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或るバスの晴れ舞台(3)今回の主役、「95号車」とは... [路線バスの旅]

ちょうど1ヶ月前、7月6日に誘われて参加した
「地鉄バス95号車で行く、称名滝と立山駅周辺の旅」の話題の続き。

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【2014年7月6日11時05分】 富山地鉄立山線・立山駅留置線

立山駅周辺での撮影は、次回に回すとして...

地鉄立山線・本宮駅での電車とこのバスのコラボ撮影を終えて、
「立山山麓スキー場」のゴンドラ乗り場前駐車場へ。

ここで、このバスの撮影タイムが設けられたのだが...

☆ おことわり ☆
「地鉄バス95号車で行く、称名滝と立山駅周辺の旅(7月6日)」は、
地鉄バスをこよなく愛する、あんぷてぃ氏を中心に企画したイベントであり、
富山地鉄および地鉄バスが催したイベントではありません。
なお、イベントの性格上、普段は撮影が許可されない場所や、このバスが
走らない地点で撮影した画像が含まれます。
……  ……

<変態鉄>は、とりあえず<鉄>。そんな<鉄>の皆さんの中には、
バスに詳しい方が多くて、撮影地でも列車待ちの間、かなりディープな会話を
交わされている方も...。<鉄>な方で、“第2の趣味”に「バス」を選ばれている方は
意外と多いみたい。あとは「アニメ」「アイドル」が好きな方が多いのかなぁ...

まぁ、そんな調査結果などあろうはずもなく、撮影地での会話などから、
自分が勝手に思っているだけのこと。でも、自分は、そのどれにも詳しくないのだ。
そういう意味でも<変態鉄>??

だから、実は、撮影地で一緒になった“同業者さん”との会話についていけない...
なんてこともしばしば。アニメ(?)などのグッズを見せられながら、熱く語られても
「へぇ~、スゴイですね」と、テキトーに相槌を打ちながら聞き流しているだけ、
ということが多いのだ。(これは、ホントは内緒だったのですが...)

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その点、詳しくなくても、利用することも多く、見かけることも多いので、
「バス」ネタは、多少は身近な存在なのだが...、
でも、これをブログ記事にするとなれば、資料を探してきて(といってもネット検索程度だが...)、
四苦八苦なのだ。という訳で、今日は、当日いただいたパンフのパクリ、
いや、最近、流行の「剽窃」というヤツか...、

そんな感じで、今日は今回のツアーで乗車した「地鉄バス95号車」の車両紹介を。

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【2014年7月6日8時34分】 富山県富山市牛島町・富山駅北口付近

かつて、この「地鉄バス95号車」は立山開発鉄道(現・立山黒部貫光)の車両だった。
1989年に導入された同車は、立山黒部アルペンルートのバスとして、
主に富山駅前-室堂便に充当されたとのこと。当時はアイボリー地に青帯の姿、
「立山16」という番号が前面窓下(歩道側)に表記されていたとのことで、
今回のツアーでも、その「立山16」表記がステッカーで再現された。
つまり、このバスも、10年以上前には「雪の大谷」を走り抜けていたわけだ。

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【2014年7月6日11時52分】 富山県中新川郡立山町・称名滝バス停付近

シャーシは日野自動車の「ブルーリボン」、立山開発鉄道時代には翼型の「HINO」
エンブレムが正面に取り付けられていたとのこと。このエンブレムは、地鉄移籍後に
取り外されたが、保管してあったようで、撮影タイムには、正面窓下に掲出。
でも、鉄製だけに重量があり、粘着テープでの取り付けにはムリがあったみたいで...
撮影タイムにも「HINO」エンブレム付き・無しの姿が混ざっているのはご愛嬌。

車体は富士重工製「15型」、同型の車体をもつ地鉄バスは10年ほど前までに引退したが、
アルペンルートの登山バスだった同車は、毎年、夏期を中心とした活躍だったことが
幸いし、生きながらえることができたという。

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【2014年7月6日10時30分】 富山地鉄バス95号車内

そして、10年ほど前に立山開発鉄道から富山地鉄バスに移籍。
といっても、立山開発鉄道自体、経営的にも歴史的にも地鉄と結び付きが強く、
「グループ内の異動」といった感じだろうが...

その後は、予備車的位置づけで、主に夏山バス「有峰線」が活躍の舞台。
車内は細かな表記類を含め、立山開発鉄道時代からの姿がよく残っているとのこと。
路線バス仕様のバスで、壁にマイクジャックがあるものも珍しいような...

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【2014年7月6日10時30分】 富山地鉄バス95号車内

ちょっと色褪せた臙脂色の座席モケット、ビニールで覆われたレースの枕カバー、
「少し昔のバスの車内」がそのまま残っている。

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【2014年7月6日10時30分】 富山県中新川郡立山町・称名滝バス停付近

いまでは当たり前のこんな表示も。これは東京の路線バスでも後部の窓に
貼ってあったような気がする。

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【2014年7月6日8時34分】 富山地鉄バス95号車内

運転席回り。運賃箱が、ICカード“ecomyca”対応の現行仕様になっているのは
いまも夏山バスとしての運用を受け持っているから。上から吊された
ブラウン管テレビは、掲示物で目隠しされていた。

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【2014年7月6日8時34分】 富山地鉄バス95号車内

金属パイプの荷物棚、丸形の冷房吹き出し口なども最近ではあまり見なくなった。

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【2014年7月6日8時43分】 富山地鉄バス95号車内

そして、このバスの車内の特徴がこのシート。2人掛けの標準的な座席のようだが...

