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44.キハの車窓から“おわら”見物 [飛越ゴハチを追った日々]

ようやく、何とか、一応、仕事の方はメドがたってきました。
お騒がせしましたが、今日は会社から帰宅してPCのHDD内を捜索し、資料を調べ、
久しぶりに「飛越ゴハチ」の記事を書き上げたわけです。

IMG_9316b2_201103.jpg

<変態鉄>が全力で撮り続けた(その割に大した写真はないけど...)
そんなキハの話題。前回、これをとりあげたのは、8月初旬のこと。
もっとペースを上げたいところ、秋から冬にかけて“出撃記録”が続いたので、
かなり久しぶりの掲載となってしまいました。

「飛越ゴハチ」って何だ???

という方は、拙ブログのこちらの記事で。ちなみにコレ、自分で勝手に作ったコトバ。
検索しても、もしかしたら拙ブログ以外はヒットしないかも...

http://gohachinihachi0309.blog.so-net.ne.jp/2013-08-05

飛越ゴハチにとって最後の「おわら風の盆輸送」、その2日目。
もちろん、<変態鉄>もいつもより早起きして、撮影に向かったわけです。

さて、では、「飛越ゴハチを追った日々」第44話。

……  ……

2010年9月2日 晴れ

哀愁漂う胡弓の音色に乗せた妖艶な「女踊り」、そして、力強い「男踊り」
でも、ちょっと寂しい、あの独特な雰囲気は堪らない。でも、<鉄>にとっては
(合併で富山市になってしまったが)山間の小さな町に大勢の観光客を輸送するために
高岡・糸魚川・京都...、JR西日本各区のディーゼル車が応援に駆けつける。
その様子を撮らずにはいられないのであった。もちろん、普段は朝晩の通勤時間帯だけに
限られる老雄ゴハチニハチも、日中一杯、富山-越中八尾間を走り続ける。

いつも撮っていたわけだが、「おわら期間限定」のキハ58・28の運用に猪谷運用があった。
猪谷は神通川を遡り、富山と岐阜の県境、山の中の小さな町。
八尾までは富山平野の水田地帯を走る高山線だが、八尾を過ぎると一気に山岳路線に
姿を変える。保守の限界に来ていた東京オリンピック世代のキハ、
2009年頃までは定期運用で猪谷に入ることもあったが、検修サイドからの要請と言うことで
末期には越中八尾-富山間に限定されていた。でも、「おわら」期間は別。

徹夜でおわら踊りを見物した観光客輸送のため、早朝の猪谷ゆき始発列車は
普段の小型軽量気動車キハ120形に変えて、定員の大きいキハ58・28編成が充当された。

IMG_0346.JPG
【2010年9月2日5時53分】 高山本線・富山駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F8.0 1/125秒 -1/3段補正 ISO800
絞り優先AE AIフォーカスAF WBオート

新幹線工事で仮ホームになっていた富山駅。
早朝6時前、多くの“同業者”さんに見守られ、カメラの砲列の中、
ゴハチニハチが入線してきた。
この日は「女子中学生のジャージ姿」と揶揄されていた“高岡色”の編成。
キハ58 1114はマイナーチェンジ車で、前面のパノラミック窓が特徴だった。
屋根のカーブが少し違っていたり、好みの分かれるところだったが自分にとっては
好きな車両だった。

IMG_0353.JPG
【2010年9月2日5時54分】 高山本線・富山駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 95.0 mm 露出 F8.0 1/50秒 -1/3段補正 ISO800
絞り優先AE AIフォーカスAF WBオート

発車を待つキハ2連。後ろ側はキハ28 2346号車。
まさか、まさか、この車両が引退後、房総の地にやってくるとは...
いま、いすみ鉄道の観光列車で活躍中のキハ28の富山時代の姿。
「平面窓」の標準的な姿、「高岡色」の地味さもあって、
4両の仲間の中では最も目立たない存在だったのだが...、

……  ……

進行方向左側の席に陣取った<変態鉄>。
「しまった!!!!」と焦ってしまったのは、越中八尾駅に到着したとき。
この日は3番ホームに到着。ホームは右側。

そう、コレ。

IMG_0359.JPG
【2010年9月2日6時24分】 高山本線・越中八尾駅(車内より撮影)
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F8.0 1/320秒 -1/3段補正 ISO800
絞り優先AE AIフォーカスAF WBオート

夜通し、おわら踊りを見物した観光客を送り出すのに、
30人ほどだろうか、男女の踊り手たちがホームに集まり、富山ゆき・猪谷ゆき、
上下の始発列車の発車までホーム上で「おわら踊り」を披露するのだ。

通称「見送りおわら」。
このときばかりは、入場券でのホーム立ち入りが禁止される越中八尾駅。
1番ホームの柵の外側からも多くの観光客がホーム上での「見送りおわら」に注目。

