あぁ、また1つ消えていく... [富山で撮った]
昨日、金曜日は年に何回かしかない珍しい勤務シフトだった。
朝9時出社で12時退社。さっさと帰宅したわけだが...
昼下がりの井の頭線。明大前駅で待っていると到着したのは、この編成。
【2015年2月6日12時36分】 京王井の頭線・永福町駅
そう、第29編成“レインボーラッピング”である。
明大前の次の駅は永福町、ここで各駅停車は4分近く停まって後続の急行電車を
待ち合わせする。
そのときだった、背広に革靴、そんな姿のオッサンが、ビジネス用のカバンから
おもむろに取り出したのは何とカメラ(笑)。
まさに快晴、ポカポカ陽気の昼下がりのホーム。その先頭部分まで歩いて行って
いきなりの<鉄>活動開始だった。
まもなく隣のホームに急行が入ってくる。ホーム上の安全確認のために
運転士さんもホームへ。そして、カメラを向けていた<変態鉄>に...
…… ……
「ヘッドマークは撮った??」
【2015年2月6日12時36分】 京王井の頭線・永福町駅
そう、いま、この編成には「井の頭線ダイヤ改定」のヘッドマークが掲出されている。
今月末から新ダイヤとのこと。早朝・深夜時間帯に急行電車が増発される他、
日中の運行パターンが8分ヘッドに統一、急行の渋谷-吉祥寺間が1分短縮で16分に...
って、現行のパターンは7分30秒間隔だったような...、密かに減便??
日中、早朝・深夜それぞれに改定のポイントがあるからだろうか??
昼と夜の街並みがデザインされた、なかなか良い感じのマークである。
井の頭線というのは都心の路線でありながら、駅撮りしていると、
運転士さんや助役さんから、比較的好意的な言葉をかけてもらえることが多い気がする。
さて、この「ダイヤ改定」、全国の多くの鉄道事業者でこれから3月にかけて行われる。
しかも年度末に旧型車両を廃車(除籍)する鉄道会社が多いこともあって、
こういう趣味をしていると、2・3月は主に“お別れの季節”。
【2014年10月26日9時04分】 北陸本線・直江津駅
正統派<鉄>の皆さんにとって、気になる“お別れ”は、やはり、寝台特急だろうか。
「トワイライトエクスプレス」と「北斗星」、さらには信越・北陸本線の特急群も
この3月をもって廃止となる。そう、この「はくたか」も。
そんなビッグな話題に比べれば、目立たない話題。でも、<変態鉄>の注目は...
【2008年3月3日6時55分】 福井鉄道福武線・公園口-市役所前
ツイッターに続いて公式ウェブサイトのリリースにも掲載されたが、
自分も何度も撮りに行った、福鉄福武線の200型201編成が廃車解体された。
さらに続いて...
富山地鉄の公式ウェブサイト(→ http://www.chitetsu.co.jp/)に「新ダイヤ発表」。
新幹線開業関連(地鉄も「新黒部」駅ができる)のダイヤ改正かと思いきや...
市内軌道線のダイヤに、何と何と...
【2014年4月9日16時52分】 富山地鉄市内線・富山駅前電停
この電停名が、自分が幼稚園の頃から当たり前だった「富山駅前」から、
「電鉄富山エスタ前」に改称されていた。リリースもなく、いつの間にかひっそりと
発表されていたのである。
ただ、こちらはこんな記事 →
http://gohachinihachi0309.blog.so-net.ne.jp/2014-12-12
でご紹介した通り、新幹線の高架駅が完成するのに合わせて「富山駅」電停が
できることになっていたので、“想定の範囲内”。
でも、でも...
ショックだったのはこちら。
【2012年3月1日15時21分】 富山地鉄市内軌道線・新富山電停
工事中の姿も撮っていた、この電停である。
聯隊橋というか富山大橋、市内線電車が神通川を渡るとこの電停に停まる。
富山大橋の架け替え工事までは、この区間は単線運転。電停の隣には
鵯島信号所があり、電車の交換が行われていた。
【2012年5月14日13時31分】 富山地鉄市内軌道線・安野屋-新富山
そして、<鉄>に知られていたのはコチラ。
この電停のすぐ東側、富山大橋の上では、晴れた日の午後には立山連峰をバックに
走る市内電車を撮ることができる有名撮影地だった。ただ、クルマの通行量が
極めて多い幹線道路、イライラしながらの撮影となるのだった。
【2012年5月14日13時22分】 富山地鉄市内軌道線・新富山-安野屋
さて、この地点で振り返って西側、つまり新富山電停の方を見ると...
こんな中途半端な写真で恐縮だが、小さく見えている電停、そのすぐ横に
「トヨペット」のお店が見えている。
...って、だから何だと!?
