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「青い雲」が撮りたくて(7)“青い雲”がなくても“金太郎塗り”が...。 [ちん電[阪堺電気軌道]]

<変態鉄>が、これほどまで夢中になって追いかけている阪堺モ161形、
1928年(昭和3年)に製造され、先日、90周年、つまり“卒寿”を迎えている。
そういう意味では、ことでん(高松琴平電鉄)「レトロ電車」の方が少しだけ
“先輩”になるが、こちらは月に一度の“特別運行”と団体貸切で走るのが中心。
一方の阪堺モ161形は夏場は運用を外れるものの、その他の季節には通常運用に
入っているのが他社の旧型車両たちとは違う。

でも、その沿線にはもう1つ貴重な“現存最古”がある。東京駅の赤煉瓦駅舎と
同様に辰野金吾の事務所が設計を行ったという南海電車の浜寺公園駅舎である。

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【2018年12月13日12時11分】 南海電鉄南海本線・浜寺公園駅

昨日の記事でも書いたし、正月の撮影記(半月後くらいにアップするかなぁ...)
でも触れるつもりだが、石津川-高石間の高架化工事で浜寺公園駅も仮設駅に
まもなく移行予定。一足早く、この駅舎は仮設のプレハブ駅舎に役目を譲り、
現役を終えたが、曳家のような形で移設され、高架化完成後にも何らかの形で
活用されることが決定している。

ということで、師走の陽の光を浴びて一時休止中の浜寺公園駅舎の1枚から。

12月13日の阪堺電車撮影記、「堺市内区間でモ161形を撮る」を目指していたが...

……  ……

2018年12月13日(木)晴れのち曇り

この時点で年始の住吉大社初詣輸送の撮影に訪れるかどうかは決めていなかった。
もし、この日、モ164号車が順当に終日“天浜”運用に入っていてくれて、
石津川鉄橋や堺市内区間でキチンと撮れていたら、正月は自宅でゴロゴロ、
箱根駅伝でも視て過ごしていたのかも知れない。

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【2018年12月13日12時26分】 阪堺電軌阪堺線・浜寺駅前電停付近

まさか、この3週間後に浜寺公園駅から南海電車に乗るとは思っていなかったので
「浜寺公園駅舎を記録できる機会も、そう多くなかろう」と思って撮っておいた
のである。

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【2018年12月13日12時27分】 阪堺電軌阪堺線・浜寺駅前電停

さて、ここからモ501形電車の天王寺駅前ゆきで石津に戻ったのだが...

日中、浜寺駅前での折返しは十分な間合いが取られており、
運転士さんはいったん電車を離れて駅舎に戻って休憩している。

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【2018年12月13日12時29分】 阪堺電軌・モ502号車内(浜寺駅前電停停車中)

というわけで、誰もいないモ501形の車内を。
モ161形が居るからモ501形も“新型”になるが、とはいえ、
こちらも昭和32年(1957年)の製造。すでに“還暦”を迎えている。

車内は昭和の路面電車らしい仕様で。ちなみに、この形式が新製投入されるのに
合わせて制定された「新標準色」がクリームと緑の“金太郎塗り”である。

この電車で石津に戻って...

驚きとガッカリと...

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【2018年12月13日13時06分】 阪堺電軌阪堺線・船尾-石津

まさに“失意の中で”、貸切運用で浜寺までやって来ていたモ505号車を。
モ501形の“金太郎塗り”復刻車の姿を記録していたわけで。

来るはずと確信していたものが来なかったというので、<変態鉄>としては
ショックが大きかったのである。
そう、それを年末最後の記事でご紹介したわけで(→ こちら)。

……  ……

仕方なく、でも、ショックを引きずりながら後続の天王寺駅前ゆきに乗って。

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【2018年12月13日13時39分】 阪堺電軌・大和川検車区(公道より撮影)

やって来たのは我孫子道。電停の後ろ側、保育園の前あたりまで行けば、
フェンス越しに車庫内で留置中の電車を視ることができて。“青い雲”留置中を
確認したのだった。庫内の、本線から遠い側に入っていて、これがすぐに再出庫
するような気はせず。ということで、「堺市内区間でモ164号車を撮る」という
テーマは断念せざるを得なくなったのである。

ちなみに、これはかなりイレギュラーなパターンで。
いまの阪堺電車の通常ダイヤ、朝ラッシュが終わると浜寺駅前まで行く運用に
入った電車は終日、天王寺駅前-浜寺駅前を往復する運用に入り、あびこ道止まり
には充当されない。つまり、堺市内区間に来る電車は“固定メンバー”になる。

だからこそ、“青い雲”の入庫がショックだったわけで。

現役のモ161形は4両、他の車両たちは!?

