15. 電照式発車案内板(本線・早月加積駅①) [探訪!! ちてつ百景]
さぁ、今日は久々の富山ネタ。しかも、地鉄シリーズで。
「加積(かづみ)」とは富山県下新川郡にあった地名で、
現在の魚津市北東部に相当する一帯などを指す。電鉄富山から来た電車は、
上市で進行方向を変えると、新宮川の次が中加積、西加積、
それから「滑川」が付く駅名が3つ続いてから、
浜加積、そして早月加積で「加積」シリーズの最後を飾る。
ちなみに、このあたり、古くは“早月加積村”だったとのこと。
この付近、線路は北陸本線の南側をピッタリと寄り添って走っている区間。
海岸までは少し距離があって、海沿いの区間という印象ではないが、
北陸本線の線路を挟んで、向こうの方に日本海が見え隠れする...
【2012年8月2日12時28分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F11.0 1/400秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
そこに、木造駅舎の残る小さな無人駅があった。
水田地帯にところどころ住宅が見られる、この地を訪れたのは
夏の暑い暑い日のお昼どき。
…… ……
【2012年8月2日12時47分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F5.0 1/80秒 +2 1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
駅舎に入ると、内部は決して汚れた印象ではない。
玄関ドアだけはアルミサッシに交換されているが、木製ベンチには座布団、
壁面には地元店舗の広告看板。
【2012年8月2日12時34分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F5.6 1/60秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
魚津駅近くのショッピングセンターの広告、
よく見てみると「国鉄魚津駅」、つまり、四半世紀以上前の広告が残っている。
でも、それより、気になったのは“ショッピングスクェア”
よく見て欲しい。「スクエア」ではなく「スクェア」。
細かすぎる発音へのこだわり?
英語のsquareの発音に、本当はどちらに近いのだろうか?
【2012年8月2日12時37分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F6.3 1/125秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
年季の入った着札箱に見送られながら、8月の暑い日射しを浴びながら構内踏切へ。
地鉄本線では、電鉄富山-滑川という区間便が多く設定されているが、
棒線式の滑川では折返しができない。このため、乗客を降ろした滑川止まりの電車は
ここ早月加積まで回送の上、折り返す。折返し間合いの時間が長くとられている
運用も多く、実は車両の形式写真を撮る好適地でもある。
【2012年8月2日12時30分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F13.0 1/640秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
停車中の14760形の背後を北陸本線の普通電車が走り抜けていく。
475系だろうか、日本海縦貫線の列車たちと地鉄の2連の電車を絡めて撮るのにも良い。
自分以外、人影のない静寂そのものの無人駅。
時間になると何の合図もなく、14760形は休憩を終え、滑川からの富山ゆきに
なるべく回送で去っていった。
…… ……
再び、駅舎を観察してみよう。
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
出札口を塞いでいるベニヤ板が周囲になじんでいるあたり、
この駅が無人化されて長らく経過したことを示している。
さて、この小さな駅舎で気になったアイテムがいくつかあった。
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
1つはコレ。仕事柄、黒板はほぼ毎日使うのだが、それにしても木の黒板は...
いまどき、ほとんど残っていないのではなかろうか。
伝言板だったにしては、罫線が入れられていなかったり、
サイズも少し小さすぎたりと違和感がある。
待合室スペースに、このサイズの黒板。この駅にまだ駅員さんが居て、
多くの乗客の足として賑わっていた頃、ここには日々何が書かれていたのだろう?
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
それからコレ。下車前途無効の注意書きの隣にチョークで書かれた
「時計の電池(?)が切れば」【原文ママ】
“山岸さん”に電話すれば良いそうだ。この“山岸さん”は地元の方だろうか?
無人駅であっても、時計は地鉄の備品ではないのか...
事情は知らないが、それだけ、この駅舎は地元の人に大切にされているということか?
…… ……
そして、この駅で<鉄>な自分が最も気になったアイテムがこちら。
これを今日の1枚としたい。
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F5.6 1/80秒 -2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
現役でないのが残念だが、今やここでしか見られないアイテムでは!?
LED式になり、最近では液晶パネルが主流となった駅の電光掲示板。
でも、これは乳白色の板に書かれた文字を後ろから電球が照らし出すという、
昭和の頃は多くの駅にあった、アナログ式の電照案内板。
ローカル私鉄の、いくら交換駅とはいえ、2面2線の小さな駅に「電照式案内板」は
不似合いな気がするが、ここの駅に限って、このような装置があった理由は...
それを考えていたら、記事のアップが遅くなった!? (つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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「加積(かづみ)」とは富山県下新川郡にあった地名で、
現在の魚津市北東部に相当する一帯などを指す。電鉄富山から来た電車は、
上市で進行方向を変えると、新宮川の次が中加積、西加積、
それから「滑川」が付く駅名が3つ続いてから、
浜加積、そして早月加積で「加積」シリーズの最後を飾る。
ちなみに、このあたり、古くは“早月加積村”だったとのこと。
この付近、線路は北陸本線の南側をピッタリと寄り添って走っている区間。
海岸までは少し距離があって、海沿いの区間という印象ではないが、
北陸本線の線路を挟んで、向こうの方に日本海が見え隠れする...
