SSブログ

路面電車のダイヤモンドクロスを見る旅(25)キハキハ。 [鉄分の濃い旅行記録]

昨日は急遽、いすみ鉄道に出撃したので<速報版>を挟むことになったが、
タイトルとは違って徳島での話の続き。
それにしても、毎度のことではありながら、書いている自分でも呆れてしまうほど
長い話になっているのである。5日間の旅の記事を約40話引っぱるのだから、
<変態>を通り越して、もはや正気の沙汰とは思えない。
救いがたいヤツである...と、すべて自分のことだが。

51_DPP_3646.JPG
【2016年3月3日16時10分】 高徳線・徳島駅(徳島運転所)

でも、ようやくキハの登場、<鉄>ブログというか<変態鉄>ブログらしく!?

ちなみに、翌3月4日は丸亀を訪れた後“ことでん”を訪問した。
保存車探訪から天守閣にのぼってみた話題、さらには仏生山のことなど...
こちらも1週間くらいは記事が書けそうな勢い。

3月だけでも、あと2回出撃しているわけで、拙ブログも後がつかえている。
ちょっと急がないと...

52_DPP_3687.JPG
【2016年3月3日16時10分】 徳島線・徳島駅

徳島駅 14:46着の特急「剣山8号」で穴吹から戻って、駅近くで昼食を済ませ、
駅の裏側の公園へ。いつものコース。
……  ……

2016年3月3日(木)晴れ

徳島県内の鉄道路線はどれも電化されていない。ディーゼル動車オンリーである。
しかも、県都・徳島市の玄関口、徳島駅は国鉄時代の主要駅の雰囲気をいまもそのまま
残している。小さい頃に見た富山駅をスケールダウンしたような。

DPP_3624.JPG
【2016年3月3日8時45分】 高徳線・徳島駅

改札口の正面に特急列車が発着するホーム、“駅裏”にあたる場所が車両基地。
その徳島運転所、ステンレス車体の新型ディーゼル動車に混ざって、
白地に水色の塗り分けの国鉄型のキハ40系も健在なのである。

さて、駅の改札を出て右へ。前回泊まったホテルの前を通り過ぎ、短いアーケード街を
抜ければ踏切に出る。これを渡れば徳島公園、以前、ここに保存された8620形蒸機の
話題を取り上げた(→ こちら)。

53_DPP_3688.JPG
【2016年3月3日16時10分】 高徳線・徳島駅(徳島運転所)付近

もちろん、徳島運転所で待機しているディーゼル動車たちも間近で眺められる訳で...
徳島駅で時間ができたときは、必ずここに来ているような。
そのまま駅の南側へ回れば、跨線橋からキハを眺めることができた。

00_DPP_3635.JPG
【2016年3月3日11時12分】 高徳線・徳島駅(徳島運転所)付近

偶然ではあろうが、この時間帯、運転所の南側の留置線にはキハ40系オンリー。
写真には写っていないが、タラコ色のキハ47も休んでいた。

……  ……

さて、キハ47形列車に<乗り鉄>するのも、今回の旅の楽しみにしていたことの1つ。
選んだのは徳島駅 16:30分発の鳴門線直通、第970D列車(鳴門ゆき)とその折返し、
第973D列車(徳島ゆき)、往復約1時間半のキハ旅である。

54_DPP_3689.JPG
【2016年3月3日16時06分】 高徳線・徳島駅

発車15分前、いよいよ徳島運転所からキハ47形2両編成が出庫してきた。

さて、その前にちょっとテキトーな説明をば。

キハ47形を含む40系ディーゼル動車は1950年台に製造され蒸気機関車列車の置き換えに
貢献してきたキハ10系列の陳腐化・老朽化を受けて、1977年(昭和52年)から
5年間で888両が製造された。耐寒耐雪構造の北海道向けを含め、北海道から鹿児島まで
国鉄の各路線に広く配置され、事実上、最後の「国鉄型」となった。

エンジンはDMF15HSA(220馬力)、でも、当時、財政的にも労使関係の面でも、
すでに末期的状況に近づきつつあった国鉄、当時の最新技術を使った画期的な新車を
つくれる状況にはなく、車体重量の割にエンジン出力が...など、頑丈ではあっても
走行性能の良い車両ではなかった。

DPP_3413.JPG
【2016年3月3日8時00分】 高徳線・オレンジタウン-志度(後追い)

その中で、キハ47形は南東北から鹿児島にかけて、いまも多数が運用されている形式。
両開き2扉・セミクロスシートの、いわば近郊形。分割民営化時には車齢が若いことも
あって全車がJR各社へと承継された。

さすがにJRになって30年が近づき、車齢も40年、老朽廃車も増えている。
とはいえ、いまも多くが活躍中、JR西日本などには特にまとまった両数が残っている。
ただ、四国の車両が貴重なのは、その車体内外。
ほかのJR各社に残るヨンナナと大きく違う。冷房化改造を除けば、
ほぼ国鉄時代のままの姿が残っているのである。

もちろん、自分のような1マニアに鉄道会社と役所の関係などわかるはずもなく...
ここからは“噂”とか“憶測”の域を出ない話ではあるのだが...

