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晩秋の只見線を撮りに(2)自分には無理と思っていた...徒歩で大俯瞰へ。 [会津・越後のキハ[只見・磐越西線]]

撮影記を書いていると、またまた只見線を訪れてみたくなるのである。

正月明けに少しまとまった休みをとる予定にしていて。ただ、コワいのは「運休」。
最近、特にJR東日本は“除雪車”というのを、老朽化を理由に、次々に淘汰して。
ほぼ“除雪用モーターカー”に統一された。冒頭から、そんなことを言うのは、
「国鉄型ディーゼル機関車がラッセルヘッドを付けて走る方が良い」という
“マニアの願望”だけではない。

<鉄>でない方には見分けが付きにくいだろうが、簡単に言えば
“車両”と“保線用機械”の違いなのである。見た目の違い以上に法令上の...。
ザックリ言うと営業中の線路上に“保線用機械”が存在することはできない。

「機関車」として車籍を持って法令で決められた保安装置(ATSなど)を整備して...
そういう除雪車両なら“特殊列車”(排雪列車)の扱いで運転されるために、
ダイヤも設定されている。反面、「除雪用モーターカー」はあくまで“機械”。
これを動かすには「線路閉鎖」と呼ばれる措置をとってから...となる。

そうすると除雪作業に取りかかると営業列車は一切、運転できなくなるわけで
半日から丸1日にわたって列車の運行が止まるのである。これが“定例化”。

だから、撮りに行っても撮ることができない...というリスクと背中合わせでの
“出撃”となる。ここ2~3年の只見線の運転状況を調べてみても、年末年始から
3月頃にかけては、それに遭遇する確率が、かなり高いのである。

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【2018年12月5日7時27分】 只見線・会津宮下駅

ということもあって、12月アタマを選んだのだが、
「紅葉は終わって雪はまだ」という最も中途半端な時期を選ぶことになったのは
悔やまれるところ。しかも「雨」。撮影記としてはダメダメなのだが...

2日目の朝6時の会津若松の街は地面は濡れていたが、傘をさす必要は無くて。

……  ……

2018年12月5日(火)雨のち曇り

朝5時半の会津若松の街、中心街にかなり近い位置であっても、時折クルマが
通る程度。寒さは思ったほどでは無いが、街灯の明かりだけを頼りに真っ暗な町を
まっすぐ西へ向かうと...

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【2018年12月5日5時54分】 只見線・七日町駅

途中のコンビニでトイレを借りたこともあって、結構、ギリギリ。15分ほどかかって
到着したのは七日町駅である。ちなみに、会津若松駅は若松市街の北側にあって
鶴ヶ城などへのアクセスは、この七日町駅...が一番近い。日中は観光客向けの
循環線の路線バスも停車するが、この時間帯はさすがに誰もおらず。

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【2018年12月5日6時02分】 只見線・七日町駅

駅舎内のベンチには“先客”がお一人。わずかな乗客を乗せてキハ40形の2両編成。

ここからは<速報版>でご紹介した通り。会津高田駅あたりから夜が明けて周囲が
明るくなってくる...というほどにならず。坂下町内に入る頃からキハの窓には
雨粒が...。これは迷いに迷うのである。

<変態鉄>は撮影に行くとき「晴れプラン」と「雨プラン」を準備していることが
多いのである。雨なら“近接戦”、一気に終点(?)の会津川口駅まで乗り通して、
折返しの列車を会津中川駅近くで撮って...というプラン。
雨でも会津川口の町にはタクシー会社もあるので。近くの「道の駅」で時間を潰して
午後の上り列車で戻ってくる...というプランを考えていた。

どちらにするか...、“ダメ元”で大俯瞰に挑戦してみるか、堅実に(?)線路際で
列車写真を撮るに留めるか。

これは迷いに迷った。大俯瞰の下車駅は会津宮下、7時半の到着。終点には8時着。
高校生が一斉に下車して再び閑散とした車内。会津桧原、会津西方...と、
まもなく宮下駅に着いてしまう。最後の最後、「次は会津宮下」の車内放送を聞いて
上着を羽織って...

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【2018年12月5日7時28分】 只見線・会津宮下駅

蒸気機関車だった頃には、ここに機関車の駐泊所が置かれていたのだろうか?!
駅構内にはそのときの給炭設備の遺構と思しきものも残されていて。

そんな駅でキハは、5分ほど停車。

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【2018年12月5日7時22分】 只見線・会津宮下駅

隣のホームに到着する上り列車と交換する。その様子を撮ろうとEOSくんを準備して
待っていたのだが...