【2012年5月14日13時12分】 富山地鉄市内軌道線・新富山電停
この、伝統の「新富山」電停が「富山トヨペット本社前」に改称されるみたい。
発表された“新ダイヤ”の時刻表では「新富山」だったはずの場所に
「富山トヨペット本社前」と書かれていたのである。これには驚愕してしまった。
(もし、改称があるとすれば「水墨美術館前」だろうと勝手に思っていた...)
でも、<富山鉄>としては、その時代を知らない世代の自分であっても
「新富山」というその名称には“特別の重み”を感じていたのだ。
なぜか、普段の記事よりPV数が伸びていく謎の記事「京津線が緑色だった頃」(→ こちら)の
インターアーバンというコトバ。20世紀初頭のアメリカでひろがったその路線網の
日本における1つの姿とも言えそうだったのが、富山地鉄射水線だった。
その始発駅が「新富山」、神通川の堤防下にあった小さな駅だったという。
市内線から直通してきた電車はここで神通川沿いの専用軌道へ。
北陸本線をオーバークロスして北上、海岸沿いに出て海水浴シーズンには賑わった
半農半漁の長閑な風景の中を走り抜け、新湊を経て高岡に至る路線だった。
富山・高岡の両市中心部では路面上を走り、その間は専用軌道で...
ある意味、インターアーバンという概念に近いものがあったはず。
【2012年3月1日12時43分】 万葉線・米島口車庫
そう、いま「万葉線」になっている高岡の路面電車は、実は富山と高岡を結ぶ路線だった。
このデ5000型が、そんな射水線の主力車だった。いまは万葉線の車庫で余生を
送っているはず。
でも、そんな射水線が廃線となる原因となったのは工業化のための「富山新港」建設。
海水浴場が並ぶ、長閑な海岸線に大規模な掘り込み式港が建設され、路線は分断された。
【2009年9月5日14時17分】 万葉線・越の潟電停
そう、万葉線の終点・越の潟電停の写真の後ろの建物、昔はそこに線路が伸びていた。
いまでは「県営渡船 越の潟発着所」。
【2009年9月5日14時41分】 富山県射水市・越の潟付近
この船で「廃線跡」巡りができる。
ちなみに、その富山側は「新港東口」、ここからは富山駅方面の地鉄バスが
接続している。(休日には岩瀬浜ゆきのバスも運転される)
「新幹線開業」で沸く富山の鉄道情景、誰にも注目されずにひっそりと消えていくのが
射水線以来の伝統の電停名「新富山」だったのである。
時の流れを感じずには居られない...そんな2月・3月である。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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朝9時出社で12時退社。さっさと帰宅したわけだが...
昼下がりの井の頭線。明大前駅で待っていると到着したのは、この編成。
【2015年2月6日12時36分】 京王井の頭線・永福町駅
そう、第29編成“レインボーラッピング”である。
明大前の次の駅は永福町、ここで各駅停車は4分近く停まって後続の急行電車を
待ち合わせする。
そのときだった、背広に革靴、そんな姿のオッサンが、ビジネス用のカバンから
おもむろに取り出したのは何とカメラ(笑)。
まさに快晴、ポカポカ陽気の昼下がりのホーム。その先頭部分まで歩いて行って
いきなりの<鉄>活動開始だった。
まもなく隣のホームに急行が入ってくる。ホーム上の安全確認のために
運転士さんもホームへ。そして、カメラを向けていた<変態鉄>に...
…… ……
「ヘッドマークは撮った??」
【2015年2月6日12時36分】 京王井の頭線・永福町駅
そう、いま、この編成には「井の頭線ダイヤ改定」のヘッドマークが掲出されている。
今月末から新ダイヤとのこと。早朝・深夜時間帯に急行電車が増発される他、
日中の運行パターンが8分ヘッドに統一、急行の渋谷-吉祥寺間が1分短縮で16分に...
って、現行のパターンは7分30秒間隔だったような...、密かに減便??
日中、早朝・深夜それぞれに改定のポイントがあるからだろうか??
昼と夜の街並みがデザインされた、なかなか良い感じのマークである。
井の頭線というのは都心の路線でありながら、駅撮りしていると、
運転士さんや助役さんから、比較的好意的な言葉をかけてもらえることが多い気がする。
さて、この「ダイヤ改定」、全国の多くの鉄道事業者でこれから3月にかけて行われる。
しかも年度末に旧型車両を廃車(除籍)する鉄道会社が多いこともあって、
こういう趣味をしていると、2・3月は主に“お別れの季節”。
【2014年10月26日9時04分】 北陸本線・直江津駅
正統派<鉄>の皆さんにとって、気になる“お別れ”は、やはり、寝台特急だろうか。
「トワイライトエクスプレス」と「北斗星」、さらには信越・北陸本線の特急群も
この3月をもって廃止となる。そう、この「はくたか」も。
そんなビッグな話題に比べれば、目立たない話題。でも、<変態鉄>の注目は...
