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富山地鉄14722-172号貸切撮影会20160828(4)米島口でサプライズ!! [イマドキのTRAMたち(路面電車)]

8月最後の週末に富山を訪れた<変態鉄>、まず、万葉線を撮りに訪れて...

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【2016年8月27日13時33分】 万葉線・米島口車庫

この1両を撮りたい!!
というのが、唯一にして、かつ最大の訪問理由だった。
ただ、このデ7073号車は、このとき米島口の車庫の中で整備中だったのである。

普段なら、車庫内にいる姿を望遠で撮って、そのまま次の電車に乗り込むところ。
でも、なぜか、本人でも、なぜかよくわからないのだが、この日は...


……  ……

この路線の変遷はかなり複雑。
戦後の全通から、いまの万葉線になるまでの経緯をまとめただけで1つの記事に
なりそうな長さで...。

簡単に言えば、1966年に放生津潟に掘込式港湾として「富山新港」が整備、
これに伴い富山地鉄射水線は分断されることになった。その高岡側
(越の潟-新湊[現・六渡寺])が加越能鉄道に編入、同社の新湊港線となり、
法令上は鉄道線(新湊港線)と軌道線(高岡軌道線)だが、路面電車タイプの
車両で、高岡軌道線と合わせて、完全に一体の路線として運用された。

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【2016年8月27日13時23分】 万葉線・米島口車庫

だが、これもいつまでも続かない。この路線の主な利用者は高岡市街に向かう、
当時の新湊市(現在は市町村合併で射水市)の住民、でも、昭和が平成になる頃、
ちょうど<変態ガキ鉄>がトラムを追って全国を彷徨いだした頃には、その新湊、
人口約4万の地方都市にマイカーの登録台数が2万台超、当時の<変態ガキ鉄>に
とって貴重な情報源だった趣味誌の紹介記事にも

  会社側も人件費削減など、できる限りの手を打っているが、
  乗客数は鉄道の存続できる最低レベルに近づきつつある
                   (DJ誌 No.115[1993年11月号]p.45)

などと書かれていたくらい。
「廃線、やむ無しか??」と思っていた当時の<変態ガキ鉄>だったが、
2002年、第3セクターの「万葉線株式会社」が設立され、
加越能鉄道から事業譲渡、同年4月から万葉線となった。
(“加越能”はバス会社となり、いまも高岡周辺の路線バスや高速バスを運行)

と、経緯の説明だけで長くなってしまうのは拙ブログの悪い癖...

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【2016年8月27日13時03分】 万葉線・新能町-米島口

2004年からは超低床車を導入、そちらが運行の主役となって久しいのだが、
加越能時代からの吊り掛け電車も残っている。でも、移管後は黄色と白の塗り分けに
なってしまっていた。その「万葉線カラー」の旧型車も悪くはないのだが、
なくなってしまうと、オレンジ色の「加越能カラー」が懐かしくなるもの。

でも、それが期間限定で復活したというニュースを知ったのは先月だった。
沿線で撮影が行われた「人生の約束」という映画の関連とのことなのだが、
その撮影用に、2002年まで見られた「加越能カラー」が復活したのである。

高校生だった90年台、撮った懐かしい車体塗色だけに...
何としてもこれを一目見てみたかったのである。

……  ……

2016年8月27日(土)曇り

13時過ぎの米島口車庫には万葉線各形式の電車たちが。その中で、この日、
<変態鉄>が撮りたかったのは、デ7073号車。最近、地方の中小私鉄では
“アポ無し”でも、車庫内の撮影を(少しだけなら)認めてくれる会社もある。

実は、拙ブログ開設当初の記事で、この米島口車庫で撮らせてもらった話題が。
「ダメ元」で聞いてみたら、許可をいただけて、このときの“お目当て”、
先代の除雪車、デ5022号車を撮らせてもらった(→ こちら)。

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【2016年8月27日13時05分】 万葉線・米島口車庫

そんなわけで、厚かましくも、この日もお願いしてみようかなぁ...と。
でも、迷っていたのは、この時、デ7073号車は庫内に居たこと。

入構許可が出たとしても近づけない場所だし、そもそもスッキリ撮ることはできない。

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【2016年8月27日13時04分】 万葉線・米島口車庫

という訳で、車庫の雰囲気重視の1枚で。真っ赤な超低床車と現行の万葉線カラーの
電車に挟まれて庫内で待機する姿。波板貼り、鉄骨造りの3線式の庫も堪らん。
それに、分岐していく線路たち。転轍機テコたちがずらっと並んだ姿も壮観。

この日は、右端の洗浄線には車両がなかったが...

