月3日16時55分】 津山線・津山駅前

あてもなく駅前広場を歩いてみたら、駅前に停められた1台の自動車が
バスの発券窓口のような使われ方になっているようで。

ぬぁんと、岡山-津山間に高速バスが運転されているようで。
岡山までJR線では1,140円。運賃もJR津山線よりも安く、パークアンドライドも
あるみたい。さらに岡山市内も天満屋バスセンターを経由しており。
JRバスも共同運行会社に名を連ねているが、でも、JR津山線にとっては
強力なライバル登場となりそうな感じ。
(次の便が18時なので見送ったというのがホントのところ)

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【2017年9月3日16時55分】 津山線・津山駅前

さて、そのすぐ近く。SLの説明板を撮った位置の真後ろ。
駅との仕切り壁に描かれているのが、B'z。さすがに<変態鉄>でも知っている。
その稲葉さんの方が津山市出身。高校までこの地で過ごしたという。
先日、津山でライブを行ったのでは無かっただろうか。

何度も来ている駅だが、少しずつその姿を変えているようで。

でも、駅構内の雰囲気はちょっと時間が止まったような。
改札口ヨコから階段を下りて地下通路。これも国鉄時代の駅らしい構造である。

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【2017年9月3日17時06分】 津山線・津山駅

一番奥が津山線のホーム。タラコ色のキハ40系が発車を待っていた。(つづく)

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