年越しは「ちん電」で(2)中央線を東へ、西へ。 [保存車・廃線跡]
そう、多くの人は「中央線」と言えば...
東京から甲府、塩尻を経て“木曽路”を経て名古屋に至るJRの...
となりそうなところ、<変態鉄>の言う“中央線”とは...
【2016年12月31日10時10分】 大阪市交通局中央線・朝潮橋駅(後追い)
コチラ、「緑色の中央線」である。大阪湾の埋め立て地に造られた
コスモスクエアから大阪港を経て、弁天町から本町、森ノ宮、長田からは
近鉄けいはんな線を経由し、生駒、学研奈良登美ヶ丘という噛みそうな名前の駅まで。
まさに大阪平野を東西に横切る路線を構成している。
日本では「第3軌条集電」というと、地下鉄の“専売特許”みたいな感じだが、
近鉄が、地下鉄との直通のために、わざわざ、そんな特殊な構造の電車を
つくってしまうあたり、関東には無い関西私鉄のスゴさだろうか。
大晦日は、その地下鉄中央線を東へ西へ、動き回ったのだった。
…… ……
2016年12月31日(土)晴れ
朝、東大阪市にやって来た<変態鉄>、大阪産業大前バス停で降りても、
大晦日となれば学生の姿も無く。
「ええーーーっ、ここまで来て会えないなんて」
保存車探しというのは、いつもそんなもの。でも、時間とおカネを費やして、
“空振り”ではショックなのである。
自分を落ち着かせながら、周囲を見渡せば...
【2016年12月31日9時05分】 大阪府東大阪市・大阪産業大学付近
キャンパス裏門近くの駐車場の一画に濃緑色の電車の姿が。
南海大阪軌道線モ205形229号車である。どういった経緯で大阪ミナミを
走り続けた電車が生駒山地に面した大学キャンパスに保存されたのかは
知る由も無いのだが...、でも、和歌山の公園の個体よりも美しい状態で。
【2016年12月31日9時04分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
「昭和13年 南海鉄道工場」の製造銘板。資料によれば、木製車の鋼体化として
天下茶屋工場で車体を新造した11メートル級車体をもつ中型車。
<変態鉄>が生まれる前の時代には、阪堺線の主力車として活躍していた。
その後、ワンマン化改造の対象を外れた同形は平野線運用に。
今池-阿倍野-平野と、いまの地下鉄谷町線に沿ったルートで走っていた
南海平野線は、その地下鉄谷町線開業に合わせて1980年(昭和55年)に廃止。
ちなみに、このときの“こぼれ話”として出てくるのが...
老朽化してワンマン化対象を外れていた中型車、モ205形の置き換えに...
何を間違えたのか??
当時の南海は、すぐ前に廃止となっていた京都市電から「車齢の若い大型車」を
譲ってもらう予定で交渉した結果...
【2016年9月17日13時22分】 阪堺電軌・あびこ道車庫
「設計が古く、高速運転に不適な、華奢な車体の小型車」である1800形を
譲受するという謎な行動。結局、計画を変更し、老朽化が著しかったモ205形の
一部はワンマン化改造を受けた上、平成になるまで頑張ったという。
その、京都市交通局1800形改め阪堺モ251形は、1両が京都市電色に塗り替えられ
我孫子道の車庫で動態保存(非公開)されている。昨年の撮影会のときに
撮らせてもらう機会を得た。
そんなモ251形は、高校生だった<変態ガキ鉄>も、我孫子道の車庫で見たことが
あった。でも、ちょうどその数年前に姿を消していたモ205形は撮れなかった。
その頃は、すでに新型車(モ701形)の導入が始まっていたが、旧型車は健在。
モ161形とモ121形、大型車を中心にまとまった数残っていたのは撮ったのだが...
「タッチの差」で撮れなかった車輌、というのは、ちょっと...
ということで保存車巡りを続けているのである。
【2016年12月31日9時04分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
さて、そんなモ229号車。
【2016年12月31日9時06分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
ネット情報によれば、大学に届け出て許可を取れば車内見学もできるとか
できないとか...、でも、今回はこっそりと外観だけ撮って変えることに。
そう、フェンスの隙間にレンズフードを外したEOSくんを...
