2017夏、中国地方へ(17)そして、念願の... [イマドキのTRAMたち(路面電車)]
<変態鉄>も、まぁ一応、会社員。
ただフツーの人と違うのは、職種ゆえの勤務時間が特殊なところ。
繁忙期を除けば、14時出社22時退社が所定。だから、その気になれば、
朝、倉敷でキハを撮って岡山空港へ、羽田から会社に直行...などという
“荒技”だって使えるのである。
とはいえ、ふだん22時に仕事が終わるケースは少なく、会社から全力で走って
終電に...ということもあれば、「深夜急行バス」で京王バス東のワンロマ車の
お世話になることも珍しくは無い。(そのかわり、朝(?)起きるのは11時頃)
そして、仕事の中身自体は、決して嫌いでは無い。でも...
いろいろな事があって。帰宅してから、ブログを開くだけの気持ちのゆとりも...
今晩の記事更新は断念しようかなぁ...とも思ったのだが、でも、それでは
何かに負けたような気がして(← 何に!?)。
どんなにイヤなことがあっても、いつか趣味活動に没頭できる日が来る...と
そう信じて、今夜も8月最後の日の広電の写真を見ているのである。
【2017年8月31日15時19分】 広島電鉄宇品線・鷹野橋-市役所前
あの午後も、なぜか、あの鷹野橋の歩道橋に居れば1時間くらいの間に
お目当ての582号車に会えるはず...という、何とも不思議な
自信のようなものがあった。
…… ……
2017年8月31日(木)快晴
冒頭の、もと京都市電1900形を撮って、そのまま振り返れば...
【2017年8月31日15時19分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋
市役所前電停を通過したのは...
「間違いない!! 来た~~~~~ぁ」である。
緑色濃淡のツートンカラー、午後の陽に照らされて銀色に輝く屋根。
582号車が帰ってきた。
「車高の高いクルマだけは来ないでくれっ!!」
もう、心臓バクバク。
【2017年8月31日15時21分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋
信号が変わる。582号車が、日なたに出たところで、兎に角、連写連写。
無我夢中で、この老兵の勇姿を追い続けたのだった。
運転席に座っているのが若いお姉さんであることに気づいたのは
この記事を書いているとき。
さて実は、この電車は、1924年(大正13年)製の神戸市電J車(500形592号)。
中型「ロマンスカー」700形への改造計画があったものの、戦時体制になって
その計画は見合せ。製造から10年程度で改造が計画されたというのだが...
ちなみに、原型は3扉、戸袋窓は楕円形という、これまた大正ロマン溢れる
路面電車だったのである。
中型車への改造が見送られ、大型車のまま更新されて、同市電全廃まで活躍後、
広島入りした。
【2015年10月25日10時11分】 神戸市交通局西神山手線・名谷車両基地
改造されるはずだった700形ロマンスカーは名谷車庫で保存中のものを
イベント時に見学したことがある(→ こちら)。
神戸市交通局時代、戦後しばらくして大幅な車体更新を実施しているものの、
車体の骨組みなどは製造から93年、そのままであるはずで。
現役の電車としては、わずかに“琴電レトロ”よりも古いことになるわけで。
車体更新時に書類上、新造扱いにしているため目立たないのだが、
実は、かなり貴重な車輌なのである。
【2017年8月31日15時21分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋
ということで、兎に角、緑色濃淡の神戸市電色の勇姿を撮りたかったのだ。
神戸市営地下鉄の車庫内に「市電保存庫」があって、秋の一般公開の際に
見ることができるのだが、上半の緑灰色というのだろうか、ダークグリーン系の
色調がちょっと違って見えるのだが...
