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白銀の只見線を探して(8)「追っかけますか??」 [会津・越後のキハ[只見・磐越西線]]

つい、この前、お正月を阪堺電車で過ごした...と思ったら、いつの間にか、
春がすぐそこまでやって来ていることを実感している今日この頃。

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【2019年2月26日8時55分】 小湊鐵道線・五井駅

何だか、このキハが気になっているのである。
たぶん今春以降、いすみ鉄道はキハの「観光急行」の運転本数が削減されて、
かつ、クラウドファンディングの成功により、朱色とクリーム色のツートン、
「国鉄一般型気動車色」に塗り戻されることが決定しているので(今夏の予定)、
それも含めて、「タラコ色、最後の菜の花シーズン」として、いすみ鉄道沿線は
大混乱に陥りそう。清々しい春の景色を撮りにいって、怒号と罵声が飛びかう中で
カメラを構える気にもなれなくて。いすみ鉄道に行くなら、菜の花と桜の名所は
外して、誰も来ない場所でカメラを構えようかと思っている。

そういう意味では、1年365日、年中無休でDMH17系エンジンのキハを楽しめる
小湊鉄道線というのは魅力でもある。両線とも気になるので、どちらも日程が
とれれば訪問予定だが、それに加えて、只見線キハをどうするか...

それを悩んでいる<変態鉄>なのである。

ということで、1月の只見線の話題、まだまだ続くのだが...

……  ……

2019年1月28日(月)晴れのち雨、ときどき雪

昨日の記事は、<鉄>分のほとんど含まれない“町歩き”のような記事になって
しまったが、でも、ある意味、それが只見線撮影の実際の姿なのかも知れない。

朝9時に上下の列車が通過した後は13時の上り列車まで間隔が空いてしまう。

とはいえ、決して広くはない会津宮下の集落、すぐに一周できてしまうのである。
正直言って、単独行の<変態鉄>にとっては、ヒマを持て余す時間が長いのもまた
只見線撮影の特徴なのである。

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【2019年1月28日11時40分】 福島県大沼郡三島町大字宮下付近

この会津宮下というのは、三島町の中心部にあたる。
只見川に面した県道沿いにある小さな集落には、県立病院が置かれており、
そのほかにも日帰り温泉(というか老人福祉施設!?)もあって、かつてはもっと
賑わっていたのでは無いか...と思うのだが。

三島町の“特産”とも言えるのは「桐」なのだそうで。
前々記事でご紹介した「道の駅」にも、桐ダンスの他に桐でつくられた小物類、
あと、総桐製(?? ← 何だ、そりゃ!?)のサーフボードなども展示されていたり。
だから、マンホールの蓋は桐のデザインなのである。

そんなところに目を向けている余裕があったのも、そんな只見線のダイヤのおかげ。
ローカル線を撮りにいったときは、できるだけ沿線の集落の様子も観察する...
というのが<変態野郎>の流儀でもある。

さて、観光案内「からんころん」で、タクシーをお願いして向かった先は...

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【2019年1月28日12時51分】 福島県大沼郡三島町大字名入付近

徒歩だとかなりかかるようだが、タクシーならものの10分程度。
柳津からの配車なので、30分近くの待ち時間ができてしまったものの、運転手さんも
「只見線が撮れるところ」というだけで、場所を完全に分かってくれていて。

宮下の集落の先で県道は、国道232号線と交わる。これを早戸・会津川口方面に
少し進むと雪よけの洞門が見えてくる。「高清水スノーシェッド」である。
コンクリートの支柱の隙間からは対岸の、遙か下を走る只見線の線路を見ることが
できて。ちなみに国道232号線からの俯瞰撮影は、北から南に向かってカメラを
構えることになるので、晴れれば光線状態は良くないが、山深いところなので...

ここで対岸にカメラを向ければ...

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【2019年1月28日12時42分】 福島県大沼郡三島町大字名入付近

そう、只見川第3橋梁を俯瞰撮影することができるのである。
ネットで検索すると、「昔は撮影できたが、木々の生長で撮影には不向きになった」
と書かれているサイトが多いようだが、ぬぁんと...

只見線を目当てに訪れる<鉄>や外国人旅行者の見学の便を図るため、暫く前に
この只見川第3橋梁の俯瞰撮影できるエリアの洞門にかかる木々を伐採して。
さすがに、国道の路肩なので“ビューポイント”と大々的にはアピールしていないが
線路を見下ろせる場所が、しっかり確保されているのである。

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【2019年1月28日12時41分】 只見線・早戸-会津宮下

水面に映る、いわゆる“水鏡”を期待していたのだが、キハが来る直前から風が
出てきて、水面は荒れてしまった。それでも、只見川というのは、まるで湖のような
穏やかな水面で。碧色の水面に、白地に緑の「東北色」のキハの塗色がよく映える
のである。実は、洞門に積もった雪がこの日の陽射しで解けて、ポタポタと滴が。
手を伸ばしても届かない場所だが、よ~~く見ると写真に写り込んでいることが
分かってしまうので...。撮っているときには大きな悩みだった。

