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さぁ、最後の「ちてつ顔」を撮りに(後半14=最終回)そして、本当に最後の... [雷鳥色の電車たち[富山地鉄]]

長く続いたこのシリーズも、とうとう最終回。モハ10025-モハ10026編成は
解体こそされていないものの、部品取りなども進んでいるようで、すでに...

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【2019年9月30日7時46分】 富山地鉄上滝不二越線・月岡駅付近

<変態鉄>が地鉄電車を本格的に撮りだしたのは、2012年の春のこと。
ちょうど拙ブログを始めた直後だった。当時は“ダブルデッカーエキスプレス”も
まだ居なかった時代、でも、観光列車よりも“日車ロマンスカー”、湘南顔2枚窓、
「20形電車」に一番惹かれた<変態鉄>だったのである。

富山の<鉄>の方とも知り合うことになった。そんな意味でも思い出の電車である。

晩秋を思わせるドン曇りの朝、2019年9月30日の朝の上滝不二越線の運用が
富山地鉄10020形の最終運用だったみたい。その様子を。

……  ……

2012年、鉄道誌の記事を参考に、10020形を撮りに行って...

当時、既に10020形は、この第3編成(モハ10025-モハ10026)だけになっており。
その定期運用もクハを増結した3連での上滝不二越線の朝の1往復だけだった。

でも、当時はクハも「20形」一族の、173、174号車が使われており。

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【2013年3月6日7時15分】 富山地鉄上滝不二越線・月岡駅

2往復の3連運行、いまではダブルデッカーエキスプレスがになっており、
満員の高校生を乗せて、その収容力の大きさを遺憾なく発揮しているが、
当時は、1本は「クハ173+14760形」という運用になっていた。
そう、月岡駅で173号と174号、2両の増結クハが出会うシーンが毎朝あって。
(14760形はクハを解結した後、通常のワンマン運用に入っていた)

当初の“上滝朝3”では、このすれ違いシーン、これがお目当てだった。

いつの間にか、月岡駅舎も建て替えられ、架線柱も古い鉄骨トラスのものから
白っぽいコンクリートポールに交換されており...

そんなところに年月の流れを感じるが、でも、月岡駅から大庄駅手前までの
直線区間、その雰囲気はずっと変わらなかった。

最後の朝。


2019年9月30日(月)曇りのち晴れ

普段より遅めに出発したのは、稲荷町で出庫前の準備中の姿を撮りたかったのと、
ダブルデッカーエキスプレス車で走る第603~606列車は、この日の狙いでなかった
ことが原因である。

空港へと直行する予定、着替えやらパソコンやらが入ったボストンバッグ、三脚、
それからカメラバッグと。歩くことも億劫になりそうな大きな荷物を提げて
一面の田んぼの中、線路沿いの細い道を歩き出し...

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【2019年9月30日7時01分】 富山地鉄上滝不二越線・大庄-月岡

最後と言うこともあって、いままで一番多くカメラを構えた地点で。

大庄駅との中間付近にある第4種踏切のところで。
試し撮りは、ダブルデッカーエキスプレスの折返し、第606列車。
これが 7:02 に月岡駅で、あの3連と交換するのである。

とはいえ、写真は...

そう、思いっきり逆光になるのが悩みだった。

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【2019年9月30日7時04分】 富山地鉄上滝不二越線・月岡-大庄(後追い)

いつもと変わりない、モハ10025号車の後ろ姿。
空が白飛びしていて、写真としてはダメダメな1枚だが、それでも10020形の
最後の姿が撮れたという満足感は大きかったのである。

そして...

大々的に行われた「お別れイベント」の翌朝だけあって、最終日とはいえ
沿線の“同業者さん”の数はそれほど多くなることもなく。

それでも、月岡駅の南側、ポイントの付近には何名かが固まって。
自分もその中に混ぜてもらって。場内信号機からホームまでの間で撮ったことも
多かった。周囲の人たちと声をかけあい、ポジションを微調整しながら。

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【2019年9月30日7時35分】 富山地鉄上滝不二越線・大庄-月岡

カメラの準備が終わって、ほどなく...

