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2017夏、中国地方へ(12)意を決して、千田車庫へ [イマドキのTRAMたち(路面電車)]

<鉄>として“車庫”というのは気になるもの。毎日、通勤で利用する井の頭線でも
富士見ヶ丘駅に隣接して車庫(富士見ヶ丘検車区)がある。
どうせ、停まっているのは1000系電車だけだが、やはり、ちょっと気になってしまう。

検査を終えた編成が“試運転”の表示で留置されていたり...
それが改造により、姿を変えていたときなどは気になってしまって、
「心中穏やかで無い」といった感じ。

他にも、普段は使われない車輌や事業用車なども気になるわけで。
初めて訪れる路線でも、車両基地には注目せずにいられないのである。
そういえば、拙ブログを初めて間もない頃に、こんな記事も書いている。
この記事にある貨車に、某所で再会したのだが...
(ひきつづき、過去記事に「nice!」、コメント歓迎キャンペーン を実施中です)

ただ、「安全上の理由」などで多くの車両基地は、高いフェンスと厳重な警備で
われわれ<鉄>を“拒絶”していて。そんな中、広電の3つの車庫は、どこも
事務所で一声かければ、車庫の敷地内に入ってカメラを構えられる...、
まさに<変態鉄>にとっては“驚愕の情報”だった。

でも、あくまでネット情報。初めてのときは、やはり緊張するもので...

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【2017年8月31日11時09分】 広島電鉄・千田車庫(許可を得て撮影)

11時過ぎ、意を決して広電本社のドアを開けて窓口へ。
 「車庫で写真を撮りたいのですが...」
そんな<変態鉄>に、応対に出た職員は慣れた感じで
 「では、こちらへ...」

さぁ、お目当ての582号車を探そう。そう、思ったのだが...

……  ……

2017年8月31日(木)快晴

グリーンムーバーLEXの貸切電車に引き続いて、その“続行”のような形で
広告塗装の青い3000形が出てきた。

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【2017年8月31日10時44分】 広島電鉄宇品線・広電本社前-日赤病院前(後追い)

車体は片面が緑色、もう片面が青色という個性的な広告塗装。
こちらも、貸切運用でも入っているのだろうか!?
残念ながら、この日、この後、この車輌には出会えなかった。

さて、そろそろ...

意外と緊張するのである。自分も<鉄>になって30数年、でも、ひとりで
鉄道会社の窓口を訪れて「車庫内を撮らせて下さい」というのは“初体験”。

昭和30~40年台には、あの、国鉄の機関区ですら(?)、いつでも<鉄>に門戸を
開いていたという。ホントに“一声かければ”機関区内に入れて...

機関区内で出庫待ちの蒸気機関車の姿を記録した写真は多数残されている。
でも、<変態鉄>の世代になると、車庫公開イベントとか撮影会とか、
そういうときしか車両基地内に入ることは無かったのである。

いくら図々しい性格とはいえ、見るからに入出庫で車庫内が、
慌ただしい感じの時にお願いに行くのは気が引けるわけで、様子を伺っていた。

でも...

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【2017年8月31日10時46分】 広島電鉄・千田車庫

朝ラッシュ終了後の入庫作業が終わったと思えば、車庫内での入換作業。
お世辞にも敷地に余裕がある車庫では無いのだが、でも、トラバーサは無く
幾重にも繋がる分岐器を通って、車庫の入口付近まで前進、スイッチバックする形で
入換作業が進んでいた。

広電の自社発注車350形が<変態鉄>の目の前へ。

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【2017年8月31日10時48分】 広島電鉄宇品線・日赤病院前-広電本社前

折しも、宇品から「広電前」ゆきとして戻ってきた1900形が道路上で待機。
横川駅からの7号線としてやって来たグリーンムーバーLEXの通過を待って...