IMG_0362.JPG
【2010年9月2日6時24分】 高山本線・越中八尾駅(車内より撮影)
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F8.0 1/400秒 -1/3段補正 ISO800
絞り優先AE AIフォーカスAF WBオート

キハの窓を開けて、慌てて撮る<変態鉄>。
でも、あまりに焦っていて、こんな写真ばかり。嗚呼。

IMG_0366.JPG
【2010年9月2日6時24分】 高山本線・越中八尾駅(車内より撮影)
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F10.0 1/250秒 -1/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

ゴハチニハチにとって最後の夏になるとわかっていた2010年、おわら踊り自体は
全く見に行かずにキハを撮ることに専念していた自分。
こんな間近で踊りを見ることができたことに大興奮だった。

この「見送りおわら」、ちょうどキハ58・28が製造された頃から始まっていたらしい。
雨の日には「風の盆」も中止となる。越中八尾駅で雨宿りしていた踊り手たちが
居合わせた観光客に踊りを披露したのが起源と言われている。

「おわら風の盆」自体は夕方からだが、熱心なファンは朝まで踊りを見物する。
そのため、風の盆期間は朝方にも臨時運用が多数発生していたのだ。

……  ……

大興奮のまま、観光客と<鉄>が混ざり合った不思議な車内。
DMH17Hエンジンの唸り、山間部を行く国鉄型キハの走りを久しぶりに堪能して、
終着・猪谷駅に着いたのは6:47。

IMG_0376.JPG
【2010年9月2日7時00分】 高山本線・猪谷駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F9.0 1/200秒 -1/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

よく見ると赤い「高岡色」のキハの向こうにJR東海色のキハが“縦列停車”。
観光客の多くは引き続きJR東海の普通列車に乗り継ぎ、高山方面を目指すのだった。

接続列車が発車すると、ホームは<鉄>たちによるキハ58・28の“撮影会”状態。

IMG_0378.JPG
【2010年9月2日7時01分】 高山本線・猪谷駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 110.0 mm 露出 F9.0 1/320秒 -1/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

そんな中、反対側のホームにはキハ120の4連の富山ゆき。
そのキハ120は、高山線の普通列車の主力であることには変わりないが、
同じキハ120でもこの車両は帯色がオレンジ。糸魚川配置で大糸線の車両である。

越中八尾を境に本数が激減する高山本線、県境の小さな駅がこれほど賑わうのも
このときだけ。

IMG_0383.JPG
【2010年9月2日7時02分】 高山本線・猪谷駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 55.0 mm 露出 F11.0 1/400秒 -1/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

順光側から撮った、パノラミック窓のキハ58 1114。
なぜか方向幕が「速星」になっていた。

さて、自分は「キハ58系を愛して止まない<変態鉄>」として、次なる撮影地に
向かうため、キハ120の富山ゆきで先行するのだった。(つづく)


(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 4

hanamura

キハキハ~!(気動車好きです。富士重工製造なら尚よし!)
おわら生で見てみたいです。配偶者様お薦めマンガ「月影ベイベ」を読んで、その思いが募っております!!
by hanamura (2013-12-28 07:02) 

あるまーき

hanamuraさん

コメントありがとうございます。
「おわら」も地元の人に言わせれば、最近は観光客が増えすぎて、雰囲気がだいぶ変わってしまった...ということですが、それでも、やはり一見の価値ありだと思います。やはり、現地で見るとまた格別です。
ちなみに、毎シーズン、コンスタントにキハ40系の高岡車が臨時快速として富山-越中八尾間の運用に入ります。詳細は調べていませんが、この中には昭和50年台はじめに、富士重工で製造された分も含まれていたような...
ぜひ、お出かけ下さい。
by あるまーき (2013-12-28 23:31) 

でぃーえむえいち

国鉄色でもなく、パノラミックウィンドウでもなく・・・
そんなキハ28 2346が一躍注目されるようになるとは思いませんでした。
来年こそは「い鉄」に行くぞ!とひとり誓っております。

良いお年をお迎え下さい~(^_^)
by でぃーえむえいち (2013-12-29 22:26) 

あるまーき

でぃーえむえいちさん

コメントありがとうございます。
冷房の関係もありますし、い鉄は、最初から28の方を狙っていたのだと思いますが、車両の状態が良かったのがこちらの個体だったということみたいです。地味な存在だった2346が、2011年の「引退」後、一躍スターになるとは想像もできませんでした。
アクアラインと圏央道で、都心から大多喜までは約1時間、房総の長閑な里山風景の中を走るキハは、乗っても撮っても楽しめます。ぜひ、一度、お出かけ下さい。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。
でぃーえむえいちさんのブログも、信州の話題など楽しみにしております。

by あるまーき (2013-12-29 23:20) 

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