6月の大阪・岡山へ(8)朝のお散歩<鉄>。 [イマドキのTRAMたち(路面電車)]
電車でも珍しくなくなった「ワンマン運転」。運転、旅客対応、運賃収受...
運転士さん1人に負担が集中して大変そうなぁ...と思っていたら、運転士さんには
これが意外と人気だとか?!
某社が一部区間でワンマン運転導入にあたり、そこに配転希望の運転士を募ったところ
予想外の集まり方に会社側が驚いた...などというエピソードを本で読んだことが。
何でも、「乗務中に同僚(車掌のこと)に気を遣わないで済む」が理由だったとか。
運輸業界とは何の関係もない仕事に就いている<変態鉄>だが、この気持ちは
何となく分かるような。どこの職場でも同じなのだろうか...
さて、そのワンマン運転。
2つのタイプがある。趣味的には「都市型ワンマン」と「バス型ワンマン」という
コトバがある。大都市の地下鉄などにあるのが前者。ホームドアや戸ばさみセンサーを
各駅に完備、ドア操作を運転台から行うようにして車掌を省略している。
この場合、車両側にはATO(自動列車運転装置)など、運転士さんをサポートする
仕組みが設置されていることが多く、都市部の新規路線では開業時からこのシステム
というところが多くなってきた。福岡市や仙台市の地下鉄がその先例か!?
【2016年6月12日7時57分】 岡山電気軌道清輝橋線(9201A)車内
一方が「バス型」。地方の路線バスから定着したシステムだからだろうか。
車両のドアは1~2箇所を除いて開かないようにしておき、乗客はドア横の整理券を
とって乗車、降りる駅に到着したら、運転台のところにある運賃箱に整理券と運賃を
入れて先頭扉から下車する方法。ローカル私鉄ではこれが“当たり前”になった。
JRだってそう。「本線」級の路線でも2両編成までの列車はワンマン運転が当たり前。
でも、それらが、最初に本格導入されたのは昭和40年台前後の路面電車から。
路面電車は、窓柱部分には路線バスと同じ「降車ブザー」のボタンがあって、
自分が降りる電停名がアナウンスされたら、これを押して運転士さんに伝える。
降車希望がなければ出口ドアは開かないし、乗車客がいなければ電停を通過する...
基本的にどこもそのシステムになっている。
【2016年6月12日7時35分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
「ボタンを押してお知らせ下さい」と書いてあるはずなのだが、岡電のこの電車。
オレンジ色のボタンの部分に注目!!
「この肉球を押してニャ~」
だったのである。
…… ……
2016年6月13日(日)曇りのち雨
たいてい、<鉄>の朝は早い。撮影可能時間帯をできるだけ有効に使うには
早朝出発で現地入りしておくのは鉄則。「朝4時起きで5時出発」などという
スケジュールはざらなのである。でも、この日は<乗り鉄>メイン。
(注:普段は<鉄>より“ダメ社会人”のため、朝はめっぽう弱い)
岡山駅の発車が9時半、その座席指定券もすでに確保していた。
ホテルで朝食を摂る...、久々に優雅な朝を過ごせたのである。
でも、それでは落ち着かない。
朝は6時起きで準備を済ませ、バイキング形式の朝食をズボンのベルトが締められなく
なる程度まで“攻略”。そのまま部屋に戻って...
という訳がない。チェックアウトまでのひととき。岡電、岡山電気軌道の路面電車に
乗ってみることにした。(先月、撮りに来たばかりだったのだが...)
前回の「日光号」3005号の特別運行は東山線。ということで、もう1つの清輝橋線に
行こうと思っていたのだが...
【2016年6月12日7時30分】 岡山電気軌道東山線・岡山駅前電停
日曜日の朝7時半。まだ店が開くには早く、駅前とはいえ、部活だろうか、
中学生たちの一団くらい。そんな岡山駅前電停に入ってきた電車はネコ耳つき。
と、思ったら横を走ってきた岡電の路線バスも、これまたネコ耳つき。
ネコ耳を付けたお姉さんたちがたくさん居るお店なら行ってみたいけど...(謎)
「ネコ耳をつけた電車とバス」の並びである。
【2016年6月12日7時31分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
さて、その「ネコ耳付き電車」、7001号車「たま電車」である。
和歌山県の南海貴志川線の経営を岡山電気軌道が引き継いだのが「和歌山電鐵」。
(現在の「和歌山電鐵」は岡山電気軌道の完全子会社)
その貴志駅の“駅長ねこ”だったのが「たま」。しばらく前に天寿を全う、
そのときはTVの全国ニュースでも大きく報道された。
なお、いまでは2代目「ニタマ」がいる。(「たま」は同駅の名誉永久駅長)
ということで、岡電も「たま」なのである。
急遽、予定変更。東山ゆきとして発車待ちしていた「たま電車」に乗車である。
その車内は...
