路面電車のダイヤモンドクロスを見る旅（２８）四国で阪堺

覚えているだろうか??

ブログではすでに1ヶ月以上引っぱっているこの旅の模様。


【2016年3月1日11時29分】　阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前電停

実際には2月29日出発、最終日が3月4日、4泊5日の旅の前半は大阪だった。
そう、阪堺電車の古豪モ161型を撮っていたのである。

そのモ161型もすでに大半は廃車となり、現役で頑張っているのはわずか4両、
でも、わずかながら保存された車両もあり、モ175号車はここ丸亀の
ショッピングモールで店舗として活用されている。
しかも、阪堺時代の標準塗装に塗り戻されている...と聞いていた。
……　　……

2016年3月4日（金）曇り一時晴れ

うちわの町としても知られる丸亀市。瀬戸内海に面した小さな城下町でもある。
そんな町に到着して、＜変態鉄＞が向かった先は、お城や市役所がある
市内中心部ではなく、海に突き当たるしかない駅の北側のエリア。

ほとんど歩いている人影もなく、海の香りがしてきた頃、大きなバイパス道路に
突き当たった。郊外型の店舗が並ぶ一画、大型トラックがスピードを上げて
行き交うような道路である。

前夜、ネットの地図でだいたいの場所を確認しておいてからの訪問。
駅近くのコンビニに立ち寄っても、徒歩15分ほどで到着した。

でも、件のショッピングモール、名前は「パブリックプラザ丸亀」。
場所はすぐにわかったが何かが変なのである。
まだ10時前、早い時間の訪問だったから...だろうか、でも。

開店準備をしているお店はあるにはあったのだが、思ったよりも遥かにガランとした
感じで広大な敷地ばかりが目立っていたのである。とにかく人の気配がない。


【2016年3月4日9時32分】　丸亀市蓬莱町・パブリックプラザ丸亀付近

勇気を出して(?)、その敷地内に入れば、電車の場所はすぐにわかった。
軌間は1067ミリと1435ミリだろうか、青函トンネル顔負けの「三線軌条」である。

しかも、動態保存でも考えているのかと疑いたくなるほど長いレール。
その向こうに黄緑色に白帯の、阪堺電車の姿が見えていた。


【2016年3月4日9時33分】　丸亀市蓬莱町・パブリックプラザ丸亀付近

何やら、工事をしているのか??
でも、電車に近づいてみてガッカリというか、心配せずには居られない状況。

阪堺モ175号車は、手元の資料によれば1927年（昭和2年）製のモ151型の1両。
後にモ161型に編入されている。もちろん、半鋼製車体なので、骨組みや外装は
鋼製でも車内や部品類は木でできたものが多く、保存車の場合、木部から
痛んでしまうケースが多い。


【2016年3月4日9時33分】　丸亀市蓬莱町・パブリックプラザ丸亀付近

まず、屋根の雨樋は腐食が進んで浮き上がってしまっている。
そして、反対側を見ればコレ。


【2016年3月4日9時36分】　丸亀市蓬莱町・パブリックプラザ丸亀付近

扉も木でできている。木部の腐食が進んだのか、それとも出入り自由な場所だけに
イタズラされて蹴破られたのか、客扉にはすでに大きな穴が開いていた。
こうなれば、車内に雨水が吹き込み、車内外の傷みはいっそう進むことになる。

そもそも揚げパン屋さんとして活用されているはずなのだが、営業しているのだろうか??


【2016年3月4日9時36分】　丸亀市蓬莱町・パブリックプラザ丸亀付近

工事用足場がかけられているが、どうか、解体撤去とはならないように...
できれば、大阪に里帰りさせてあげて大事に保存してくれるところに...と思うが、
それは単なるマニアの妄想に過ぎないわけである。


【2016年3月4日9時41分】　丸亀市蓬莱町・パブリックプラザ丸亀付近

ガランとした大型店舗は大手家電量販店の跡。「貸店舗」の貼り紙が寂しく。

久々に、先行きが不安な保存電車を見てしまったのである。
＜変態鉄＞としても気になっている阪堺電車である。どうか、再整備されて
美しい姿を見せてくれるのを期待してならない。

……　　……

さて、この日、丸亀を訪れようと思った目的はもうひとつあった。


【2016年3月4日10時59分】　予讃線・丸亀駅

それがコレ。2面2線の高架ホームからは後ろにお城が見えている。
予讃線に乗る度にコレが気になっていた。


【2016年3月4日10時56分】　予讃線・丸亀駅

駅舎を抜け、こんどは南口から商店街を抜けてお城を目指すのだった。（つづく）

（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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