京都・紀州へ、最新と最長と最短と(13)日本最長路線バスの旅2 [路線バスの旅]
京都・紀州の旅も、あまり引っぱらずに、「そと房」号の旅も書きたいが...
【2014年9月6日7時03分】 総武本線・両国駅
早いもので、あのコーフンのシーンからすでに半月が経過した。
遅々として進まぬ拙ブログ。
撮影記なら、「カットされる部分」が大半。徒歩派の自分にとって
鉄道撮影の大半の時間は『列車の待ち時間』。だから、1日かかりの撮影行でも
撮影記は数話でおしまい。でも、旅行記だと...、
“撃沈”の2文字で終わるわけでも無いわけで...
今日はパソコンを開いてブログを書こうと思った瞬間、
なぜか、「愚痴を言おう!!」という気分になってしまったのだ。
愚痴を言うぞ!!!!
愚痴をいうぞぅ...、うんっ、アレ!?
…… ……
グッチ裕三。
この駄洒落が言いたくて、この書き出しにしてみたわけであって...
でも、本当に困っちゃう!! のは、
自分もブロガーの端くれとして、旅行中に見聞きしたことをメモすることが
多くなった。そう、こういう旅行ネタを書くときに困らないためである。
しかし...、この写真をご覧いただきたい。
あまりにもメチャクチャすぎて、何を書いたものなのか全然分からない...
という訳で、この「日本最長路線バスの旅」も書くのに苦戦しているのだ。
記憶も曖昧になってくる。いっそ、もう1回乗りに行こうかなぁ。
2014年9月3日(水)曇りのち一時雨
【2014年9月3日9時06分】 奈良県橿原市・大和八木駅前
9:15 定刻に大和八木駅前を出発した“八木新宮特急線”のバス。
10名前後の乗客を乗せて走り出したバス。最初は片側1車線でも、すれ違うクルマの
多い国道を進んだ。車窓には郊外型店舗や住宅、荒れ地...、典型的な地方都市の
風景がひろがる...ハッキリ言って、平凡な車窓だった。
高田市駅前、近鉄御所駅前と鉄道との接続駅で数名の乗客を拾っては、
数個先のバス停で降車...の繰り返し。途中、忍海に奈良交通バスの車庫。
この八木新宮線と同型のバスも何両か停まっていた。
御所駅を過ぎてしばらくすると、徐々に曲がりくねった道にさしかかり、
建物よりも田畑と荒れ地が目立ちはじめてきた。
「かもきみの湯」「風の森」と、ちょっと変わった名前のバス停が続くと、
10:20頃、最初の休憩地・五條バスセンター。
【2014年9月3日10時19分】 奈良県五條市・五條バスセンター
「10:30まで10分間の休憩です」と運転手さんのアナウンス。
全員がいったん下車した。自分もここでバスの外に出て休憩。
【2014年9月3日10時18分】 奈良県五條市・五條バスセンター
バスの側面には「八木新宮特急バス開通50周年」のラッピング。
乗客減に加え、数年前に十津川村は豪雨で甚大な被害、ここ数年だけでも、
この八木新宮線も存亡の危機を乗り越えてきたらしい。
自分も、この話題を新聞で見たような見てないような...
でも、十津川沿いの曲がりくねった道を進む、この路線の「長さ」だけでない
その「凄さ」をこれから実感することになった。
まぁ、そんなこともまだ知らず、バスセンターからデッキで結ばれたAEONで
何も買い物せずに、トイレだけを借りた図々しい男が1人。
【2014年9月3日10時27分】 奈良交通バス車内(五條BC・停車中に撮影)
さて、昨日の記事に載せたのと同じような写真をもう1回。
時折表示される、この「所要時間のご案内」、終点の新宮駅まで「5時間10分」。
八木駅では「6時間20分」、1時間余りが経過している。
ちなみに、次の休憩地は十津川村に入り、上野地で20分。
五條BCでは、大学生の11人のグループが乗車してきて、一気に車内は賑やかに。
聞き耳を立てていたわけでなくても、その大きな声での会話は、自然と耳に。
どうやら、旅行サークルのような団体だそうで、
各人が行った先の自慢をしているのだが...、内容はかなりテキトーで。
ツッコミを入れたくなるのと、吹き出しそうになるのを堪えつつ。
【2014年9月3日10時38分】 奈良交通バス車内(五條市内)
五條の街は、白壁の街並みも残っており、ここで途中下車して散策するのも
悪く無さそうだが、バスはJR五條駅前に立ち寄った後、市街地を離れると
11時前くらいには本格的な山道に。
【2014年9月3日11時32分】 奈良交通バス車内
国道と言うには“隘路”だが、クルマの通行量は多い。
特に目立ったのはツーリングの一団。バスは何度も路肩によって、バイクの列に
道を譲りながらの行程。新宮市内に入るまで何度となく繰り返された。
バスは左右にカーブしながら急勾配を上り下り。生子(おぶす)、
梅林が見どころだという賀名生(あのう)と難しい名前のバス停が連続、
どんどん山深い区間へ。丹生川べりの崖にへばりつくように続く道。
国道とはいえ、道路状態も必ずしも良いとは言えない区間が続いた。
途中の乗り降りもほとんどなく...
