115系「そと房」号でゆく、いすみ鉄道の旅20140906(7) [いすみ鉄道 国鉄型キハ]
今回のツアー、パンフレットにもホームページも目立つように大きな文字で
「115系とキハ52型が同時刻に発車!!
びゅう商品をお申し込みのお客さまには、
専用の撮影スポットをご用意いたします!!」
と書かれていた。16:32に大原を発車する外房線の団体臨時列車「そと房」、
この発車時刻に合わせる形で、キハの「急行5号」を時刻変更。
いすみ鉄道とJR東日本千葉支社の総力を挙げた(?)「コラボ企画」。
これを撮ることが、このツアー参加者の最大のお目当てだったのは言うまでもない。
「どちらも32分00秒発ですが、115系とキハでは加速性能が違います!
回送扱いの115系と、客扱いのあるキハでは同じ時刻でもタイミングが合うとは
限りません。JRさんにも制限速度15キロでお願いしていますが、
どこでカメラを構えても、撮れるかどうかは“運次第”です!!!!!」
立ち会ってくれたスタッフの方から、何度もこの“おことわり”が繰り返された。
そんな中、発車時刻直前までJR、い鉄の運転士さんの打合せが続いた。
100名近いツアー参加者、そして敷地外から大型三脚を持って参戦の、
夥しい数の<鉄>、多くの人が固唾を呑んで見守る中、16時32分、汽笛一声。
湘南色とタラコが同時にゆっくりと動き出す。
【2014年9月6日16時31分】 いすみ鉄道・大原-西大原
振り返って、西大原に向かって遠ざかっていくキハを見送ると、
誰からともなく、周囲は盛大な拍手に包まれた。
…… ……
2014年9月6日(土)曇り
ツアー一団を乗せたバスは、15時半過ぎに大原駅から少し離れた酒屋さんの駐車場。
ここから、「撮影地の下見」がはじまった。まずは、いすみ鉄道大原駅横に位置する
保線詰所の前、こちらにはオート三輪が参戦予定とアナウンスされた。
もう1箇所は、大原駅2, 3番線ホーム先端。
「とりあえず、見に行くだけでも...」、促されて、いったん改札を通りホームへ。
でも、こちらは予想通り、架線柱や継電器箱など障害物が多くて...
残念ながら『専用撮影スポット』というより『撮影不適』。
さぁ、決まった。あとは保線詰所裏の撮影スポットの“好位置”を確保するだけ。
ただ、このツアー。いすみ鉄道沿線での過ごし方で、A, B, Cの3班に分けられていた。
班ごとの不平等感をなくすため、大原駅に16:10に集合、そこから一斉に
撮影スポットに向かうことになっていた。
【2014年9月6日16時02分】 外房線・大原駅
集合時刻より少し早めに。ここで良いポジションを確保しないと...とばかりに。
【2014年9月6日16時07分】 いすみ鉄道・大原駅
でも、やはり、列車が入ってきたら気にならずに居られないのが<鉄>の性。
16:05「急行4号」として上総中野からキハが戻ってきた。
他班の方々の多くは、この列車で大原に戻ってきたのだった。
(他班の皆さんは、朝のうちに“下見”を終えていた)
【2014年9月6日16時07分】 いすみ鉄道・大原駅
「おおはら」の駅名板、ヘッドライトを輝かせたキハ、0キロポスト。
何度撮っても素敵な情景なのである。
さぁ、集合時刻!!
カメラを手にしたオッサンたち数十名と若干名の家族連れが、駅前広場を埋め尽くす。
そんな謎の集団が、黄色いシャツのお姉さんを囲んで話を聞いている光景(笑)。
事情を知らない通行人がビックリしていたような...
