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秋の来た北の大地へ(5)日本最長の普通列車<滝川駅にて> [北の大地で<変態鉄>]

皆さまのお住まいの地域では、台風の被害はなかったでしょうか。
東京はこれからの時間帯がピークになるのか...

「大型の台風18号の接近で猛烈な雨」と、天気予報が繰り返している。
でも、いまからそのモーレツな風雨の中を会社に向かわないといけない。憂鬱。

さて、今日の話題。
……  ……

全国的にごく一部の大都市圏の例外を除けば、都市間輸送は特急列車の役割になり、
普通列車は1つの行政区画の中で、例えば、高校生の通学、住民の役所への用事、
病院、買い物...といった日常生活を支える存在に徹することになって久しい。

それでも1990年台までは長距離を走り抜ける普通列車も珍しくなかった。
東京駅からの東海道線でも「大垣夜行」は別格にしても、静岡ゆきとか島田ゆきとか、
富山駅で北陸本線の発車案内を見ていても、米原ゆきなんていうのも当たり前の存在だった。

でも、それぞれの町のローカルな事情に合わせて最適なダイヤにするためにも、
ダイヤ改正の度に運転系統が細分化され、特に会社境界を跨ぐ普通列車はほぼ壊滅。

0Y6C0946.JPG
【2013年9月3日9時24分】 根室本線・滝川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F5.0 1/50秒 +1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

そんな中、「最後の長距離普通列車」とも言える存在が根室本線の第2429D列車、
キハ40ディーゼル動車で運転されるごく普通のローカル列車だが、
滝川を9:37に出て終点の釧路には17:39着、所要8時間2分を超える普通列車はない。

0Y6C1084.JPG
【2013年9月3日17時33分】 根室本線・2429D列車内(キハ40 1765車内)
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F4.0 1/40秒 +1段補正 ISO3200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

308 kmという運転距離も日本有数の長さ。北海道内は駅間距離が長いところが
多いので48駅というのは、全国的には決して珍しい訳ではないが、
途中で列車番号が変わらない、快速運転ではない...純粋な普通列車(?)としては、
日本一の存在ともいえるような列車。これに完乗してしまおうというのが
今回の旅の目的だった。

2429D_card.jpg

もちろん、このカードを釧路駅改札口で無事入手した。
8時間というのは大変だと思っていたが、自分にとってはあっという間。
時間の経過が短く感じられた。では、その話題。

……  ……

2013年9月3日(火)曇りのち雨

長距離列車での<乗り鉄>は、往々にして“眠気との闘い”となる。
まぁ、負けたところで何てことないのだが、せっかくならば起きていたい。
という訳で、前の晩、早く床に就いたら6時には目が覚めてしまった。

「青春18きっぷ」だから別料金にはなってしまうが、
当初は、2429Dの始発駅・滝川までは「スーパーカムイ」の力を借りるつもりだった。
でも、札幌 6:58発の普通・滝川ゆきに乗れば、「青春18きっぷ」だけで
滝川まで行けて、しかも、約1時間の接続時間が生まれる。荷物を提げて札幌駅に急いだ。

札幌から遠ざかる、朝のラッシュとは反対方向だから空いているかと思いきや
711系3連の滝川ゆきはほぼ満員。最後尾のクハ711-116のロングシートに辛うじて着席。

IMG_0776.JPG
【2013年9月2日8時19分】 函館本線・131M列車内(クハ711-116車内)
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F4.0 1/125秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

岩見沢など、途中駅で多少の乗降はあったものの、美唄まで終始混雑。
でも、美唄でほぼ全ての乗客が降り、車内は閑散とした。ボックス席に移動。
乗車した車両は「3扉化改造車」。国鉄型電車に共通の平凡な車内風景と思いきや
小ぶりな窓と、夏場だから上げてはあるが、二重窓が北海道仕様の証。

IMG_0773.JPG
【2013年9月2日8時18分】 函館本線・131M列車内(クハ711-116車内)
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 6.3 mm 露出 F4.0 1/125秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

北海道らしく(?)、天井は扇風機だけ。さすがに、満員のときは蒸し暑かった。
と、感じたのは自分だけだったのだろうか。窓を開けようとする人も居なかった。
自分だけパタパタとあおいでいるような感じ。

0Y6C0868.JPG
【2013年9月3日8時34分】 函館本線・滝川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 85.0 mm 露出 F6.3 1/160秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

滝川駅に到着したところで、ホームでこの3両編成をスナップ。
影になって見づらいが先頭車が3扉化改造を受けていることが確認できる。

0Y6C0888.JPG
【2013年9月3日8時45分】 函館本線・滝川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F5.6 1/320秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

帯広・釧路方面の優等列車は全て千歳線・石勝線経由となり、滝川からの根室本線は
単なるローカル線の始発駅になって久しい。
でも、たくさん並んだこの紺色の看板に、伝統ある主要駅としての風格すら感じた。

