2017夏、中国地方へ(25)あき亀山駅にて [鉄分の濃い旅行記録]
早いもので、もう1ヶ月になるのだが...
こちらは“開業”からちょうど半年になる。
【2017年9月2日8時49分】 可部線・あき亀山駅
2003年にいったん廃線となったJR可部線の可部-あき亀山間、
市街地区間であること、地元からも“復活”を望む声が多かったこと
などから、2017年3月に可部-あき亀山間1.6 kmが“復活”したのだった。
“復活”とはいえ、以前は非電化、電化して広島駅から電車が直接乗り入れ
また、駅名も駅の場所も変更になり、新線といった方が良い感じ。
そんな新駅を訪問したのは、良く晴れた朝だった。
…… ……
2017年9月2日(土)晴れのち曇り
太田川に沿って中国山地に分け入っていくのが、そもそもの可部線のルート。
広島郊外のベッドタウンとして、山肌を削ってできた土地に、まさに
へばりつくように分譲住宅がビッシリと建て込んでいる...というのが、
この地域の典型的な風景。
【2017年9月2日8時57分】 広島市安佐北区亀山南付近
終点のあき亀山駅のすぐ前の道も、すぐに急カーブと上り急勾配。
100 mほど歩くと伊勢社がある。
【2017年9月2日8時55分】 広島市安佐北区亀山南付近
そこに突然、現れるのがこの表示板。
ぬぁんと、駅があるのである。「河戸駅」というのはキハ時代の可部線に
実在した駅。ただし、いまのあき亀山駅とも、この案内板の示す先でも無い。
かつてのキハ時代(~2003年)のこの区間は可部駅から1.3 kmほどの地点に
河戸駅があった。片面ホームだけの無人駅だったという。
だが、“復活”に際して駅の位置が変更され、旧河戸駅の手前500 mほどの位置に
「河戸帆待川」駅、旧河戸駅の先300 mほどの地点に終点・あき亀山駅が
新設される形になった。
【2017年9月2日8時56分】 広島市安佐北区亀山南付近
2003年の廃止の時から、この区間だけ残して欲しい...という声はあったという。
確かに、すぐ近くには大規模な県営住宅もあって旅客需要もあるのだが、
1区間だけ非電化区間を残すことになる点、河戸-可部間だけの存続ということに
なれば、当時、それより先の加計、三段峡方面の廃止を容認することにも
なるという声があって、沿線も“1枚岩”にはなれなかった、などもあったという。
そんな複雑な経緯があって、でも、10年ほど経ってこの区間の復活が決まると
その新しい終着駅近くにあった伊勢社を「ふたたびの宮」に改称、
そこに残っていた旧河戸駅(といっても簡素な待合室だけ)を移転保存した。
【2017年9月2日9時09分】 広島市安佐北区亀山南付近
というのを、さる方のブログで拝見して、ここを訪問したときには是非立ち寄りたい
と思っていたのだった。
でも、やはり広島。真っ赤なボードも。カープの優勝を祝う看板も。
可部線電車で広島駅で下車すれば徒歩で応援に行けるのだが...
という訳で、電化延伸が実現した可部線なのである。
【2017年9月2日8時56分】 広島市安佐北区亀山南付近
ただ、旧河戸駅を移転保存...とはいえ、もともとが片面ホームだけの無人駅。
移築するといっても、そこにあるのは待合室と駅名板だけ。“見学”もすぐに終了。
JRに言って、もうすぐ余剰になるキハ40系でも譲ってもらって保存すれば
良いのに...というのは“マニアの妄想”。維持管理が大変になるわけで。
それにしても移転から半年。夜間など施錠されるような場所では無いが、
保存状態は非常に良好な“駅舎”である。
【2017年9月2日8時57分】 広島市安佐北区亀山南付近
隣接する伊勢社、というか、ふたたびの宮で道中の安全をお祈りした後は
こんどはラク。下り坂を一気に駆け下れば、あき亀山駅はすぐそこ。
【2017年9月2日9時03分】 可部線・あき亀山駅
やはり、こちらも無人駅なのだが、でも、立派な駅舎。地元の方たちが隣接する
トイレの清掃作業を続けていた。
ホームに入れば...
【2017年9月2日9時06分】 可部線・あき亀山駅
今度の電車は9:12着の第761M列車、その折返しが9:23発の第768M列車。
コレに乗って帰ることにした。ということで、ホーム端で。
朝方は国鉄型の運用が多かったようだが、やって来たのは227系4連。
【2017年9月2日9時09分】 可部線・あき亀山駅
車止め越しのこのカットを撮ったら最後部のクモハ226-65に。
入口から一番近いこの車両ですら、乗客は自分と、あとは発車直前にやって来た
女性2人だけ。ちょっと心配な...
近く、大きな病院が移転してくるのだとか。そうするともう少し賑わうのだろうか。
【2017年9月2日9時13分】 可部線・第768M列車(あき亀山駅停車中)
発車直前、車掌さんにお願いしたのはコチラ。
そのままでは、広島駅の改札印が押される事になる訳で...