一斉に移動を開始。予想通り、ほぼ全員が詰所側の撮影スポットへ。
歩くピッチを速めて、次々に追い越し、一気に先頭集団に躍り出た<変態鉄>。
ほぼ一番乗りで到着。オート三輪前の“最前列”を確保。
【2014年9月6日16時22分】 いすみ鉄道・大原駅
「後ろの方が撮れませんので、もう一歩ずつ後ろへお願いしま~す!!」
立ち会うのは、いすみ鉄道の職員と応援団の皆さん。
いすみ鉄道の線路に沿った柵際まで人だかり。“その時”まで、あと10分。
向かい側、ちょうど線路越し背中の方に、踏切がある。
そう、ファミ※ーマート前の踏切のJR線側、ここにも多数の三脚が見えた。
「絶対に、あっちの方が良い感じに撮れそう~~!!」
そんな声もチラホラ。
撮影スポットの緊張感も徐々に高まってきた。
でも、罵声が飛び交う...とか、そんな険悪なムードは決してなかった。
【2014年9月6日16時24分】 いすみ鉄道・大原駅
大多喜からの上りムーミン列車が到着すれば、キハの発車準備も整う。
大原駅の1番ホームに、115系編成が入線してくる頃になると、JRのホーム上にも
警備担当だろうか、駅の方が巡回したり...、多くの方に支えられ、
その瞬間が近づいていた。
【2014年9月6日16時27分】 いすみ鉄道・大原駅
安房鴨川方から、1番ホームに115系「そと房」が到着。
ちなみに、この列車、太東までは回送扱いとのこと。でも、前面幕は「白幕」。
「回送」を表示していないのも撮影者向けサービスと言うことか。
【2014年9月6日16時29分】 外房線・大原駅
いよいよ、その瞬間が近づいてくる。
そんななか、いすみ鉄道のスタッフと「そと房」運転士さんの打合せが続いた。
徐々に緊張感が高まる撮影スポット。いつの間にか、話し声もやんで...
【2014年9月6日16時31分】 いすみ鉄道・大原-西大原
16時32分、汽笛一声。
ゆっくりゆっくりと、2本の国鉄型が動き出したのだった。
と、撮ったままの写真が、何度か掲載してきたこの1枚。
そして、トリミングしてオート三輪をカットしたのが、冒頭の1枚だったのだ。
【2014年9月6日16時32分】 いすみ鉄道・大原-西大原(後追い)
「最前列に陣取った」ということは、後追い写真には最も不適な位置。
キハ28+115系は撮り損ねたが、でも、そんなことは全く気にならなかった。
撮影者の姿が入り込んだ、この中途半端な写真にも“良い記録になった”と
思えるだけの精神的余裕があったのは...
…… ……
でも、これで、ひと安心とは...
ツアーに添乗している、JR千葉支社のお姉さんの声。
そう、大急ぎで大原駅に戻って、外房線の普通電車に乗らないと。
この電車で太東駅まで移動、ここで待っている115系「そと房」に乗ることに
なっていたのだ。
大原駅に向かって「民族大移動」!!
209系8連のロングシートでしばし休息。
土曜の午後のローカル列車が、なぜか「謎の集団」で突如満員電車に。
乗り合わせた人々が、相当、驚いていたような...
太東駅では“驚愕の民族大移動 パート2”。
普通電車で16:56着、「そと房」で17:07発。跨線橋を渡っての乗り換えとはいえ、
かなりの余裕をもったスケジュールだったはずなのだが...
なぜか、最初に降りた方が全速ダッシュで跨線橋の階段を駆け上ったから???
一種のパニック状態というのか、いきなり、ほぼ全員が猛ダッシュ。
房総の静かな小駅で突然、100名近くがダッシュするという...
全力で走ってしまった自分も、いま、思えば、一体何がしたかったんだ!?
【2014年9月6日16時58分】 外房線・太東駅
再び、跨線橋をわたって、到着した側のホームから「そと房」の
編成写真を楽しんだり出来たわけだから...(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村
[お知らせ]
<非鉄>ネタで気楽につくるサブブログ「金失いの道すがら」も
少しずつ再開していきます。こちらのリンクよりお越し下さい。
こちら → http://moha14722since1962.blog.so-net.ne.jp
「115系とキハ52型が同時刻に発車!!
びゅう商品をお申し込みのお客さまには、
専用の撮影スポットをご用意いたします!!」
と書かれていた。16:32に大原を発車する外房線の団体臨時列車「そと房」、
この発車時刻に合わせる形で、キハの「急行5号」を時刻変更。
いすみ鉄道とJR東日本千葉支社の総力を挙げた(?)「コラボ企画」。
これを撮ることが、このツアー参加者の最大のお目当てだったのは言うまでもない。
「どちらも32分00秒発ですが、115系とキハでは加速性能が違います!