【2016年6月12日7時34分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
天井にも「たま」。
【2016年6月12日7時32分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
シートにも「たま」。至る所に“駅長ねこ”だった「たま」のイラストである。
【2016年6月12日7時35分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
そして、降車合図はブザーボタンではなく“肉球”である。
運転台背面の「つぎとまります」の表示もさりげなく、「つぎとまるにゃ~」に
変わっており、降車ボタン、いや、“降車肉球”を押すとブザー音のかわりに
「にゃ~」という鳴き声が流れるようになっていた。
【2016年6月12日7時45分】 岡山電気軌道東山線・小橋-西大寺町
その電車を降りたのは西大寺町。ここで電車は左に急カーブ、京橋を渡り、
昔ながらの狭い電車通りを駆け抜けていく。5月の大型連休に3005号を撮ったのとは
ちょうど反対側からの撮影である。「大手まんじゅう」の横をこちらに向かってくる
岡山駅前ゆきは7002号車。
【2016年6月12日7時49分】 岡山電気軌道清輝橋線・新西大寺町電停付近
電停の右側にはアーケードのついた商店街が続いている。まだ、開店時刻には
早すぎたので、ちょっと薄暗い感じだが。
そのアーケードを400 mほど西に進めば清輝橋線の新西大寺町電停である。
商店街の向こうの電車通りを路面電車が走り抜ける光景が<変態鉄>の“原点”。
この1枚が撮りたかった。ちょうど通りかかったのは、清輝橋ゆきのMOMOである。
【2016年6月12日7時51分】 岡山電気軌道清輝橋線・新西大寺町電停
という訳で、帰りは新西大寺町から清輝橋線で岡山駅前まで。
以前の記事にも書いた通り、岡山電軌の路面電車と言えば、その特徴は“島式ホーム”。
走れる電車は前後扉車に限定され、前中扉車だと乗降に困るのだが、岡電は以前から
前後扉車ばかりなので...
両方向合わせてホームが1面で済む(幅が広くとれる)上に電車待ちをしている間、
道路をゆくクルマとは線路を挟む位置関係となり、事故のリスクが減る。
【2016年6月12日7時57分】 岡山電気軌道清輝橋線(9201A)車内
やって来た電車は、折り返してきたMOMOだった。
岡電の電車、車内外のデザインは、あの方の“作品”。「たま電車」も。
【2016年6月12日7時57分】 岡山電気軌道清輝橋線(9201A)車内
運転台もやはりイマ風のつくりなのである。
【2016年6月12日8時07分】 岡山電気軌道清輝橋線・岡山駅前電停
という訳で、40分ほどで岡山駅前に戻ってきた。8時を回って、少しずつ駅前も
賑やかな感じに。ホテルに戻って荷物整理を済ませれば、いよいよ岡山駅に
向かうのである。さぁ、「みまさかノスタルジー」である。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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運転士さん1人に負担が集中して大変そうなぁ...と思っていたら、運転士さんには
これが意外と人気だとか?!
某社が一部区間でワンマン運転導入にあたり、そこに配転希望の運転士を募ったところ
予想外の集まり方に会社側が驚いた...などというエピソードを本で読んだことが。
何でも、「乗務中に同僚(車掌のこと)に気を遣わないで済む」が理由だったとか。
運輸業界とは何の関係もない仕事に就いている<変態鉄>だが、この気持ちは
何となく分かるような。どこの職場でも同じなのだろうか...
さて、そのワンマン運転。
2つのタイプがある。趣味的には「都市型ワンマン」と「バス型ワンマン」という
コトバがある。大都市の地下鉄などにあるのが前者。ホームドアや戸ばさみセンサーを
各駅に完備、ドア操作を運転台から行うようにして車掌を省略している。
この場合、車両側にはATO(自動列車運転装置)など、運転士さんをサポートする
仕組みが設置されていることが多く、都市部の新規路線では開業時からこのシステム
というところが多くなってきた。福岡市や仙台市の地下鉄がその先例か!?
【2016年6月12日7時57分】 岡山電気軌道清輝橋線(9201A)車内
一方が「バス型」。地方の路線バスから定着したシステムだからだろうか。
車両のドアは1~2箇所を除いて開かないようにしておき、乗客はドア横の整理券を
とって乗車、降りる駅に到着したら、運転台のところにある運賃箱に整理券と運賃を
入れて先頭扉から下車する方法。ローカル私鉄ではこれが“当たり前”になった。
JRだってそう。「本線」級の路線でも2両編成までの列車はワンマン運転が当たり前。
でも、それらが、最初に本格導入されたのは昭和40年台前後の路面電車から。
路面電車は、窓柱部分には路線バスと同じ「降車ブザー」のボタンがあって、
自分が降りる電停名がアナウンスされたら、これを押して運転士さんに伝える。
降車希望がなければ出口ドアは開かないし、乗車客がいなければ電停を通過する...
基本的にどこもそのシステムになっている。
【2016年6月12日7時35分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
「ボタンを押してお知らせ下さい」と書いてあるはずなのだが、岡電のこの電車。
オレンジ色のボタンの部分に注目!!
