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20151216「房総横断鉄道トコトコきっぷ」の旅(4=最終回) [小湊鐵道キハ200と鉄道情景]

1年の始めに、ちょっと気になる話題が飛び込んできた。

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「4発エンジン機は燃費が悪い」
「定員の大きな機体よりも小型機で高頻度」
そう言って、ジャンボ機B747型機を退役させたANAだが、いきなり出てきたのは...

あの、単なる巨漢、デブ!! 総2階建て構造という、何だかヘンなヒコーキ、
そうとしか見えない、エアバスA380型機を3機購入するというニュース。
昨年、話題になったスカイマークの経営破綻、その発端になったのは当時の
スカイマーク経営陣が後先考えずに決定した超大型機A380の6機導入。
破綻後の経営支援をANAが行うことになったとき、エアバスとの間でさまざまな交渉が
なされたという話題は、いろいろな所で言われてはいたが...
まさか、というより、やはり...が、自分がこのニュースを聞いて最初に思ったこと。

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【2013年10月24日14時23分】 北海道千歳市・新千歳空港

ちなみに、ジャンボことボーイング747型機というのは決して時代遅れのヒコーキではない。
ANAで最後まで活躍したのが、B747-400D型機。これは確かに90年台までの機体だが、
2009年から引き渡しがはじまった最新形のB747-8型機というのもあり、
成田空港に行けば国際線で乗り入れてくる機体を見ることもできる。

1利用者の立場というか、展望デッキでカメラを構える立場としては、
高額な対価を払って、あんなブサイクなデブを購入するよりも、ジャンボ機を
“復活”させて欲しかったのだが...

さて、<変態野郎>の妄想を語ったところで、引き続き、12月16日の
「房総半島横断鉄道」の旅の話題。夕暮れ迫る時間帯だったが、気になっていた
1つの無人駅を訪れてみた。


……  ……

2015年12月16日(水)晴れ

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【2015年12月16日14時46分】 いすみ鉄道・上総中野駅

上総中野から小湊鐵道に乗り継いだ。ちょうど、その上総中野と次の養老渓谷の間が
市原市と大多喜町の市町境になる。このため、この区間は同線でも列車本数が
一番少ない区間にあたり、1日に6往復だけ。「前泊+途中下車無し」でないと
朝7時の列車は使いづらいので、そう考えると日中の接続ダイヤはかなり制限される。

そもそも上総牛久以降の山間部の区間は、もともと列車本数が少なかったのに、
昨年の「里山トロッコ」導入に伴うダイヤ改正で土休日を中心にさらに普通列車が
不便なダイヤになってしまった。市原市が中心となって「房総横断鉄道」と名付けて
観光路線として山間部の2路線、いすみ鉄道と小湊鐵道を盛り上げようと努力しているが
その結節点である上総中野駅を挟む区間の不便さ、これを解消しない限り、
このルートの魅力も高まりにくいような気がしたのも確か。

もちろん、需要のないところに供給するのは無理なわけで、町村境と言うことは
人もモノの流れも一番少なくなるのは当然のこと。気まぐれで時折訪れる単なるマニアが
「もっと便利にしろ!!」と言っても無理なのはわかるが...。

ちょっと愚痴っぽいブログになってしまったが、小湊キハの旅はやはり楽しい。

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【2015年12月16日15時58分】 小湊鐵道・上総鶴舞-上総久保

小湊鐵道は全列車、車掌乗務で運転されている。無人駅に停まるごとに車掌さんが
車内を回り、車掌カバンから補充券の冊子を取り出しては、パンチで穴を開けて
乗客1人ずつに乗車券を発行する。「整理券式ワンマン」がフツーになってしまった
ローカル列車、でも、ここにはそんな昔ながらのスタイルがそのまま残っている。

検札に回ってくるのも、いまではなかなか見られなくなった光景。
「トコトコきっぷ」の場合、添付のスタンプ用紙に両終点駅のスタンプを押して
小湊鐵道の車掌さんの改札印を捺してもらって応募する仕組みになっている。
上総中野駅発車後にお願いして、改札印を捺してもらった。

ちょっと対向列車が遅れていたみたいで、途中、スタフ(票券)交換のある里見駅は
場内信号機が赤(停止)現示。2~3分だろうか、駅手前のS字カーブで停車した。
下りが到着した後でなければ、上り列車は里見駅に進入できない仕組みとか...

でも、そんな遅れもそれほど気にならず...

途中下車したのは、こちらの駅。

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【2015年12月16日15時33分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

「関東の駅百選」にも選ばれた上総鶴舞駅である。
市原市の山間部にある鶴舞は、かつては城下町だったそうな...
一面の水田地帯に、木造瓦葺きの小さな駅舎、カーブしたホームは駅舎側の1線だけ
使用しており、使用を止めた向かい側のホーム付近にはクリスマスのイルミネーション。

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【2015年12月16日15時38分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

小湊鐵道沿線は映画やテレビ、CMなどのロケに頻繁に使われるので、訪れたことの
ない人でも、たぶん見覚えのある風景は多いかと。
その中でも、上総鶴舞駅は特にロケ地として使われていることが多い。
例えば、最近では2015年にジャニーズの「嵐」のCDジャケット撮影などのロケ地にも
なっている。そのほかにもたくさんある。

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【2015年12月16日15時33分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

無人化されて、もうすぐ20年になるそうだが、駅舎はそのときのまま残っており、
出札窓口などに昔のローカル駅の風情をよく残している。
<変態鉄>にとっては、本の中の写真でしか見たことのない光景。

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【2015年12月16日16時09分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

小さな駅舎内はガランとしていたが、清掃などは行き届いており、
素朴ながら味のある駅舎。壁面には「鶴舞桜まつり」を中心に地元の写真が
展示されていた。そんな駅舎に冬の陽が射し込んで...

