武蔵野に赤ツートンを追って(2)むさしさかい [東京鐵話]
今日の話題に入る前に。
【2015年2月25日13時35分】 富山地鉄本線・宇奈月温泉駅
東京の街は雪に、すこぶる弱い。ホームを歩くのに難儀するような積雪でも
勾配路線を力強く走り続ける地鉄電車。そんな姿を少しは見習って欲しい。
こういうときに限って、外せない仕事が入っていて。
東京の雪は、当初の予報以上に積もりそうな感じ。それだけで憂鬱だが。
さて、1月31日の西武多摩川線撮影記の続き。
日帰り...というより、朝9時に出発して(寄り道しても)帰宅は14時。
「出撃」とも到底言えず。その話を、思いっきり引っ張ろうとしているのは、
何と言っても拙ブログの“ネタ切れ”状態。古い写真のデータをHDDから漁ってきて
テキトーに誤魔化していた、その現状があるのは間違いない。
(でも、最新の撮影記より、古い写真の話の方がアクセスが増える...という拙ブログの不可思議さ)
そんな流れにも負けずに?!
吉祥寺駅から中央快速線でやって来たのは武蔵境駅。
でも、現地に着くまで不安だったことがあった。
…… ……
昨日の記事に大学生の頃、西武線...といっても多摩湖線(← 紛らわしいっ!!!!)で
通学したことを書いた。
1996年のこと、まだ中央線は全部201系、それが地平を走っており、
武蔵境駅も中線があったり、貨物側線跡と思しき部分が残っていたり。
高架化が実現して眺めはよくなったが、鉄道情景としてはちょっと...。
その当時の武蔵境駅、東京ゆきホームの中央付近に駅舎があって、高尾方面のホームには
跨線橋で繋がっていたように記憶している。そして、高尾ゆき電車を降りると、
同じホームの反対側が西武多摩川線のりばだった。中間改札も何もなく。
オレンジ色の中央線を降りた乗客たちは、同じホームの反対側に停まっている
レモンイエローの西武電車に乗り換えていた。
JR線と私鉄が同じホームの対面に停車する駅...
【2014年9月4日9時05分】 紀州鉄道線・御坊駅
いまでは長野県の松本駅、アルピコ交通新島々ゆき電車とJR大糸線とか、
あるいは「クエ」の街、和歌山県は御坊駅の紀州鉄道とJR紀勢本線とか...
少なくなったような気がする。
(※ クエと言っても“救援電車”では無いですぞ!! 魚の名前です)
でも、高架化前の武蔵境駅もこんな感じだった。
【2007年9月25日10時21分】 西武多摩川線・武蔵境駅
昨日の記事でも出てきた<変態鉄>のデジカメ“試運転”で武蔵境駅を訪れたとき、
すでに高架化工事が進んでいて、地平ホームでの“同一平面乗換え”は無くなって、
確か、中間改札もできていたが、まだ1面1線の仮設状態だった。
(この期間、車両の検査入場とか出場車の回送はどうしていたの!?)
それ以来、10年ぶりの訪問である。
2018年1月31日(水)晴れ
西武多摩川線が分岐する武蔵境駅に着いたのは9時半過ぎ。
【2018年1月31日9時29分】 中央線・武蔵境駅
この写真に写る電照式駅名板の裏側が西武多摩川線のホーム。いったん階段を
下りて、目の前の乗換専用の自動改札機にPASMOをタッチして...
でも、この時点で不安がよぎるのだった。
西武多摩川線は西武の他路線との連絡がないので、多摩川線の電車は同線の
白糸台の車庫にいる。その中の1編成、同じ「新101系ワンマン車」でも、普段は
多摩湖線の国分寺口で運用されている“赤電色”が1月から、期間限定で
白糸台に“出張”してきている...のは、西武鉄道のプレスリリースで知っていた。
でも、それがこの日、運用されているかどうかは...検査・予備で車庫に居られたら。
それが不安だったが...
平日の日中、それにもかかわらず、ホーム端にはカメラを構えた“同業者さん”が
既に複数待機していて。この瞬間、安心というか確信したのだった。
やっぱり...