時折、沿線の歴史や名所に関する解説のアナウンスが流れるのも、
この路線の特徴だった。下永谷(11:10頃)では、紀伊水道と熊野灘の分水嶺との案内。
【2014年9月3日11時34分】 奈良交通バス車内(猿谷ダム付近)
さらに、11:30頃には十津川流域では初のダムとして整備された猿谷ダムの横を通った。
戦後、この山深い地に水力発電をはじめとした多目的ダムを建設することになり、
これに伴って、このバスが通る国道168号線の整備が進み、十津川村が“陸の孤島”で
なくなった訳だ。
【2014年9月3日11時40分】 奈良交通バス車内(大塔支所付近)
このダムがあるのは、奈良県五條市大塔地区、かつての吉野村大塔地区。
まもなくバスは大塔支所前、川沿いのバス停で、バスはいったん折り返す。
崖にへばりつくように小さな集落を結ぶ旧道を走ってきたバスも、
十津川沿いに建設された真新しい、高速道路のような高架道路へ。
何度となく水害に悩まされてきた所でもあり、国道168号線の整備事業として
新道への付け替え工事が進行中だった。
【2014年9月3日11時32分】 奈良交通バス車内
山肌は至る所で大規模な土砂崩れの痕跡が生々しく、重機が置かれていたり、
実際に工事が行われていたり...
それでも、この国道168号線の旧道は方々で通行止になっていた。
バスは、そんな通行止の区間を避けるように、時折、その新道を経由、
そして、旧道に戻って1つ1つの集落のバス停に立ち寄って...の繰り返し。
【2014年9月3日11時45分】 奈良交通バス車内
そんな旧道に戻ったところで、こんなシーンも時折。国道とは名ばかり。
対向車がある度にどちらかのクルマがバックして、路肩に余裕のある部分を見つけて
やり過ごさないといけない。世界遺産・熊野古道のルート、熊野から奈良に抜ける
道だけあって、大型観光バスの通行も多く、こんな場面にも遭遇した。
…… ……
まもなくトンネルを抜けて十津川村へ。
面積672平方キロメートルは奈良県全体の5分の1を占めているが、長らく“陸の孤島”。
古くは神武天皇の時代から農耕に不適な環境として、明治の地租改正に至るまで
御赦免地として税を免れていたという。独特の歴史と文化をもつエリアでもある。
ちなみに、<鉄>に広く知られる北海道は札沼線の終着「新十津川」駅の一帯は、
1889年、村落全体が壊滅的被害を受けた大水害後、十津川村から北海道に移住した人々が
開拓した土地である。
正午を過ぎて、まもなく第2の休憩地・上野地バス停が近づいてきた。
【2014年9月3日15時49分】 奈良県吉野郡十津川村上野地付近
村落の生活道路に架けられたものとしては「日本最長の吊り橋」、
“谷瀬の吊り橋”を散策できるように?? 20分間の休憩である。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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【2014年9月6日7時03分】 総武本線・両国駅
早いもので、あのコーフンのシーンからすでに半月が経過した。
遅々として進まぬ拙ブログ。
撮影記なら、「カットされる部分」が大半。徒歩派の自分にとって
鉄道撮影の大半の時間は『列車の待ち時間』。だから、1日かかりの撮影行でも
撮影記は数話でおしまい。でも、旅行記だと...、
“撃沈”の2文字で終わるわけでも無いわけで...
今日はパソコンを開いてブログを書こうと思った瞬間、
なぜか、「愚痴を言おう!!」という気分になってしまったのだ。
愚痴を言うぞ!!!!
