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秋深まる会津路へ(3)客車列車に魅せられて... [会津・越後のキハ[只見・磐越西線]]

日本の鉄道の発達史、世界的にみてちょっと珍しい方向性というのは「電車」ばかり
になって、「汽車」が無くなったこと。
特急寝台列車の衰退とともに、機関車が(動力の無い)客車を牽引するという形の
列車を見ることはできなくなった。床下にモーターを備え、架線から集電した
電気で走る“電車”、燃料タンクとエンジンを備えた“ディーゼル動車”で
ほぼ全ての旅客列車が。これを<鉄>の用語では“動力分散式”というのだが...。

対して、世界的に旅客列車、特に長距離列車で広く使われているシステムが
“動力集中式”が多く、これなら先頭に立つ機関車を強力にすれば、あとは自由に
編成を組むことができるわけで...。

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【2018年10月28日13時19分】 磐越西線・笈川-堂島

JR線上に最後まで残る“機関車牽引の客車列車”というのは、もしかしたらSL列車に
なるのかも知れない。すでにJR東海とJR四国には“客車”そのものの配置が無く。
JR東日本など、釜石線のSL列車は、ぬぁんとSLがディーゼル動車を牽くスタイル。
もちろんディーゼル動車のエンジンも稼働しているので...

だから、<鉄>として、いや、<変態鉄>としてはSL列車を見るときも先頭に居る
蒸気機関車よりも後ろに繋がる客車の方が気になるわけで。
C57型蒸気機関車が不具合のため長期離脱中。代わりに、DE10型ディーゼル機関車が
SL列車用の12系客車を牽くスタイルは、<変態鉄>にとっては“大当たり”なので
あった。

さて、今日の本文に入る前に。

001_cloud_fund_1080.png

<鉄>な皆さま、こちらの方はお済みですか?? (自分は関係者ではありませんぞ!!)
来年以降の、<変態鉄>の撮影対象を増やすためにも(笑)、これを実現させるべく
皆さまのご協力のほど。

  https://readyfor.jp/projects/type1080project

やっぱり、「赤い電車は白い線」だと思うので。少しずつでも構いませんので、
皆さまもよろしくお願いいたします。
……  ……

2018年10月28日(日)晴れのち曇り

11時過ぎにホテルにいったん到着。荷物を預けたら再び。
磐越西線というのは福島県の郡山駅と新潟県の新津駅を結ぶ路線だが、会津若松駅で
スイッチバックする線形になっている。そして、郡山-会津若松-喜多方間は
交流電化、喜多方-新津間は非電化でディーゼル動車が運転されている。

でも...

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【2018年10月28日16時01分】 磐越西線・笈川-堂島

運転系統は会津若松が境目になっていて。若松-喜多方の区間列車もキハが充当
されるケースが多くて。さらにさらに...

会津若松-喜多方間には、堂島、笈川、塩川、姥堂、会津豊川と16 kmほどの区間に
途中駅が5つもあるのだが...
塩川駅を除けば、普通列車も基本的には通過するという不思議な駅で。
朝7時台から10時台に2~3本の列車が止まったら夕方まで停車する列車が無く。

<変態鉄>がネットで探した撮影地は笈川駅の近くで。<徒歩鉄>泣かせの撮影地。
でも、そこで諦めないのが<変態鉄>。

堂島駅の手前から磐越西線とピッタリと寄り添って走っているのが国道121号線、
米沢街道である。その米沢街道経由で会津若松の中心街と喜多方を結ぶ会津バスの
路線バスがあることを知って。

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【2018年10月28日13時47分】 福島県会津若松市河東町代田付近

ホテル最寄りの神明通りバス停を12:05発の「塩川経由喜多方ゆき」というのが。
ちなみに、若松-塩川-喜多方というのは会津バスの中でも主要路線のような
感じで、日中でも1時間程度の間隔で運転されており。

列車利用よりは運賃は高いが、それでも日中でもコンスタントに...。
ホテルに荷物を預けたら、神明通りバス停。予定通りのバスで。
会津バスの路線バスは「前乗り前降り式」、少し古いタイプのバスでは、中ドアが
ない、1扉の車体になっていて。低床車なども多く運用されているが、その場合も
中ドアは「車イス専用」となっていて、停留所でも乗降は専ら前ドアという方式。

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【2018年10月28日13時47分】 福島県会津若松市河東町代田付近

駅のすぐ北側で、磐越西線の上り下りをまとめて陸橋で越えて。

後は新津方面に伸びる線路と並走、県立医大医療センターに立ち寄ったら、すぐに
お目当ての「代田大和田別」。どうやら読み方は「よだおおわだわかれ」のようで。

会津地方では、道が分かれる...というか、側道が分岐するような交差点を
「別」と表現する伝統があったのだろうか?? 他にも「※※別」というバス停名は
会津バスではいくつか見られるようで。

さて、そのバス停で下車したら、すぐ右側に見えているのが今回の撮影地。

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【2018年10月28日12時36分】 福島県会津若松市河東町代田付近

