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再びの小湊鐵道は...(1)風の強い朝だった [小湊鐵道キハ200と鉄道情景]

内房線の五井から養老渓谷を経て、上総中野へ至るのが小湊鐵道。
終着駅の上総中野駅が大多喜町に位置するが、この区間、養老渓谷-上総中野は
昨年10月の台風被害でいまも運転見合せ、バス代行が続いている。

いま、小湊鐵道の列車が走っているのは、行政区画でいえば市原市ということになる。
というと、京葉工業地帯の真っ直中というイメージになるが、起点の五井から
上総牛久あたりまでは東京のベッドタウン、牛久から先の養老渓谷方面は、
田園地帯をゆくローカル線らしい雰囲気になる。「里山」的な雰囲気。

01_IMG_0722.JPG
【2014年3月6日12時56分】 小湊鐵道・上総牛久駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F8.0 1/2000秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

DMH17Cエンジンを積んだキハ200形、
合理化の波に洗われずにいまも残る昭和の鉄道情景...
1月の初訪問以来、すっかり魅せられてしまって、すでに3回目の訪問。
今回は、前回、車窓から見た雰囲気が気になっていた海士有木周辺と、
終点・養老渓谷付近での撮影と決め、風は冷たくてもよく晴れた朝、五井に向かった。

……  ……

2014年3月6日(木)晴れ

自宅最寄りの三鷹台駅を6:24に出る井の頭線で出発。
新宿、御茶ノ水、錦糸町、千葉と乗り換えて五井に到着したのは8:26、
跨線橋を急ぎ、8:31発の養老渓谷ゆき、キハ214の単行に乗り換えた。

02_IMG_0674.JPG
【2014年3月6日8時41分】 小湊鐵道・海士有木駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 5.4 mm 露出 F4.5 1/1250秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

最初の下車駅は海士有木。こう書いて、「あまありき」と読む。
何だか模型ジオラマのプロトタイプになりそうな典型的なローカル駅。
しばらく前に無人化されたとのことだが、そのままの駅舎、
さらに、廃止から、もう相当な年月が経ったと思われるが、貨物側線。
上屋もレールもそのまま残っていた。でも、光線状態が悪くて...

今度は時間を変えて、この駅を撮りに行きたい。

この日、最初の撮影地は、上総村上駅との中間付近にある小さな踏切。
前回(2月26日)の訪問時に、車窓から、この区間にある第4種踏切が撮影地として
良い感じに思えたのが、はたして一体!?

海士有木駅の五井方にある踏切を渡って上総村上駅方向に向かうが...

03_IMG_0678.JPG
【2014年3月6日9時06分】 小湊鐵道・上総村上-海士有木
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 12.3 mm 露出 F4.5 1/1250秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

この踏切標識は珍しいのでは無かろうか!?
木の棒にそのまま踏切の「×」印を取り付けている。
自分もいろいろな路線の沿線を歩いてきたが、コレは初めてのような気がする。

お目当ての踏切は上総村上駅との中間付近にある。
できるだけ線路に沿って、五井側に戻っていくわけだが...
駅から離れると線路の周囲に田畑がひろがって周囲の視界が開けてきた。
そうすると...

04_0Y6C4389.JPG
【2014年3月6日9時06分】 小湊鐵道・上総村上-海士有木
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 190.0 mm 露出 F11.0 1/800秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

正面に見えてきたのは富士山。これなら小湊鐵道のディーゼルカーと絡められそう。
でも、山と列車を絡めて撮るのは難しい。言い替えれば、カメラに比べて人の目というのは
何ともうまくできているものなのだ。中央奥にかすかに見える白いシミのような
ものが富士山である。肉眼ではもっとバッチリ見えていたのに...

05_MtFuji.JPG

上の写真の明るさとコントラストを思いっきり弄ってみるとこんな感じ。

06_0Y6C4404.JPG
【2014年3月6日9時30分】 小湊鐵道・上総村上-海士有木
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F11.0 1/1250秒 -2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

さぁ、列車がやって来た。
電線が邪魔、しかもキハの側面には光が回らず、背景もゴチャゴチャ。
「富士山とキハ」、市原市のものだろうか?? 駅にあるポスター写真にも
使われているのだが...、もっとキレイに撮れる場所と条件を探ってみないと...

