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ひたちなか海浜鉄道開業記念祭 2019(2)那珂湊駅にて [鉄分の濃い旅行記録]

この「ひたちなか海浜鉄道」、訪れるのは3度目なのである。
初訪問は、<変態鉄>がまだ学生だった頃。97年頃の5月、大型連休のイベント。

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【2017年11月8日12時43分】 埼玉県さいたま市大宮区・鉄道博物館

当時はまだ「茨城交通湊線」だった頃。3710(みなと)形という新型車の導入が
進められていた頃だったが、北海道の炭礦鉄道から譲渡されてきた“準国鉄型”の
ディーゼル動車たちや、キハ20形の前に...、昭和20年台後半から30年台最初にかけて
事実上、初めての量産型液体式ディーゼル動車として全国に投入されたキハ11形の
生き残りなど、いま思えば、夢のような路線だったのである。

まさに<葬式鉄>、そのキハ11形がとうとう引退する...ということで、国鉄時代の
塗色に復元され。その姿を撮りに訪れたのだった。

その話題、拙い写真で振り返る記事を拙ブログ初期に掲載している(→ こちら)。
そのとき撮った1両が、旧国鉄キハ11形に復元され、大宮の博物館にいるわけで。
20年ぶりに“再会”を果たせたのは一昨年のこと。

……  ……

そんな“茨城交通湊線”。かつては終点の阿字ヶ浦近くにある海水浴場に向けて
国鉄から長編成の臨時列車が乗り入れていたり...と賑わっていたのだが、
ご多聞に漏れず、クルマ社会になって、また、過疎少子化による通学需要の減少...

21世紀になる頃には鉄道としての存続が危ぶまれる状況になっていた。
現在も「茨城交通」はバス会社として盛業中。でも、湊線(かつては路面電車も
含めて水戸周辺に複数の路線があった)の鉄道事業は...

ということで、第3セクターの「ひたちなか海浜鉄道」が設立され、2008年に
湊線の鉄道事業が移管されることになり。

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【2016年8月27日15時41分】 万葉線・広小路-志貴野中学校前

既存の鉄軌道事業者から引き継ぐ形で第3セクター化された...という点では
富山県高岡市と射水市を結ぶ「万葉線」も、ちょっと似ているだろうか。
こちらも、その路線を譲渡した側の加越能鉄道はバス会社として盛業中。

いすみ鉄道などと同じく公募社長さんによる精力的な経営改善策。
交換設備増設による増発や、タイアップイベントの開催など、大胆な経営施策。
那珂湊駅の駅ネコなどの話題も相俟って、「黒字化近し」となったところで...

2011年に、あの震災。茨城県内も大きな被害があったとのことで、長期運休。
それでも2013年には湊線開業100周年を迎えて。最近になって、予定より遅れて
黒字化も達成したわけである。

「赤字ローカル線を再生した」、そのロールモデル的存在...とも言える路線。

尤も、もちろんそれには“下地”となるものがあったのだが...

さて、そんな湊線。1年ぶりの訪問である。


2019年5月12日(日)晴れ

公式ウェブサイトに載っているのに完全に見落としていたのは...

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【2019年5月12日11時04分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・那珂湊駅

お目当て、キハ205号車の運用が11時に、通常運用に併結の形で始まっていた
ということ。駅ホームでのスナップになってしまったが...

まずは那珂湊駅周辺のイベントの様子を。

でも、その前に...

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【2019年5月12日11時04分】 茨城県ひたちなか市釈迦町付近

トイレを借りにコンビニへ。駅から200 mほど離れたところにあるのだが。
その駅前通り、そのコンビニのちょうど向かい側にあったのが、この石像!?

実は、この湊線沿線のエリア、那珂湊は漁港の街。魚介類が有名なのは言うまでも
ないのだが、イチゴなどの果物のほか「干し芋」も特産なのである。

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【2019年5月12日11時04分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・那珂湊駅

那珂湊駅自体も歴史を感じさせるとともに、かつては街の玄関駅として栄えていた
ことを思わせる瓦葺きの立派な駅舎である。

ちょうど駅舎の右寄り、松の木の陰になっている付近に湊線グッズの販売コーナーが
設けられており。

まずは<鉄>としては、それを入手しておかないと。

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一番欲しかったのは「11周年記念きっぷ」、左側が97年に<変態鉄>も
撮りに訪れた、茨城交通時代のキハ11形。国鉄からの譲受車である。

国鉄の分割民営後、JR東海が最初に投入したローカル線用のワンマン対応の
ディーゼル動車が“第2代”キハ11形だった。“国鉄型”という言い方すら
無かった90年台当時、高山本線などでこの車輌が来ると、車内は快適なのだが
トイレ無し、運賃箱がついていて、何だか味気ないように感じたのだった。

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【2015年8月14日16時24分】 東海交通事業城北線・枇杷島駅

JR東海(と東海交通事業城北線)で長年にわたって活躍したが、時の経過は早い
もので、すでに国鉄の分割民営化から30年余り。“JR型車輌”も置換えが本格化
しており、この“第2代・キハ11形”もステンレス製の、電車と区別のつかない
外観の新車に置き換えられて、東海地方からは姿を消したのだが...

北海道の炭礦鉄道などからの譲受車を大切に使ってきた湊線では“新車”に
なる訳で。数年前に譲渡されてきたのだった。その2世代のキハ11形が11周年を
迎えた、ひたちなか海浜鉄道の記念きっぷのデザインに。

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後は気になった商品とか、オマケを少々。

さすが<ケチ鉄>...、その面目躍如(?)である。
その左下にある小さなパンフ、これは、ひたちなか海浜鉄道のものではなくて
沿線のB級グルメ「那珂湊やきそば」である。

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【2019年5月12日11時41分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・那珂湊駅

改札前の上り列車の発着するホームは木製の支柱が懐かしい、華やいでいた時代を
いまに伝える立派なホーム。そこがイベントのメイン会場のような感じになって。
左の方にメインステージ(もちろん、ホーム上!!)に設けられ。パイプ椅子で
観客席もつくられており。それと改札の間のスペースに露店が並んでおり。
その改札口側、ちょうど左のピンクのシャツを着たオジサンの向こうに
「那珂湊やきそば」の幟が見える。祭の屋台のような感じで焼きそばの販売。

モチッとした感じの太麺で美味しかった。まさか駅のホーム上で焼きそばを
買うことになるとは...

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【2019年5月12日11時40分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・那珂湊駅

ちょうど、そんなタイミングでホームに入ってきたのは、そうキハ205号車を
連結した3両編成だったのである。もちろん、駅撮りであってもキハ20形の姿を。

まさに“暮れのアメ横状態”というか...、狭い駅構内にもの凄い人出である。
そんな中での撮影。とりあえず、キハ205号の姿を写し止めることができれば...

でも、このとき、<変態鉄>にはちょっと気になっていたことが...
それは、この日限定バージョンの1日フリーきっぷの裏面。イベントが行われる
4つの駅、金上、那珂湊、平磯、阿字ヶ浦でスタンプを押すと抽選会に参加できる
というのである。抽選会は別にして、駅名板を模したスタンプは集めてみたくて。

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ということで、駅の窓口で訊いてみれば、ぬぁんと...

駅から歩いて10分ほど、漁港に近いところにあるのだとか...
「どうしようか??」と思うところもあったが、とりあえず駅前の通りを...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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