09. ローカル貨物の遺構(?)が残る駅(上滝線・開発駅) [探訪!! ちてつ百景]
まずは、本文に入る前にお詫びとお断り。
昨日の記事で、「明日は当日撮影分の速報」との趣旨のことを書きましたが、
朝起きられなかったことと雨の降り続く悪天候の午前中、で
今日は1日を自宅で過ごしました。
また、「いすみ」詳細版は明後日以降にアップします。
では、今日の記事。予定変更で「富山地鉄ネタ」。
さて、富山に行くと「開発(かいほつ)」という地名を時折見かける。
「は」じゃなくて「ほ」なのも気になるところだが...
確か、越中荏原と越中三郷の間にある常願寺川鉄橋に撮影に行くときも
「水橋開発」という町名を見かけた気がする。
…… ……
地鉄を撮りに行くと、必ず早朝訪れるのが月岡駅の周辺。
その1つ手前の駅が「開発」。水田地帯の無人駅には変わりないが、
周囲にはコンビニがあったり、北陸自動車道の高架が見えていたり、と
写真を撮るのには、月岡ほど恵まれたロケーションではないのだが...
【2012年8月3日7時50分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 170.0 mm 露出 F11.0 1/640秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
月岡駅近くで撮影を終えた朝、隣駅の開発駅に降り立った。
乗降客は少なくないが、次の電車まで30分ほどあるので、駅には静寂が訪れる。
【2012年8月3日7時51分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F11.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
木造の待合室、背後には木造駅舎。珍しくない光景だが、
雑草の中、妙な位置にトラス架線柱、駅舎も後退し過ぎか、
よく見ると、ホーム背後の柵もロープを渡しただけの簡易な仕様。
そう、交換可能な島式ホームだった名残がハッキリと残っている。
【2012年8月3日7時52分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F11.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
人影のない待合室、冬に備えて常備されたスコップの前から見ると
こんな感じ。錆の目立つスコップは、どれほどの旅人を見守ってきたのか。
【2012年8月3日7時54分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F16.0 1/500秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
交換駅だったことは、駅舎への通路から見るとよくわかる。
ここからかつての構内踏切を渡った所に駅舎がある。
【2012年8月3日7時54分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 160.0 mm 露出 F9.0 1/400秒 -1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
お酒は全く飲まない自分だから、美味しいのかどうかは知らないけれど、
「皇国晴(みくにはれ)」は地鉄の駅の定番。
木製の柱に、琺瑯びきの看板が残る駅舎...
【2012年8月3日7時55分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F5.6 1/100秒 -1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
内部は丁寧に使われている感じ。
「掲示物を破らないように」という趣旨の注意書きが貼られているのは
高校生の利用が多いからだろうか。
【2012年8月3日7時56分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F11.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
1921年(大正10年)に富山県営鉄道の駅として開業した開発駅、
その当時からの駅舎だろうか。左側の軒先は奥までずーっと自転車が並ぶ。
【2012年8月3日8時06分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F10.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
その奥には往時の貨物上屋を転用したかもしれない、
好ましい形の木造上屋があった。ここに貨物側線があったのか?
【2012年8月3日7時58分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F14.0 1/500秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
そうとも限らない!!
と思ったのは、駅舎から線路を挟んで反対側、
現在の線路の向かい側に、もう1本のホームを見つけたから。
石積みホームの、そのホームは、だいぶ昔に使われなくなったのだろう。
花壇として使われている。でも、よく見ると、
【2012年8月3日7時58分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F11.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
何か土台が見える。上屋があったことは想像に難くない。
待合室があったのか!?
確かに、この駅をネットで調べると「かつては2面3線だった」の記述もあった。
し・か・し、
このホームは旅客用のもの、つまり、かつての開発駅が2面3線式の交換駅だった
という説には、自分は納得できない。
そもそも、電鉄黒部もホームは3線、それほどの規模のターミナル駅だったのか?
ということもあるが、気になったのは、このホームの短さ。
18メートル級2両編成でも足りない程度の長さ。
上屋(?)の土台の位置も、線路に近すぎて旅客ホームとしては不自然な気がする。
そして、自分の出した結論(と言っても推測だが...)は、
貨物ホームだったのではないか、ということ。
…… ……
では、今日の1枚。
【2012年8月3日8時15分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F5.6 1/250秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
地鉄上滝線に貨物扱いがあったのは遠い日のこと、
いまや確かめる術は見つからない。
その“謎のホーム”先端の架線柱に、ずり落ちてしまった琺瑯看板が1枚。
彼は、この小さな無人駅が賑わっていた時代を知っているはずなのだが...
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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昨日の記事で、「明日は当日撮影分の速報」との趣旨のことを書きましたが、
朝起きられなかったことと雨の降り続く悪天候の午前中、で
今日は1日を自宅で過ごしました。
また、「いすみ」詳細版は明後日以降にアップします。
では、今日の記事。予定変更で「富山地鉄ネタ」。
さて、富山に行くと「開発(かいほつ)」という地名を時折見かける。
「は」じゃなくて「ほ」なのも気になるところだが...
確か、越中荏原と越中三郷の間にある常願寺川鉄橋に撮影に行くときも
「水橋開発」という町名を見かけた気がする。
…… ……
地鉄を撮りに行くと、必ず早朝訪れるのが月岡駅の周辺。
その1つ手前の駅が「開発」。水田地帯の無人駅には変わりないが、
周囲にはコンビニがあったり、北陸自動車道の高架が見えていたり、と
写真を撮るのには、月岡ほど恵まれたロケーションではないのだが...