0Y6C0869.JPG
【2013年9月3日8時34分】 函館本線・滝川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F7.1 1/400秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

到着したホームで振り向くと、国鉄時代の交流電車標準色に塗り戻された編成の姿。
シングルアームパンタがアンバランスだが、このシックな装いはやっぱり良い。
こちらが、711系のオリジナルな姿。

0Y6C0872.JPG
【2013年9月3日8時34分】 函館本線・滝川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 160.0 mm 露出 F8.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

その手前に留置されていたのがキハ40 1765、1時間後にこの車両に乗ることになる。

0Y6C0908.JPG
【2013年9月3日9時02分】 函館本線・滝川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 105.0 mm 露出 F8.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

それまで、札幌方面の普通電車として到着した711系の姿をスナップしたり、
駅構内を歩き回ったり...、<鉄>活動をしながら、待ったのであった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 9

サットン

今はこの列車が名実ともに最長鈍行なんでしょうねえ。
この間まで岡山ー下関間の鈍行が途中で列車番号を変えながらも
時刻表では 」 マークで繋がっていたので2429Dは運転時間日本最長って
遠慮がちに主張していましたが、山陽本線は 」 マークもなくなり
完全に分割されたように見えます。
前座を711系が務めるっていうのも贅沢な演出ですね。
by サットン (2013-09-16 15:15) 

johncomeback

台風は仙台も通り過ぎたようで、雨が上がって風向きが変わりました。
by johncomeback (2013-09-16 17:13) 

たじまーる

8時間は長いですね(^^ゞ
普通列車の場合、座席が固い??ので
エアークッションや椅子の下になにか敷いて
長時間対策されると聞いたことあります。
達成感、格別だったのでは?

by たじまーる (2013-09-16 18:18) 

UZ

JR化後は都市間輸送と都市圏輸送の2つに重点をかけるようになっています。特急は前者、普通は後者に分かれています。
普通については都市圏ごとに分割されていて、当然ダイヤもそのようになっているように思えます。今回乗車された長距離列車のように残っているのが奇跡のように感じました。
でも通しであの座席を利用するのはしんどいですね。
by UZ (2013-09-16 19:57) 

あるまーき

皆さん、コメントありがとうございます。

☆ サットンさん
いまでも、300 km級に近い普通列車として敦賀-播州赤穂間の新快速電車や、山陽本線の岡山-新山口なんていうのがあるみたいですが...。どちらも、あまり興味が沸きません。
やはり、2429Dはいまや「特別な存在」といえる列車だと思います。
調べて見ると、復路も途中で列番が変わりますが、2522D~3430Dという釧路発滝川ゆきという設定もありますね。今度は、「復路」に挑戦してみようかなぁ、と思っています。

☆ johncomebackさん
今回の台風、足が速かったみたいですね。関東の雨・風のピークは朝まででした。自分の方は仕事にも影響なく、むしろ、帰りは月が非常にキレイに輝き、星もよく見えました。虫の鳴き声と涼しい空気に秋の訪れを感じています。

☆ たじまーるさん
かつての「大垣夜行」はきつかったですが、2429Dは富良野までは多少混雑しますが、あとは座席に余裕があり、また、途中、列車交換でまとまった停車時間があり、ホームで写真を撮ったり、カラダを動かしたりしながら、楽しく過ごせました。終着・釧路が近づくと名残惜しく感じるくらいでした。

☆ UZさん
仰るとおりですね。確かに「奇跡的存在」だと思います。できれば、系統分割せず、残ってもらいたい列車です。
あのボックスシート、2人分を使えましたし、途中の停車時間に外でカラダを伸ばすことができたので、苦痛ではありませんでした。

by あるまーき (2013-09-17 00:11) 

やまびこ3

そうか、この列車が日本最長なのですね。
JR北海道でもそれを売りにしているところがあるので、長く走ってほしいものですね。でも8時間、うらやましような時の流れです。
by やまびこ3 (2013-09-17 07:56) 

あるまーき

やまびこ3さん

コメントありがとうございます。
そうですね。<鉄>以外の人には直通需要はありませんが、それでも、こういう長距離鈍行に残って欲しいと思います。
駅弁を食べ、車窓を眺めながらの8時間は、楽しいものでした。
by あるまーき (2013-09-17 10:14) 

suzuran6

滝川駅、昔は賑やかな駅だったのですが、現在はほぼローカル駅になってしまっていますね。
711系チョイスは正解ですね。
by suzuran6 (2013-09-17 12:10) 

あるまーき

suzuran6さん

コメントありがとうございます。
滝川駅は広い構内に、華やかだった時代を感じさせてくれました。
十勝方面が、石勝線経由になる以前は道内有数の拠点駅だったのでしょうか。
早朝、札幌駅に向かうときは、「731系だったらイヤだな」と思っていましたが、711系に乗ることができて良かったです。
by あるまーき (2013-09-17 12:15) 

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