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南部縦貫鉄道「レールバス 夕暮れ撮影会」(5)

13時過ぎから順次、外へ出てくる南部縦貫鉄道の保存車たち。

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【2023年10月8日13時44分】 旧 南部縦貫鉄道線・七戸駅

先陣を切ってレールバスが出てきて...
庫内で作業をしているスタッフと、線路際に立って安全確認しているスタッフが無線で連絡を取り合いながら、順番に出庫させていて...

1両あたり数分から10分程度。その間に、集まった<鉄>たちはカメラのポジションを変えることができて。キハ101、102のレールバスと、キハ104号車が姿を現すと続けて機関車の出庫作業になる。

開業時、砂鉄輸送の貨物牽引が期待されて...

旅客車が小型のレールバスだったのに対して、ディーゼル機関車は開業に合わせて45t機を日立製作所笠戸で新製しており。こちらは当時のディーゼル機関車の“標準機”で。それだけ貨物輸送への期待が高かったことが分かる。残念ながら砂鉄輸送は叶わなかったが、線内貨物に活躍して...

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南部縦貫鉄道「レールバス 夕暮れ撮影会」(4)レールバスだけでなく...

南部縦貫鉄道は、地方私鉄としては開業はかなり遅い部類、むしろ、同規模、同種の路線を持つ鉄道会社の多くがバス転換に舵を切る時期に、建設工事が進められたのだった。

それは、「むつ製鉄」の砂鉄輸送を期待されてのこと。開業当初に天間林村で砂鉄の試掘が行われ、その輸送試験の貨物列車が走った...という説があるが、“砂鉄から鉄鋼をつくる”こと自体の技術が実用化にいたるレベルに達していなかったこと、あとは、輸入鉄鉱石を使った製鉄の方がコストも効率もよく、砂鉄を採掘する必要がなくなったこと...期待された割には、開業時点では砂鉄輸送の貨物列車が走る可能性はほぼ消えており。
それでも、国鉄東北本線から千曳、野辺地経由で継送される貨物などもあって...終始、経営的には苦しかったようだが、それでも沿線の足として。

もともと沿線は人口希薄な地域でもあって。当初から旅客輸送はアテにしてなかった...とはいっても、定員60名のレールバス2両だけでは地元の通学輸送には不足したようで、開業直後、常総筑波鉄道から譲渡された古典気動車キハ103号車が“助っ人”として...、でも、まもなく自走不能になり、貨物輸送が少なく暇にしていたディーゼル機関車が牽引した客レのような形で走らせて凌いで...。そんなところに、新たな助っ人として、1980年(昭和55年)、国鉄からキハ10形1両を譲受する。

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【2023年10月8日13時40分】 旧 南部縦貫鉄道線・七戸駅

それが、キハ104号車。
“大型車”といっても、20 m車だから極めて標準的な車体長。でも、同社のレールバスから見たら2倍のサイズ。ホーム長が足りず、前ドアしか使えなかったり、車体が大きい分、燃料消費が多く、あまり使われなかったようで。

1997年の休止(実質的な廃止)の直前に全国から殺到した<鉄>を捌くのに大活躍したというのが、何とも皮肉な...

でも、現在、国鉄キハ17系ディーゼル動車では唯一、動態で残っている個体として極めて重要なのである。同社で唯一の国鉄型キハでもあり。<変態鉄>としてはレールバス以上に...同等くらいに、この日、注目していた1両だった。

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南部縦貫鉄道「レールバス 夕暮れ撮影会」(3)レールバス出庫

昨日は記事を書きかけたところで...

昨日の記事で触れた、RMライブラリー。もともと1,200円の書籍を送料込みで3,000円だったが、それでも満足な内容だった。
資料性もあり、筆者が高校生の頃から廃止に至るまで何度も通った、その時に見聞きしたことなど。

1962年(昭和37年)開業から1997年(平成9年)に休止(事実上の廃止)となるまで、もともと鉄道が必要なほどの輸送需要も沿線人口も産業も無かった地域。何としても、その青森県南(南部地方)、旧陸羽街道沿いにありながら鉄道のルートから外れてしまった七戸の町の皆さんの熱意で存続してきたということも、よく理解できた。

実際には砂鉄製鉄の計画が早々に頓挫し、開業して間もなく会社更生法の適用を受ける。タクシー事業に加えて沿線の学校の給食、スクールバスの運行、ゴミ収集など業務の多角化で、沿線自治体の協力もあって生き残ってきた鉄道だった。

開業当初、そんな「むつ製鉄」の貨物輸送が頼りだった...という1つの“傍証”となるのが、キハ101、キハ102の2両のレールバス。

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【2023年10月8日13時13分】 旧 南部縦貫鉄道線・七戸駅