とはいえ、神戸市電が廃止されたのは自分が生まれる10年ほど前のことであって。
実際の塗色を知るはずも無く。色調の違いだって、単に屋外と屋内の違いなのかも
知れず。とにかく、このカラーが撮りたかった。
歩道橋の近くは日陰になっていて、車体も黒く潰れてしまうのだが、
でも、そんなことも気にせずドンドン連写したのだった。それも、RAW画像の
ありがたさである。現像時に明るさを思いっきり弄っている。
【2017年8月31日15時22分】 広島電鉄宇品線・鷹野橋-市役所前
そして、振り返れば鷹野橋電停を出発してくるのは旧大阪市電の762号車。
京都、大阪、神戸...。
そういえば、昔、JRのCMで“三都物語”なんて言い方をしていたか...。
そんな“三都”の電車たちが続々とやって来たのである。
これは<鉄>的には嬉しいのだが、昭和40~50年台、広電も苦しい時代が。
その当時、老朽化した車輌の置き換えも自社発注の新車...とはいかず、
西日本各地で廃止となる路線の電車を譲受して、
車輌の更新を進めていた時期があったということ。
京都市、大阪市、神戸市、西鉄福岡市内線などの電車が大量に転入、それらを
旧所属時代の塗装のまま運用していたことから「動く電車の博物館」の異名を
とることになった。
もちろん、これらも既に、この582号車を初めとして老朽化が進んでいることは
間違いないのだが、どうやら1都市1両以上は意図的に残してあるような感じで、
この日、京都、大阪、北九州、そして神戸と、一通り、すべての譲受車を
撮れたと言うことで、掲げていた撮影テーマ、“車輌中心の記録写真を撮る”
というのは、もう十分達成したと考えて。
【2017年8月31日15時43分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前(後追い)
再びの1002号車“Flower Train”でやって来たのは、今度こそ、原爆ドーム前。
元安川にかかる橋、その勾配を上がっていく電車を見送りつつ...
左に渡れば原爆ドーム。ちなみに反対に渡って少し入った所が、旧広島市民球場。
【2017年8月31日15時45分】 広島県広島市中区大手町付近
その元安川の相生橋の袂にあった旧産業奨励館が、現在の原爆ドーム。
【2017年8月31日15時46分】 広島県広島市中区大手町・原爆ドーム
改めて、原爆ドームを見るのも中学生の時以来、26年ぶりのこと。
26年前と違うのは、いろいろな国のコトバが飛びかっていたことだろうか。
最近の“Rocket man”の暴挙は...という話題は、他の皆さんのブログにお願い
することにして、<鉄>ブログとして、ここはあっさりと。
【2017年8月31日15時50分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前-本川町
電車通り(相生通り)の橋の下に旧太田川(本川)と元安川の分流点がある。
その三角州にあたる場所にあるのが平和記念公園、元安川にかかる橋を
その平和記念公園の方に渡るその途中で、振り返れば、広電と原爆ドームを
絡めて撮れるポイントとして有名なのだが...
こういう電車の足回りが見えなくなる撮り方が嫌いな<変態鉄>。
そのまま進んで...
【2017年8月31日15時53分】 広島市中区中島町付近
改めて、その姿を。それにしても...
【2017年8月31日15時53分】 広島市中区中島町付近
もともとの「産業奨励館」の時代の姿。
短時間の滞在でも、いろいろと考えさせられる場所で。
さて、<鉄>としては、原爆ドームと広電。
道路の向かい側から撮るのが有名なのだが、南向きにカメラを構えることに
なるので、晴れると確実に逆光になってしまう。
ということで、青空を大きく入れて。
【2017年8月31日16時00分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前-本川町
電車はひっきりなしにやってくる。
でも、クルマに邪魔されたり...、歩道上の方々の予期せぬ動きに惑わされたり。
<変態鉄>のレンズでは、こういう撮り方をすれば遠近法...というのだろうか
台形状に思いっきりパースも、“そういうものだ”と受け入れているタイプ。
これはこれで満足な1枚。しかも、電車も旧京都市電の1900形。
でも、電車に気をとられて街路灯が切れてしまったのが...
【2017年8月31日16時02分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前-本川町
リベンジは2分後のグリーンムーバーLEXだった。
これは“会心の1枚”に近い出来映え。
でも、まさかこの構図を、ソネブロの、やまびこさん(→ こちら)も
半月前にお撮りになっていたとは...。
さて、「原爆ドーム×広電」を撮った後は、そのまま歩いて相生橋を渡って。
隣の本川町電停の近くには歩道橋があって。
【2017年8月31日16時11分】 広島電鉄本線・十日市町-本川町
煙と何かは高いところへ。
<変態鉄>が広電を撮っていて気になったのがコレだった...ということは
これまでの記事でも何回かご紹介の通り。
でも、過去の訪問時は、まだ<ガキ鉄>だった。
“石畳軌道”の魅力になど全然気づいていなかったのが悔やまれる訳で。
オトナの<鉄>として、路面電車を撮るときには“石畳軌道”を探さずには
居られなくなっているのである。(つづく)
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ただフツーの人と違うのは、職種ゆえの勤務時間が特殊なところ。
繁忙期を除けば、14時出社22時退社が所定。だから、その気になれば、
朝、倉敷でキハを撮って岡山空港へ、羽田から会社に直行...などという
“荒技”だって使えるのである。
とはいえ、ふだん22時に仕事が終わるケースは少なく、会社から全力で走って
終電に...ということもあれば、「深夜急行バス」で京王バス東のワンロマ車の
お世話になることも珍しくは無い。(そのかわり、朝(?)起きるのは11時頃)
そして、仕事の中身自体は、決して嫌いでは無い。でも...