03_IMG_3579.JPG
【2015年2月26日5時52分】 富山地鉄・第603列車車内(電鉄富山駅停車中)

いまどき、大都市圏を離れれば、ほとんどの旅客列車は「車内運賃収受式ワンマン」、
路線バスと同じような整理券発行機があって、運転台後ろに運賃表示器。
降りる駅に到着したら、列車最前部の運転士さんのヨコの運賃箱に整理券と料金を
入れて降車するシステムになっている。2両編成までこのスタイルでの運転。

でも、なぜか四国だけコレが違うのである。一部の<鉄>の間では「四国の役所だけが
“2両ワンマン”を認可しないから」というのが“定説”になっているのだが...。
実際、“ことでん”も伊予鉄郊外線も、同規模の私鉄でワンマン運転が一般的でも
全ての電車に車掌が乗務している。しかも、JR四国のワンマン列車では
“後部車両締切扱い”となっており、車両の構造上、単行で走れない形式の
2両編成をワンマンで運転する場合、どんなに混雑していても、後部車両は
ドアのところに中からロープをかけて、「この車両は回送」の札を掲げている。

という訳で、JR他社のキハ47はほぼ全車がワンマン化され車内が改造される中、
四国車だけはそのまま。急峻な山岳区間には運用しないのが前提になっているからか、
エンジンも原型。強力エンジンに換装された他社のものとは違っているのだ。

コテコテの改造車より、国鉄時代のキハ旅の雰囲気を残した四国のキハ47形は
<変態鉄>にとっては、いまや“憧れの車両”だったのである。

55_DPP_3690.JPG
【2016年3月3日16時07分】 高徳線・徳島駅

さて、説明が長くなった。国鉄時代のターミナル駅の雰囲気をよく残す徳島駅に
停車中のキハの写真を撮ったら、いよいよ車内へ。ボックスシートに陣取り、
ICレコーダをセット。車内録音も敢行してしまったのである。

「徳島駅券売機故障のため...」、この日、徳島駅では自動券売機が停電しており、
近距離のきっぷは車内で買うことになっていた。
尤も、<変態鉄>は「バースデーきっぷ」だが。発車前から車掌さんが補充券発行機を
片手に車内を巡回する様子も録音できた。

車内は学生さんの帰宅時間帯にもあたり、半分くらいの座席が埋まる位。
混雑した車内での車内録音は、いい音を録るのが難しいが、でも...
徳島駅出発後の車内放送、ローカル列車にもかかわらず「JR四国チャイム」を
演奏してくれた。ということは、終点・鳴門駅到着時にも...録音継続!!!

56_DPP_3691.JPG
【2016年3月3日16時38分】 鳴門線・池谷駅

高徳線と分かれるのは4つ目の駅、池谷。富山地鉄の寺田駅や小野田線の雀田駅と似た
三角形の構造をした駅である。ここで行き違い待ちの5分停車。
ちょっと苦しいが、2両編成のキハを跨線橋の階段からスナップ。

ちなみに、この日の編成は、

 ← 鳴門  キハ47 1120 + キハ47 144  徳島 →

<変態鉄>は前側1120号車に乗車していた。
鳴門線は特に勾配もなく、駅間は私鉄並みの1~2km間隔、駅を出て加速したと思ったら
すぐにブレーキがかかって、録音としては平凡だが...。



最後の停車駅は撫養、ここから終点・鳴門駅到着までのサウンドを貼っておきたい。

58_DPP_3697.JPG
【2016年3月3日17時01分】 鳴門線・鳴門駅

鳴門駅は6分での折返し。ホームでキハをスナップして車内に戻るだけで精一杯。

59_DPP_3692.JPG
【2016年3月3日17時53分】 高徳線・徳島駅

その折返し、第975Dはこれから徳島に向かう人たちで少しずつ混雑、
周囲が暗くなった頃、徳島駅 17:54着。

18:30発「うずしお26号」で高松のホテルに戻ったのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

nice!(40)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 40

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0