早くも、岩峅寺駅で折り返した第608列車が戻ってくる時刻。
幸い(?)、時間の経過とともに空には灰色の雲が広がってきて。その分、逆光で
あることも気にならない画になって。

引き気味の画で構えていた<変態鉄>の RP のファインダーの中に10020形の姿。

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【2019年9月30日7時35分】 富山地鉄上滝不二越線・大庄-月岡

平凡な画ではあるものの、これが最後の1枚となった。
何だか、コレで1つの何かが終わったような...そんな心境だったのである。

そして、振り返れば...

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【2019年9月30日7時35分】 富山地鉄上滝不二越線・月岡駅(後追い)

最後尾のクハ175号車にも山吹色の、あの丸看板が装着されており。
奥の2両が10020形、車体断面の違いがちょっとだけ見て取れる。

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【2019年9月30日7時36分】 富山地鉄上滝不二越線・月岡駅

その到着を待っていた後続の岩峅寺ゆきは“東急さん”17480形。

増備車(第3・4編成)も、すでに長津田から稲荷町に搬入されており...
ステンレス電車もいつの間にか、富山の電車になっているのである。

岩峅寺ゆき17480形が先発し、続いて電鉄富山ゆきの3両編成がゆっくりと月岡駅を
離れれば、<変態鉄>も周囲の“同業者さん”もカメラを仕舞って。

富山地鉄には趣のある木造駅舎が多数残っている。でも、無人化から長い時間が
経過する中で、正直言って“廃屋”のようになっているところも。
<変態鉄>は、その中に、かつて地鉄電車が地域輸送の“主役”だった時代の
痕跡を見つけるのが好きなのだが...

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【2019年9月30日7時36分】 富山地鉄上滝不二越線・月岡駅

最近ではリフォームされる駅舎が増えており。でも、どこかのJ※のように
安易に簡易駅舎にするのではなく、ちゃんと、もとの駅舎を活かした形で
残してくれていて。先日の記事で取りあげた寺田駅もそうだし、この月岡駅も。

リニューアル工事後も、以前の駅舎の雰囲気が良く残っているのである。
ちなみに、無人化されているものの、かつて駅員さんが居た部屋は、現在では
除雪作業にあたる方の待機室のような使われ方をしているはず。

この駅舎内でタクシーを待ったのだった。

そして、約束通り。8時ピッタリに駅の前に1台のタクシーが。

開発駅のところの交差点を左折し、あの線路を跨いでいる道路に合流したのは
分かったが、たぶん、そのまま東へ東へと進んだようで。

調べてきたとおり、15分ほどで国道41号線に入り。まもなく見慣れた景色が...

……  ……

少し余裕を持って富山きときと空港に到着したのだった。

2階の売店で自分へのご褒美に、お気に入りのメーカーの“ますの寿司”を買って、
展望デッキで、やってくるヒコーキの姿を...

「どうせ、B737型だろう」と、そう思っていたら...

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【2019年9月30日8時51分】 富山県富山市秋ヶ島・富山きときと空港

目の前に姿を現したのは、B737型機に比べてスタイルの良さが目立つ機体。
ぬぁんと、新型のエアバス“A321neo”がやって来て。機番は「JA131A」。
(事前にANAのサイトでチェックしておけば簡単に分かることだが...)

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【2019年9月30日9時24分】 NH316便(JA131A)機内

搭乗直前に変更して貰ったのは、この座席。
プレミアムクラスのすぐ後ろの列なのである。

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【2019年9月30日9時45分】 NH316便(JA131A)機内

富山きときと空港を飛び立つ頃には、空には青空が広がり始めて。
朝のドン曇りは、<変態鉄>がモハ10025号車を、逆光にならずに撮れるように...
あたかも自分に合わせてくれたような、そんなことを思いながら。

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【2019年9月30日10時35分】 NH316便(JA131A)機内

乗ってしまえば、あっという間。50分後には羽田空港に到着していた訳で。

富山地鉄に最後の20形を追った1週間が終わったのである。(おわり)

……  ……

4日(月)は、久々の早朝出発で羽田空港へ。残念ながら、あの路線には立ち寄る
時間が無さそうでも、ずっと気になっていた、あの電車の撮影会に。

<予告編>を書かなかった「あの電車」とは、果たして!?

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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