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美作にキハを追って(3)ミモザの駅!? [路線バスの旅]

昨日は、小湊鐵道への“出撃”のため、1回お休みしたこの話題。
今日から再開である。

7月2日、<変態鉄>は念願叶って旧・同和鉱業片上鉄道線の吉ヶ原駅の展示運転を
訪れたときの話題。

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【2017年7月2日14時26分】 片上鉄道保存会・吉ヶ原駅

吉ヶ原の隣、柵原鉱山で産出される硫化鉄鉱を片上港へと輸送していたのが片上鉄道。
1991年(平成3年)に廃線となるのだが、1980年代前半の吉ヶ原駅について、
フジトモさん(→ こちら)からコメントをいただいた。

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ということで今日の記事は、その話題から。

……  ……

当時、アイドルだった菊池桃子さん出演のグリコ「ポッキー」のCMの中で
「ミモザの駅」のロケ地となったのが、この吉ヶ原駅だった。

世の中、便利になったもので「菊池桃子 CM 吉ヶ原」などと検索すると
画像などもたくさん上がっていて。

昨日の記事の最後に掲載した写真。
路線バスで吉ヶ原に到着したところで、三角屋根の吉ヶ原駅舎を撮ったもの。

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【2017年7月2日9時14分】 片上鉄道保存会・吉ヶ原駅付近

そのCM画像とはカメラポジションが反対側になるのだが、国指定登録有形文化財
でもある吉ヶ原駅舎に、桃子さんがぬぁんと自転車に乗ったまま、ちょうど
この写真でいうと左から右へ駆け抜けるように駅舎内へと入っていく。

当時のCM画像でも、このトンガリ屋根の駅舎の様子はあまり変わらず。

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【2017年7月2日13時57分】 片上鉄道保存会・吉ヶ原駅

そのまま改札口を自転車のままで通過し、ホームに自転車を止める。
自転車を置いた位置は、キハのすぐヨコに見える上屋の支柱付近である。
ちょうど若い男女が話をしている付近である。

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【2017年7月2日11時33分】 片上鉄道保存会・吉ヶ原-黄福棚原

CMの最後の方では、その駅の様子を遠望するようなシーンがある。
これは、駅の柵原方の端にあたるポイント付近。鉱山公園として整備されるに
あたって駐車場入口の踏切が置かれている少し後ろ側からの撮影と考えられる。

農道側には当時からのものと思われる打鐘式の踏切機が稼働している。
警手小屋があって、保存会のスタッフが汗を拭いながら丸いハンドルをグルグル
回して遮断竿を上げ下げするタイプである。

当時、柵原鉱山から産出された硫化鉄鉱の積み出しが行われたのが吉ヶ原駅。
そのため、当時の構内は非常に広く、無蓋貨車に鉱物を積み込むための側線が
たくさん伸びていたとのこと。でも、駅構内の配線はそう大きくは変わっておらず
駐車場の通路として舗装道路ができたため(踏切も設置)、
ちょっとカメラポジションは難しく、また、線路配置も多少し変わってはいるものの
CMの画像とほぼ同じ写真を撮ることは可能だと思われる

ちなみに、1978年生まれの<変態鉄>の中で、菊池桃子さんを“アイドル”という
カテゴリーには入っていなかったので...、う~ん。

誰だろうなぁ~、自分が子どもの頃のアイドル。ちなみに、中学生になって
自分の小遣いを貯めて、生まれて初めて自分で買ったCDは、
最近、TV-CMでも再び見るようになった人。江口洋介の奥さんの曲である。

こんな<変態鉄>でも、10代の頃は、ちゃんとCDショップなども覗いていた。
夜更かししては、毎週、TVでCDシングルのチャートとかもチェックしていた
のだが...。「最近の曲は、どれも同じで全然分からん...」などと言いつつ、
自分が学生時代に聴いた曲を「懐かしの90年台ヒット曲」などというTV番組で
見つけては喜んでいるというのもオッサンになった証だろうか??