いろいろな事があって。帰宅してから、ブログを開くだけの気持ちのゆとりも...
今晩の記事更新は断念しようかなぁ...とも思ったのだが、でも、それでは
何かに負けたような気がして(← 何に!?)。
どんなにイヤなことがあっても、いつか趣味活動に没頭できる日が来る...と
そう信じて、今夜も8月最後の日の広電の写真を見ているのである。
【2017年8月31日15時19分】 広島電鉄宇品線・鷹野橋-市役所前
あの午後も、なぜか、あの鷹野橋の歩道橋に居れば1時間くらいの間に
お目当ての582号車に会えるはず...という、何とも不思議な
自信のようなものがあった。
…… ……
2017年8月31日(木)快晴
冒頭の、もと京都市電1900形を撮って、そのまま振り返れば...
【2017年8月31日15時19分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋
市役所前電停を通過したのは...
「間違いない!! 来た~~~~~ぁ」である。
緑色濃淡のツートンカラー、午後の陽に照らされて銀色に輝く屋根。
582号車が帰ってきた。
「車高の高いクルマだけは来ないでくれっ!!」
もう、心臓バクバク。
【2017年8月31日15時21分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋
信号が変わる。582号車が、日なたに出たところで、兎に角、連写連写。
無我夢中で、この老兵の勇姿を追い続けたのだった。
運転席に座っているのが若いお姉さんであることに気づいたのは
この記事を書いているとき。
さて実は、この電車は、1924年(大正13年)製の神戸市電J車(500形592号)。
中型「ロマンスカー」700形への改造計画があったものの、戦時体制になって
その計画は見合せ。製造から10年程度で改造が計画されたというのだが...
ちなみに、原型は3扉、戸袋窓は楕円形という、これまた大正ロマン溢れる
路面電車だったのである。
中型車への改造が見送られ、大型車のまま更新されて、同市電全廃まで活躍後、
広島入りした。
【2015年10月25日10時11分】 神戸市交通局西神山手線・名谷車両基地
改造されるはずだった700形ロマンスカーは名谷車庫で保存中のものを
イベント時に見学したことがある(→ こちら)。
神戸市交通局時代、戦後しばらくして大幅な車体更新を実施しているものの、
車体の骨組みなどは製造から93年、そのままであるはずで。
現役の電車としては、わずかに“琴電レトロ”よりも古いことになるわけで。
車体更新時に書類上、新造扱いにしているため目立たないのだが、
実は、かなり貴重な車輌なのである。
【2017年8月31日15時21分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋
ということで、兎に角、緑色濃淡の神戸市電色の勇姿を撮りたかったのだ。
神戸市営地下鉄の車庫内に「市電保存庫」があって、秋の一般公開の際に
見ることができるのだが、上半の緑灰色というのだろうか、ダークグリーン系の
色調がちょっと違って見えるのだが...