せっかく青春18きっぷを“放棄”してまで「あき亀山-岡山」の乗車券。
それなら、あき亀山駅の改札印が欲しかったが、残念ながら無人駅。それなら
可部線電車の車掌さんから。発車前にお願いするとすぐに押してもらえた。
ちょっと意外だったのは途中の河戸帆待川駅でまとまった乗車があったこと。
ここまででも何度か触れているように、住宅地を通っているので土曜日の9時、
広島市街地に向かおうとする人にとってはちょうど良い時間帯なので、
不思議は無いのだが...
その電車を降りたのは可部駅。
【2011年6月5日17時25分】 可部線・可部駅
“定点比較”ができないかと写真を探してみたのだが、可部駅には何度か来ている
ものの、カメラは向けていなかった。これくらい...
折返しを待つ、広島ゆきの電車。“瀬戸内色”も懐かしい。
すでにこの塗色は無いが、この日は「広島色」の115系が走っているのは見かけた。
さて、現在の可部駅は...
【2017年9月2日9時25分】 可部線・可部駅
残念っ!! 定点比較とはならなかった。
あき亀山側を見てみると...
【2017年9月2日9時26分】 可部線・可部駅
先の“瀬戸内色”電車の後ろにもチラッと写っているが、可部駅の特徴は
時計台(?)のある駅舎。それに隣接して住宅街を走る広電バスや広交バスの
発着するバスターミナルがあり、乗換客も非常に多い。
時計台との位置関係を見ると、瀬戸内色の電車が停まっていたのは、1つ上の
写真の線路が撤去された側になるのだろうか!?
可部駅の線路配置が変わっているのがわかる。
あと、注目なのは...というか、可部-あき亀山駅間の“復活”にあたって
非常に大きなネックとなったものが、この写真に写っている。
そう、踏切。
廃止区間の“復活”とはいえ、書類上は“開業”となる。現在、踏切を新設する
ことは事実上、認められないことになっている。このあたりの調整に時間が
かかったことで、この“復活”もちょっと遅れての開業となった。
(沿線地権者との用地境界の確定にも苦労があったようだが...)
いまの可部線は完全に20分ヘッドのパターンダイヤ。
可部駅で上下列車が交換して、あき亀山駅で10分少々の停車で折返し、
20分後に再び可部駅に戻ってくる...というダイヤになっている。
後続電車も227系。これで広島に向かうのだった。(つづく)
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こちらは“開業”からちょうど半年になる。
【2017年9月2日8時49分】 可部線・あき亀山駅
2003年にいったん廃線となったJR可部線の可部-あき亀山間、
市街地区間であること、地元からも“復活”を望む声が多かったこと
などから、2017年3月に可部-あき亀山間1.6 kmが“復活”したのだった。
“復活”とはいえ、以前は非電化、電化して広島駅から電車が直接乗り入れ
また、駅名も駅の場所も変更になり、新線といった方が良い感じ。
そんな新駅を訪問したのは、良く晴れた朝だった。
…… ……
2017年9月2日(土)晴れのち曇り
太田川に沿って中国山地に分け入っていくのが、そもそもの可部線のルート。
広島郊外のベッドタウンとして、山肌を削ってできた土地に、まさに
へばりつくように分譲住宅がビッシリと建て込んでいる...というのが、
この地域の典型的な風景。
【2017年9月2日8時57分】 広島市安佐北区亀山南付近
終点のあき亀山駅のすぐ前の道も、すぐに急カーブと上り急勾配。
100 mほど歩くと伊勢社がある。
【2017年9月2日8時55分】 広島市安佐北区亀山南付近
そこに突然、現れるのがこの表示板。
ぬぁんと、駅があるのである。「河戸駅」というのはキハ時代の可部線に
実在した駅。ただし、いまのあき亀山駅とも、この案内板の示す先でも無い。
かつてのキハ時代(~2003年)のこの区間は可部駅から1.3 kmほどの地点に
河戸駅があった。片面ホームだけの無人駅だったという。
だが、“復活”に際して駅の位置が変更され、旧河戸駅の手前500 mほどの位置に
「河戸帆待川」駅、旧河戸駅の先300 mほどの地点に終点・あき亀山駅が
新設される形になった。
【2017年9月2日8時56分】 広島市安佐北区亀山南付近
2003年の廃止の時から、この区間だけ残して欲しい...という声はあったという。
確かに、すぐ近くには大規模な県営住宅もあって旅客需要もあるのだが、
1区間だけ非電化区間を残すことになる点、河戸-可部間だけの存続ということに
なれば、当時、それより先の加計、三段峡方面の廃止を容認することにも
なるという声があって、沿線も“1枚岩”にはなれなかった、などもあったという。
そんな複雑な経緯があって、でも、10年ほど経ってこの区間の復活が決まると
その新しい終着駅近くにあった伊勢社を「ふたたびの宮」に改称、
そこに残っていた旧河戸駅(といっても簡素な待合室だけ)を移転保存した。
【2017年9月2日9時09分】 広島市安佐北区亀山南付近
というのを、さる方のブログで拝見して、ここを訪問したときには是非立ち寄りたい
と思っていたのだった。
でも、やはり広島。真っ赤なボードも。カープの優勝を祝う看板も。
可部線電車で広島駅で下車すれば徒歩で応援に行けるのだが...