さて、話が逸れている。そんな「ミモザの駅」というか吉ヶ原駅に向かうのには
岡山駅東口を朝7:21発の路線バスで。

……  ……

2017年7月2日(日)くもり一時雨

“鉄道路線が廃止されると街が寂れる”のか“街が寂れたから鉄道路線が廃止される”
のか、<鉄>の間でも議論の分かれるところ。でも、鉄道路線が廃止になった地域、
往々にして数年、あるいは十年のスパンで見ると路線バスも減便を経て廃止...
公共交通機関でのアクセスが困難になってしまうところが少なくない。

吉ヶ原へのアクセスも決してラクでは無いのである。

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【2017年7月2日6時55分】 岡山県岡山市北区本町付近

岡山駅東口を7:21発の宇野バス。「新道河本経由ネオポリス東ゆき」という系統。
バスは終始、数名の乗客。電車通りを進み、柳川の交差点を左折、法界院を過ぎると
津山線の線路に並行して旭川沿いの北上。玉柏駅の近くで旭川を渡ると東へと
どんどん入っていくのである。住宅街を抜け、高速道路の下に出れば新道穂崎バス停。
ここまで30分余り、340円。

その新道穂崎バス停では、宇野バスの出発を待っていたかのように1台のマイクロバス。
「赤磐市広域路線バス」である。

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【2017年7月2日8時44分】 岡山県久米郡美咲町高下付近

もともと宇野バスの系統だった、岡山駅-林野駅線、数年前に北側の区間から
宇野バスが撤退して、自治体のコミュニティ路線のような形で、新道穂崎以北の
湯郷・林野方面へ続いている。7:55発のバスは終始、2~3名の乗客。

自分の前の列に座った中年の夫婦は、「片上鉄道保存会」のウェブサイトを
プリントしてきたものを2人で読んでいた。ということは...
テープによる車内放送の“声の主”も宇野バスと同じ、バス停のポールも
宇野バスのものをそのまま使う...といった具合で。

途中、菊が峠のドライブインの向かい側に、片上鉄道のキハが保存されており、
バスの車内からも見ることができたが...写真は撮れず。嗚呼。

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【2017年7月2日8時44分】 岡山県久米郡美咲町高下付近

8:42、高下(こうげ)バス停に到着したのである。
1つ手前の周匝(すさい)バス停が赤磐市の中心部、吉井川の支流、吉野川に
架かる橋を渡ると、美咲町に入って最初のバス停が高下。一面の田園地帯、
近くには片上鉄道の廃線跡を転用したサイクリングロードがあり、
説明看板なども設置されているのだが...
それならぜひ訪問してみたい気もするが、路線バスの不便さを考えると...

運賃550円を払って高下バス停で下車。

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【2017年7月2日8時47分】 岡山県久米郡美咲町高下付近

すぐヨコの交差点を曲がれば、中鉄北部バスの高下バス停なのである。
ここでバスを待ったのは自分だけ。

「あれっ!? さっきのご夫婦は...」
高下から吉ヶ原までは4キロ余りとのことで、廃線跡のトレッキングだろうか??
さて、9時前、津山市街から中鉄北部バスの路線バスが回送で現れた。

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【2017年7月2日9時14分】 岡山県久米郡美咲町付近・中鉄北部バス車内

バスの乗客は自分ひとり。8:58、定刻で発車するが、特に乗客も無く。
「つぎは、どんどん」、運賃表示に連動して車内放送がどんどん次の停留所を
アナウンスするのだが...

「えっ!? どんどん!?」、“どんでん”ではないのである。

以前、路線バスで伊豆半島を縦断したとき、東海バスで通った天城峠近くの
バス停に「かたつむり」というのがあった(→ こちら)。
鉄道の駅より数が多く、改廃も激しいので取り上げられる機会も多くないが、
でも「珍名バス停」というのは、意外と多いのかも。

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【2017年7月2日9時14分】 岡山県久米郡美咲町吉ケ原付近

「次は、吉ヶ原」と告げる放送を聞いて降車ブザーを鳴らすのだった。
交差点を右折、吉ヶ原駅のトンガリ屋根の駅舎が視界に飛び込んできた。

ちなみに、宇野バス → 赤磐市広域路線バス → 中鉄北部バス と、
3つの路線バスを乗り継ぐこのルート、岡山側、海側からの吉ヶ原への
アクセスで最も安くて速いコースなのである。和気、片上方面への路線バスが
廃止されて久しく、いま乗ってきた中鉄北部バスでそのまま津山駅前に抜けるか
その2つしか選択肢がないのである。

9時過ぎの吉ヶ原、展示運転は10時開始だが、それに先だって保存会の皆さんの
手で車両の移動作業が始まっていた。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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