とはいえ、神戸市電が廃止されたのは自分が生まれる10年ほど前のことであって。
実際の塗色を知るはずも無く。色調の違いだって、単に屋外と屋内の違いなのかも
知れず。とにかく、このカラーが撮りたかった。
歩道橋の近くは日陰になっていて、車体も黒く潰れてしまうのだが、
でも、そんなことも気にせずドンドン連写したのだった。それも、RAW画像の
ありがたさである。現像時に明るさを思いっきり弄っている。
【2017年8月31日15時22分】 広島電鉄宇品線・鷹野橋-市役所前
そして、振り返れば鷹野橋電停を出発してくるのは旧大阪市電の762号車。
京都、大阪、神戸...。
そういえば、昔、JRのCMで“三都物語”なんて言い方をしていたか...。
そんな“三都”の電車たちが続々とやって来たのである。
これは<鉄>的には嬉しいのだが、昭和40~50年台、広電も苦しい時代が。
その当時、老朽化した車輌の置き換えも自社発注の新車...とはいかず、
西日本各地で廃止となる路線の電車を譲受して、
車輌の更新を進めていた時期があったということ。
京都市、大阪市、神戸市、西鉄福岡市内線などの電車が大量に転入、それらを
旧所属時代の塗装のまま運用していたことから「動く電車の博物館」の異名を
とることになった。
もちろん、これらも既に、この582号車を初めとして老朽化が進んでいることは
間違いないのだが、どうやら1都市1両以上は意図的に残してあるような感じで、
この日、京都、大阪、北九州、そして神戸と、一通り、すべての譲受車を
撮れたと言うことで、掲げていた撮影テーマ、“車輌中心の記録写真を撮る”
というのは、もう十分達成したと考えて。
【2017年8月31日15時43分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前(後追い)
再びの1002号車“Flower Train”でやって来たのは、今度こそ、原爆ドーム前。
元安川にかかる橋、その勾配を上がっていく電車を見送りつつ...
左に渡れば原爆ドーム。ちなみに反対に渡って少し入った所が、旧広島市民球場。
【2017年8月31日15時45分】 広島県広島市中区大手町付近
その元安川の相生橋の袂にあった旧産業奨励館が、現在の原爆ドーム。
【2017年8月31日15時46分】 広島県広島市中区大手町・原爆ドーム
改めて、原爆ドームを見るのも中学生の時以来、26年ぶりのこと。
26年前と違うのは、いろいろな国のコトバが飛びかっていたことだろうか。
最近の“Rocket man”の暴挙は...という話題は、他の皆さんのブログにお願い
することにして、<鉄>ブログとして、ここはあっさりと。
【2017年8月31日15時50分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前-本川町
電車通り(相生通り)の橋の下に旧太田川(本川)と元安川の分流点がある。
その三角州にあたる場所にあるのが平和記念公園、元安川にかかる橋を
その平和記念公園の方に渡るその途中で、振り返れば、広電と原爆ドームを
絡めて撮れるポイントとして有名なのだが...
こういう電車の足回りが見えなくなる撮り方が嫌いな<変態鉄>。
そのまま進んで...
【2017年8月31日15時53分】 広島市中区中島町付近
改めて、その姿を。それにしても...
【2017年8月31日15時53分】 広島市中区中島町付近
もともとの「産業奨励館」の時代の姿。
短時間の滞在でも、いろいろと考えさせられる場所で。
さて、<鉄>としては、原爆ドームと広電。
道路の向かい側から撮るのが有名なのだが、南向きにカメラを構えることに
なるので、晴れると確実に逆光になってしまう。
ということで、青空を大きく入れて。
【2017年8月31日16時00分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前-本川町
電車はひっきりなしにやってくる。
でも、クルマに邪魔されたり...、歩道上の方々の予期せぬ動きに惑わされたり。
<変態鉄>のレンズでは、こういう撮り方をすれば遠近法...というのだろうか
台形状に思いっきりパースも、“そういうものだ”と受け入れているタイプ。
これはこれで満足な1枚。しかも、電車も旧京都市電の1900形。
でも、電車に気をとられて街路灯が切れてしまったのが...
【2017年8月31日16時02分】 広島電鉄本線・原爆ドーム前-本川町
リベンジは2分後のグリーンムーバーLEXだった。
これは“会心の1枚”に近い出来映え。
でも、まさかこの構図を、ソネブロの、やまびこさん(→ こちら)も
半月前にお撮りになっていたとは...。
さて、「原爆ドーム×広電」を撮った後は、そのまま歩いて相生橋を渡って。
隣の本川町電停の近くには歩道橋があって。
【2017年8月31日16時11分】 広島電鉄本線・十日市町-本川町
煙と何かは高いところへ。
<変態鉄>が広電を撮っていて気になったのがコレだった...ということは
これまでの記事でも何回かご紹介の通り。
でも、過去の訪問時は、まだ<ガキ鉄>だった。
“石畳軌道”の魅力になど全然気づいていなかったのが悔やまれる訳で。
オトナの<鉄>として、路面電車を撮るときには“石畳軌道”を探さずには
居られなくなっているのである。(つづく)
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