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さぁ、最後の「ちてつ顔」を撮りに(後半1)LAST RUN ~ ぷろろーぐ ~ [雷鳥色の電車たち[富山地鉄]]

9月28日、土曜日。<変態鉄>はネクタイをしたまま、東京駅に居た。
背中にはリュックサック型のカメラバッグ。でも、足下はビジネス用の革靴で。
到底、<鉄>活動に“出撃”するような格好では無かったのである。

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9月29日に「Last Run 10025号 永遠に…」が行われ。それに参加すべく、前日の夜、
仕事を終えた後、東京駅を21時発、最終の「かがやき」号に乗り込むのだった。

……  ……

2019年9月28日(土)晴れ

メディアに登場することも多いのが東京駅新幹線ホームで折返しの車内整備を行う
清掃スタッフ。長野からの「あさま630号」で到着した編成は乗客を降ろすと
そのまま車内清掃が始まって。東京駅には20:52着、折返しは21:04発。

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【2019年9月28日20時38分】 北陸新幹線・東京駅

その間に手際よく車内整備が行われ。そんな様子をホームでぼんやりと眺めながら。

「本日、富山と金沢へまいります最終電車です...」
そういえば、<変態鉄>が中学生の頃まで、14系B寝台車と普通座席車を併結した
急行「能登」号というのがあった。それも、上野駅発が 21:00 だった。
その頃の急行「能登」、富山駅への到着は4:45、終着・金沢駅も6時前。

寝台列車で一晩かけて行くところだった富山も、いつの間にか...

そう、1ヶ月もしないうちに、あんなことになるとは思いもせず。

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【2019年9月28日20時41分】 北陸新幹線・東京駅

扉が開いたら...

「えきねっと」で買った指定席、2人掛けのE席だった。「隣に人が来たら...」
でも、それは杞憂だったようで。大宮駅を発車しても車内は両方の窓側の座席だけ
埋まっている程度の乗車率。

でも、<変態鉄>は東京駅で買っておいた弁当を食べ終えたら、折りたたみテーブルに
パソコンを開いて。そう、会社から持ち帰った(?)、仕事をしながら。
高崎駅あたりからはWi-fiが繋がらない箇所が増えて。その間はオフラインでできる
作業を進めて、手元のモバイルルータの表示を見ながら...

つくったデータを仕事関係の...クラウド上の所定のところに格納して。
ようやく、必要なファイルのアップを終えて、ホッと一息。

デッキとの仕切り扉上にある電光掲示板に「ただいま黒部宇奈月温泉付近を...」。
富山までの2時間は、仕事を片付けていたらあっという間に過ぎていた。

23時の富山駅は閑散としていて。あの通路、「あいの風線」の改札ヨコを抜ければ
すぐ目の前に、駅北のバスターミナルが広がって。
いつも通り、すぐヨコのコンビニに寄ったら横断歩道を渡って、いつものホテル。

「H様(← <変態鉄>の本名ね)、お待ちしていました」
自分が最後のチェックインなのだろうか?? なぜか、フロントで先に名前で呼ばれて。

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普段よりも上の階のルームキー。

<変態鉄>は「シングル素泊まりプラン」で申し込んだはずなのである。
普段と違うフロアーのルームキーだと思っていたら...

コレ、どこからどう見ても「シングル」では無いのである。チェックインのときに
何も説明はなかったはずで...。

う~ん、不思議な現象。ただ、次の朝は寝坊できないわけで。
とにかくユニットバスへ。もう、そのままで寝たのである。

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【2019年9月29日8時14分】 富山地鉄・電鉄富山駅

<変態鉄>としては珍しく。ホテルで朝食を済ませてから8時過ぎに電鉄富山駅に
向かったのである。

そう、すでに行列ができはじめていて。中には知っている顔もチラホラ。
ご挨拶したり...、そんな感じで過ごしているうち、受付開始の8時半までには
ロッテリアの前付近まで列が伸びて。定員100名のイベントである。

親子連れよりも平均年齢高めのベテラン<鉄>が多い感じ。こうだと、撮影時に
揉めることも少ないのである。

集まっていた<鉄>から、どよめきが起こるシーンは、そんなときにやって来た。

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【2019年9月29日8時20分】 富山地鉄・電鉄富山駅

電鉄黒部駅からの第16列車で到着するのは、14722編成である。
<変態鉄>にとって3日ぶりの再会である。いますぐ、撮りに行きたいところだが、
それだけはグッと我慢。イベントの受付を済ませてからでないと...