【2018年1月31日9時32分】 西武多摩川線・武蔵境駅
まもなく見えてきた電車は、ぬぁんと、その“赤電色”。
しかも、この写真の左端、隣の高架を走っているのは中央線快速電車。
期せずして、順光で“並びカット”が撮れたのだった。幸先良いスタートである。
【2018年1月31日9時32分】 西武多摩川線・武蔵境駅
もちろん、引きつけて、この“赤電色”をアップで。
戦後、西武鉄道は「第二の国電」と揶揄された位、旧型国電(と廃車発生品)を
調達してきては、自社系の所沢車両工場で組み立てて。他社よりも、古くても安価に
電車を“新製”していた。その当時からの「標準塗装」が、このベージュとピンクの
ツートンカラー。資本面で西武と結びつきの強かった、近江鉄道や伊豆箱根にも
同系色の電車が走っていて...、ある種、昭和の頃の「電鉄」らしいカラーリング
でもあった。
ただ、この「新101系」は新製当時からレモンイエローだった。
冒頭の写真にある「低運転台の101系」なら、“赤電”塗装でも不自然でないが、
この高運転台の「新101系」だと違和感ありありなのである。
実際に、その塗色を纏ったことのない車両に、昔の塗色を復元する...
京王にも“グリーン車”をラッピングで再現した Mt. TAKAO 色というのがあるが
自分が撮った中では、これだろうか!?
【2016年6月13日13時55分】 津山線・弓削-誕生寺(後追い)
キハ40系は昭和50年台、国鉄末期に全国に大量投入された。その新製時、タラコ色
朱色の塗り潰し、いわゆる“首都圏色”が採用された。
だから、朱色ツートンのキハ40系というのは、本来、あり得ない。
【2012年6月25日11時51分】 東京都大田区・羽田空港第2ターミナル
あるいは、こんなのも。この“復刻塗装”ブーム、鉄道だけでは無さそうで。
「モヒカンジェット」、この塗色は<変態鉄>にとっては、思い出のカラー。
【2014年10月26日15時35分】 新潟県上越市頸城区・くびきのレールパーク
さらに...
バス会社でも。「マルK」、頸城鉄道自動車の路線バスの昔の塗色。
同社の列車を動態保存している「くびきのレールパーク」の公開に合わせて
直江津駅から運転される臨時バスに充当されていた。
イマドキの車両であっても“復刻塗装”は、よく似合っているものも少なくなく。
この西武「新101系赤電色」というのも、実際に近くで見てみれば意外とよく
似合っているような気がしたのだった。
…… ……
9:42発まで暫しの停車時間。
【2018年1月31日9時33分】 西武多摩川線・武蔵境駅
4両編成に統一されているので、ホーム有効長には全くと言って良いほど余裕はなく、
正直言って写真は撮りにくいのだが、でも、ホームの様子を絡めながら。
【2018年1月31日9時33分】 西武多摩川線・武蔵境駅
もともとは、前面窓の周囲をベージュか黒に塗ってアクセントとしていたデザイン、
だから、ちょっと目が細い顔だち。前面だけは、少々、マヌケに見えるが...。
腰のところ、アクセントのステンレスの飾りも、レトロな赤電色にもマッチして。
【2018年1月31日9時44分】 西武多摩川線・新小金井駅
この電車で向かったのは最初の停車駅・新小金井駅だった。
…… ……
何度か書いているように、西武多摩川線は西武の他路線と一切、接していない。
途中の白糸台駅に隣接して小さな車庫はあるが、大がかりな検査は無理。
さらに、この“赤電色”は普段は国分寺-萩山間で使われている電車。
では、検査とか他線との転入・転出はどうするの!?
ということになる。もちろん、わが地元、井の頭線のようにトレラー輸送も
できるのだろうが...
【2018年1月31日9時33分】 西武多摩川線・武蔵境駅
武蔵境駅の西側に西武とJRを結ぶ渡り線が設置されている。
こういう高架化に際して渡り線を撤去するところが多い中、ここは健在。
西武池袋線の秋津駅から武蔵野線、国立から中央線を経由してJR貨物の機関車に
牽かれて、「甲種輸送」されることになっている。
検査入場の関係で、ほぼ定期的にあるのだが、いつでも行けると思っていたら、
いつまでも撮る機会のない、いつものパターン。
いつか、「電気機関車に牽かれてJR線を走る西武電車」も撮ってみたいが...
