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2017夏、中国地方へ(4)清流線の旅 <後編> [鉄分の濃い旅行記録]

水曜は久々の公休日。自宅のTVでゆっくり大相撲観戦...だったが、
あの結びの一番を見ると、もしかしたら...という気がしてしまう。

“4横綱時代”と騒いでいたのは、いずこへ!? 
“横綱不在の場所”になるのでは無いかという恐れも出てきている。
北勝富士の成長ぶりにも驚かされるが、それにしても、あの土俵際。
あっさりと上手をとられて一気に逆転された横綱の脆さ。

数年前に“暗黒の時代”を経験した大相撲の人気も復活してきたときに
何だか心配なのである。

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【2017年8月30日12時13分】 錦川清流線・錦町駅

さて、8月30日の錦川清流線の話題。岩国駅を9:52発の第525D列車、
西岩国、川西と2駅だけJR岩徳線を走って、川西駅の先で岩徳線と別れて
いよいよ、内陸に向かって“未完成の陰陽連絡線”の旅が始まる。

……  ……

2017年8月30日(水)晴れ

岩国駅を出て2つ目が川西駅。高架上にある片面ホームの無人駅である。

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【2017年8月30日10時01分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

そのホーム上に、清流線の0キロポストが設置されている。
学生時代に岩徳線には一度だけ乗車しているので、ここからいよいよ自分にとって
新規乗車線区に入っていく。車内は中高年の女性グループが中心、川西駅を
発車した時点で車内には5~6人だった。

さて、錦川清流線に入って最初の駅が...

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【2017年8月30日10時07分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

清流新岩国駅。かつては、御庄駅だったが連絡通路で新幹線の新岩国駅に
繋がっており、以前から時刻表などの注記には新幹線の新岩国駅に接続と
書かれていたが...。位置関係は、富山地鉄の新黒部と新幹線の黒部宇奈月温泉
のような感じだろうか。

残念ながら、この列車には乗降客無し。

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【2017年8月30日10時08分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

でも、車内から慌てて撮ったこの駅舎...、そう、貨車改造の簡易駅舎が
残っていたのである。

そのとき、<鉄>というよりも<変態鉄>として気づいてしまったのである。

貨車から駅舎に改造されているものの、ぬぁんと銘板が付いたまま。
慌ててズームで寄ってみると...

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【2017年8月30日10時08分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

「昭和62年 改造 広島車両所」、つまり、転換当時に設置されたものだろうか、
「ヨ」を改造したのかと思っていたら、錦川鉄道の公式サイトを確認したところ
どうやら、「コキフ」の車掌室部分を切り出して使う...という模型さながらの
改造だったようで。そのときの工事を示す銘板だろうか。

貨車改造の簡易駅舎をマジメに観察したことも無かったが、その改造銘板を
見たのは初めて。ちょっとコーフンしてしまったのである。

ワンマン運転なので車内放送は合成音声による自動放送なのだが、JR岩徳線内を
走っているときから、車窓案内が詳しく行われるのが特徴だろうか。

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【2017年8月30日10時19分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

行波(ゆかば)駅あたりから進行方向右手、つまり東側の車窓に錦川が見えてくる。
その行波駅は「行波の神舞」という国の重要無形民俗文化財に指定された、
地元の住民によって7年に一度、神楽が奉納される。その歴史は確認できるだけで
18世紀末まで遡れるのだとか。

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【2017年8月30日10時25分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

途中、唯一の交換駅が北河内駅。ここでNT3002号車「ひだまり」号と交換。
第3セクター転換当時は北部区間の一部にタブレット閉塞が残っていたとか。
いまでは、4両が在籍、朝晩は2両が運用に入り、北河内駅で上下列車が交換、
昼間は1両で“羽子板運転”となる。第525D列車で錦町に到着するNT3001号は
そのまま入庫し、14時までの“お昼休み”となる運用。

北河内駅からは作業着姿の保線作業員が運転席ヨコに便乗。
一般の乗車客は無く。

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【2017年8月30日10時30分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