説明板も設置されていて。これは次回訪問時にお願いして見せてもらわないと。
【2016年12月31日9時10分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
保存車だけに塗装はボテッとした感じだったが、それでも、非常に良い状態に
見えた。いつまでも美しい状態を保っていて欲しいと願う次第。
…… ……
9:20発の瓢箪山駅前ゆき近鉄バスで新石切駅へ。駅前歩道橋からすれ違いシーンを。
【2016年12月31日9時30分】 大阪府東大阪市西石切町付近
来るときは大急ぎでバスに乗り込み、撮ることができなかったので、ここで
近鉄バスの姿を1枚スナップして。再び、近鉄けいはんな線 → 地下鉄中央線。
地下鉄電車を撮るには、直通運転先の路線で撮る...のは定番なのだが、
ここは、近鉄側がいわゆる「都市型ワンマン」になっていて。
駅構内もフェンスや柵でとにかくガードの堅い路線(笑)。
【2016年12月31日9時38分】 近鉄けいはんな線・新石切駅
でも、ホーム端に立てば、生駒山地の斜面に立ち並ぶ家並みが目前に迫り...
ここは、望遠+トリミングでも。
そして、写真のコスモスクエアゆき電車に乗り込んでウトウト...
朝4時出発ということは3時起き。前日は仕事だったので、ほとんど寝る時間がなく。
睡眠不足の時の<変態鉄>は、あとで考えたら「なぜ、そんなことしたのだろう?」
と自分でも謎に思う行動をとることが少なくない。
【2016年12月31日10時09分】 大阪市交通局中央線・朝潮橋駅(後追い)
なぜか、妙な自信をもって降り立ったのは朝潮橋駅。
駅前の地図にも、その名前が出ていて、そのまま駅の外へ出てみれば...
この駅で降りるのは初めてだと思っていたが、その記憶は...
1993年8月の暑い日の午後、この駅で降りて彷徨い歩いたのを思い出した。
【2016年12月31日10時14分】 大阪府大阪市港区田中付近
それが、この公園。「八幡屋公園」である。
大型プールや体育館など、都市型の大規模な運動公園という感じだが、
四半世紀前の夏の日、当時、高校生だった<変態ガキ鉄>は「青春18きっぷ」を
片手に“超”が付くほどのビンボー旅行の最中。
鉄道雑誌の記述を調べて、この八幡屋公園に大阪市電の廃車体が置かれている
という情報を得ていたのだ。広い公園内を歩き回ったあげく...
見つけたのだったが...
そこは工事用フェンスの向こう。目をこらすと、あの電車の屋根部分がチラッと。
公園内の改装工事に伴って、解体が始まるところに出くわしたのだった。
あのときのショック...。撮れずじまい。
でも、その代わり。住之江公園駅近くの地下鉄車庫に併設されていた
市電保存館の特別公開に、偶然出くわすことになって。
(インターネットなど無かった時代、車庫公開などのイベント情報も
地元の路線以外、滅多に知る機会も無く...)
とはいえ、そんな記憶は...
公園を通り過ぎると港に近い町工場が続く町並み。大晦日となれば人通りもまばら。
でも、歩けど歩けど目的地には...
そうなると、イライラが募ってくるのである。
自分を落ち着かせるため...というか、トイレを借りたくてコンビニへ。
コーヒーを買って...、そこで、ふと思いつくことがあったのである。
そう、ケータイの地図サイトで確認してみれば良かったのである。
その結果わかったのは、その目的地は、ぬぁんと隣の大阪港駅のすぐ先。嗚呼。
「朝潮橋駅に戻って、地下鉄に乗って大阪港駅まで」とも思ったが、その地図を
見れば、どうやら迷いに迷っている間に、自分はその両駅の中間付近まで来ていた
ことも判明。それならば...
そうとわかれば歩いて向かったのである。
【2016年12月31日10時50分】 大阪府大阪市港区築港付近
大阪港駅を過ぎると、ようやく!!!
前方に聳えているのは工場の煙突では無い。では、何??