…… ……
「撮影記」と名乗りつつ、撮影地に着くまでに2話も書いてしまう<変態鉄>、
いつものこと...とはいえ、もうしばらく、お付き合いを。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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【2015年2月25日13時35分】 富山地鉄本線・宇奈月温泉駅
東京の街は雪に、すこぶる弱い。ホームを歩くのに難儀するような積雪でも
勾配路線を力強く走り続ける地鉄電車。そんな姿を少しは見習って欲しい。
こういうときに限って、外せない仕事が入っていて。
東京の雪は、当初の予報以上に積もりそうな感じ。それだけで憂鬱だが。
さて、1月31日の西武多摩川線撮影記の続き。
日帰り...というより、朝9時に出発して(寄り道しても)帰宅は14時。
「出撃」とも到底言えず。その話を、思いっきり引っ張ろうとしているのは、
何と言っても拙ブログの“ネタ切れ”状態。古い写真のデータをHDDから漁ってきて
テキトーに誤魔化していた、その現状があるのは間違いない。
(でも、最新の撮影記より、古い写真の話の方がアクセスが増える...という拙ブログの不可思議さ)
そんな流れにも負けずに?!
吉祥寺駅から中央快速線でやって来たのは武蔵境駅。
でも、現地に着くまで不安だったことがあった。
…… ……
昨日の記事に大学生の頃、西武線...といっても多摩湖線(← 紛らわしいっ!!!!)で
通学したことを書いた。
1996年のこと、まだ中央線は全部201系、それが地平を走っており、
武蔵境駅も中線があったり、貨物側線跡と思しき部分が残っていたり。
高架化が実現して眺めはよくなったが、鉄道情景としてはちょっと...。
その当時の武蔵境駅、東京ゆきホームの中央付近に駅舎があって、高尾方面のホームには
跨線橋で繋がっていたように記憶している。そして、高尾ゆき電車を降りると、
同じホームの反対側が西武多摩川線のりばだった。中間改札も何もなく。
オレンジ色の中央線を降りた乗客たちは、同じホームの反対側に停まっている
レモンイエローの西武電車に乗り換えていた。
JR線と私鉄が同じホームの対面に停車する駅...
【2014年9月4日9時05分】 紀州鉄道線・御坊駅
いまでは長野県の松本駅、アルピコ交通新島々ゆき電車とJR大糸線とか、
あるいは「クエ」の街、和歌山県は御坊駅の紀州鉄道とJR紀勢本線とか...
少なくなったような気がする。
(※ クエと言っても“救援電車”では無いですぞ!! 魚の名前です)
でも、高架化前の武蔵境駅もこんな感じだった。
【2007年9月25日10時21分】 西武多摩川線・武蔵境駅
昨日の記事でも出てきた<変態鉄>のデジカメ“試運転”で武蔵境駅を訪れたとき、
すでに高架化工事が進んでいて、地平ホームでの“同一平面乗換え”は無くなって、
確か、中間改札もできていたが、まだ1面1線の仮設状態だった。
(この期間、車両の検査入場とか出場車の回送はどうしていたの!?)
それ以来、10年ぶりの訪問である。
2018年1月31日(水)晴れ
西武多摩川線が分岐する武蔵境駅に着いたのは9時半過ぎ。
【2018年1月31日9時29分】 中央線・武蔵境駅
この写真に写る電照式駅名板の裏側が西武多摩川線のホーム。いったん階段を
下りて、目の前の乗換専用の自動改札機にPASMOをタッチして...
でも、この時点で不安がよぎるのだった。
西武多摩川線は西武の他路線との連絡がないので、多摩川線の電車は同線の
白糸台の車庫にいる。その中の1編成、同じ「新101系ワンマン車」でも、普段は
多摩湖線の国分寺口で運用されている“赤電色”が1月から、期間限定で
白糸台に“出張”してきている...のは、西武鉄道のプレスリリースで知っていた。
でも、それがこの日、運用されているかどうかは...検査・予備で車庫に居られたら。
それが不安だったが...
平日の日中、それにもかかわらず、ホーム端にはカメラを構えた“同業者さん”が
既に複数待機していて。この瞬間、安心というか確信したのだった。
やっぱり...