愚痴をいうぞぅ...、うんっ、アレ!?
…… ……
グッチ裕三。
この駄洒落が言いたくて、この書き出しにしてみたわけであって...
でも、本当に困っちゃう!! のは、
自分もブロガーの端くれとして、旅行中に見聞きしたことをメモすることが
多くなった。そう、こういう旅行ネタを書くときに困らないためである。
しかし...、この写真をご覧いただきたい。
あまりにもメチャクチャすぎて、何を書いたものなのか全然分からない...
という訳で、この「日本最長路線バスの旅」も書くのに苦戦しているのだ。
記憶も曖昧になってくる。いっそ、もう1回乗りに行こうかなぁ。
2014年9月3日(水)曇りのち一時雨
【2014年9月3日9時06分】 奈良県橿原市・大和八木駅前
9:15 定刻に大和八木駅前を出発した“八木新宮特急線”のバス。
10名前後の乗客を乗せて走り出したバス。最初は片側1車線でも、すれ違うクルマの
多い国道を進んだ。車窓には郊外型店舗や住宅、荒れ地...、典型的な地方都市の
風景がひろがる...ハッキリ言って、平凡な車窓だった。
高田市駅前、近鉄御所駅前と鉄道との接続駅で数名の乗客を拾っては、
数個先のバス停で降車...の繰り返し。途中、忍海に奈良交通バスの車庫。
この八木新宮線と同型のバスも何両か停まっていた。
御所駅を過ぎてしばらくすると、徐々に曲がりくねった道にさしかかり、
建物よりも田畑と荒れ地が目立ちはじめてきた。
「かもきみの湯」「風の森」と、ちょっと変わった名前のバス停が続くと、
10:20頃、最初の休憩地・五條バスセンター。
【2014年9月3日10時19分】 奈良県五條市・五條バスセンター
「10:30まで10分間の休憩です」と運転手さんのアナウンス。
全員がいったん下車した。自分もここでバスの外に出て休憩。
【2014年9月3日10時18分】 奈良県五條市・五條バスセンター
バスの側面には「八木新宮特急バス開通50周年」のラッピング。
乗客減に加え、数年前に十津川村は豪雨で甚大な被害、ここ数年だけでも、
この八木新宮線も存亡の危機を乗り越えてきたらしい。
自分も、この話題を新聞で見たような見てないような...
でも、十津川沿いの曲がりくねった道を進む、この路線の「長さ」だけでない
その「凄さ」をこれから実感することになった。
まぁ、そんなこともまだ知らず、バスセンターからデッキで結ばれたAEONで
何も買い物せずに、トイレだけを借りた図々しい男が1人。
【2014年9月3日10時27分】 奈良交通バス車内(五條BC・停車中に撮影)
さて、昨日の記事に載せたのと同じような写真をもう1回。
時折表示される、この「所要時間のご案内」、終点の新宮駅まで「5時間10分」。
八木駅では「6時間20分」、1時間余りが経過している。
ちなみに、次の休憩地は十津川村に入り、上野地で20分。
五條BCでは、大学生の11人のグループが乗車してきて、一気に車内は賑やかに。
聞き耳を立てていたわけでなくても、その大きな声での会話は、自然と耳に。
どうやら、旅行サークルのような団体だそうで、
各人が行った先の自慢をしているのだが...、内容はかなりテキトーで。
ツッコミを入れたくなるのと、吹き出しそうになるのを堪えつつ。
【2014年9月3日10時38分】 奈良交通バス車内(五條市内)
五條の街は、白壁の街並みも残っており、ここで途中下車して散策するのも
悪く無さそうだが、バスはJR五條駅前に立ち寄った後、市街地を離れると
11時前くらいには本格的な山道に。
【2014年9月3日11時32分】 奈良交通バス車内
国道と言うには“隘路”だが、クルマの通行量は多い。
特に目立ったのはツーリングの一団。バスは何度も路肩によって、バイクの列に
道を譲りながらの行程。新宮市内に入るまで何度となく繰り返された。
バスは左右にカーブしながら急勾配を上り下り。生子(おぶす)、
梅林が見どころだという賀名生(あのう)と難しい名前のバス停が連続、
どんどん山深い区間へ。丹生川べりの崖にへばりつくように続く道。
国道とはいえ、道路状態も必ずしも良いとは言えない区間が続いた。
途中の乗り降りもほとんどなく...
