新緑には間に合わなかったけれど...只見線キハ!!(3)蓋沼下俯瞰<後編> [会津・越後のキハ[只見・磐越西線]]
引き続き、5月末の只見線撮影記。でも、その前に...
どんなものにも「最後の時」は必ずやってくる。
5月の大型連休に発表されたのは「ことでんレトロ」の引退、これは<鉄>として
衝撃の発表だった。
【2018年5月6日14時18分】 高松琴平電鉄琴平線・羽間-榎井
昨日、16日は引退発表を受けて最初の「レトロ電車特別運行」の日。しかも、最初に
現役を退くと発表された23号車が先頭に立つ編成とあって...
<変態鉄>は朝から仕事で、讃岐を訪れることはできなかったが、いまのところ
来月の特別運行に“参戦”する予定である。
そのときに撮るはずの編成と同じ組合せは昨年5月の大型連休にも実現していた。
これを撮りに行くのを楽しみに、何とかこの忙しい時期を乗り越えたい。
ただ、去就に注目が集まるのは「ことでんレトロ」だけではない。
この只見線でも...
…… ……
2019年5月29日(水)晴れ
2度の“完膚なきまでの撃沈”、半年ぶりにようやくそれを挽回したのだった。
【2019年5月29日14時00分】 只見線・根岸-会津高田
14時の上り列車を撮った後は3時間近い待ち時間。インターネット接続がダメな
場所だったこともあり、たぶん、<変態鉄>の撮影行の中で未経験の退屈さだった。
とはいえ、途中で。16時頃になって1台のクルマが。
すでにリタイアされている世代だろうか。地元の方で、時折、このあたりで
撮っているのだとか。そう、待ち時間の最後の1時間余りはその男性と雑談しながら。
何でも最近になって、この地点に撮りに来る人が増えている...とのお話し。
しかも、他県ナンバーのクルマでやってくる<鉄>が増えているのだとか。
関西から駆けつけて、ここで1枚撮ってすぐに帰る...という人もいたらしい。
【2019年5月29日12時47分】 只見線・会津若松駅
聞けば、何やら来年3月の改正で、現在、只見線のキハ40形も、とうとう置き換え
られるのだとか、られないのだとか...
“最後の国鉄型”とはいえ、<変態鉄>と同じ歳のキハたち。すでに車齢は40年を
越えており、確かにいつ廃車になってもおかしくない時期には来ているのである。
ただ、このような話題は<鉄>の間で噂として出てくるのは“よくあること”で。
蓋を開けるまでは分からない。でも、予断を許さない状況になってきているのは確か。
だからこそ、後悔しないように撮っておかないと。
沿線の高校生の通学時間に合わせて設定されているのが、現在の只見線のダイヤ。
17時を過ぎると、しばらく列車は頻繁にやってくる。
【2019年5月29日17時29分】 只見線・会津高田-根岸
定刻に少し遅れて通過していくのは、下り第431D列車。キハ2連の姿は2分ほどに
渡って視界の中を右から左に向かって。
その様子を撮っていくわけだが、悩ましかったのが雲の動き。
16時頃から急速に灰色の雲が空全体に広がってきて。かなり短いサイクルで
陽が射したり翳ったり...。もはや“時の運”。
ちょうど第431D列車のタイミングで、はるか会津若松市街地には陽が射していたが
残念ながら線路際は暗くなってしまって。こうなると写真としては...
線路の西側に位置している蓋沼、実は以前、霧と強い雨で断念した昨秋、
この場所でご一緒した方から教えていただいたのは、5月の最終週には17~18時台の
列車に対して“ギラリ”してくれるようになる...ということ。
夕方ならいつでも撮れそうな気がしても、太陽の光が射し込む角度と線路の方向、
その絶妙なバランスで“ギラリ”は支えられており。退屈なのを我慢して夕方まで
待っていたのもそのためだった。
先ほど、正面に来たところで撮ったカットは暗くなってしまったが...
【2019年5月29日17時29分】 只見線・会津高田-根岸
そのまま列車の姿を追っていけば、少ししたあたりからこちら側に陽が当たり
初めて来て。その分、背後の若松市街地方面は翳ってしまって、みごとなまでの
“マンダーラ”になっているのだが...
ちょっとわかりにくくなってしまったが、2両のキハの車体側面、白い部分が
光っているのが確認できる。ビミョーだが、一応、車体が輝いたので...