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【2015年12月16日16時09分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

駅の五井方には貨物側線の跡が見える。積み込みホームも残っており、
側線は2本以上、周辺の農産物の出荷などをここから行ったのだろうか!?

あるいは保線作業の拠点として“いまなお現役”なのかも知れない。
転轍機標識が並べてあった。

この駅の歴史的な設備はまだまだある。

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【2015年12月16日16時11分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

この駅には大正時代から昭和初期にかけて発電所が設けられていた。
その遺構がいまも向かい側の使われなくなったホームの付近に残っている。

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【2015年12月16日16時12分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

「鶴舞発電所」は1923年(大正12年)に完成、自社の駅施設等で使う電力を
賄うことを目的とした発電所だったが、直後に、周辺の家々への「電灯事業」へ。
ただ、それも長くは続かず、この発電所が稼動していたのは10年足らず。
もちろん、最終的には戦時統制で電力会社は地域独占のいまの仕組みに変わったので、
戦前までに小湊鐵道も電力事業からは撤退している。

……  ……

時系列では話は前後するのだが、駅の周囲は一面の水田地帯。
そこに木造の雰囲気のある駅舎...、やはり、<撮り鉄>としては黙っては
いられない。駅近くの、ちょうど上総久保側の構内外れにある小さな踏切へ。

遮断機も警報機もない、いわゆる「第4種」、踏切ヨコに立てば、
駅から緩やかにカーブしてくる線路の様子を見渡すことが出来る。

という訳で、日の入りの時刻が近づいている中、上総鶴舞 16:07発の下り列車
(第31列車)を撮ってみることとした。唯一のチャンス、いかに。

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【2015年12月16日15時58分】 小湊鐵道・上総鶴舞-上総久保

あと5分早かったら、かなりエロい光線だったが、だいぶ弱まってしまった後、
キハ200形2両編成の上総中野ゆきがやって来た。

冬枯れとはいえ、田んぼの表情も入れてみたくて広角気味に狙ってみた。
後ろに上総鶴舞駅の様子もチラッと写り込むように...。

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【2015年12月16日16時19分】 小湊鐵道・上総鶴舞駅

これを撮って駅に戻れば、駅構内のイルミネーションが点灯していた。
ちょっとずつ周囲が暗くなってくる頃、カーブの向こうからキハがやって来た。
上総鶴舞 16:30発の第40列車、こちらも2両編成である。

……  ……

上総牛久で通勤客がたくさん乗り込んでくるかと思ったら、意外と少なく...
終始のんびりムードの車内。暮れゆく中でキハ旅を再び満喫したのだった。
こちらの列車は、女性の車掌さんと男性の初々しい車掌見習いの2名乗務だった。

途中、海士有木駅で上総中野から乗った「イルミネーション列車」とすれ違い。
五井 16:49発の養老渓谷ゆき(第35列車)である。五井からの下り列車だけに
車内は通勤客で混雑していたが、車内の照明は落とされ、イルミネーションの灯りが
車窓から漏れる車内...、何だかちょっと不思議な光景だった。

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【2015年12月16日16時58分】 小湊鐵道・五井駅

そして、終点・五井駅には17:06着。

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小湊鐵道の改札口付近に設置されている五井駅のスタンプを押せば、
抽選で豪華賞品があたる応募用紙の完成である。
(帰宅後、切手を貼ってポストに投函した)

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【2015年12月16日17時06分】 小湊鐵道・五井駅

通勤客でごった返す五井駅の跨線橋、ふと見れば窓はフツーのサッシ。
ちょっとだけ窓を開けて、桟のところにEOSくんを置けば“簡易バルブ撮影”。
このとき、まだ「運行休止中」の状態が続いていた「里山トロッコ」編成が
車庫で休んでいるのを見ることができたのだった。

……  ……

小湊鐵道の列車と自社の新宿ゆき高速バスは接続しないダイヤになっているみたい。
次のバスまで1時間以上の時間が余ってしまった。

ちょうど市役所前経由の路線バスがやって来たので、高速バスの始発バス停である
市原市役所前まで戻ってみることにした。250円のムダな出費だったが、
適度な時間潰しにはなったのだった。

市原市役所前 18:10発の新宿駅西口ゆき高速バスはわずかな乗客を乗せて、
上総村上駅近くから高速道路へ。前回の利用は2015年2月だったはず。そのときは
東関東自動車道経由だったと記憶しているが、この日は、車内でウトウトしていて
気が付いたら、川崎浮島JCTを通過中だった。いつの間にか、アクアライン経由に
変わっていたのか、首都高も順調に流れていて、定刻より少しだけ早く新宿に
到着したのだった。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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