という訳で、電化延伸が実現した可部線なのである。
【2017年9月2日8時56分】 広島市安佐北区亀山南付近
ただ、旧河戸駅を移転保存...とはいえ、もともとが片面ホームだけの無人駅。
移築するといっても、そこにあるのは待合室と駅名板だけ。“見学”もすぐに終了。
JRに言って、もうすぐ余剰になるキハ40系でも譲ってもらって保存すれば
良いのに...というのは“マニアの妄想”。維持管理が大変になるわけで。
それにしても移転から半年。夜間など施錠されるような場所では無いが、
保存状態は非常に良好な“駅舎”である。
【2017年9月2日8時57分】 広島市安佐北区亀山南付近
隣接する伊勢社、というか、ふたたびの宮で道中の安全をお祈りした後は
こんどはラク。下り坂を一気に駆け下れば、あき亀山駅はすぐそこ。
【2017年9月2日9時03分】 可部線・あき亀山駅
やはり、こちらも無人駅なのだが、でも、立派な駅舎。地元の方たちが隣接する
トイレの清掃作業を続けていた。
ホームに入れば...
【2017年9月2日9時06分】 可部線・あき亀山駅
今度の電車は9:12着の第761M列車、その折返しが9:23発の第768M列車。
コレに乗って帰ることにした。ということで、ホーム端で。
朝方は国鉄型の運用が多かったようだが、やって来たのは227系4連。
【2017年9月2日9時09分】 可部線・あき亀山駅
車止め越しのこのカットを撮ったら最後部のクモハ226-65に。
入口から一番近いこの車両ですら、乗客は自分と、あとは発車直前にやって来た
女性2人だけ。ちょっと心配な...
近く、大きな病院が移転してくるのだとか。そうするともう少し賑わうのだろうか。
【2017年9月2日9時13分】 可部線・第768M列車(あき亀山駅停車中)
発車直前、車掌さんにお願いしたのはコチラ。
そのままでは、広島駅の改札印が押される事になる訳で...
せっかく青春18きっぷを“放棄”してまで「あき亀山-岡山」の乗車券。
それなら、あき亀山駅の改札印が欲しかったが、残念ながら無人駅。それなら
可部線電車の車掌さんから。発車前にお願いするとすぐに押してもらえた。
ちょっと意外だったのは途中の河戸帆待川駅でまとまった乗車があったこと。
ここまででも何度か触れているように、住宅地を通っているので土曜日の9時、
広島市街地に向かおうとする人にとってはちょうど良い時間帯なので、
不思議は無いのだが...
その電車を降りたのは可部駅。
【2011年6月5日17時25分】 可部線・可部駅
“定点比較”ができないかと写真を探してみたのだが、可部駅には何度か来ている
ものの、カメラは向けていなかった。これくらい...
折返しを待つ、広島ゆきの電車。“瀬戸内色”も懐かしい。
すでにこの塗色は無いが、この日は「広島色」の115系が走っているのは見かけた。
さて、現在の可部駅は...
【2017年9月2日9時25分】 可部線・可部駅
残念っ!! 定点比較とはならなかった。
あき亀山側を見てみると...
【2017年9月2日9時26分】 可部線・可部駅
先の“瀬戸内色”電車の後ろにもチラッと写っているが、可部駅の特徴は
時計台(?)のある駅舎。それに隣接して住宅街を走る広電バスや広交バスの
発着するバスターミナルがあり、乗換客も非常に多い。
時計台との位置関係を見ると、瀬戸内色の電車が停まっていたのは、1つ上の
写真の線路が撤去された側になるのだろうか!?
可部駅の線路配置が変わっているのがわかる。
あと、注目なのは...というか、可部-あき亀山駅間の“復活”にあたって
非常に大きなネックとなったものが、この写真に写っている。
そう、踏切。
廃止区間の“復活”とはいえ、書類上は“開業”となる。現在、踏切を新設する
ことは事実上、認められないことになっている。このあたりの調整に時間が
かかったことで、この“復活”もちょっと遅れての開業となった。
(沿線地権者との用地境界の確定にも苦労があったようだが...)
いまの可部線は完全に20分ヘッドのパターンダイヤ。
可部駅で上下列車が交換して、あき亀山駅で10分少々の停車で折返し、
20分後に再び可部駅に戻ってくる...というダイヤになっている。
後続電車も227系。これで広島に向かうのだった。(つづく)
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