まぁ、オッサンがひとりで乗ったら絶対におかしいものである。
でも、自分が目指すのは「日本一」の...(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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東京から甲府、塩尻を経て“木曽路”を経て名古屋に至るJRの...
となりそうなところ、<変態鉄>の言う“中央線”とは...
【2016年12月31日10時10分】 大阪市交通局中央線・朝潮橋駅(後追い)
コチラ、「緑色の中央線」である。大阪湾の埋め立て地に造られた
コスモスクエアから大阪港を経て、弁天町から本町、森ノ宮、長田からは
近鉄けいはんな線を経由し、生駒、学研奈良登美ヶ丘という噛みそうな名前の駅まで。
まさに大阪平野を東西に横切る路線を構成している。
日本では「第3軌条集電」というと、地下鉄の“専売特許”みたいな感じだが、
近鉄が、地下鉄との直通のために、わざわざ、そんな特殊な構造の電車を
つくってしまうあたり、関東には無い関西私鉄のスゴさだろうか。
大晦日は、その地下鉄中央線を東へ西へ、動き回ったのだった。
…… ……
2016年12月31日(土)晴れ
朝、東大阪市にやって来た<変態鉄>、大阪産業大前バス停で降りても、
大晦日となれば学生の姿も無く。
「ええーーーっ、ここまで来て会えないなんて」
保存車探しというのは、いつもそんなもの。でも、時間とおカネを費やして、
“空振り”ではショックなのである。
自分を落ち着かせながら、周囲を見渡せば...
【2016年12月31日9時05分】 大阪府東大阪市・大阪産業大学付近
キャンパス裏門近くの駐車場の一画に濃緑色の電車の姿が。
南海大阪軌道線モ205形229号車である。どういった経緯で大阪ミナミを
走り続けた電車が生駒山地に面した大学キャンパスに保存されたのかは
知る由も無いのだが...、でも、和歌山の公園の個体よりも美しい状態で。
【2016年12月31日9時04分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
「昭和13年 南海鉄道工場」の製造銘板。資料によれば、木製車の鋼体化として
天下茶屋工場で車体を新造した11メートル級車体をもつ中型車。
<変態鉄>が生まれる前の時代には、阪堺線の主力車として活躍していた。
その後、ワンマン化改造の対象を外れた同形は平野線運用に。
今池-阿倍野-平野と、いまの地下鉄谷町線に沿ったルートで走っていた
南海平野線は、その地下鉄谷町線開業に合わせて1980年(昭和55年)に廃止。
ちなみに、このときの“こぼれ話”として出てくるのが...
老朽化してワンマン化対象を外れていた中型車、モ205形の置き換えに...
何を間違えたのか??
当時の南海は、すぐ前に廃止となっていた京都市電から「車齢の若い大型車」を
譲ってもらう予定で交渉した結果...
【2016年9月17日13時22分】 阪堺電軌・あびこ道車庫
「設計が古く、高速運転に不適な、華奢な車体の小型車」である1800形を
譲受するという謎な行動。結局、計画を変更し、老朽化が著しかったモ205形の
一部はワンマン化改造を受けた上、平成になるまで頑張ったという。
その、京都市交通局1800形改め阪堺モ251形は、1両が京都市電色に塗り替えられ
我孫子道の車庫で動態保存(非公開)されている。昨年の撮影会のときに
撮らせてもらう機会を得た。
そんなモ251形は、高校生だった<変態ガキ鉄>も、我孫子道の車庫で見たことが
あった。でも、ちょうどその数年前に姿を消していたモ205形は撮れなかった。
その頃は、すでに新型車(モ701形)の導入が始まっていたが、旧型車は健在。
モ161形とモ121形、大型車を中心にまとまった数残っていたのは撮ったのだが...
「タッチの差」で撮れなかった車輌、というのは、ちょっと...
ということで保存車巡りを続けているのである。
【2016年12月31日9時04分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
さて、そんなモ229号車。
【2016年12月31日9時06分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
ネット情報によれば、大学に届け出て許可を取れば車内見学もできるとか
できないとか...、でも、今回はこっそりと外観だけ撮って変えることに。
そう、フェンスの隙間にレンズフードを外したEOSくんを...
