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3月「ことでん」と徳島のキハを(12)憔悴の池谷。 [鉄分の濃い旅行記録]

“写真を撮る”ということを趣味にしていくと言うことは、個々人の“こだわり”を
極限まで追求していくことなのでは無いか...と、そう思っている。

レンズの性能に拘って、撮った画像を何十倍、何百倍まで、拡大して画像の隅々まで
画質の劣化が無いかを血眼になって探しているような、描写性への拘り...
(用途にもよるけれど、ぱっと見に問題無ければブログ掲載や印刷くらいなら
心配ないはずなのだが...)

光線状況に拘って、順光じゃ無いと絶対に撮らない...という人。
(“記録性”では「サクラダ順光」に勝るものはないが、“芸術性”では逆光が...
まぁ、逆光での撮影は難しいから<変態鉄>如きには手を出せないのだが...)

そんな中、<変態鉄>の鉄道写真における“こだわり”というのは
「遮蔽物無く車両全景を写し止めること」
なのである。線路回りに雑草があったり、複線区間で上下線の間にタイガーロープが
張ってあるだけで、もう我慢できない。それだけで撮影地を変えてしまうことも
少なくない。背景よりも光線状態よりも“遮蔽物の無さ”が最重要なのである。
正直、自分は線路端に雑草が1本のびているだけでも“許せない”人。

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【2019年3月6日7時03分】 高徳線・池谷-勝瑞

だから、撮影地ガイドに“撮影好適地”と書いてあっても、いざ現地に赴いてみて
“ぎゃーーーーーーーーっ!!”と、なることは珍しくない。

そう、<変態鉄>は昼も夜も、常に<変態野郎>なのである。

このトップ写真も、気にならない<鉄>には気にならないはず。
たぶん、撮影地ガイドをネットに載せた方もそうだったはず。
でも、<変態鉄>にとっては、先頭のタラコ色のキハ、その足下に雑草があって
それが台車と被っている時点で、もう我慢ならなかったのである。

……  ……

2019年3月6日(水)曇りのち雨

「午後から雨」の予報、朝のキハ運用を撮っている間は雨に降られないように
それだけ期待して、6時過ぎの徳島駅へ。

東京に比べて日の出が遅くなる分、まだ薄暗くて。

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【2019年3月6日6時21分】 高徳線・徳島駅

まだ人気の疎らな駅、改札前の2番のりばで発車を待っているのはキハ47形2連。
徳島駅 6:37発の第316D列車は、高松まで乗り入れる数少ないキハ47形運用。

もう少し陽の長い時期だったら、もっと早い出発にして、この列車も沿線で
待ち構えるところだったが、3月では6時台の列車の走行写真は厳しそうで。

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【2019年3月6日6時18分】 高徳線・徳島駅

ということで、いったん跨線橋を渡って隣の3番のりばへ。

この日の編成は、

 ← 高松  キハ47 145  +  キハ47 173

の2両編成、車内は各ボックスシートに1名くらいずつくらいの乗車率だった。
自分も、前方、145号車のボックスシートに陣取って。まもなく発車時刻。

徳島駅のホームを離れたキハの車内には、チャイムが演奏されて。以前伺った
ところでは、JR四国の普通列車の車掌さんは、車内放送にチャイムを鳴らしても
鳴らさなくても良い、という風に指導されているそうで。<車内放送マニア>の
<変態鉄>としては、これが流れるとちょっとテンションが上がるのである。

佐古、吉成、勝瑞...と徳島市内の住宅地から吉野川を渡って、徐々に農地と工場が
広がるエリアに入っていったところにあるのが、池谷駅。

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【2019年3月6日6時53分】 高徳線・池谷駅

私鉄電車の駅を彷彿とさせる急カーブに面した狭いホームである。
無人ではあるものの、駅舎・出口へは跨線橋を渡って。それにしてもちょっと
不思議な形の駅で。ちょうど、「Y」の字型になっていて、その「/」と「\」の
間に駅舎があるような感じ。その「\」が高徳線の高松方面、「│」が徳島方面、
そして「/」が鳴門線という位置関係である。鳴門線のホームでは1500形+1200形が
発車を待っているのが見える。

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【2019年3月6日6時54分】 高徳線・池谷駅

いったん北向きの駅舎を出て、すぐ先の鳴門線の踏切を渡ったら、その「│」の
部分、駅構内を外れたあたりの踏切が撮影地の筈だが...