【2018年1月31日9時32分】 西武多摩川線・武蔵境駅
まもなく見えてきた電車は、ぬぁんと、その“赤電色”。
しかも、この写真の左端、隣の高架を走っているのは中央線快速電車。
期せずして、順光で“並びカット”が撮れたのだった。幸先良いスタートである。
【2018年1月31日9時32分】 西武多摩川線・武蔵境駅
もちろん、引きつけて、この“赤電色”をアップで。
戦後、西武鉄道は「第二の国電」と揶揄された位、旧型国電(と廃車発生品)を
調達してきては、自社系の所沢車両工場で組み立てて。他社よりも、古くても安価に
電車を“新製”していた。その当時からの「標準塗装」が、このベージュとピンクの
ツートンカラー。資本面で西武と結びつきの強かった、近江鉄道や伊豆箱根にも
同系色の電車が走っていて...、ある種、昭和の頃の「電鉄」らしいカラーリング
でもあった。
ただ、この「新101系」は新製当時からレモンイエローだった。
冒頭の写真にある「低運転台の101系」なら、“赤電”塗装でも不自然でないが、
この高運転台の「新101系」だと違和感ありありなのである。
実際に、その塗色を纏ったことのない車両に、昔の塗色を復元する...
京王にも“グリーン車”をラッピングで再現した Mt. TAKAO 色というのがあるが
自分が撮った中では、これだろうか!?
【2016年6月13日13時55分】 津山線・弓削-誕生寺(後追い)
キハ40系は昭和50年台、国鉄末期に全国に大量投入された。その新製時、タラコ色
朱色の塗り潰し、いわゆる“首都圏色”が採用された。
だから、朱色ツートンのキハ40系というのは、本来、あり得ない。
【2012年6月25日11時51分】 東京都大田区・羽田空港第2ターミナル
あるいは、こんなのも。この“復刻塗装”ブーム、鉄道だけでは無さそうで。
「モヒカンジェット」、この塗色は<変態鉄>にとっては、思い出のカラー。
【2014年10月26日15時35分】 新潟県上越市頸城区・くびきのレールパーク
さらに...
バス会社でも。「マルK」、頸城鉄道自動車の路線バスの昔の塗色。
同社の列車を動態保存している「くびきのレールパーク」の公開に合わせて
直江津駅から運転される臨時バスに充当されていた。
イマドキの車両であっても“復刻塗装”は、よく似合っているものも少なくなく。
この西武「新101系赤電色」というのも、実際に近くで見てみれば意外とよく
似合っているような気がしたのだった。
…… ……
9:42発まで暫しの停車時間。
【2018年1月31日9時33分】 西武多摩川線・武蔵境駅
4両編成に統一されているので、ホーム有効長には全くと言って良いほど余裕はなく、
正直言って写真は撮りにくいのだが、でも、ホームの様子を絡めながら。
【2018年1月31日9時33分】 西武多摩川線・武蔵境駅
もともとは、前面窓の周囲をベージュか黒に塗ってアクセントとしていたデザイン、
だから、ちょっと目が細い顔だち。前面だけは、少々、マヌケに見えるが...。
腰のところ、アクセントのステンレスの飾りも、レトロな赤電色にもマッチして。
【2018年1月31日9時44分】 西武多摩川線・新小金井駅
この電車で向かったのは最初の停車駅・新小金井駅だった。
…… ……
何度か書いているように、西武多摩川線は西武の他路線と一切、接していない。
途中の白糸台駅に隣接して小さな車庫はあるが、大がかりな検査は無理。
さらに、この“赤電色”は普段は国分寺-萩山間で使われている電車。
では、検査とか他線との転入・転出はどうするの!?
ということになる。もちろん、わが地元、井の頭線のようにトレラー輸送も
できるのだろうが...
【2018年1月31日9時33分】 西武多摩川線・武蔵境駅
武蔵境駅の西側に西武とJRを結ぶ渡り線が設置されている。
こういう高架化に際して渡り線を撤去するところが多い中、ここは健在。
西武池袋線の秋津駅から武蔵野線、国立から中央線を経由してJR貨物の機関車に
牽かれて、「甲種輸送」されることになっている。
検査入場の関係で、ほぼ定期的にあるのだが、いつでも行けると思っていたら、
いつまでも撮る機会のない、いつものパターン。
いつか、「電気機関車に牽かれてJR線を走る西武電車」も撮ってみたいが...
…… ……
「撮影記」と名乗りつつ、撮影地に着くまでに2話も書いてしまう<変態鉄>、
いつものこと...とはいえ、もうしばらく、お付き合いを。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
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