時折、沿線の歴史や名所に関する解説のアナウンスが流れるのも、
この路線の特徴だった。下永谷(11:10頃)では、紀伊水道と熊野灘の分水嶺との案内。
【2014年9月3日11時34分】 奈良交通バス車内(猿谷ダム付近)
さらに、11:30頃には十津川流域では初のダムとして整備された猿谷ダムの横を通った。
戦後、この山深い地に水力発電をはじめとした多目的ダムを建設することになり、
これに伴って、このバスが通る国道168号線の整備が進み、十津川村が“陸の孤島”で
なくなった訳だ。
【2014年9月3日11時40分】 奈良交通バス車内(大塔支所付近)
このダムがあるのは、奈良県五條市大塔地区、かつての吉野村大塔地区。
まもなくバスは大塔支所前、川沿いのバス停で、バスはいったん折り返す。
崖にへばりつくように小さな集落を結ぶ旧道を走ってきたバスも、
十津川沿いに建設された真新しい、高速道路のような高架道路へ。
何度となく水害に悩まされてきた所でもあり、国道168号線の整備事業として
新道への付け替え工事が進行中だった。
【2014年9月3日11時32分】 奈良交通バス車内
山肌は至る所で大規模な土砂崩れの痕跡が生々しく、重機が置かれていたり、
実際に工事が行われていたり...
それでも、この国道168号線の旧道は方々で通行止になっていた。
バスは、そんな通行止の区間を避けるように、時折、その新道を経由、
そして、旧道に戻って1つ1つの集落のバス停に立ち寄って...の繰り返し。
【2014年9月3日11時45分】 奈良交通バス車内
そんな旧道に戻ったところで、こんなシーンも時折。国道とは名ばかり。
対向車がある度にどちらかのクルマがバックして、路肩に余裕のある部分を見つけて
やり過ごさないといけない。世界遺産・熊野古道のルート、熊野から奈良に抜ける
道だけあって、大型観光バスの通行も多く、こんな場面にも遭遇した。
…… ……
まもなくトンネルを抜けて十津川村へ。
面積672平方キロメートルは奈良県全体の5分の1を占めているが、長らく“陸の孤島”。
古くは神武天皇の時代から農耕に不適な環境として、明治の地租改正に至るまで
御赦免地として税を免れていたという。独特の歴史と文化をもつエリアでもある。
ちなみに、<鉄>に広く知られる北海道は札沼線の終着「新十津川」駅の一帯は、
1889年、村落全体が壊滅的被害を受けた大水害後、十津川村から北海道に移住した人々が
開拓した土地である。
正午を過ぎて、まもなく第2の休憩地・上野地バス停が近づいてきた。
【2014年9月3日15時49分】 奈良県吉野郡十津川村上野地付近
村落の生活道路に架けられたものとしては「日本最長の吊り橋」、
“谷瀬の吊り橋”を散策できるように?? 20分間の休憩である。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
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険しい山間地というと、富山県とか長野県を連想しますが、
奈良県の懐の深さもすごいですね。
バスとのにらめっこにはびっくりしました。
by やぶお (2014-09-21 13:15)
やぶおさん
コメントありがとうございます。
富山地鉄バスでも、神岡線などは山道の走行を楽しめそうですが、でも、それにしてもこちらも凄かったです。
特に、熊野古道が世界遺産に指定されてからは、そのルートに当たるので、この国道168号線も多くの観光バスが通るようで...
ただ、少しずつ、高架とトンネルで走りやすい新道に徐々に付け替えられ、この八木新宮線も一部区間で新道を経由するようになりました。
でも、やはり、小さな集落を1つ1つ結んでいく旧道の方が、自分は好きですが...
by あるまーき (2014-09-21 13:36)
私が乗ったときは沿道各所でバイパス工事が進んでいました。何れもかなりの高規格で。そして、もう一つ目立ったのが自民党土建族のドン、Nセンセイのポスターでした。国土強靭化の先駆けを見た思いです。
by サットン (2014-09-23 12:20)
サットンさん
こちらにも、コメントありがとうございます。
十津川村は、やはり、自然環境の厳しいところだけに、あの国道と言うには、隘路の168号線ですから、数年前の水害のこともありますし、道路の付け替えはやむを得ない部分もありそうですね。
旅行客としては、あの山道の方が嬉しいのですが...
by あるまーき (2014-09-23 22:17)