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2015年8月「吊り掛け駆動」の電車を追って(9)名古屋“煙”分補給 [鉄分の濃い旅行記録]

本来、自分が好んで撮るのは、電車よりもディーゼル動車。
でも、最近は電化路線ばかりに出撃しており、“煙”分が不足している。

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【2015年8月14日16時24分】 東海交通事業城北線・枇杷島駅

武豊線電化により、名古屋エリアでディーゼル動車の旅を楽しめる路線は
なくなったのかと思いきや...、行ったことのない路線が1つ残っていたのである。

懐かしい名鉄揖斐線の電車を見に行った後は、一風変わった非電化路線へ。

……  ……

2015年8月14日(金)晴れ

岡崎南公園の保存車たちを撮り終えて、再び東海道本線で名古屋へ。

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【2015年8月14日15時29分】 中央本線・勝川駅

名古屋ではちょっと寄り道、そこから中央本線に乗り換えてやって来たのは勝川駅。
住宅街の中の高架駅といった感じ、車内でも「城北線乗り換え」とアナウンスされるくらい、
「同じホームでの乗り換えだろうか!?」、すぐに見つかるとタカをくくっていた。

改札を通り、駅舎を出て右往左往。「城北線のりば」は影も形も...
しかも典型的な地元の方向け、旅行客が利用するような路線でもなく、案内看板なども...

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【2015年8月14日15時31分】 中央本線・勝川駅付近

駅前の商業施設の横、高架沿いの駐車場の付近にようやく案内看板発見!!
そして、遠ーーくの方にキハの姿がチラッと。結構、離れているのである。

中央本線の高架が名古屋に向けて左にカーブしていく、そのカーブの先、
高架は接続直前に不自然に切られたような形で途切れていた。そこが城北線の勝川駅。

階段を上ったところにキハが停車中、冷房の効いた車内で...

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【2015年8月14日15時29分】 東海交通事業城北線・勝川駅

と、そんな<変態鉄>の淡い期待は打ち砕かれることになる。
何と、階段の上、キハのいる位置は検修設備兼留置線といった感じ。

そう、乗り場まではさらに長い通路を歩かないと...

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【2015年8月14日15時32分】 東海交通事業城北線・勝川駅

何とも殺風景、15時半、暑さのピークは過ぎたとはいえ、まだまだ猛暑の中。
ホーム部分、キハの停まる部分だけは上屋があって、直射日光は当たらないが、
待合室もトイレもない、ホームだけの無人駅。

ここから東海道本線の枇杷島駅までを結んでいる路線が、東海交通事業城北線。
チラッと写っているキハが、JR東海と同じキハ11。どう見てもJR東海の路線だが...

それもそのはず。城北線は、改正鉄道敷設法にあった「瀬戸線」の一部。
東海道本線と中央本線を接続し、笹島にある貨物駅への貨物主体の短絡線として
計画された。枇杷島-勝川-高蔵寺-瀬戸市のルートで、国鉄時代に建設が始まったが、
その後、国鉄末期に建設は凍結、そのまま分割民営化。高蔵寺以南は愛知環状鉄道へ
転換され、城北線区間は未完成のままJR東海に承継された。

春日井市の勝川駅から名古屋市西区を経て清須市内の枇杷島駅に至る路線は、
通勤路線としての利用も見込める。JR東海が城北線として開業させる価値は十分、
直流電化で開業させれば、長編成の313系や211系が走っていたかも...

しかし、そうはできない事情があった。電化など新たな設備投資の分も含めて、
鉄道建設・運輸施設整備支援機構にJRが毎年支払わないといけなくなるのだ。
その額は現状でさえ年間49億円(金額は清須市議会の議事録による)。
そこで、JR東海は、非電化で開業させ、徹底的に設備投資を控えた上で、同社管内の
駅業務などを委託している、子会社の東海交通事業に任せているのだという。
(鉄道施設はJR東海の保有、いわゆる第1種、東海交通事業は第2種鉄道事業者)

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【2015年8月14日15時37分】 東海交通事業城北線・勝川駅