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【2014年7月6日13時37分】 富山地鉄バス95号車内

走行中に撮ったこの1枚。そう、標準的なバスに比べて座席の背ズリが低いのだ。
これは、アルペンルートのバスだった当時、どの座席からも視界が確保できるように
工夫した“特別仕様”。

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【2014年7月6日15時03分】 富山地鉄バス95号車内

そして、もう1つの特徴が座席2列分の大きなサイズのロールカーテン。
前列の人が眩しいからカーテンを下ろそうとすると、後列の人は立山の景色が見たくて...
乗客トラブルの原因になったとか、ならなかったとか...

他にも、山岳路線を走るだけあって、ブレーキシステムに特徴があったり、
車内暖房が灯油式だったり...と、フツーのバスにはない個性派だということだが...
特にブレーキの話は、地鉄バスのA氏からも説明があったが、
<変態鉄>には、何のことだが...。でも、エンジン音の力強さは感じられた。

よく見ると、そんないろいろな特徴のある個性派車両。
ただ、寄せる年波には勝てず、今シーズン限りでの引退も噂されているようで、
それが、このツアーを企画するキッカケになったみたい。

……  ……

そんな地鉄バス95号車、本宮駅を出て向かったのは、立山山麓スキー場前。
かつて、立山開発鉄道が、この区間(本宮駅-スキー場)にスキー客向けの
路線バスを運転していたとのこと。

そして、立山山麓スキー場のゴンドラ乗り場前駐車場へ。

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【2014年7月6日10時19分】 富山県富山市・立山山麓スキー場付近

<鉄>でも<バス>でも、ここは同じ。撮影会名物「幕回し撮影会」。
前面の行き先表示、方向幕を1コマずつ回しながらの撮影会である。
「回送」「団体」からはじまって、「美女平-室堂」などアルペンルートの
お馴染みの表示が現れて...

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【2014年7月6日10時23分】 富山県富山市・立山山麓スキー場付近

冬期のスキーバスでの表示「ゴンドラ前」。タイミング良く後ろにそのゴンドラが
チラッと写り込んでくれている。

でも、この写真、よく見ていて気づいた。
バスの左隅に、駐車している白い自動車が重なっている。こういう場面の写真としては
これはダメダメな撮り方。あと2~3歩動けば解消されたはずなのに、
それに気づかなかった、この時の自分。

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【2014年7月6日10時27分】 富山県富山市・立山山麓スキー場付近

これも貴重な表示!? 「粟巣野 極楽坂」、これも冬期のスキーバス用。
「極楽坂スキー場」と「らいちょうバレースキー場」で立山山麓スキー場は
構成されている。

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【2014年7月6日10時28分】 富山県富山市・立山山麓スキー場付近

最後は「本宮駅」、ホントはもっと色々な表示があったのだが...
撮ってはいたが、写真の数が多くなりすぎるので、かなり割愛したわけ。

「同じような写真が並んでいる」とはいえ、わずか数分で、バスの回りの舗装面、
その色が急速に変わっていることに注目。そう、雨が降ってきたのだ。
それも「ポツポツと落ちてきた」ではない。この最後のコマを撮る頃には、
傘をさしていても濡れるほどの激しい雨。視界も効かなくなってくるほど。

みな、撮り終えた瞬間にバスに向かってダッシュするのだった。
本当は、この駐車場から徒歩で、となりの「らいちょうバレースキー場」へ先行、
やってくるバスの走行写真をとるというプログラムになっていたのだが...

写真は愚か、車外に出るのも...、それほどの激しい雨となり、予定変更。
走行写真撮影は中止して、立山駅に直行することになった。

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【2014年7月6日10時37分】 富山地鉄バス95号車内

スキー場から急な坂を下っていくと、地鉄立山線の線路を見下ろせる。
常願寺川に沿って走る立山線、本宮駅と立山駅の間には「粟巣野」という廃駅が。
廃駅探訪は、徒歩派にはちょっと厳しい場所だが、バス車窓から撮影。
ホームの擁壁はまだ残っており、地鉄電車の車窓からも駅跡を確認することは可能。

そんなことを眺めながら、次の撮影ポイント、立山駅前に到着。
激しい雨は相変わらず降り続いていた。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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サットン

バス趣味って今から30年ほど前の鉄道趣味を感じます。趣味はと訊かれて、答えても必ず説明を求められて、挙句の果てに「へーっ」って呆れ顔をされる。道端でバスにカメラを向けるのは少々勇気が必要だったり。
今後、バス趣味の裾野が広がるかどうか、ちょっと微妙ですね。エンジンメーカー、車体メーカー共に集約化が進んでバラエティが乏しくなっていますから。
by サットン (2014-08-09 14:00) 

あるまーき

サットンさん

コメントありがとうございます。
最近では、大きなターミナル駅周辺などで、バスにカメラを向けているファンを見かけることも多くなってきた気がします。また、テレビ東京の、あの番組をはじめ、路線バスというのは、誰にとっても比較的身近な存在の分、趣味の対象になりやすいかと思いますので、今後、バス会社やファン団体の盛り上げ方次第のような気がします。
<撮りバス>が、市民権を得られるようなメジャー趣味になると良いと思います。
by あるまーき (2014-08-09 18:51) 

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