07_0Y6C4409.JPG
【2014年3月6日9時34分】 小湊鐵道・海士有木-上総村上(後追い)
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 235.0 mm 露出 F11.0 1/800秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光 三脚使用

すぐにやってくる五井ゆきは線路際に寄ったところから。
富士山を入れなければ順光で撮れるが、何のこともない直線区間。

ちなみに、この日の撮影は大変だった。写真で見ればスッキリと晴れているが、
実際には風が強くて強くて...、田んぼの中の撮影地、三脚にEOSくんをセットして
列車を待っていたら、三脚ごと倒されてしまった。危機一髪。
反射的にEOSくんを抱きとめた<変態鉄>だった。三脚を手で押さえながらの撮影は
午前中いっぱい続いたのだった。

……  ……

いよいよ、お目当ての踏切。

<変態鉄>は“第四種踏切”を見ると撮らずに居られない<四種マニア>。
“第四種踏切”とは、警報機も遮断棒もない踏切のこと。
ちょっと背丈の低い支柱に、「×」印と「とまれ見よ」の看板。
クルマが通行できないような小さな踏切としてはまだまだ多数が残っている。

ここも、舗装すらされていない、曲がりくねった、か細い道と線路が交わっていた。

08_0Y6C4429.JPG
【2014年3月6日10時00分】 小湊鐵道・上総村上-海士有木
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 110.0 mm 露出 F9.0 1/800秒 ISO400
シャッター速度優先AE AIフォーカスAF WB太陽光 三脚使用

でも、「言うは易く行うは難し」、踏切標識にはキレイに光が回ってくれたが、
反対側にある車両通行止めなどを記した看板が気になる。
しかも、すぐ隣には物置のようなもの。これも何だか気になって...

光線状態は悪くないのだが、キハの写し止め方に悩む撮影地だった。

09_0Y6C4450.JPG
【2014年3月6日10時51分】 小湊鐵道・上総村上-海士有木
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 120.0 mm 露出 F20.0 1/60秒 -1/3段補正 ISO100
絞り優先AE AIフォーカスAF WB太陽光 三脚使用

それならば...
と、思いっきりローアングルからキハを大胆に(?)切り取ってみた。
こういうカットは、よく見かけるのだが、いざ自分で撮るとなるとやはり難しい。
できるだけシャッター速度を落として、列車を少しだけ流してみたのだが...
車体の“どの部分”を“どれだけ”入れるのかも悩みどころ。
あえて、キハの顔をカットした、このコマを選んでみたが...
(もちろん、実際の撮影では連写しているわけですが、選択に迷うものです。)

さて、この撮影地は海士有木と上総村上の中間付近。どちらの駅に戻るか迷って...
変化をつけたくて、来たときとは変えて上総村上駅へ。
少し道に迷ったこともあって、駅が見えてきたときにはホームにキハの姿...
11:09発の養老渓谷ゆきにはタッチの差で乗り遅れてしまったのだ。

海士有木に戻っていれば...、と、悔やんでいても仕方がない。

10_IMG_0691.JPG
【2014年3月6日11時18分】 小湊鐵道・上総村上駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F4.0 1/100秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

上総村上駅も、無人化されても駅舎もホームも、これまた、隣の海士有木駅と同様に
“昭和の鉄道情景”が残る駅なのだった。

11_IMG_0701.JPG
【2014年3月6日11時21分】 小湊鐵道・上総村上駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 11.6 mm 露出 F4.5 1/800秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

反対側のホームから見たホームと小ぶりな駅舎も何とも言えない雰囲気。
風が強くて撮影には難儀したし、実は、晴れてはいてもかなり寒かったのだが、
それでも、この“鉄道情景”は<変態鉄>のストライクゾーン、ど真ん中なのだ。

でも、寒いのは寒い。とりあえず、下り列車を待つよりも五井ゆきが先に来る。

 上総村上 11:31 → 11:34 五井 11:45 → 12:12 上総牛久

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【2014年3月6日12時13分】 小湊鐵道・上総牛久駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 5.4 mm 露出 F6.3 1/1250秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

とりあえず、五井まで戻って折返しの上総牛久ゆきでそのまま牛久へ。
さらに、ここで後続の養老渓谷ゆきを待つことにしたのだ。

房総の内陸部では比較的大きな町である上総牛久。
圏央道が開通した昨年春までは、外房と東京を結ぶ高速バスが乗り入れる
ターミナルとしての機能も果たしていた。圏央道開通で、高滝湖のそばにできた
市原鶴舞バスターミナルにその役割を譲って、牛久にはバスターミナルからの
ローカルな路線バスが乗り入れるだけになってしまった。でも、駅舎の内外には
「東京駅・浜松町方面」「羽田空港・横浜方面」の高速バスと、牛久-鶴舞BT間の
路線バスの接続時刻表が貼り出され、いまも“交通の要衝”の面影を残していた。

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【2014年3月6日12時15分】 小湊鐵道・上総牛久駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F4.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

ここも駅の雰囲気は、何とも言えないのだが...
ちょうど、駅近くにある高校の下校時間にあたっていたのか、駅は学生たちで
ごった返しており、とにかく賑やか。

14_IMG_0712.JPG
【2014年3月6日12時17分】 小湊鐵道・上総牛久駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 11.2 mm 露出 F7.1 1/1250秒 ISO400
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

タイミングを見計らいながら、駅舎内外の写真を撮るのが精一杯だった。
でも、この駅から養老渓谷側がスタフ閉塞式。スタフの入ったキャリアを持った
駅員さんが構内通路を行き交う様子や、貨物側線の痕跡が残る駅構内、
この駅も魅力的な被写体なのである。次回は...、そう思いつつ、
13:00発の養老渓谷ゆきに乗り込むのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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