「この肉球を押してニャ~」
だったのである。
…… ……
2016年6月13日(日)曇りのち雨
たいてい、<鉄>の朝は早い。撮影可能時間帯をできるだけ有効に使うには
早朝出発で現地入りしておくのは鉄則。「朝4時起きで5時出発」などという
スケジュールはざらなのである。でも、この日は<乗り鉄>メイン。
(注:普段は<鉄>より“ダメ社会人”のため、朝はめっぽう弱い)
岡山駅の発車が9時半、その座席指定券もすでに確保していた。
ホテルで朝食を摂る...、久々に優雅な朝を過ごせたのである。
でも、それでは落ち着かない。
朝は6時起きで準備を済ませ、バイキング形式の朝食をズボンのベルトが締められなく
なる程度まで“攻略”。そのまま部屋に戻って...
という訳がない。チェックアウトまでのひととき。岡電、岡山電気軌道の路面電車に
乗ってみることにした。(先月、撮りに来たばかりだったのだが...)
前回の「日光号」3005号の特別運行は東山線。ということで、もう1つの清輝橋線に
行こうと思っていたのだが...
【2016年6月12日7時30分】 岡山電気軌道東山線・岡山駅前電停
日曜日の朝7時半。まだ店が開くには早く、駅前とはいえ、部活だろうか、
中学生たちの一団くらい。そんな岡山駅前電停に入ってきた電車はネコ耳つき。
と、思ったら横を走ってきた岡電の路線バスも、これまたネコ耳つき。
ネコ耳を付けたお姉さんたちがたくさん居るお店なら行ってみたいけど...(謎)
「ネコ耳をつけた電車とバス」の並びである。
【2016年6月12日7時31分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
さて、その「ネコ耳付き電車」、7001号車「たま電車」である。
和歌山県の南海貴志川線の経営を岡山電気軌道が引き継いだのが「和歌山電鐵」。
(現在の「和歌山電鐵」は岡山電気軌道の完全子会社)
その貴志駅の“駅長ねこ”だったのが「たま」。しばらく前に天寿を全う、
そのときはTVの全国ニュースでも大きく報道された。
なお、いまでは2代目「ニタマ」がいる。(「たま」は同駅の名誉永久駅長)
ということで、岡電も「たま」なのである。
急遽、予定変更。東山ゆきとして発車待ちしていた「たま電車」に乗車である。
その車内は...
【2016年6月12日7時34分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
天井にも「たま」。
【2016年6月12日7時32分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
シートにも「たま」。至る所に“駅長ねこ”だった「たま」のイラストである。
【2016年6月12日7時35分】 岡山電気軌道東山線(7001)車内
そして、降車合図はブザーボタンではなく“肉球”である。
運転台背面の「つぎとまります」の表示もさりげなく、「つぎとまるにゃ~」に
変わっており、降車ボタン、いや、“降車肉球”を押すとブザー音のかわりに
「にゃ~」という鳴き声が流れるようになっていた。
【2016年6月12日7時45分】 岡山電気軌道東山線・小橋-西大寺町
その電車を降りたのは西大寺町。ここで電車は左に急カーブ、京橋を渡り、
昔ながらの狭い電車通りを駆け抜けていく。5月の大型連休に3005号を撮ったのとは
ちょうど反対側からの撮影である。「大手まんじゅう」の横をこちらに向かってくる
岡山駅前ゆきは7002号車。
【2016年6月12日7時49分】 岡山電気軌道清輝橋線・新西大寺町電停付近
電停の右側にはアーケードのついた商店街が続いている。まだ、開店時刻には
早すぎたので、ちょっと薄暗い感じだが。
そのアーケードを400 mほど西に進めば清輝橋線の新西大寺町電停である。
商店街の向こうの電車通りを路面電車が走り抜ける光景が<変態鉄>の“原点”。
この1枚が撮りたかった。ちょうど通りかかったのは、清輝橋ゆきのMOMOである。
【2016年6月12日7時51分】 岡山電気軌道清輝橋線・新西大寺町電停
という訳で、帰りは新西大寺町から清輝橋線で岡山駅前まで。
以前の記事にも書いた通り、岡山電軌の路面電車と言えば、その特徴は“島式ホーム”。
走れる電車は前後扉車に限定され、前中扉車だと乗降に困るのだが、岡電は以前から
前後扉車ばかりなので...
両方向合わせてホームが1面で済む(幅が広くとれる)上に電車待ちをしている間、
道路をゆくクルマとは線路を挟む位置関係となり、事故のリスクが減る。
【2016年6月12日7時57分】 岡山電気軌道清輝橋線(9201A)車内
やって来た電車は、折り返してきたMOMOだった。
岡電の電車、車内外のデザインは、あの方の“作品”。「たま電車」も。
【2016年6月12日7時57分】 岡山電気軌道清輝橋線(9201A)車内
運転台もやはりイマ風のつくりなのである。
【2016年6月12日8時07分】 岡山電気軌道清輝橋線・岡山駅前電停
という訳で、40分ほどで岡山駅前に戻ってきた。8時を回って、少しずつ駅前も
賑やかな感じに。ホテルに戻って荷物整理を済ませれば、いよいよ岡山駅に
向かうのである。さぁ、「みまさかノスタルジー」である。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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