回送扱いの115系と、客扱いのあるキハでは同じ時刻でもタイミングが合うとは
限りません。JRさんにも制限速度15キロでお願いしていますが、
どこでカメラを構えても、撮れるかどうかは“運次第”です!!!!!」
立ち会ってくれたスタッフの方から、何度もこの“おことわり”が繰り返された。
そんな中、発車時刻直前までJR、い鉄の運転士さんの打合せが続いた。
100名近いツアー参加者、そして敷地外から大型三脚を持って参戦の、
夥しい数の<鉄>、多くの人が固唾を呑んで見守る中、16時32分、汽笛一声。
湘南色とタラコが同時にゆっくりと動き出す。
【2014年9月6日16時31分】 いすみ鉄道・大原-西大原
振り返って、西大原に向かって遠ざかっていくキハを見送ると、
誰からともなく、周囲は盛大な拍手に包まれた。
…… ……
2014年9月6日(土)曇り
ツアー一団を乗せたバスは、15時半過ぎに大原駅から少し離れた酒屋さんの駐車場。
ここから、「撮影地の下見」がはじまった。まずは、いすみ鉄道大原駅横に位置する
保線詰所の前、こちらにはオート三輪が参戦予定とアナウンスされた。
もう1箇所は、大原駅2, 3番線ホーム先端。
「とりあえず、見に行くだけでも...」、促されて、いったん改札を通りホームへ。
でも、こちらは予想通り、架線柱や継電器箱など障害物が多くて...
残念ながら『専用撮影スポット』というより『撮影不適』。
さぁ、決まった。あとは保線詰所裏の撮影スポットの“好位置”を確保するだけ。
ただ、このツアー。いすみ鉄道沿線での過ごし方で、A, B, Cの3班に分けられていた。
班ごとの不平等感をなくすため、大原駅に16:10に集合、そこから一斉に
撮影スポットに向かうことになっていた。
【2014年9月6日16時02分】 外房線・大原駅
集合時刻より少し早めに。ここで良いポジションを確保しないと...とばかりに。
【2014年9月6日16時07分】 いすみ鉄道・大原駅
でも、やはり、列車が入ってきたら気にならずに居られないのが<鉄>の性。
16:05「急行4号」として上総中野からキハが戻ってきた。
他班の方々の多くは、この列車で大原に戻ってきたのだった。
(他班の皆さんは、朝のうちに“下見”を終えていた)
【2014年9月6日16時07分】 いすみ鉄道・大原駅
「おおはら」の駅名板、ヘッドライトを輝かせたキハ、0キロポスト。
何度撮っても素敵な情景なのである。
さぁ、集合時刻!!
カメラを手にしたオッサンたち数十名と若干名の家族連れが、駅前広場を埋め尽くす。
そんな謎の集団が、黄色いシャツのお姉さんを囲んで話を聞いている光景(笑)。
事情を知らない通行人がビックリしていたような...
一斉に移動を開始。予想通り、ほぼ全員が詰所側の撮影スポットへ。
歩くピッチを速めて、次々に追い越し、一気に先頭集団に躍り出た<変態鉄>。
ほぼ一番乗りで到着。オート三輪前の“最前列”を確保。
【2014年9月6日16時22分】 いすみ鉄道・大原駅
「後ろの方が撮れませんので、もう一歩ずつ後ろへお願いしま~す!!」
立ち会うのは、いすみ鉄道の職員と応援団の皆さん。
いすみ鉄道の線路に沿った柵際まで人だかり。“その時”まで、あと10分。
向かい側、ちょうど線路越し背中の方に、踏切がある。
そう、ファミ※ーマート前の踏切のJR線側、ここにも多数の三脚が見えた。
「絶対に、あっちの方が良い感じに撮れそう~~!!」
そんな声もチラホラ。
撮影スポットの緊張感も徐々に高まってきた。
でも、罵声が飛び交う...とか、そんな険悪なムードは決してなかった。
【2014年9月6日16時24分】 いすみ鉄道・大原駅
大多喜からの上りムーミン列車が到着すれば、キハの発車準備も整う。
大原駅の1番ホームに、115系編成が入線してくる頃になると、JRのホーム上にも
警備担当だろうか、駅の方が巡回したり...、多くの方に支えられ、
その瞬間が近づいていた。
【2014年9月6日16時27分】 いすみ鉄道・大原駅
安房鴨川方から、1番ホームに115系「そと房」が到着。
ちなみに、この列車、太東までは回送扱いとのこと。でも、前面幕は「白幕」。
「回送」を表示していないのも撮影者向けサービスと言うことか。
【2014年9月6日16時29分】 外房線・大原駅
いよいよ、その瞬間が近づいてくる。
そんななか、いすみ鉄道のスタッフと「そと房」運転士さんの打合せが続いた。
徐々に緊張感が高まる撮影スポット。いつの間にか、話し声もやんで...