【2019年5月29日17時30分】 只見線・会津高田-根岸
列車が根岸駅に到着するところまで追いかけて。
この時間帯、根岸駅方向が光の当たる角度が良さそうな気がするのだが...
そして、次こそが“メイン”。
次の下り第433D列車は会津坂下駅までの区間便である。もちろん、坂下町内の
高校の下校時間帯に合わせた設定になっているのだが、17時半に出庫してくる
この運用、会津坂下まで1往復した後、19:41発の会津川口ゆきになって、
そのまま只見川沿いの小さな駅で滞泊になる。翌朝、6時前に出発、朝一番の
会津若松ゆき上り列車になる編成である。そう、その関係で、この路線で最長の
キハ40形4連での運行なのである。
コレが日没間際、最高の“ギラリ”時間帯に来てくれるはずで...
【2019年5月29日18時08分】 只見線・会津高田-根岸
さぁ、いざ。これも定刻より10分近く遅れての運転となっていた。
いつの間にか自分の周囲にも数名の<鉄>がやって来ており。
でも、この遅れが運の悪さだったのかも知れない。ちょうど線路付近が暗くなった
そのタイミングでやって来てしまったのである。
【2019年5月29日18時08分】 只見線・会津高田-根岸
“奇跡”を祈りながら、でも、半ば諦めながら根岸駅に到着するところまでキハの
姿をカメラで追ったのだった。
…… ……
この列車が会津坂下駅で折り返してココに戻ってくるのは18時半過ぎ。そこまで
撮るという方が多かったが、<徒歩鉄>としては会津若松に戻る手段を確保して
おきたいということもあって。
すぐにタクシーを呼んで...
13時半に乗せてもらったのと同じドライバーだった。
「歩いて帰ったと思っていた」、あの山道の途中で、約5時間もいた<変態鉄>、
やはり、ヘンなのである。
【2019年5月29日19時05分】 只見線・会津若松駅
先ほどの4連の折返しは学生で混雑していたが、それでも座ることはできる程度。
19時、まだ明るいうちに会津若松に戻ってきたのだった。
…… ……
高速バスで会津若松に着いたのが正午。その午後、さっそく念願の蓋沼森林公園下
での俯瞰撮影を。最後の、お目当ての4連に光が当たらなかったのは残念だったが
磐梯山をバックに田園地帯を走るキハの姿を撮れたと言うことだけでも、
満点に近い、そんな絶好調の初日だったのである。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村
どんなものにも「最後の時」は必ずやってくる。
5月の大型連休に発表されたのは「ことでんレトロ」の引退、これは<鉄>として
衝撃の発表だった。
【2018年5月6日14時18分】 高松琴平電鉄琴平線・羽間-榎井
昨日、16日は引退発表を受けて最初の「レトロ電車特別運行」の日。しかも、最初に
現役を退くと発表された23号車が先頭に立つ編成とあって...
<変態鉄>は朝から仕事で、讃岐を訪れることはできなかったが、いまのところ
来月の特別運行に“参戦”する予定である。
そのときに撮るはずの編成と同じ組合せは昨年5月の大型連休にも実現していた。
これを撮りに行くのを楽しみに、何とかこの忙しい時期を乗り越えたい。
ただ、去就に注目が集まるのは「ことでんレトロ」だけではない。
この只見線でも...
…… ……
2019年5月29日(水)晴れ
2度の“完膚なきまでの撃沈”、半年ぶりにようやくそれを挽回したのだった。
【2019年5月29日14時00分】 只見線・根岸-会津高田
14時の上り列車を撮った後は3時間近い待ち時間。インターネット接続がダメな
場所だったこともあり、たぶん、<変態鉄>の撮影行の中で未経験の退屈さだった。
とはいえ、途中で。16時頃になって1台のクルマが。
すでにリタイアされている世代だろうか。地元の方で、時折、このあたりで
撮っているのだとか。そう、待ち時間の最後の1時間余りはその男性と雑談しながら。
何でも最近になって、この地点に撮りに来る人が増えている...とのお話し。
しかも、他県ナンバーのクルマでやってくる<鉄>が増えているのだとか。
関西から駆けつけて、ここで1枚撮ってすぐに帰る...という人もいたらしい。
【2019年5月29日12時47分】 只見線・会津若松駅
聞けば、何やら来年3月の改正で、現在、只見線のキハ40形も、とうとう置き換え
られるのだとか、られないのだとか...