それにしても暗くて。絶対に走行写真など撮れないような状況だった。

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【2018年12月5日7時26分】 只見線・会津宮下駅

できるだけ列車を正面がちに捉えると被写体ブレが抑えられるわけで。
ということで、キハ40形の2本並び。長らくキハ40系の“天下”である只見線、
最近は小牛田からの転入車が主流になっていて。車内は少しずつ違いがあるが、
外観はかなり揃っており。そういう意味ではカオスな編成がよく似合う国鉄型キハ
としてはラインナップがちょっと寂しいところだが...

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【2018年12月5日7時42分】 只見線・会津宮下駅

只見線というのはJRでは珍しい位、合理化されず「国鉄のかほり」がよく残っている。
最近まで通票閉塞が残っていた関係もあるのかも知れないが、交換可能駅は無人化
されておらず。このときは消えていたが、駅舎内はストーブが...。

……  ……

さて、<徒歩鉄>の<変態鉄>が“大俯瞰”にチャレンジしよう...とちょっと
無謀な構想を考えたのは...

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【2018年12月5日7時38分】 只見線・会津宮下駅

この存在を知ったからである。観光パンフなどでも只見線の大俯瞰の写真は
よく見かけるが、クルマのない自分には無縁なものだと思っていた。

でも、あるとき、この撮影地について調べているうちに...

「三島町観光協会」ウェブサイト http://www.mishima-kankou.net/20160129-2/

ぬぁんと...、朝の只見線に接続するダイヤで町営路線バスが撮影地ゆきとして。
大俯瞰と言っても町が撮影足場を整備して、遊歩道と展望台のような感じに...。
観光協会に電話して様子を確認。この日の訪問となったわけである。

どうやら、町民向けに三島町の各集落と会津宮下駅(駅前の集落に町役場も...)
町の中心部を結ぶ路線バスとして走った車両の“間合い運用”のような感じ。

8時過ぎに到着したバスに乗り込んだのは自分だけ。

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【2018年12月5日8時09分】 福島県大沼郡三島町大字川井付近

線路の下を潜って国道に出たら、すぐに見えてくるのは「道の駅・みしま宿」。
バスはここまでちょうど5分で500円。2 km少々の道のりだそうだが、初めてと
あってはバスがあるのは非常にありがたい。

バスはすぐに引き返していくわけで。帰りの町営バスは「デマンド運行」。
“道の駅”の売店レジで申込書を書いて提出しないといけない。10時過ぎの便は
9時がその申込み締切時刻で「撮ってから申込み」はできない設定である。

予め、申込みをして...

売店は開いていたが商品の入荷はまだだったようで。仕方なくチョコビスケットを
買って屋外のベンチで空腹を紛らわせたら...

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【2018年12月5日8時39分】 福島県大沼郡三島町大字川井付近

「なぬっ!!」、焦らずには居られなかった。事前に読んできたガイドには
“最上段の撮影ポイントまで徒歩5分程度”とあったので安心しきっていたら...

「ビューポイントD」までは“徒歩15分”、9時過ぎに上下列車があるわけで。
その時刻を考えると「徒歩15分」はギリギリなのである。前日の蓋沼~に続いて...
遊歩道として整備されているが、階段を上っていくわけで。足はパンパン、
だんだん息も苦しくなるわけで。でも、10分とかからず「D」に到着。

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【2018年12月5日8時58分】 福島県大沼郡三島町大字川井付近

先に来ていた“同業者さん”、息も絶え絶え上がってくる<変態鉄>のために
ぬぁんと...ベストポジションを開けてくれて。
(無理を言ってお願いしたわけではありません。)

雨は再び強くなってきて。鉄橋は霞んで見えた。カメラにはバスタオルを掛けて。
ご覧のように、俯瞰撮影地とはいえ整備されておりベンチが置かれ、雛壇状に
足場も整備され、ベンチもあって、俯瞰撮影地というイメージとは...。

まもなく上下のキハがやってくる時刻。地元自治体がJRの協力を得て整備した...
というだけあって、列車の鉄橋通過時刻が書かれたボードがあって。

しかも、これだけ距離があってもキハの音は意外と聞こえてくるモノなのである。
雨に白く霞む只見川第1橋梁、鉄橋に差し掛かるキハの警笛の音が...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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