【2014年9月6日16時31分】 いすみ鉄道・大原-西大原
16時32分、汽笛一声。
ゆっくりゆっくりと、2本の国鉄型が動き出したのだった。
と、撮ったままの写真が、何度か掲載してきたこの1枚。
そして、トリミングしてオート三輪をカットしたのが、冒頭の1枚だったのだ。
【2014年9月6日16時32分】 いすみ鉄道・大原-西大原(後追い)
「最前列に陣取った」ということは、後追い写真には最も不適な位置。
キハ28+115系は撮り損ねたが、でも、そんなことは全く気にならなかった。
撮影者の姿が入り込んだ、この中途半端な写真にも“良い記録になった”と
思えるだけの精神的余裕があったのは...
…… ……
でも、これで、ひと安心とは...
ツアーに添乗している、JR千葉支社のお姉さんの声。
そう、大急ぎで大原駅に戻って、外房線の普通電車に乗らないと。
この電車で太東駅まで移動、ここで待っている115系「そと房」に乗ることに
なっていたのだ。
大原駅に向かって「民族大移動」!!
209系8連のロングシートでしばし休息。
土曜の午後のローカル列車が、なぜか「謎の集団」で突如満員電車に。
乗り合わせた人々が、相当、驚いていたような...
太東駅では“驚愕の民族大移動 パート2”。
普通電車で16:56着、「そと房」で17:07発。跨線橋を渡っての乗り換えとはいえ、
かなりの余裕をもったスケジュールだったはずなのだが...
なぜか、最初に降りた方が全速ダッシュで跨線橋の階段を駆け上ったから???
一種のパニック状態というのか、いきなり、ほぼ全員が猛ダッシュ。
房総の静かな小駅で突然、100名近くがダッシュするという...
全力で走ってしまった自分も、いま、思えば、一体何がしたかったんだ!?
【2014年9月6日16時58分】 外房線・太東駅
再び、跨線橋をわたって、到着した側のホームから「そと房」の
編成写真を楽しんだり出来たわけだから...(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村
[お知らせ]
<非鉄>ネタで気楽につくるサブブログ「金失いの道すがら」も
少しずつ再開していきます。こちらのリンクよりお越し下さい。
こちら → http://moha14722since1962.blog.so-net.ne.jp
先週のイヴェントで見た、総武線用209系の各駅停車「安房鴨川」を思い出しながら(ニヨニヨ・・・笑) あ!駆け込み乗車は、大変に危険です。う~ん集団心理って、怖いですね。肝に銘じておこう!
by hanamura (2014-10-05 08:27)
hanamuraさん
コメントありがとうございます。
いま、総武中央線にいる広幅209系も、最後は余生を房総で送ることになるのかも知れません。そうすると、「安房鴨川」ゆきを日常的に表示する...!?
あの太東駅のダッシュは、いま考えても謎なのです。小さな駅で18分の接続時間、しかも、ツアー専用列車で号車指定、座席はかなり余裕があったのですが、なぜか全員走っていました。ふだん、運動不足の自分が突然走るのは本当は危ないのでしょうが...
by あるまーき (2014-10-05 15:33)
撮影の緊張感が伝わってきますね。
こういうイベントは富士急行でもやってほしいなあ。
by しおつ (2014-10-05 21:49)
しおつさん
コメントありがとうございます。
「同時発車」は上手く撮れるか、運もあるので、その瞬間もドキドキでしたが、楽しい撮影イベントでした。
富士急も、ファンの気持ちをぐっと掴んだイベントを数多く開催する会社だと思います。JRとコラボで大月駅を舞台に何かやれば面白そうですが...
by あるまーき (2014-10-05 23:31)