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【2016年8月27日13時07分】 万葉線・米島口車庫

そのさらに右、一番端の線路は使わなくなった車両の留置スペースになっている。
先代の「アニマル電車」、その前に停まっていたのが、デ5022号車。
射水線時代の主力車だが、除雪用に近年まで1両だけ残されていた(機械扱い)。
除雪用のディーゼル車を導入したのを機に、2012年を最後に引退。
そのまま車庫内に保管されている。

さて、日中の万葉線は15分間隔。先ほど、越の潟から乗ってきた電車がすれ違った
電車を見る限り、今度の高岡駅前ゆきは車体広告車とはいえ、旧型車の運用。

車庫から横断歩道を渡って、電停ホームで“迎え撃つ”ことにした。

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【2016年8月27日13時14分】 万葉線・米島口電停

まぁ、車体塗色は異なるものの、とりあえず旧型車が撮れて...

これでひとまず撮影を終えて...のつもりだった。

だが、しかし!!

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【2016年8月27日13時17分】 万葉線・米島口車庫

車庫の方を見た<変態鉄>、驚いたのなんの...
お目当てのデ7073号車が前進してきたのである。「高岡駅」ゆきを表示して...
次の運用に備えて、車庫の手前で待機するのだろうか??

車庫の入口まで出てきたところで停車。庫内から引き出して来た整備担当の方だろうか、
ドアを開けて車両から離れてしまった。

でも、すでに<変態鉄>、叫び出したいくらいのテンションである。
夢中になって撮り始めたら...

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【2016年8月27日13時20分】 万葉線・能町口-米島口

おっと、電停には越の潟ゆき。「ドラえもんトラム」も初撮影である。
出庫線のデ7073号車を撮りつつ、振り返って、米島口に到着する営業電車を撮って...

もう、大忙しだった。

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【2016年8月27日13時33分】 万葉線・米島口車庫

そして、この直後、13時半になると女性の運転士さんが出てきて、車内へ。
ヘッドライトを点けて、いよいよ出庫しそうな雰囲気である。

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【2016年8月27日13時34分】 万葉線・米島口車庫

そのまま10分ほど、ヘッドライト点灯のまま待機。
もう、夢中になって撮り続けていたのである。

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【2016年8月27日13時35分】 万葉線・米島口車庫付近(後追い)

「ドラえもんトラム」の後続電車が出発した13:35頃、いよいよデ7073号車が
本線へと出発!!!

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【2016年8月27日13時36分】 万葉線・新能町-米島口

新能町側に少し進んだところで停車。
素早く進行方向を変えて...

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【2016年8月27日13時36分】 万葉線・新能町-米島口

渡り線を通って、米島口電停に到着。

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【2016年8月27日13時38分】 万葉線・米島口電停

でも、行き先表示は「高岡駅」、停まっているのは越の潟ゆきのホーム。
しかもホームとは反対側のドアを開けて停車したのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 2

さといも野郎

あ、ネタが被っちゃって恐縮です(^^;
私のほうは1週間前くらいでしょうか。
場所は同じ米島口周辺と、高岡駅で加越能色を楽しみました。
#現役時代はあんなに汚れてましたっけ?(^^

by さといも野郎 (2016-09-13 20:20) 

あるまーき

さといも野郎さん

コメントありがとうございます。
先月末に富山に行っておりました。ちなみに、この翌日、千寿ヶ原までは行っております。

加越能色の7073ですが、映画の関連とか...、そのために汚れた感じに仕上げているというのですが、黒く煤けた汚れ方というのは電車の場合、ちょっと...というのが自分の印象でした。
むしろ、錆色とか雨だれを再現しているとリアルだったかと。当時の写真を見ても、ちょっと汚れ方の雰囲気が違っているような気がします。

by あるまーき (2016-09-14 00:47) 

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