【2012年8月2日12時28分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F11.0 1/400秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
そこに、木造駅舎の残る小さな無人駅があった。
水田地帯にところどころ住宅が見られる、この地を訪れたのは
夏の暑い暑い日のお昼どき。
…… ……
【2012年8月2日12時47分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F5.0 1/80秒 +2 1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
駅舎に入ると、内部は決して汚れた印象ではない。
玄関ドアだけはアルミサッシに交換されているが、木製ベンチには座布団、
壁面には地元店舗の広告看板。
【2012年8月2日12時34分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F5.6 1/60秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
魚津駅近くのショッピングセンターの広告、
よく見てみると「国鉄魚津駅」、つまり、四半世紀以上前の広告が残っている。
でも、それより、気になったのは“ショッピングスクェア”
よく見て欲しい。「スクエア」ではなく「スクェア」。
細かすぎる発音へのこだわり?
英語のsquareの発音に、本当はどちらに近いのだろうか?
【2012年8月2日12時37分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F6.3 1/125秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
年季の入った着札箱に見送られながら、8月の暑い日射しを浴びながら構内踏切へ。
地鉄本線では、電鉄富山-滑川という区間便が多く設定されているが、
棒線式の滑川では折返しができない。このため、乗客を降ろした滑川止まりの電車は
ここ早月加積まで回送の上、折り返す。折返し間合いの時間が長くとられている
運用も多く、実は車両の形式写真を撮る好適地でもある。
【2012年8月2日12時30分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F13.0 1/640秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
停車中の14760形の背後を北陸本線の普通電車が走り抜けていく。
475系だろうか、日本海縦貫線の列車たちと地鉄の2連の電車を絡めて撮るのにも良い。
自分以外、人影のない静寂そのものの無人駅。
時間になると何の合図もなく、14760形は休憩を終え、滑川からの富山ゆきに
なるべく回送で去っていった。
…… ……
再び、駅舎を観察してみよう。
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
出札口を塞いでいるベニヤ板が周囲になじんでいるあたり、
この駅が無人化されて長らく経過したことを示している。
さて、この小さな駅舎で気になったアイテムがいくつかあった。
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
1つはコレ。仕事柄、黒板はほぼ毎日使うのだが、それにしても木の黒板は...
いまどき、ほとんど残っていないのではなかろうか。
伝言板だったにしては、罫線が入れられていなかったり、
サイズも少し小さすぎたりと違和感がある。
待合室スペースに、このサイズの黒板。この駅にまだ駅員さんが居て、
多くの乗客の足として賑わっていた頃、ここには日々何が書かれていたのだろう?
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
それからコレ。下車前途無効の注意書きの隣にチョークで書かれた
「時計の電池(?)が切れば」【原文ママ】
“山岸さん”に電話すれば良いそうだ。この“山岸さん”は地元の方だろうか?
無人駅であっても、時計は地鉄の備品ではないのか...
事情は知らないが、それだけ、この駅舎は地元の人に大切にされているということか?
…… ……
そして、この駅で<鉄>な自分が最も気になったアイテムがこちら。
これを今日の1枚としたい。
【2012年8月2日12時35分】 富山地鉄本線・早月加積駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F5.6 1/80秒 -2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
現役でないのが残念だが、今やここでしか見られないアイテムでは!?
LED式になり、最近では液晶パネルが主流となった駅の電光掲示板。
でも、これは乳白色の板に書かれた文字を後ろから電球が照らし出すという、
昭和の頃は多くの駅にあった、アナログ式の電照案内板。
ローカル私鉄の、いくら交換駅とはいえ、2面2線の小さな駅に「電照式案内板」は
不似合いな気がするが、ここの駅に限って、このような装置があった理由は...
それを考えていたら、記事のアップが遅くなった!? (つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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2012-09-21 00:39
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コメント(4)
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早月加積駅は1線スルー式の駅ですから、交換列車が無い時は上下線とも国鉄線側のホームを利用し、交換列車のある場合は先着する方が駅舎側に停車するという形になっています。
交換列車の多かった頃、次の列車がどっちのホームに来るのか分かりやすくするためにこの表示機が用いられていたものと思われます。
ちなみに「電池切れ云々」の時計は、2010年頃の時点で設置されていませんでした。山岸氏がやめてしまったのか、携帯などですぐ時間を把握できるようになったから消えたのかは分かりませんが、ちょっと悲しいお話です。
by @赤坂 (2012-09-21 10:25)
@赤坂さん
コメントありがとうございます。
そう、時計はなかったのです。まぁ、書き忘れていましたというか、「時計が無い」を写真で表現するのって、ちょっと難しいですね。
発車案内の表示機の件も丁寧なご説明ありがとうございます。
この駅を撮り終えて、電鉄富山ゆきに乗り込むとき、ちょうどその列車が早月加積で交換する便でした。長い直線区間に位置する駅なので、両方から迫ってくる電車に、どうやって交換風景を撮るか悩みましたね。
この「表示器」の話、もう1話ひっぱってみたいと思いますので、続編もお読みいただけたら、幸いです。
by あるまーき (2012-09-21 10:41)
あぁ懐かしいなぁ…といっても4ヶ月ほど前、この駅にいました。日差しの加減を見ると、同じ時間帯かな。
電照式の「のりば案内」表示器。気になる物件でした。@赤坂さんがおっしゃるように、「先着するほうが駅舎側」、つまり上下線の運用ルールがフレキシブル、というのが、ちょっとしたカルチャーショックでした。
by maipenrai (2012-09-21 21:58)
maipenraiさん
コメントありがとうございます。
そうですね。「先着列車を2番ホーム」というより、ほとんど全部の列車が向こう側のホームを使うという、不自然な配置の駅ですから、こういう案内表示が必要だったと想像できます。
その理由を自分なりに想像(妄想?)した記事を「続編」としたいと思います。こちらも是非ご覧いただき、ご感想等を寄せていただければ幸いです。
by あるまーき (2012-09-21 23:18)