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【2018年12月13日13時41分】 阪堺電軌・大和川検車区(公道より撮影)

「貸切」幕を表示してスタンバイしているのはモ161号車。“昭和40年台仕様”
として鉛丹色の屋根、ニス塗りの車内が復元されて以来、事実上の貸切専用車。

まさか、正月輸送で営業運転に入ったところを撮ることになるとは、このとき、
全く予想していなかったのである。たぶん、この日も夕方からイベント運用が
入っているのだろうが...

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【2018年12月13日13時51分】 阪堺電軌・大和川検車区(公道より撮影)

濃緑色のモ162号車は庫内で休んでいた。パンタも下りていて、さすがにこの日は
出庫しそうな雰囲気は全くなくて。

つまり、午前中、あびこ道折返しの運用で撮った“金太郎塗り”モ166号車だけが
車庫の裏の方に留置されているか、営業運転で運用入りしているか。

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【2018年12月13日13時43分】 大阪市住之江区安立付近

ということで、安立町で見かけたマンホールの蓋。阪堺電車は大阪のミナミと
堺市を結んでいる路線である。以降、撮り慣れた大阪市内での撮影で。

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【2018年12月13日14時00分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前-住吉

モ166号車、午前中、運用に入っていたのなら...と、期待して向かう先は
住吉鳥居前電停だった。ここなら運用中の電車は全部、見ることができるわけで。

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【2018年12月13日14時03分】 阪堺電軌阪堺線・住吉-住吉鳥居前

と、そんな<変態鉄>が住吉に戻ってくるのを待っていたかのように、モ166号車が
その姿を現してくれたのである。もちろん方向幕が順当に「黒・あびこ道」である
ことも確認して。

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【2018年12月13日14時03分】 阪堺電軌阪堺線・住吉-住吉鳥居前(後追い)

「住吉鳥居前」の電停の名前が示す通り、住吉大社の参道、しかも大きな鳥居の
目の前にあるのがこの電停。そうすると、どうしても住吉大社と阪堺電車を絡めて
撮ることを模索したくなるのだが...

まずは鬱蒼とした木立と立ち並ぶ灯籠を背景に入れて。

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【2018年12月13日14時03分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前電停

路面電車の路面電車らしい撮り方...の1つが電停に停車中の姿だと<変態鉄>は
ひとり勝手にそう思っている。

これを撮ったら、すぐに写真に写っている信号機のある横断歩道のところ。
そう、住吉大社の真っ正面に当たる位置に移動して。信号が変わればモ166号車が
動き出すわけで。名前の由来でもある鳥居を入れて。

ただ、このカット、上手く撮るのは極めて難しい。この横断歩道の真後ろは
かつての住吉公園駅、そして南海電車の住吉大社駅。電車通りは片側1車線の
狭い道で、歩道には地元向けのお店が並んでいて。自転車や徒歩で通りかかる
買い物客たち、住吉大社を訪れる観光客...、狭い歩道で、それらの動きを
気にしながら電車を...

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【2018年12月13日14時03分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前電停付近

今回は、これが限界だった。

ということで...

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【2018年12月13日14時06分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前電停付近

改めて後続電車で撮り直したら...
これが本当は撮りたかった構図。でも、モ161形が通りかかるタイミングで
このように撮ろうとしたら、それは確かにリスクが高いのである。

でも、モ166号車の方向幕は黒字の「あびこ道」だった。つまり、我孫子道電停に
到着後は入庫せずに折返し線に入って、すぐに上り電車として折り返す運用。
恵美須町に向かうか天王寺駅前に向かうか...2つに1つ。

ただ、間違いなく15分ほどで上り電車として、この地点に戻ってくるのが確実。
ということで、いつものポジション。マンションの入口というか、医院前の歩道で
カメラを構えて待機したのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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