青空が広がり、列車は錦川の西岸を川の流れに沿って走って行く。
“清流線”の名に偽りなし。車窓から見える錦川の水がキレイに透き通っていて
透明だったり、エメラルドグリーンのようだったり、水色だったり...
なかなか気持ちの良い車窓。

ちなみに、<変態鉄>は、特に初めて乗る区間では、集中して車窓に注目。
岩国駅で進行方向右側の席を選択した。
幸い、錦川の清流、その眺望が大半の区間で右側に広がってくれて。

さて、1形式4両だけの小世帯、最低限の運行規模になっているのにもかかわらず
時刻表を見れば、朝晩の列車と日中の列車で所要時間が4~5分違うことに気づく。

これは、沿線6箇所で観光徐行を実施しているため。
 → 錦川鉄道公式ウェブサイト内「各駅紹介」

北河内と椋野駅の中間、線路際にある「清流の滝」もその1つ、放送案内にしたがって
左側の車窓にカメラを向けたが...

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【2017年8月30日10時32分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

「えっ、これが!?」
正直言って「ショボっ!!」と思ってしまった<変態鉄>、これは観光客と思しき
女性グループの皆さんも同様だったようで。

さらに続けて。

次の椋野駅と南桑駅の中間には「かじかの滝」。

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【2017年8月30日10時36分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

「最近、雨が降らないので...」
自動音声の案内放送に立ち上がって、車窓に注目した乗客たちに対して、
運転士さんがマイクをとって、何だか申し訳なさそうに。

でも、考えてみれば、ここの滝が大迫力になるときは、
錦川清流線が、錦川“濁流”線になっているときかも知れないわけで。
そういう意味では、この滝がチョロチョロ程度というのは良かったのかも。

どうやら、女性グループは「地底王国美川ムーバレー」に行くようで根笠駅で
下車、駅前に止まっていたワンボックスタイプの送迎バスだろうか...
乗り換えていって、車内はさらに閑散と。

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【2017年8月30日10時48分】 錦川清流線・第525D列車(NT3001号車内)

根笠駅の先には車窓に潜水橋を見ることもできて。

<鉄>としては河山駅の転轍小屋の遺構を撮っておくべきだったのだが、
完全に撮り逃してしまった。河山駅の近くには河山鉱山があり、そこからの
鉱石を積んだ貨物列車が走ったこともあった。

ただ、残念なのは旧国鉄岩日線開業から8年目の1971年(昭和46年)に閉鎖されて
しまったこと。わずか8年ほどで岩日線の貨物輸送自体が終了している。

終点一つ手前の柳瀬駅で高齢の女性客がひとり乗車。錦町の中心部に用事だろうか
数少ない地元客の利用者である。

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【2017年8月30日11時00分】 錦川清流線・錦町駅

そして、終点・錦町駅に到着。
錦川鉄道の本社も併設されており、いまでは岩国市に合併されているものの
かつての錦町の中心駅である。

……  ……

自分も含め観光目的で訪れた乗客が無ければ、この第525D列車は
大半の区間で保線作業員と空気だけを運んでいたわけで。

日本中、どこも同じだろうが山間部の町は、どこも賑わいが無く。
同線も、すでに地元の公共交通機関としての役割を果たして行くには
限界に近い状況なのでは無いか...というのが<変態鉄>の見た、
錦川清流線の姿だった。

ただ、事実上の起点となる岩国駅は、広島から普通電車で1時間弱、
宮島口からは25分ほど。線内には、新幹線との接続駅もあって。

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【2017年8月30日12時04分】 錦川清流線・錦町駅

そういう恵まれた面もあるので、何とか観光路線として生き残っていって欲しい...
と、そんなことを思ったのだった。晴れた日に乗れば車窓の美しさはなかなか。
もっと注目されても良い路線のような気がする。

そんな路線が、地元自治体の支援も得て国鉄型キハを購入。
これを観光列車として“再デビューさせる”というのは注目なのである。

キハ40が走り出したら、もう一度、訪問しようと思っている。
でも、撮影中の飲食の手配やトイレなど、<徒歩鉄>泣かせの路線になりそうで、
それがちょっとした悩みでもあるような。(つづく)

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