【2008年3月3日6時55分】 福井鉄道福武線・公園口-市役所前
ツイッターに続いて公式ウェブサイトのリリースにも掲載されたが、
自分も何度も撮りに行った、福鉄福武線の200型201編成が廃車解体された。
さらに続いて...
富山地鉄の公式ウェブサイト(→ http://www.chitetsu.co.jp/)に「新ダイヤ発表」。
新幹線開業関連(地鉄も「新黒部」駅ができる)のダイヤ改正かと思いきや...
市内軌道線のダイヤに、何と何と...
【2014年4月9日16時52分】 富山地鉄市内線・富山駅前電停
この電停名が、自分が幼稚園の頃から当たり前だった「富山駅前」から、
「電鉄富山エスタ前」に改称されていた。リリースもなく、いつの間にかひっそりと
発表されていたのである。
ただ、こちらはこんな記事 →
http://gohachinihachi0309.blog.so-net.ne.jp/2014-12-12
でご紹介した通り、新幹線の高架駅が完成するのに合わせて「富山駅」電停が
できることになっていたので、“想定の範囲内”。
でも、でも...
ショックだったのはこちら。
【2012年3月1日15時21分】 富山地鉄市内軌道線・新富山電停
工事中の姿も撮っていた、この電停である。
聯隊橋というか富山大橋、市内線電車が神通川を渡るとこの電停に停まる。
富山大橋の架け替え工事までは、この区間は単線運転。電停の隣には
鵯島信号所があり、電車の交換が行われていた。
【2012年5月14日13時31分】 富山地鉄市内軌道線・安野屋-新富山
そして、<鉄>に知られていたのはコチラ。
この電停のすぐ東側、富山大橋の上では、晴れた日の午後には立山連峰をバックに
走る市内電車を撮ることができる有名撮影地だった。ただ、クルマの通行量が
極めて多い幹線道路、イライラしながらの撮影となるのだった。
【2012年5月14日13時22分】 富山地鉄市内軌道線・新富山-安野屋
さて、この地点で振り返って西側、つまり新富山電停の方を見ると...
こんな中途半端な写真で恐縮だが、小さく見えている電停、そのすぐ横に
「トヨペット」のお店が見えている。
...って、だから何だと!?
【2012年5月14日13時12分】 富山地鉄市内軌道線・新富山電停
この、伝統の「新富山」電停が「富山トヨペット本社前」に改称されるみたい。
発表された“新ダイヤ”の時刻表では「新富山」だったはずの場所に
「富山トヨペット本社前」と書かれていたのである。これには驚愕してしまった。
(もし、改称があるとすれば「水墨美術館前」だろうと勝手に思っていた...)
でも、<富山鉄>としては、その時代を知らない世代の自分であっても
「新富山」というその名称には“特別の重み”を感じていたのだ。
なぜか、普段の記事よりPV数が伸びていく謎の記事「京津線が緑色だった頃」(→ こちら)の
インターアーバンというコトバ。20世紀初頭のアメリカでひろがったその路線網の
日本における1つの姿とも言えそうだったのが、富山地鉄射水線だった。
その始発駅が「新富山」、神通川の堤防下にあった小さな駅だったという。
市内線から直通してきた電車はここで神通川沿いの専用軌道へ。
北陸本線をオーバークロスして北上、海岸沿いに出て海水浴シーズンには賑わった
半農半漁の長閑な風景の中を走り抜け、新湊を経て高岡に至る路線だった。
富山・高岡の両市中心部では路面上を走り、その間は専用軌道で...
ある意味、インターアーバンという概念に近いものがあったはず。
【2012年3月1日12時43分】 万葉線・米島口車庫
そう、いま「万葉線」になっている高岡の路面電車は、実は富山と高岡を結ぶ路線だった。
このデ5000型が、そんな射水線の主力車だった。いまは万葉線の車庫で余生を
送っているはず。
でも、そんな射水線が廃線となる原因となったのは工業化のための「富山新港」建設。
海水浴場が並ぶ、長閑な海岸線に大規模な掘り込み式港が建設され、路線は分断された。
【2009年9月5日14時17分】 万葉線・越の潟電停
そう、万葉線の終点・越の潟電停の写真の後ろの建物、昔はそこに線路が伸びていた。
いまでは「県営渡船 越の潟発着所」。
【2009年9月5日14時41分】 富山県射水市・越の潟付近
この船で「廃線跡」巡りができる。
ちなみに、その富山側は「新港東口」、ここからは富山駅方面の地鉄バスが
接続している。(休日には岩瀬浜ゆきのバスも運転される)
「新幹線開業」で沸く富山の鉄道情景、誰にも注目されずにひっそりと消えていくのが
射水線以来の伝統の電停名「新富山」だったのである。
時の流れを感じずには居られない...そんな2月・3月である。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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