さて、次のキハまで1時間半。曲がりくねった国道の、雪よけの洞門の中。
もちろん商店はおろか、本当に何もない薄暗いだけの場所で。ここで過ごす1時間半
というのは、とてつもなく長い時間のような気がして。

タブレット端末でブログ巡回をして...、それでもやることが無くなってきて。

そんなとき、1台のクルマがやって来た。どうやら“同業者さん”。

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【2019年1月28日14時32分】 只見線・会津宮下-早戸

2人で並んで撮るような形になった。今度は、2連のキハを縦位置で。
こちらも良い感じに撮ることができた。でも、この写真でもわかる通り、
対岸の山の方は既に雪が降り始めている感じで。そう、急速に天候は悪化に
向かっていたのである。こういうときに限って天気予報というのは的中するもの。

余談ながら、この写真、対岸にも道路が見える。こちらは只見線に沿って対岸を
走る県道で、こちらを通っても会津川口方面に行けるはずなのだが、ぬぁんと...
国道232号線と違って、こちらは冬期は除雪対象から外れ、閉鎖されてしまう道路。
聞けば、県道沿いに集落などは無いようで、只見川の水力発電所関連の
作業用通路的な位置づけの道路だそうで。この県道からも俯瞰撮影はできるのだ
そうで、そうすると順光で捉えられるはず。

さて、そのいっしょになった男性。やはり東京からいらっしゃったとのことで、
今回はレンタカーで只見線沿線を回られているとのこと。
普段は磐越西線のSL列車を撮っているものの、そう、牽引機のC57 180号機が
“長期離脱中”。そのことから、何度か只見線を訪れているのだとか。

やはり、スノーシェッドの中で1人、ポツンと立っていた<変態鉄>は...
タクシーを呼んで帰る予定だと答えた<変態鉄>に、「送りましょうか?!」
ということで、クルマに乗せていただいたのだった。

残念ながら15時頃から、まとまった雨になり始めて。

……  ……

でも、その方、明日以降の撮影に備えて何カ所か、ロケハンしておきたい場所が
あるということで...

只見線の撮影地についてあまり知らない<変態鉄>にとっても、またとないチャンス。
クルマは宮下の集落とは反対に、只見線に沿って会津川口方面へと進んだのだった。

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【2019年1月28日15時34分】 只見線・会津中川-会津水沼

訪れたのは只見川第4橋梁、会津水沼駅のすぐ近くにあるトラス鉄橋である。
国道から、少しだけブッシュの中に下りていって、トラス橋を抜けてきた列車を
正面がちに撮る...というのが知られているが、そこを俯瞰できるポイントが
あるのだという。1箇所は山の上、でも、普段は野生のクマの出没する場所で、
1人では立ち寄るべきではない場所。そして、もう1箇所は水沼の集落にある
お寺の裏の墓地から線路を俯瞰するというもの。後者の「墓地俯瞰」を...

見に行ったのだが、墓地は除雪されておらず、墓石の上のところだけが少し顔を
出している程度の、もの凄い積雪。腰あたりまで雪に埋もれながら、その場所に
行ってみたが...

ということで、国道橋からサイドがちに撮る...という一番安直な方法を選択。

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【2019年1月28日15時34分】 只見線・会津中川-会津水沼

強い雨になった夕方、2連のキハが会津若松を目指すのだった。

「追っかけましょうか!?」
会津水沼駅付近から只見線の線路と国道232号線はピッタリ寄り添って走って行く。
無茶な走り方ではないのに、すぐに余裕でキハを追い抜いてしまった。

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【2019年1月28日15時42分】 只見線・会津水沼-早戸

ということで、早戸駅近くのアーチ橋のところで。徒歩だとなかなかアクセスが
難しい場所だけに、思わぬ形で。ちなみに国道のアーチ橋近く部分、舗装を
工夫しており、クルマで通過するとメロディが聞こえるようになっている。

そして...

「気になっている場所があるんです!!」と、その男性。その場所というのは...

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【2019年1月28日11時40分】 福島県大沼郡三島町大字宮下付近

そう、この「アーチ3橋台」、一番上の“新宮下橋”から下を覗き込んだら、
只見線のアーチ橋が見えるわけで。

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【2019年1月28日15時58分】 只見線・会津宮下-会津西方

もうすっかり夕方、陽の短い時期だけに16時でも露光は厳しい条件で、
しかも冷たい雨が降り続いていて。4桁ISO値で何とか写し止めた...という感じ。
ここで、撮影終了となった。

柳津町内でもロケハンしながら、往路のバスとほぼ同様の経路で若松市街に
戻ってきたのは、すっかり夜の帳が下りた18時頃のこと。

「ホテルのところまでお送りしますよ」
結局、お言葉に甘えることになり、神明通りのバス停近くで下ろしてもらって。
何だか申し訳ないような...。

翌28日の予報は「雪」、どうやら吹雪きそうな予感。どうか、只見線が除雪運休に
だけはならないで欲しい...と、そう願いながらホテルに戻ったのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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