説明板も設置されていて。これは次回訪問時にお願いして見せてもらわないと。
【2016年12月31日9時10分】 大阪府東大阪市・大阪産業大付近
保存車だけに塗装はボテッとした感じだったが、それでも、非常に良い状態に
見えた。いつまでも美しい状態を保っていて欲しいと願う次第。
…… ……
9:20発の瓢箪山駅前ゆき近鉄バスで新石切駅へ。駅前歩道橋からすれ違いシーンを。
【2016年12月31日9時30分】 大阪府東大阪市西石切町付近
来るときは大急ぎでバスに乗り込み、撮ることができなかったので、ここで
近鉄バスの姿を1枚スナップして。再び、近鉄けいはんな線 → 地下鉄中央線。
地下鉄電車を撮るには、直通運転先の路線で撮る...のは定番なのだが、
ここは、近鉄側がいわゆる「都市型ワンマン」になっていて。
駅構内もフェンスや柵でとにかくガードの堅い路線(笑)。
【2016年12月31日9時38分】 近鉄けいはんな線・新石切駅
でも、ホーム端に立てば、生駒山地の斜面に立ち並ぶ家並みが目前に迫り...
ここは、望遠+トリミングでも。
そして、写真のコスモスクエアゆき電車に乗り込んでウトウト...
朝4時出発ということは3時起き。前日は仕事だったので、ほとんど寝る時間がなく。
睡眠不足の時の<変態鉄>は、あとで考えたら「なぜ、そんなことしたのだろう?」
と自分でも謎に思う行動をとることが少なくない。
【2016年12月31日10時09分】 大阪市交通局中央線・朝潮橋駅(後追い)
なぜか、妙な自信をもって降り立ったのは朝潮橋駅。
駅前の地図にも、その名前が出ていて、そのまま駅の外へ出てみれば...
この駅で降りるのは初めてだと思っていたが、その記憶は...
1993年8月の暑い日の午後、この駅で降りて彷徨い歩いたのを思い出した。
【2016年12月31日10時14分】 大阪府大阪市港区田中付近
それが、この公園。「八幡屋公園」である。
大型プールや体育館など、都市型の大規模な運動公園という感じだが、
四半世紀前の夏の日、当時、高校生だった<変態ガキ鉄>は「青春18きっぷ」を
片手に“超”が付くほどのビンボー旅行の最中。
鉄道雑誌の記述を調べて、この八幡屋公園に大阪市電の廃車体が置かれている
という情報を得ていたのだ。広い公園内を歩き回ったあげく...
見つけたのだったが...
そこは工事用フェンスの向こう。目をこらすと、あの電車の屋根部分がチラッと。
公園内の改装工事に伴って、解体が始まるところに出くわしたのだった。
あのときのショック...。撮れずじまい。
でも、その代わり。住之江公園駅近くの地下鉄車庫に併設されていた
市電保存館の特別公開に、偶然出くわすことになって。
(インターネットなど無かった時代、車庫公開などのイベント情報も
地元の路線以外、滅多に知る機会も無く...)
とはいえ、そんな記憶は...
公園を通り過ぎると港に近い町工場が続く町並み。大晦日となれば人通りもまばら。
でも、歩けど歩けど目的地には...
そうなると、イライラが募ってくるのである。
自分を落ち着かせるため...というか、トイレを借りたくてコンビニへ。
コーヒーを買って...、そこで、ふと思いつくことがあったのである。
そう、ケータイの地図サイトで確認してみれば良かったのである。
その結果わかったのは、その目的地は、ぬぁんと隣の大阪港駅のすぐ先。嗚呼。
「朝潮橋駅に戻って、地下鉄に乗って大阪港駅まで」とも思ったが、その地図を
見れば、どうやら迷いに迷っている間に、自分はその両駅の中間付近まで来ていた
ことも判明。それならば...
そうとわかれば歩いて向かったのである。
【2016年12月31日10時50分】 大阪府大阪市港区築港付近
大阪港駅を過ぎると、ようやく!!!
前方に聳えているのは工場の煙突では無い。では、何??
まぁ、オッサンがひとりで乗ったら絶対におかしいものである。
でも、自分が目指すのは「日本一」の...(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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