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秋晴れの東京<鉄>散歩(5=最終回)東武大師線 [東京鐵話]

大相撲九州場所は...う~ん。あの“騒動”に霞んで場所の行方も。
何だか、あの横綱の優勝...ということで終わりそうな、毎度の展開になっているが。

ある程度、大相撲を見て知っていると、年明けの理事選の絡みもあって、なかなか
“額面通り”に受け取れない話題かも...と、当初からわかる流れだったのだが、
マスコミ報道がヘンな方向に過熱した挙げ句、騒ぎだけ各所に飛び火する事態に、
<変態鉄>としてもちょっとガッカリなのである。

「やはり!!」というか、誠に残念ながら横綱 稀勢の里も。あの大怪我の影響は
まだまだ残っていて。何だか関心も薄らいでいきそうな、そんな1年納めの九州場所
になっている。期待していた若手も...う~ん。なかなか、うまくはいかないもので。

さてさて、そんな中、10月27日の話題。

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【2017年10月27日14時19分】 東武鉄道大師線・大師前駅

ちょっと珍しい構造の駅に発着する、これまた、懐かしの電車。
全長わずか1キロのミニ路線も、<変態鉄>にとっては“初体験”だった。

……  ……

2017年10月27日(金)晴れ

自分はこれまで40年ちかく、東京でも23区内の西側エリアに住んできた。
そうすると、普段の行動エリアというのは、だいたい山手線の内側より西側、
東武線沿線というのは、なかなか縁がないもので。

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【2017年10月27日14時07分】 東武鉄道大師線・大師前駅

西新井という町にやって来たのも、この日が初めてだった。
都営交通の1日乗車券で動き回っていたのだから、おとなしく、日暮里・舎人ライナー
で帰路に就けばよいものを、わざわざ歩き続けたのは、この路線に乗ってみたかった
ということ以外に理由は無い。

東武バスの路線バスがひっきりなしに発着するバス乗り場、立派な高架駅が
東武大師線「大師前」駅である。

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【2017年10月27日14時08分】 東武鉄道大師線・大師前駅

外から見ると、何だか立派な駅舎だが、何だかちょっと不思議な感じ。
窓口部分は全てシャッターが閉ざされているのである。

そう、名鉄築港線(大江-東名古屋港)やJR和田岬線(山陽本線:兵庫-和田岬)と
同様の方式なのだが、支線側の終着駅では改札をせず、本線との接続駅側に
券売機や改札口を設置している構造。

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【2017年10月27日14時08分】 東武鉄道大師線・大師前駅

だから、改札口も思いっきり開放されており。
何だかすごく不思議な感じがするのだが、もちろん、地元の利用客には、
それが当たり前であるわけで。誰も居ない改札口、全く気にすること無く
中に入っていく訳で。住宅街だからか、利用客の姿は思っていたより遙かに多い。

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【2017年10月27日14時09分】 東武鉄道大師線・大師前駅

でも、この駅の不思議さ、極めつけはここだろうか。

駅の構造としては高架駅。1階(地平)に改札口(というか、空の改札ラッチ)が
あって、そこから階段を上がったところがホーム。

その改札を通ってホームまでの階段の踊り場のところに、お医者さんの入口。
つまり改札内である。“駅ナカ”でも、もちろん、ここまで入ってもタダ。

そんな「東武大師線」。東武伊勢崎線...改め、東武スカイツリーラインの西新井駅で
分岐して環七通りの北側に寄り添うように西へ進んで、この大師前駅に至る
全長1 kmのミニ路線である。単線で途中駅無し。

いくら西新井大師への参詣客輸送とはいえ、わずか1 kmなら徒歩でも大丈夫では!?