来るときの車窓からして、ちょっと不安を感じていたのだが、それが的中して
しまったのである。

線路端には標識類や、それより何と言っても枯れて茶色くなっているものの
背丈のある雑草が...

それをかわせそうな場所を見つけることができないまま、キハの時刻に。

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【2019年3月6日7時02分】 高徳線・池谷駅付近

そう、昨晩、板野ゆきとして出発するのを徳島駅で見送った「タラコ色」編成。
この貴重な編成だからこそ、ベストポジションで撮りたかった。

とりあえず、池谷駅を出発するところを望遠で。とにかく速度標識をかわすこと
だけを意識して。

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【2019年3月6日7時03分】 高徳線・池谷-勝瑞

そして、引きつけて。やはり、<変態鉄>としては線路周りの枯れ草が気になって
気になって仕方なかったのである。テンションは下がっており。そう、すでに三脚に
カメラをセットして、ちゃんと構図決めをしてから撮ろう...という気持ちにすら
なれなかったのである。せっかくの首都圏色編成、ヘッドライトを輝かせて
徳島へと向かうシーン、それが目の前に...、でも、撮る前から“撃沈”を確信して。

事実上の“敬遠”といった感じである。嗚呼...

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【2019年3月6日7時03分】 高徳線・池谷-勝瑞(後追い)

徳島へと走り去っていくキハ編成を見送ったら、迷わず駅へと戻る道を歩いていた。

朝の時間帯、この区間でのキハ40系の運転は朝7~8時台の列車に集中しており。
その最初が「タラコ色」。それが“不戦敗”に限りなく近い“撃沈”。
あとのチャンスは3回だが、そのうちの1回を捨ててでも...

池谷駅へと急ぎ、戻ったのだった。通勤・通学ラッシュの時間帯。
列車は比較的、頻繁にやってくる。2番目のキハ編成は...

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【2019年3月6日7時19分】 高徳線・池谷駅

跨線橋から捉えたのはキハ40形の2連、上り第318D列車は板野ゆきである。
でも、この編成、板野駅に着くとすぐに折返しの徳島ゆきになって折り返す運用。
もう一度の、その撮影チャンスに賭ける訳だが...

もちろん、跨線橋の上からキハがホームに入ってくるところを撮り続けた訳で。

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【2019年3月6日7時19分】 高徳線・池谷駅

画面中央左側には、先ほどの“撃沈”写真を撮った踏切が見えている。
駅撮りながら、跨線橋からの小俯瞰、キハ40形の車体の様子がよく分かる、
コレはコレで記録写真として、まぁまぁ“納得の1枚”である。

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【2019年3月6日7時21分】 高徳線・池谷駅

このカーブしたホームで板野ゆきキハ40形は小休止。下り列車の到着を待つわけで。
通勤・通学客で満員の1200形+1500形編成(だったと思う)の徳島ゆき。
中央扉横のスペースに立つのは、普段の井の頭線での通勤時と同じような感じで。

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【2019年3月6日8時39分】 高徳線・吉成駅

そう、そうして急遽、向かったのが昨日の記事でご紹介した吉成-勝瑞間の
直線区間だった。事前にチェックしてきていた撮影地の1つだったが
「午後から夕方にかけて順光」ということで、今回は考えていなかった。

でも、いつ雨が降り出してもおかしくないドン曇りの空模様。
ということは順光も逆光も無いわけで。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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