“最後の国鉄型”とはいえ、<変態鉄>と同じ歳のキハたち。すでに車齢は40年を
越えており、確かにいつ廃車になってもおかしくない時期には来ているのである。
ただ、このような話題は<鉄>の間で噂として出てくるのは“よくあること”で。
蓋を開けるまでは分からない。でも、予断を許さない状況になってきているのは確か。
だからこそ、後悔しないように撮っておかないと。
沿線の高校生の通学時間に合わせて設定されているのが、現在の只見線のダイヤ。
17時を過ぎると、しばらく列車は頻繁にやってくる。
【2019年5月29日17時29分】 只見線・会津高田-根岸
定刻に少し遅れて通過していくのは、下り第431D列車。キハ2連の姿は2分ほどに
渡って視界の中を右から左に向かって。
その様子を撮っていくわけだが、悩ましかったのが雲の動き。
16時頃から急速に灰色の雲が空全体に広がってきて。かなり短いサイクルで
陽が射したり翳ったり...。もはや“時の運”。
ちょうど第431D列車のタイミングで、はるか会津若松市街地には陽が射していたが
残念ながら線路際は暗くなってしまって。こうなると写真としては...
線路の西側に位置している蓋沼、実は以前、霧と強い雨で断念した昨秋、
この場所でご一緒した方から教えていただいたのは、5月の最終週には17~18時台の
列車に対して“ギラリ”してくれるようになる...ということ。
夕方ならいつでも撮れそうな気がしても、太陽の光が射し込む角度と線路の方向、
その絶妙なバランスで“ギラリ”は支えられており。退屈なのを我慢して夕方まで
待っていたのもそのためだった。
先ほど、正面に来たところで撮ったカットは暗くなってしまったが...
【2019年5月29日17時29分】 只見線・会津高田-根岸
そのまま列車の姿を追っていけば、少ししたあたりからこちら側に陽が当たり
初めて来て。その分、背後の若松市街地方面は翳ってしまって、みごとなまでの
“マンダーラ”になっているのだが...
ちょっとわかりにくくなってしまったが、2両のキハの車体側面、白い部分が
光っているのが確認できる。ビミョーだが、一応、車体が輝いたので...
【2019年5月29日17時30分】 只見線・会津高田-根岸
列車が根岸駅に到着するところまで追いかけて。
この時間帯、根岸駅方向が光の当たる角度が良さそうな気がするのだが...
そして、次こそが“メイン”。
次の下り第433D列車は会津坂下駅までの区間便である。もちろん、坂下町内の
高校の下校時間帯に合わせた設定になっているのだが、17時半に出庫してくる
この運用、会津坂下まで1往復した後、19:41発の会津川口ゆきになって、
そのまま只見川沿いの小さな駅で滞泊になる。翌朝、6時前に出発、朝一番の
会津若松ゆき上り列車になる編成である。そう、その関係で、この路線で最長の
キハ40形4連での運行なのである。
コレが日没間際、最高の“ギラリ”時間帯に来てくれるはずで...
【2019年5月29日18時08分】 只見線・会津高田-根岸
さぁ、いざ。これも定刻より10分近く遅れての運転となっていた。
いつの間にか自分の周囲にも数名の<鉄>がやって来ており。
でも、この遅れが運の悪さだったのかも知れない。ちょうど線路付近が暗くなった
そのタイミングでやって来てしまったのである。
【2019年5月29日18時08分】 只見線・会津高田-根岸
“奇跡”を祈りながら、でも、半ば諦めながら根岸駅に到着するところまでキハの
姿をカメラで追ったのだった。
…… ……
この列車が会津坂下駅で折り返してココに戻ってくるのは18時半過ぎ。そこまで
撮るという方が多かったが、<徒歩鉄>としては会津若松に戻る手段を確保して
おきたいということもあって。
すぐにタクシーを呼んで...
13時半に乗せてもらったのと同じドライバーだった。
「歩いて帰ったと思っていた」、あの山道の途中で、約5時間もいた<変態鉄>、
やはり、ヘンなのである。
【2019年5月29日19時05分】 只見線・会津若松駅
先ほどの4連の折返しは学生で混雑していたが、それでも座ることはできる程度。
19時、まだ明るいうちに会津若松に戻ってきたのだった。
…… ……
高速バスで会津若松に着いたのが正午。その午後、さっそく念願の蓋沼森林公園下
での俯瞰撮影を。最後の、お目当ての4連に光が当たらなかったのは残念だったが
磐梯山をバックに田園地帯を走るキハの姿を撮れたと言うことだけでも、
満点に近い、そんな絶好調の初日だったのである。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村
コメント 0