前夜、電鉄黒部で滞泊になる運用に“フタフタ”が入っていたというのは偶然だろうか!?
この日の“主役”は10025-10026編成に違いないのだが、もちろん、フタフタの方も
<鉄>として、撮っておきたい存在で。

「ホームでは走らないように!!」
何度、マイク放送が入っても、集まった<鉄>たちは蜂の巣をつついたような大騒ぎ。
1番ホーム付近に置かれたテーブルで受付を済ませたら、カメラを取り出して。

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【2019年9月29日8時38分】 富山地鉄・電鉄富山駅

折返しは8:49発の宇奈月温泉ゆき第121列車。ということは、ここから3時間ほどは
富山に戻ってこないはずで。発車までの10分間、できるだけいろいろなカットを。

14722編成は1962年(昭和37年)、10025-10026編成は1964年(昭和39年)。
14720形は“1M方式”、2両とも電動車の他の形式とはちょっと違うのだが...
でも、同時期につくられた分、どちらも「20形」、同じ車体である。

半世紀を超える車齢でも、10020形の方は整った感じ。一方の14722編成は
地鉄の車輌“政策”に翻弄されるかのように度重なる改造で。
上の写真、モハ14722号車の運転台直後の、客ドアとの間の窓はフツーの2連窓。

編成の反対側まで歩いて...

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【2019年9月29日8時42分】 富山地鉄・電鉄富山駅

クハ172号車の方から。この“寸詰まり”感が何とも言えないのである。
10020形よりも、あるいは、“伴侶”であるモハ14722号車よりも車体長が短く。
運転台の後ろは、謎な狭窓を挟んで、すぐに戸袋窓なのである。

このチグハグさが地鉄電車の...20形の長い歴史を物語っているのである。
ちなみに、“上滝朝3”の増結クハとして数年前まで残っていたクハ173、174号車は、
クハ172号車とは車体長が全然違っていて。

もう、カオス状態。2012年に本格的に地鉄電車を撮り始めて、
最初の頃はこの違いを覚えるのに苦労した位。
ちなみに車体裾がストレートになっているのも後天的な改造。

そんな14722編成のお別れイベントは11月2日と告知がでており。
(前から知っていたのだが...)
仕事で行くことができないのである。12月まで運用予定とのことなので、
何とかもう一度だけ撮りに行きたいのだが...

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【2019年9月29日8時49分】 富山地鉄・電鉄富山駅(後追い)

北陸本線の富山までの電化が、ちょうど10025-10026編成が登場した1964年のこと。
それより2年先輩の14722編成、初めて電鉄富山駅に姿を現したときには、
隣の国鉄北陸本線富山駅には蒸気機関車に牽かれた列車が停まっていたはずで。

そんな電車を新幹線の高架をバックに。

宇奈月温泉に向けて発車していく様子を後追いして。

「さぁ、あとはこの日の主役、モハ10025-モハ10026編成の到着を待つばかり...」
とは、ならないのが電鉄富山駅のスゴさ。

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【2019年9月29日8時56分】 富山地鉄・電鉄富山駅

地方私鉄としてはあり得ない位、ひっきりなしに電車がやってくる。
8:56着は立山からの第310列車。乗客を降ろすと方向幕が変えられて...

<鉄>と立山に向かうハイカーでごった返すホーム、運転士さんが小走りに
どこかに向かったと思えば...

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【2019年9月29日8時59分】 富山地鉄・電鉄富山駅

そう、この「60だいこん」。折返しは9:00発の特急TY3列車「立山3号」である。

ということで... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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