バスを降りて線路の方を見れば、すぐ目の前にあるのが「第2学校前踏切」。
磐越西線の会津若松側での撮影地としては、かなり有名な部類に入るのだそうで。
田園地帯にまっすぐ続く単線の線路、足回りに草も無く。スッキリとした
まさに撮影好適地なのだった。

すでに三脚を立てて準備万端の“同業者さん”の中で。今シーズンはSLの不具合で
DE10型ディーゼル機関車で代走。列車名も「DLばんえつ物語」号になっているが、
この週末だけ同じ編成・同じダイヤでも「紅葉ハロウィントレイン」の名称で
運転されている。普段とは違うヘッドマークが付くと言うことで、多くの<鉄>は
“正面ドカン”を狙って踏み切りカブリツキにまとまっていたのだが...

<変態鉄>はあくまでマイペース。少し引いて、国道側からサイドがちに列車写真
を狙う方針はブレることが無かった。「紅葉ハロウィントレイン」でも
「DLばんえつ物語」でも、そんなことはどうでも良い。DE10が12系客車を牽く...
それが撮りたかったのである。列車の通過までは、約40分。

国道に出て無意味に周囲を歩き回っていると、踏切機が鳴り出したのである。

「ええ~~っ」、ちょっと意表を突かれた。三脚を立てた所まで戻る時間など無く。

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【2018年10月28日12時44分】 磐越西線・笈川-堂島

カメラ手持ちでテキトー撮影。
磐梯山がその全容をクッキリと見せてくれていたので...

「どーせ、E721系とかキハ110系とか...、国鉄型が来るわけ無いし!!」と
なぜか斜に構えていた<変態鉄>、ファインダーの中に入ってきたのは
ぬぁんとキハ40形の2連。

白地に緑濃淡の塗り分けは、会津若松運輸区のキハ40形である。只見線が“主戦場”
だったように思うのだが、日中の磐越西線でも運転されているようで。

のっけから国鉄型キハが撮れて。しかも、磐梯山バック。
お目当ての列車が登場する前に“会心の1枚”...と喜んだのだが、画像を拡大して
見てみると、キハの先頭が青い屋根の建物に重なっていて。
EOSくん背面のディスプレイで確認したとき、その存在が、なぜか非常に
気になってしまった<変態鉄>だったのである。

さぁ、「紅葉ハロウィントレイン」の通過は、13:20過ぎ。近づくにつれて
踏切周辺は徐々にカメラを持った<鉄>が増えていって...。

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【2018年10月28日13時19分】 磐越西線・笈川-堂島

DE10型が牽く「紅葉ハロウィントレイン」、種別上は“快速”。
でも、ローカル列車という感じは無く。(グリーン車組込の全車指定制快速)
むしろ、何だか国鉄末期から分割民営化直後に流行った“ジョイフルトレイン”を
撮っているような感じだが...。

ブラウン系の塗装、展望車化改造などを受け、その姿を大きく変えてはいるものの
中間車の窓回りなど、間違いなく12系客車である。

自分にとっては、これが“会心の1枚”である。

お目当ての列車が通り過ぎれば、周囲にいた20名ほどだろうか...“同業者さん”
たちは、大急ぎで三脚を片付けて駐めておいたクルマに乗り込んで。
会津若松駅に直行して折返し待ちのシーンを撮るのだろうか!?

あるいは、折返しの下りを撮るべく、次の撮影地に移動するのか...
まさに“蜘蛛の子を散らす”ように、周囲は静かになったのである。
そんな中、三脚をひろげたまま、わずか数十メートル先の国道の路肩にカメラを
セットしていたのが<変態鉄>である。

30分後にキハによるローカル列車が設定されている。もしかしたら、これも
国鉄型のキハ40系でやってくるかも...、淡い期待を抱きながら。
直前になって、学生さんだろうか若い2人組も、<変態鉄>のヨコでカメラを...

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【2018年10月28日13時52分】 磐越西線・笈川-堂島

やがて、踏切が鳴って、ファインダーの中へと飛び出してきたのはキハ2連。
キハ47+キハ40の2両編成である。左側に見えるのはキハ47型「国鉄急行色」風、
右側はキハ40形だが、塗色は「新潟色」である。喜多方-新津間は非電化なので
会津若松以西の運用は、基本的にはキハで賄われる。

先ほどはキハ40形2連でも会津若松車、今度は新津車である。
ちなみに、キハ47形が纏っている国鉄急行色は、主にキハ58系のカラー。
ローカル用の置換えを狙って投入されたキハ40系が急行色になったことは無い。
“なんちゃってリバイバル”の塗装なのだが、コレはコレで似合っているか!?

こちらも、自分にとっては“会心の1枚”である。

磐梯山が姿を現してくれた...という予期せぬ、天からのプレゼント。
幸先の良いスタートとなった今回の撮影行である。

でも... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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