開業から廃止(休止)までこの路線と運命をともにした2両のレールバスは、開業に合わせて1962年(昭和37年)に富士重工宇都宮で製造された。
バス用の部品を多用し、その頃のバスの車体に合わせたモノコック・ボディ。日野製のエンジン部品が80年代末に底をついたのも同線の運転が途絶える一因だった。鉄道車両より遥かに寿命が短いバス、その部品を使った車両を35年維持し、その後も動態で残した...のは、同社と沿線の熱意あってこそのものだったのかも知れない。

さて、13時。「レールバス愛好会」の皆さんも驚くくらいの来場者数の多さだったようで。予定時刻になったのだが、来場者の押し寄せる波はとどまるところを知らず。そんな人たちも撮影場所を見つけられるよう、5分ほど出庫を遅らせて...

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南部縦貫鉄道「レールバス 夕暮れ撮影会」(3)...を書くつもりが!?

タイトルに偽りあり??

今日の話題に入る前に。
 
※ おことわり
書いている内に話が長くなり、南部縦貫鉄道レールバスの話題には入れませんでした。


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【2023年10月8日14時35分】 旧 南部縦貫鉄道線・七戸駅

最近はブログ記事を出勤前に書き終えて「予約投稿」の設定をしてから出かけることが多い。

でも、実は、今日はまるで合格発表を待つ受験生のような気持ちでパソコンの前に座っている。

来週の前半、ちょっと休みがとれそうな感じになってきており。
それならば...

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南部縦貫鉄道「レールバス 夕暮れ撮影会」(2)七戸駅

そういえば、10年ほど前に“八戸”で泊まったことはあったが、“七戸”とは縁がなく。
“七戸駅”と言われても、今ひとつ、ピンとこないのだった。そう、七戸町域は青い森鉄道(旧東北本線)の線路がかかっているものの駅は無く、南部縦貫鉄道の廃止以降、東北新幹線の「七戸十和田」駅開業まで町域に鉄道駅が無かったとのこと。現在、「新幹線駅しか鉄道駅がない自治体」というのは佐賀県嬉野市と、この七戸町だけなのだそうで。

東北本線の野辺地駅から、そんな七戸へと至る鉄道路線の開業を目指す...のは、昭和の頃には当然の流れだったのかも知れない。

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【2023年10月8日16時36分】 旧南部縦貫鉄道・七戸駅

南部縦貫鉄道は、沿線開発を目的に沿線自治体などが出資する形で設立された。ただ、特に大きな産業もなく自治体の財政も厳しく直後に資金は底をつき。線路の敷設までには紆余曲折あったみたいで。

結局、沿線の天間林村の砂鉄を使った製鉄の計画が持ち上がり、その貨物輸送を見込んで「むつ製鉄」が出資する形で1962年(昭和37年)、東北本線の野辺地から七戸までの21 kmほどの全線が開業する。

そのターミナル駅が、この七戸駅だったという。2面2線のホーム、2階建ての駅舎は南部縦貫鉄道本社も併設されて。構内には売店もあったとか。
ホームの向かい側には機関庫があって。

そんな七戸駅。撮影会の開始が迫り、どんどん人が集まってくる中...

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南部縦貫鉄道「レールバス 夕暮れ撮影会」(1)ぷろろーぐ

またまた長い記事になりそうな予感。
とはいっても、東北本線の夜行列車に乗っていて...、つまり、あれは野辺地駅だったのだろうか。朱色の小さなディーゼル動車を見かけた程度の記憶しか無く。当時は「撮ろう」とも「乗ろう」とも思うことはなかった。

青森県の七戸と野辺地、21 kmほどを結んだ南部縦貫鉄道は、1962年(昭和37年)に開業、沿線で採掘される砂鉄の輸送を見込んでのものだったとされるが...、いろいろと紆余曲折あって。それでも沿線に愛され、1997年(平成9年)5月の廃線(休止)まで走り続けた。

結局、<変態鉄>は訪れたことのない路線だったが、それでも「レールバス」、キハ101、キハ102号車のことは知っていた。

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【2023年10月8日14時45分】 旧 南部縦貫鉄道線・七戸駅

丸っこいボディの2軸車。何と言っても機械式気動車、古いバスのようなリベット(鋲)止めの車体。
写真で見ただけで、その超個性的なディーゼル動車に魅せられずには居られない訳で。廃線後も「保存会」の手で、七戸駅構内に動態で保存され。
その撮影会が催されると知ったのは、ちょうど1ヶ月位前のこと。

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秋の小湊キハを撮りに(6=最終回)こみなと待合室

<変態鉄>も普段は1人の会社員である。金曜の仕事で“失言”をしてしまって...、土曜はお詫びからスタートする1日になるのかも。そう思うと、ちょっと憂鬱なのである。

