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令和の「ことでんレトロ」(21=最終回)レトロ電車4両運行 <後半戦 その2> [ことでん旧型たち [高松琴平電鉄]]

新しい時代「令和」を迎えて...

この大型連休、ことでんでもう1つ話題になったのは記念のICカード乗車券IruCa
ちょうどレトロ電車の撮影会の日の朝、瓦町駅で発売されて。

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【2019年5月3日18時50分】 高松琴平電鉄琴平線・瓦町駅

もちろん、買いに行くことはできなかったが、そのステッカーだけは後日、窓口で
買うことができたのである。まさか、官房長官会見のパロディのデザインとは...
この意外性も、ことでんの魅力だと思っている。

5月5日の夕方、知ることになった「レトロ電車廃車計画」、寂しいには違いないが
でも、最長2年間あるうちに発表してくれたというのは、<鉄>として、その間、
まだ撮ることができる訳で。2019年度は毎月1回ずつの“特別運行”が予告済み。
7月14日は、2020年度に廃車予定の2両(23号車 + 500号車)の“寄りパン”編成
と予告されており...となれば。

ということで、5月5日の「ことでんレトロ」撮影記、その最終回。
……  ……

2019年5月5日(日)晴れ

畑田駅近くの田園地帯で、何とか...辛うじて<鯉のぼり鐵>の後は、再び畑田駅
から後続の琴電琴平ゆき。このレトロ4連、毎年運行パターンはほぼ一定で、
いったん琴電琴平駅に到着後、1~2両を解結して短い編成になって滝宮まで1往復、
再び4連に組成されて、上りになるというダイヤである。

そう、ただだんだん上り電車を順光で撮れる場所が少なくなってくる時間帯。
次の「滝宮ゆき」は、レトロ電車が「滝宮」の方向板を掲げて走る年に一度の
チャンスだが、「どうせ、来年撮っても...」と、このときは風景重視の写真を
撮ろうと、そんなことを考えていた。いま思えば、光線状態が悪くても
“正面ドカン”で「滝宮」ゆきの表示を撮っておいた方が良かったかも知れないが
それは“あとの祭り”。やって来たのは羽床駅だった。

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【2019年5月5日12時16分】 高松琴平電鉄琴平線・羽床駅

駅を出て琴平街道を500 mほど進んだあたり。ガソリンスタンドを過ぎた付近。
光線状態は良くないのだが、電車のバックに「堤山」、讃岐らしい小高い山が
入ってくれて。その前を横切る電車の姿がサイドから撮れる地点である。

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【2019年5月5日12時46分】 高松琴平電鉄琴平線・羽床-栗熊

というわけで、この日、何度目だろうか。「モンバス」編成の琴電琴平ゆき。
画像を拡大すると(しなくても??)広角レンズ特有の画像の歪みが出ている。
コレもパソコン上で補正できるはずなのだが、<変態鉄>としては、この歪みも
写真の味わい...だと勝手にそう思っている。

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【2019年5月5日12時57分】 高松琴平電鉄琴平線・栗熊-羽床

羽床駅の次が栗熊、さらに次の岡田駅で上下電車が交換する。そのあとは琴電琴平
まで交換はなし。続いて、その岡田駅で「モンバス」編成と交換した、これまた
1200形がやって来た。

正午過ぎの時間帯、列車に対してほぼトップライトの状態になって、側面には
光が回っていない。でも、少しずつ、少しずつではあっても見上げる度に、
太陽は自分の右手の方から背中の方に徐々に徐々に方角を変えつつあって...

レトロ電車の時刻までに...

期待してしまうのだが...

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【2019年5月5日13時28分】 高松琴平電鉄琴平線・栗熊-羽床

最後の試し撮りは、その「モンバス」編成の折返し。この次が、いよいよレトロ。

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【2019年5月5日13時38分】 高松琴平電鉄琴平線・栗熊-羽床

踏切機が鳴って、重厚で盛大な吊り掛け音とともに

23号車を切り離した、茶色系の...琴平電鉄生え抜き組の3両編成で滝宮まで。
その姿を捉えたら、EOSくんの液晶モニターで撮った画像を確認しているヒマもなく。
すぐに、いまのレトロと滝宮駅で交換してくる下り電車に乗らないと...

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【2019年5月5日13時45分】 高松琴平電鉄琴平線・羽床駅

大急ぎで羽床駅まで戻ったのだった。ちょっと息切れ気味。
大勢の<鉄>を乗せた琴電琴平ゆきでやって来たのは榎井駅である。

多くの“同業者さん”もいっしょに下車。その大半は土器川鉄橋だろうか、
羽間駅方面に戻るような...

でも、<変態鉄>が目指していたのは琴平側。榎井駅から琴平までは歩いても
遠くはない距離。榎井-琴電琴平の、最後の1区間、ちょうど「?」を寝かせた
感じの線形になっていて。下の「・」が榎井駅。そこからグルッと輪を描くように
JR土讃線のガードを潜って、急カーブの先が琴電琴平駅。

そう、レトロ3連の琴電琴平ゆきを撮ったら、最後の4連も近くで撮らざる得ないのが
<徒歩鉄>の宿命。

午後の琴平線で上り列車を撮りやすい撮影地というのは、あまり例がなく。
でも、カーブしているのなら、どこかは光が回っているはず...そんな読みである。
何度か撮ったことはあるが、でも、あまり、この付近の撮影地には明るくなく。
とはいえ、せっかくのレトロ電車。撮影地が見つからず「時間切れ撃沈」だけは
避けないといけない。

ということで、<変態鉄>がやって来たのは...