となるところだが、この路線、東武鉄道にとっては重要な役割を持って敷設され、
その“目的”を達することができなかった“未成線”の名残なのである。

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【2017年10月27日14時12分】 東武鉄道大師線・大師前駅

東武は浅草を起点に北関東、伊勢崎、日光、鬼怒川方面に路線網をひろげているが
それとは別に、池袋を起点に川越、寄居を結んで居るのが東上線。別会社になって
いてもおかしくないほど、ちょっと離れた位置に2つの路線網を有している。

そう、大師線、大正時代に「西板線」として着工された最初の区間なのである。
つまり、伊勢崎線の西新井からいまの環七通りに近いルートで西へ進み、東上線の
上板橋駅に至る接続線だった。これが開業していれば、川越を経て寄居、秩父方面へ
“スペーシア”とか“リバティ”とか...、東武特急たちが東上線系統にも設定されて
いたかも知れない。

ただ、一部では路線敷設の免許なども取得するに至ったが、工事が動き出す時期が、
ちょうど関東大震災とその後の不況に重なり、滞っているうちに“東京郊外”だった
沿線エリアも急速に宅地化が進み、用地取得も進まなくなり。しかも、途中には
隅田川・荒川と続けて大きな架橋が必要で。先行して用地取得が済んでいた
西新井から大師前までの1駅間が建設されただけで、残りの区間は放棄されてしまう。

ちなみに、その大きな河川を越える、その手前に計画されていたのが鹿浜駅。
実現していれば、昨日の記事で取りあげた公園へのアクセスも、もしかして...

さてさて。

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【2017年10月27日14時11分】 東武鉄道大師線・大師前駅

現在の東武大師線、8000系電車(ワンマン仕様)2両編成が亀戸線と共通運用。
2両編成1本による羽子板運転である。それだけなら、わが地元・京王電鉄の
競馬場線と同じだが、こちらは大師前駅のホーム有効長が2両分しか無く。
入線できるのは2両編成に限られているのが相違点。

何でも、かつてはステンレス車体の“新車”が使われることもあったのだそうだが、
空転が多く、結局、“老兵”8000系の独壇場になっているのだとか...

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【2017年10月27日14時10分】 東武鉄道大師線・大師前駅

基本的に、大師前駅からは毎時06、16、26、……分と10分間隔のパターンダイヤ。
西新井駅でそのまま折り返して...、10分サイクルで同じ電車が。

写真を撮るために、14:16発の電車を“敬遠”、そのままホームで26分発を
待ったのだった。

大きなドーム屋根に覆われた高架ホーム。片面1線式のホームは2両編成で目一杯。
それにしても、立派すぎるくらいホーム幅が広いのが印象的である。

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【2017年10月27日14時19分】 東武鉄道大師線・大師前駅

ホーム端から見ると、急カーブで大師前駅に入ってくる線形。

それでは、14:26発の電車で...

半分弱の座席が埋まった8000系電車。この日は、西新井側から8565-8665の2両編成
亀戸線に“特別塗装車”が次々に登場しているので、「もしかして?!」と思ったが
白地に青帯のフツーの8000系だった。

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【2017年10月27日14時25分】 東武鉄道大師線・西新井駅

住宅街を見ながら、ゆっくりと東へ進み、高架から地平に下りたところが西新井駅。

こちらも大師線は2両編成用の専用ホームに発着する。こちらは1面2線式。
電車が発着するのと反対側は頭端式になっておらず、本線系統の線路と繋がっていた。
この大師線ホームから階段を上がったところに、専用改札口があるのは前述の通り。

それを通って、東武スカイツリーラインのホームは2面4線、複々線区間にあって
電車は10両編成でひっきりなしに発着する。

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【2017年10月27日14時28分】 東武鉄道スカイツリーライン・西新井駅

ホーム端で見ていると、乗ってきた大師線8000系が、再び大師前に向かって
走り去っていくのと入れ替わりに中央林間ゆきの急行電車が到着した。

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【2017年10月27日14時48分】 東武鉄道スカイツリーライン・押上駅

ここから押上に出て。1日乗車券で都営地下鉄に乗り換え。
都心で買い物をして帰路に就いたのだった。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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