日曜日は天気が良いようで。でも、<変態鉄>は、ちょっと買い物に行く程度、あとは仕事が終わっていないのである。この土日は結構、忙しくて。それでも、来週の...23日からは、ちょっと仕事が落ち着くタイミング。休みをとる予定にしている。すでにヒコーキは予約していて、あとは細かなスケジュールを決めるだけ。時刻表を見ながら、アレコレ悩む...<鉄>にとって一番、幸せな時間なのかも知れない。仕事の合間を縫って日曜日にはプランをまとめてしまいたい。

さて、10月5日の小湊鐵道の話題も今日で最終回。

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【2023年10月5日17時53分】 小湊鉄道線・五井駅(こみなと待合室)

高滝駅近くの、清澄養老ライン(県道81号線)の踏切付近、築堤のところに良い感じに夕方の光が射していて...
そこで、乗車予定だった上り第32列車まで撮ったのだった。

ということで、帰りは1時間遅れになるのだが...
次の第34列車の10分前に、下り第29列車が通過する。ちょうど日の入り間近、周囲の景色がみるみるうちに茜色に染まっていく。そうなるとカメラを持って...

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秋の小湊キハを撮りに(5)高滝駅

今日の話題に入る前に。迷った末、支払い期限当日の晩になって、とうとう「ポチッ」としてしまった。
体調はまだ万全ではないが、“出撃”に向けて。雪に閉ざされる前に<変態鉄>は、再び北へと向かうのである。今度は「鉄印帳」の旅がメイン。
ちょっとだけ撮影したいと思っているものの...

  ♪ ご覧 あれが 竜飛岬 北のはずれと 〜〜

と、そこを新幹線で一気にくぐり抜けるか、あるいは、フェリーにするか...など、一部が未定なまま。詳細なプランづくりを急がないといけない。

さて、10月5日の小湊鐵道撮影記。

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【2023年10月5日15時52分】 小湊鉄道線・里見-高滝

この時期、午後になっても青空が広がっていると、やはり、夕方の斜光線と“ギラリ”を期待せずには居られない。
でも、やはり、線路際の雑草がスゴくて、すっきり線路周りを見通せる場所は...。ただ、いままで注目せずに通り過ぎていた場所、背景がちょっとゴチャゴチャするが、夕方の光を受けて走るキハの姿を撮れる場所を見つけたのだった。

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秋の小湊キハを撮りに(4)上総久保駅

SNSというのは“情報収集”の面でも、いまや趣味活動に欠かせないものになりつつあって。
「作例写真」というのも、昔のように鉄道誌のバックナンバーを探して...ではなく、リアルタイムで分かるようになって。小湊キハについては、本当に皆さん、いろいろな場所で撮っており。そういうのを参考にしながら、自分が訪れる際の撮影地も考えている。

半分くらいの写真は、見てすぐに撮影場所も分かるのだが、やはり、まだまだ魅力的なロケーションを見逃している。できるだけ歩いて、そういうポジションを自分で見つけていきたいと思っている次第。また、近々、小湊キハを撮りに訪れたいと思っている。

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【2023年10月5日13時16分】 小湊鉄道線・上総久保駅

さて、いつものように撮りに向かう...午後の撮影地と言えばココと、そう思っていたのは、上総久保駅と高滝駅の中間付近、圏央道をくぐるすぐ手前、上総久保方の田園地帯だったのだが...

これは、ちょっと予想外だった。

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秋の小湊キハを撮りに(3)上総三又駅

最近、大手でも中小でも要員不足、予算不足もあるのだろうが、線路周りの雑草が刈られないまま、線路がどこにあるのかわからなくなっているようなところが増えた気がする。除草剤を大量に散布するわけにもいかないだろうし、そこは大変だろうが...

「写真が撮りにくい」というのが、自分にとっては非常に大きな問題だが、それ以前に草に覆われて線路やバラスト(砕石)の状況を確認できないという状況は鉄道の運行の安全性の観点でも良いものとは思えない。このあたり、<鉄>を“動員”して草刈りの有料イベントなどできないものだろうか。午前中は、保線作業の座学(講義)を行い、午後から線路際に立って除草作業に従事する...など。最後に、普段、立ち入れない場所からの撮影などの“特典”をつければ、人が集まるような気もするのだが...。

ヘルメットと反射帯を持ち込んだ場合は割引...みたいな制度を作ったりして。

さて、この日も、そんな線路際の雑草に苦しめられたのだった。

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【2023年10月5日12時47分】 小湊鉄道線・上総三又駅

ということで、10月5日の小湊鐵道撮影記。上総三又駅近くのストレートに移動したのだが...

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