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北陸本線には、いつも「雷鳥」がいた(2)「懐かしの雷鳥」<前編> [アナログ写真保管庫]

昨日に引き続き、北陸本線のスターだった特急「雷鳥」の話題。
1964年12月、富山までの電化開業と交直流特急型電車481系の投入に合わせて、
大阪-富山間に登場した特急列車が「雷鳥」だった。

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以来、大阪と北陸各都市を結ぶ列車としての地位を固め、ほぼ1時間に1本、
いつ駅に行っても乗れる特急列車になった。
……  ……

傍系車も含めて、北は(気象条件に勝てず、すぐに撤退となったが)札幌から、
南は鹿児島まで、イベントで高松に乗り入れた以外、四国には行くことがなかったが、
とはいえ、国鉄 → JRの路線がある46都道府県のうち42で定期運転が見られた
それほど“当たり前”の存在だった485系特急型電車。
電源方式(50Hz, 60Hz対応)で初期には形式が分かれていたが、それらも全部含めれば、
1964年(昭和39年)から79年(同54年)まで長期にわたって製造が続けられたため、
いろいろな形態のものが登場した。

だから、そのあたりの485系のバリエーションを解説した図書も多数あるくらい。
でも、そういう話は車両派の正統派<鉄>の皆さんにお任せするとして、
<変態鉄>にもパッと見にわかる大きな差異は、列車の顔にあるのである。

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【2013年7月23日13時14分】 北陸本線・富山駅

初期のタイプ(1972年までに製造)は、ボンネット型の先頭形状、
この中には電動発電機(MG)と空気圧縮機(CP)がおさめられていた。
途中から、前頭部が「炊飯ジャー」のような丸っこい高運転台のスタイルに変わった。
でも、何と言っても<鉄>に人気だったのはボンネット型。
<変態鉄>も、ここはフツーの<鉄>と好みが一致、がぜんボンネット派である。

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【1994年5月頃】 常磐線・南千住駅

90年台になってもボンネット型のクハ481形は全国で見ることができたが、
定員が8名少なく、また、より老朽化が進んでいたボンネット車は徐々に淘汰が
進められ、“最後の牙城”となったのが京都総合運転所、「雷鳥」号に使われる
9両編成は片端であってもボンネット型クハが入った編成が多かった。

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【2009年10月26日13時01分】 北陸本線・武生駅(後追い)

しかし、新型特急「サンダーバード」の681・683系の増備とともに
これも置き換えの時を迎えることになり、2003年9月、そのお別れイベントとして、
特急「懐かしの雷鳥」が運転されることになった。

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【2003年9月21日】 北陸本線・富山駅

この当時、「雷鳥」はグリーン車1両組込の9両編成が基本だったが、
この日のために編成を組み替えて、グリーン車3両組込の11両編成に。
両端がボンネット型クハ、さらにそのボンネット部の側面には
日本国有鉄道を示す「JNR」のロゴを復刻、さらに湖西線開業までの
1964年の設定当初見られた、米原回りでの運転(普段は京都から湖西線経由)。

と、聞けば撮りに行きたくなるのは<鉄>のサガ。
運転日は2003年9月20日、21日の2日間、各日、大阪-富山を1往復だった。

21日は休みだった。急遽、羽田-富山のNH881便を予約したのだった。

……  ……

2003年9月21日 雨

メモを見ると、NH881便は当時は30分以上遅く、7時過ぎの出発、電車でも十分間に合う
設定になっていた。

富山空港からバスで富山駅前までやって来たのだろうか。とはいえ、当時の<変態鉄>、
大した撮影地を知らなかった。鉄道雑誌のバックナンバーで必死に調べた撮影地は
呉羽山トンネルの呉羽側のポータルの真上から俯瞰する構図。

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【2014年11月16日17時22分】 富山地鉄・富山自動車営業所(許可を得て撮影)

フリーターに限りなく近い身分で、財布の中はいまでは考えられないほどバブリーな
状態だった当時の<変態鉄>、迷わずタクシー乗り場へ向かったような。
(今なら、路線バスを探そうと必死で調べるはずだが...)

この日は、いわゆる秋雨前線の時期。時折、強くなる雨、傘をさしながらの辛い時間。
9時台には呉羽のポイントにたどり着いていたかと。
先客の人が何人かいたが、まだ、自分なりのポジションを選べる余裕があったかと。

お目当ての「懐かしの雷鳥」は、この日は富山駅到着が12:05だった。
つまり、このポイントの通過は12:03ごろ、3時間近く待ち続けたはず。

その間、“試し撮り”というか“ヒマ潰し”で撮った写真たちも「北陸本線」では
なくなった今となっては、貴重な記録となったのだった。

ただ、デジタル時代と違って、撮影時刻の記録がない。順不同にご紹介。

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【2003年9月21日】 北陸本線・呉羽-富山

「雷鳥」と同じく485系、でも、こちらはサイボーグのような...
3000番台車が充当されていた「北越」、JR東日本・新潟支社の受け持ち。

本当は他の編成で来てもらいたかった。

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【2003年9月21日】 北陸本線・呉羽-富山

ローズピンクのEF81型機が牽く貨物列車も、「なぁ~んだぁ」と、
カメラを下ろして見送る程度の存在だった。
スカコキ(コンテナを積んでいないコンテナ貨車)ばかりの編成だが、
後ろの方にはタキ(タンク車)の姿が見える。これも貴重な記録である。

そして、最後は...

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【2003年9月21日】 北陸本線・呉羽-富山

何だかよくわからない列車である。<鉄>であれば、これが683系であることは
すぐにわかる。この編成長から、てっきり「しらさぎ」だろうとばかり思っていたら、
何と3両編成を2本繋いだ6両編成だった。「しらさぎ」の683系は5両基本編成に
3両付属編成を増結、「サンダーバード」は6両基本編成に3両付属編成を増結、
いずれにせよ、増結車だけを2本繋いだ運用というのは...。

この当時は疑問に思うことすらなかったのだが。

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【2003年9月21日】 北陸本線・呉羽-富山

ようやく、いや、とうとう正午。3灯のヘッドライトを輝かせて、
向こうの方からボンネット車が近づいてきた。シャッターボタンを押す指にも
力が入るのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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