そう、だから車両も駅名板も“JR東海仕様”なのは当然のことなのだ。

余談ながら先述の「毎年49億円」が必要なのは2032年までと決まっている。
そのときに、晴れてJR線に編入され、中央線と東海道線を短絡する路線として
突如、主要路線に姿を変えるのではないか...などとの観測もある。

そんな“オトナの事情”で「離れ小島」的な路線になっている城北線。
運賃も割高な上、JRが線路を保有している路線ながらJRの切符は使えない訳で、
JR東海と同じキハ11形を2両だけ保有、キハ1両の列車が日中1時間間隔。
(車両の定期検査時にはJR東海・美濃太田車両区のキハを借り入れて運転)

沿線は住宅密集地ながら、路線長11キロ、6駅のミニ路線は忘れ去られたような
存在の路線になっているのである。

名古屋市中心部にほど近いエリア、ほぼ全線が複線で高架の高規格路線ながら、
単行のディーゼル動車が、1時間に1本だけの運転間隔。
これでは、公共交通機関としての役割を、沿線の誰も期待しないだろう...とすら
思える有様なのである。

そう、15時半に城北線勝川駅にたどり着いて、ホーム掲出の時刻表を見て
愕然としたのだった。次の列車は、16:13まで40分待ち。無人のホームで...

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【2015年8月14日16時00分】 東海交通事業城北線・勝川駅

中央本線の高架橋を走っていく電車を眺めながら時間を潰すしかなかった。
数人の乗客と交替の運転士さんが現れると、16:06、枇杷島からの列車が到着。
駅奥にいるキハが出庫してくると思っていたら、折り返し運転だった。

車内中央部のボックスシートに座って車窓を眺めて過ごした。
駅構内外れにポイントがあって、ここからは複線区間、すぐ横には高速道路が
寄り添ってきて、路線の雰囲気としては東京でいえば「りんかい線」と似た感じ。

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【2015年8月14日16時00分】 東海交通事業城北線・勝川駅

調べてみると、この城北線、多くの区間で高架は地上20メートルほどの高さに
建設されているとのことで、一面にひろがる住宅街の先、名古屋中心部の高層ビルが
よく見える。途中駅での乗降もそれほどなく、16分ほどで終点の枇杷島駅。
ホントにあっという間、16分440円の旅。<鉄>でない方も、名古屋の街並みを
ちょっと高い所から眺める“動く展望台”だと思って、一度、お乗りになると
面白いかも。ボックスシートで飲み物を飲みながら、ちょっと不思議な“汽車旅”が
楽しめるかも知れない。

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こちらは勝川駅とは違って、東海道本線の枇杷島駅に同居する形。
でも、運賃は車内の運賃箱に投入する形態で、引きかえに運転士さんが
この「降車証明書」を渡してくれる。これでJR東海の駅の改札口が通れる。

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【2015年8月14日16時36分】 東海道本線・枇杷島駅

枇杷島は東海道本線で名古屋の隣の駅、普通電車で3分ほど。

……  ……

ホテルに戻って荷物を置いたのは17時少し前のこと。
すぐにホテルの目の前、名古屋駅の地下街「エスカ」へ“出撃”。

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「夕食にはちょっと早い時間帯」を狙っていたのだった。
名古屋に来たからには、一度、食べてみたかった“ひつまぶし”。

前日は、店の前にできた行列を見て、諦めて名古屋駅近くのハンバーグのお店に。
ファミレスよりちょっと高い位のお値段で、焦げた炭の味が...ガッカリ。

「明日こそは...」と、昨晩から心に決めていた。
この日は、「行列ができる時間帯より早く、お店に入る」を目標としていた。

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【2015年8月14日16時36分】 名古屋市中村区・エスカ地下街

写真は、食べ終わって店を出たときの模様。
ちょうど自分が席について、次の人から店の前に並んで待つことになった感じ。

さて、その“ひつまぶし”。
書かれているように、1杯目はフツーに、2杯目は薬味を入れて、
そして、出汁を注いでお茶漬け風に...、楽しませて頂いた。

おサイフに優しいメニューではないが、でも、大満足だった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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