榎井駅のすぐ先の県道陸橋だった。俯瞰気味に撮れば、車体側面にも光が回り。
この時間でも、なかなか良い感じなのである。

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【2019年5月5日14時14分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平-榎井(後追い)

琴平線沿線は麦畑が多い。南北を山に囲まれて年間を通じて乾燥しがちな
瀬戸内海性気候の場合、稲作には向かないのだろうか!?

5月になると琴平線沿線は黄金色の絨毯を敷き詰めたようになるのである。
ただ、この陸橋だと麦畑は入れづらくて。カーブの先が榎井駅。

よ~~く、目を凝らすと写真中央に白地に赤い丸印の看板が見える。高松周辺で
よく見かけるスーパーだが、ここで前々日のレトロ電車撮影ではトイレを借りて、
そして、ネギ畑で4連を撮って“撃沈”したのである。

1100形の琴電琴平ゆきが通過した後は...

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【2019年5月5日14時24分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井-琴電琴平

500号車を先頭にレトロ電車3連である。でも、最後の最後まで迷ったのは電車の
すぐ左に停まっている黒い軽自動車。電車で隠すことは無理。でも、被せたくは
なくて。家並みも良い感じだし、背景にちょっとだけ麦畑、そして踏切が写って
いるのも、何となく生活感があって。自分としては気に入っている1枚。

ちなみに、後から写真を見ていて。背景の山並みが、どうしても、寝ているネコの
背中にしか見えなくて...。讃岐の山並みというのは、ちょっと不思議のが多くて。

そして...

いよいよ、この“出撃”最後の撮影。再び4両編成になったレトロが仏生山へと
戻っていく姿を撮るわけで。

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【2019年5月5日15時14分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平-榎井(後追い)

アレコレ迷った末、選んだ撮影地は土讃線の立体交差の榎井側。先ほどの県道陸橋
からも歩いて数分の場所である。逆光側に多くの<鉄>が集まっている中、
天邪鬼の<変態鉄>は、あくまで順光に拘って、後追いの構図を選択。

試し撮りは「しあわせさん こんぴらさん」号。この18 m級車輌で3両分が
だいたいレトロ4両分になる。さぁ、構図の調整もできて...

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【2019年5月5日15時21分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平-榎井(後追い)

4丁のパンタグラフ、夏のような太陽の光を浴びて仏生山へと戻っていくレトロ。
その姿を撮って、心地よい疲れを感じながらカメラをバッグに仕舞ったのだった。

……  ……

もう焦ることもなく。ゆっくりと歩いて向かったのは榎井駅。

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【2019年5月5日15時45分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井駅

レトロ4連を撮り終わった<鉄>が各駅から乗ってきて。車内は満員電車のような
感じになってきて。仏生山駅には、やはり多くの<鉄>が集結していて。
でも、空腹と疲れ。今年はレトロの解結 → 留置は、撮らずにそのままホテルに
引き上げることにしたのだが、その車内で...

そう、<鉄>の会話から聞こえてきたのが「レトロ廃車計画」だったのである。
正直言って、何というか、好きな人から突然別れを告げられた...ような、そんな
ちょっと放心状態。「まさか...、でも...」いろいろと。
できるものなら、自分が、香川県内に土地を買って、ことでんから廃車となる
レトロを譲ってもらって...、静態保存でもしたいのだが。
そう、先立つものもないし東京に住んでいて、それは無理。せっかく最後まで
残った4両なのだから、できれば、簡単に解体されるようなことなく、どの車輌も
“安住の地”が見つかって欲しいと思うのだが。


2019年5月6日(月)晴れ

5年目にして初めて...ではなかろうか。大型連休の「ことでんレトロ」。
その全てを青空の下で撮ることができた。大抵、カメラに防水シートが欠かせない
というのが自分の印象なのだが...

ほぼ思い通りの写真を撮ることができて、ミラーレス“RP”にもだいぶ慣れて。
撮影としては充実していたが、何だか寂しい結末...のようで。

朝6時前、JR栗林駅近くのビジホをチェックアウト。ことでんリムジンバスの
「栗林公園前」バス停までは歩いて15分ほど。カメラ、着替え、パソコン...
重いバッグを担いで歩くのだった。予想通り、1台目のバスには断られて。
2台目のリムジンバスで。

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【2019年5月6日7時29分】 NH532便(髙松空港離陸前)

隣の駐機場にいたのは、何だか見慣れないヒコーキ。それを撮ったのが、
この出撃で最後の1枚だった。

……  ……

ということで、残された時間は最大であと2年。

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【2019年5月3日7時48分】 高松琴平電鉄・仏生山車両所東工場前

できるだけ思い残すことなく「ことでんレトロ」を撮るべく、次の高松ゆきの
検討を始めているのだった。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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