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2017夏、中国地方へ(10)まさかっ...!! [イマドキのTRAMたち(路面電車)]

現在の広電は、市内の軌道線と鉄道線の宮島線を合わせて全長35 km、そこに
さまざまな車種が計130両(編成 ; 連接車は複数車体でも「1両」)が走っている。

だから、他都市の路面電車とは違って「撮る」といっても、ターゲットを絞って
おかないと、いくら時間があっても足りないのである。この日は、<速報版>にも
書いていたとおり、

・ 情景ではなく、各形式の車輌全景が見えるような記録写真
・ 市内線区間での撮影に専念し、宮島線には行かない

という2つの“基本方針”を定めていたのだった。
その中でも最も撮りたかったのが、この電車。

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【2017年8月31日15時21分】 広島電鉄宇品線・市役所前-鷹野橋

神戸市交通局で活躍後、神戸市電の廃止により1971年(昭和46年)に広島入り。
銀色の屋根、渋い緑色濃淡の“神戸市電色”、神戸からは3形式、まとまった数が
広島入りしたはずだが、すでに神戸時代の塗色を保つのはこの1両だけに。

この582号車に会いたいと思っていたのだが、それが何と...
ここから、夕方まで長い闘いが始まるのだった。


……  ……

2017年8月31日(木)快晴

冒頭に書いたような“車輌中心”の写真を撮るとなると、とりあえず、
最も撮りやすい場所は交差点。特に広島は早い時期から電車誘導信号(黄矢印)が
整備されたので、右左折を待つところを狙うというのが...

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【2017年8月31日8時44分】 広島電鉄本線・猿猴橋町-的場町

猿猴橋町と的場町の間、荒神三叉路で駅前通りから相生通に90度曲がる。
その荒神三叉路と的場交差点の間には猿候川を渡る。そう、建物の影を気にせず
車輌写真が撮れるのである。

「ぐりーんらいなー」3900形がやって来た。四半世紀前に高校生だった<変態鉄>が
初めて本格的に広電を撮ろうとして訪れたとき、この車輌が最新型だった。
5000番台の形式番号を持つ超低床連接車の影に隠れてしまって、“エース”の座は
譲り渡しただろうが、いまも宮島線直通の2号線系統で活躍中。

そして...

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【2017年8月31日8時48分】 広島電鉄本線・的場町-猿猴橋町

やはり、吊り掛け車。続けて3000形。やはり、皆実線の5号線系統で。
25年前の訪問時には、連接車が宮島線直通系統以外に入るのは“例外中の例外”
だったのだが、いまでは少し古めの連接車たちは市内線専属になっており。

“吊り掛け連接車”も迫力満点だが、「グリーンムーバー」シリーズの増備も
進んでおり。

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【2017年8月31日8時48分】 広島電鉄本線・的場町-猿猴橋町

その3000形を撮っている間にも、後続の2号線系統「ぐりーんらいなー」が。
車体長25メートル級の3車体連接車が2本“縦列停車”で信号待ち。

こんな光景は他都市では絶対に見られないのである。

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【2017年8月31日8時49分】 広島電鉄本線・的場町-猿猴橋町

というわけで、広島駅に向かって去って行く姿を撮って。
それにしても、3004号車の車体、足回りも含めてピカピカだった。
検査上がりだったのだろうか、美しい姿を記録できてラッキーだったのである。

コンビニに立ち寄ったりしながら、的場町を過ぎて稲荷町まで歩いた。

この朝、吊り掛け車は3000形連接車にしか出会えていなかった。
朝ラッシュに広島駅に乗り入れる系統は、連接車を優先的に使っている??

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【2017年8月31日9時07分】 広島電鉄本線・的場町-猿猴橋町

“単車”も大柄車体の800形しか見かけず。
そんな中、初めて出会った旧型車が1900形。緑色の塗り分けにオレンジのラインは
京都市電のワンマン車塗色。古い車輌なのに、使いやすい車輌なのだろうか、
15両全車が健在、廃車もでておらず、この形式だけは日中も多くが稼働していた。

と、橋を渡ったところが的場交差点。ここで本線と別れて南へと向かうのが
皆実線、広島港(宇品)へのショートカットのルートである。

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【2017年8月31日9時08分】 広島電鉄皆実線・猿猴橋町-的場町

さきほど撮った3004号車が折り返してきたところを。
やはり、3車体25メートルという車体は長い。ズームを広角側に回して何とか。

市街中心部へと向かって歩いているつもりだが、こうも頻繁にいろいろな電車が
やって来てしまうと、なかなか進まないもの。

そんなことを思っているうちに...

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【2017年8月31日9時09分】 広島電鉄本線・猿猴橋町-的場町

3004号車の後にやって来たのは旧京都市電の1900形。
わずか1分差で5号線(皆実線経由)が続けてやって来た。

ぬぁんと、1900形どうしの離合シーンである。

……  ……

いつまでも撮っていても...

隣の稲荷町電停にちょうどやって来た1号線・広島港(宇品)ゆき3700形連接車に
乗り込んだのだった。

路面電車には珍しく、広電では3車体以上の連接車には1~2名の車掌さんが乗務、
女性の車掌さんから1日乗車券を購入した。

さきほど撮った3000形も宇品方面に向かう電車だったが、5号線の皆実線
というのは戦時中に、工員輸送などを目的に急遽できたショートカットのルート、
1号線は市内中心部の紙屋町東を経由し、ぐるっと回り込むような形で宇品に
向かう。

その紙屋町交差点を挟んで線路はT字型になっている。西広島(己斐)から来る
3号線の広島港(宇品)ゆき電車が、自分の乗る3700形のお尻にピッタリくっつく
ような状態で続行してきたのである。

これは、一気にテンションが上がるわけで。
でも、ピッタリくっついてくる...ということは、途中の電停で下車しても
走行写真を撮るのは困難。

「どうしよう?!」
そのとき“妙案”を思いついた。そう、終点で折り返すときを狙えば。
宇品まで乗り通すことを決定っ!!

はたして...

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【2017年8月31日10時01分】 広島電鉄宇品線・広島港(宇品)電停(後追い)

10時に宇品へ。フェリーターミナルに隣接しており、ホーム3本の
立派な“終着駅”である。自分が降りるやいなや、隣のホームに582号車。

「では、折返し待ちの間に撮影できる場所を探そうか...」

と、思ったら、何と!! ホームに到着した瞬間に発車を告げる放送が流れて。

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【2017年8月31日10時02分】 広島電鉄宇品線・広島港(宇品)-元宇品口(後追い)

「聞いてないよ~~ぉ」、まさかだった。
運転士さんは、折返しのため反対側の運転台に移動して。運賃箱や放送テープの
準備など、時間がかかるはずなのだが...

1分とかからぬ“早業”であっという間に折返し。
逆光、でも、ホーム端まで追いかけていって必死にシャッターを押すのが
精一杯だった。

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【2017年8月31日10時07分】 広島電鉄宇品線・広島港(宇品)-元宇品口

順番が変わって、自分が乗ってきた3700形が、その後に広島駅ゆきとして
折り返した。そう、こんな順光下で582号車を撮りたかったのだが...嗚呼。

でも、行き先は「広電前」。ということは入庫するはずで...(つづく)

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