【2012年8月3日7時50分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 170.0 mm 露出 F11.0 1/640秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
月岡駅近くで撮影を終えた朝、隣駅の開発駅に降り立った。
乗降客は少なくないが、次の電車まで30分ほどあるので、駅には静寂が訪れる。
【2012年8月3日7時51分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F11.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
木造の待合室、背後には木造駅舎。珍しくない光景だが、
雑草の中、妙な位置にトラス架線柱、駅舎も後退し過ぎか、
よく見ると、ホーム背後の柵もロープを渡しただけの簡易な仕様。
そう、交換可能な島式ホームだった名残がハッキリと残っている。
【2012年8月3日7時52分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F11.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
人影のない待合室、冬に備えて常備されたスコップの前から見ると
こんな感じ。錆の目立つスコップは、どれほどの旅人を見守ってきたのか。
【2012年8月3日7時54分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F16.0 1/500秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
交換駅だったことは、駅舎への通路から見るとよくわかる。
ここからかつての構内踏切を渡った所に駅舎がある。
【2012年8月3日7時54分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 160.0 mm 露出 F9.0 1/400秒 -1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
お酒は全く飲まない自分だから、美味しいのかどうかは知らないけれど、
「皇国晴(みくにはれ)」は地鉄の駅の定番。
木製の柱に、琺瑯びきの看板が残る駅舎...
【2012年8月3日7時55分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F5.6 1/100秒 -1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB太陽光
内部は丁寧に使われている感じ。
「掲示物を破らないように」という趣旨の注意書きが貼られているのは
高校生の利用が多いからだろうか。
【2012年8月3日7時56分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F11.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
1921年(大正10年)に富山県営鉄道の駅として開業した開発駅、
その当時からの駅舎だろうか。左側の軒先は奥までずーっと自転車が並ぶ。
【2012年8月3日8時06分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F10.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
その奥には往時の貨物上屋を転用したかもしれない、
好ましい形の木造上屋があった。ここに貨物側線があったのか?
【2012年8月3日7時58分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F14.0 1/500秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
そうとも限らない!!
と思ったのは、駅舎から線路を挟んで反対側、
現在の線路の向かい側に、もう1本のホームを見つけたから。
石積みホームの、そのホームは、だいぶ昔に使われなくなったのだろう。
花壇として使われている。でも、よく見ると、
【2012年8月3日7時58分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F11.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
何か土台が見える。上屋があったことは想像に難くない。
待合室があったのか!?
確かに、この駅をネットで調べると「かつては2面3線だった」の記述もあった。
し・か・し、
このホームは旅客用のもの、つまり、かつての開発駅が2面3線式の交換駅だった
という説には、自分は納得できない。
そもそも、電鉄黒部もホームは3線、それほどの規模のターミナル駅だったのか?
ということもあるが、気になったのは、このホームの短さ。
18メートル級2両編成でも足りない程度の長さ。
上屋(?)の土台の位置も、線路に近すぎて旅客ホームとしては不自然な気がする。
そして、自分の出した結論(と言っても推測だが...)は、
貨物ホームだったのではないか、ということ。
…… ……
では、今日の1枚。
【2012年8月3日8時15分】 富山地鉄上滝線・開発駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF35-350/3.5-5.6L USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F5.6 1/250秒 +2/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート
地鉄上滝線に貨物扱いがあったのは遠い日のこと、
いまや確かめる術は見つからない。
その“謎のホーム”先端の架線柱に、ずり落ちてしまった琺瑯看板が1枚。
彼は、この小さな無人駅が賑わっていた時代を知っているはずなのだが...
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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うーん、いつものことながら
広い視野と細かい着眼点に脱帽です。
立派な駅舎と二面三線であったと思われる広い構内が、
往時の賑わいをかろうじて今に伝えているのかもしれませんね。
by あおたけ (2012-08-15 09:06)
カイホツ、確かに気になる地名ですね。
昨夏、訪れたえちぜん鉄道の越前開発もやはりカイホツでした。
字面だけ見るとデベロッパーみたいですね。
by サットン (2012-08-15 11:36)
☆ あおたけさん
コメントありがとうございます。
いえいえ、ただ列車の待ち時間などの間に、駅の中を見渡してパシャパシャと写真を撮り続けているだけの不審者なのですが...
荷物や貨物の輸送拠点という意味も含めて、鉄道の役割が今よりずっと大きかった時代の名残が残っていて、何か撮りたくなる駅が多いのも地鉄の特徴でしょうか。
☆ サットンさん
コメントありがとうございます。
「開発」という地名は、多くの場合、江戸時代の新田開発に関係しているそうですが、確かにデベロッパーみたいな不思議な感じですね。
「ほ」と読むのも、何か気になるところです。
by あるまーき (2012-08-15 18:27)
地元では、開発が他の地域より遅れたから、「かいはつ」ではなくハ行の一番最後「ほ」を用いた・・・と聞いたことがあります。真意は不明ですが。
ちなみに、この駅が棒線駅化したのは相当昔のようです。先日、昭和40年代の北陸地方鉄道路線図(北陸鉄道の路線や尾小屋鉄道が現役のレベル)を確認したところ、既に棒線化されていました。
開発が遅れた上に繁栄した期間も短ったとすれば、とてもかわいそうな駅ですね・・・。
by @赤坂 (2012-08-15 19:36)
@赤坂さん
確かに、旧構内踏切付近の線路跡は草に埋もれていましたが、棒線化がそんなに以前のことだったとは意外です。確かに隣の月岡が交換駅として残っていますので、列車密度から考えても、2駅連続は不要だったのかも知れませんが。
「カイホツ」の由来、やはり気になるところです。駅前にはコンビニもあるし、立派な道路に面しているし、現在では隣の月岡よりはるかに開発が進んでいるのですが...ね。
by あるまーき (2012-08-15 20:44)