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【2017年8月31日10時48分】 広島電鉄・千田車庫

<変態鉄>の眼前を横切って入庫である。

相変わらず入出庫作業に、入換作業に。11時になっても車庫内は忙しそう。
ちょっと車庫前を離れて周囲を1周してみようと。

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【2017年8月31日10時52分】 広島市中区千田町・広島電鉄本社付近

裏手には、立派な赤煉瓦の建物が。1912年(大正元年)、ちょうど広電の最初の
区間が開業するのに合わせて建てられた火力発電所に端を発する歴史のあるもの。
発電所廃止後も変電所としての利用を経て、現在は事務所棟として現役である。

爆心地から2 km余りの位置にある千田車庫、この旧発電所の煉瓦造りの建物も
「被爆建物」の1つでもある。屋根は損傷したが建物自体は崩れず、
それが被爆後3日という早急な運転再開にも貢献したという。

でも、この頃、<変態鉄>はちょっと...

車庫の裏手には道が無いので敷地外から全容は分からないのだが...
そう、お目当ての570形582号車の姿が見えないのである。

……  ……

さぁ、いつまでもボーッとしても。

11時過ぎ、意を決して広電本社のドアを開けて窓口へ。それが冒頭の話。
運転士さんか助役さんだと思うが...、制服姿の職員の後に続いて車庫の中へ。

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【2017年8月31日11時15分】 広島電鉄・千田車庫(許可を得て撮影)

「記帳するところがありますから、そこの人の指示に従って...」
まずは線路の左側にある詰所へ。A4版の藁半紙というか...再生紙のような紙を
綴じたファイルが開いておいてあり。そこに住所と氏名、年齢とか...

チラッと見た感じでは、毎日、2~3行ずつ。つまり数名ずつ。
自分のような“お一人様”も居れば、数名のグループもあるみたい。
広島県内の住所が多いが自分のような遠くからのファンも少なくなく。

そこで受けた注意事項というのは、

・ 検修庫内には立ち入らないこと
・ 留置中の電車内にも立ち入らないこと
・ 帰るときには、もう一度、詰所の人に声をかけること

の3点。意外とあっさりだった。さぁ、そうなれば早速、撮影開始。

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【2017年8月31日10時58分】 広島電鉄・千田車庫(許可を得て撮影)

詰所のドアを閉めれば、このシーン。“軽快電車”800形と京都から来た1900形の
並びシーンである。3つの車庫のうち、千田車庫は“単車”を中心に市内線用の
電車が所属し、それと同時に工場も併設され、宮島線用のものも含めて大がかりな
修繕・検査(全般検査)も担当しているという。

庫外にいるのは、主に市内線所属の車輌たち。

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【2017年8月31日10時59分】 広島電鉄・千田車庫(許可を得て撮影)

残念ながら、この日、運用中の姿に出会えなかったのは左の650形。
651号は1942年(昭和17年)木南車輌で製造、3年後に宇品線・中電前付近で
被爆して半焼している。稼働中のものは3両となった被爆電車の1両。

隣は350形。こちらは1958年(昭和33年)製造。いまでは市内線専属だが
最初期の宮島線直通認可車でもある。

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【2017年8月31日10時59分】 広島電鉄・千田車庫(許可を得て撮影)

向こうの線路にいるのは768号「TRAIN ROUGE」、フランス語で“赤い電車”だろうか、
フランス語の“R”の発音が苦手だったのは、学生時代の<変態鉄>。

車内には、電車の揺れに対応したビールサーバーなどを備えたイベント電車。
“赤い”というのは、たぶん“カープ”を...
2016年のリーグ制覇では記念電車にも充当されたというが、今年については未発表。
今週末には花電車の運行も予定されているとのこと。撮りに行きたいが...。

そして...

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【2017年8月31日11時01分】 広島電鉄・千田車庫(許可を得て撮影)

前記事でも取りあげた、猿猴橋町で撮ることができた3000形連接車は
朝の仕事を終えて休憩中。こう見ると、6車体連接車のようにも見えて...

そんな、<変態鉄>が夢中になってカメラを向けている時にも、もちろん、
車庫内での通常の業務は粛々と行われているわけで...

続いて、奥から姿を現したのは... (つづく)

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