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消印の中の鉄道(22)世田谷若林四郵便局 ~ 名は体を表さず ~ [消印の中の鉄道情景]

すでに東京のサクラも葉っぱの緑色が目立つようになってきた。
今日もポカポカ陽気、そんなときに1月の話題を記事にしてしまおうというのだから
やはり、自分はヘンなのかも知れない。

世田谷区内の郵便局に<鉄>な風景印を探して回った話題、その最終回。
前回は、松陰神社を訪れた話題をご紹介した。一転、今回は<鉄>分100%の記事で。

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【2014年4月7日15時03分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F9.0 1/1000秒 ISO400
マニュアル露出 マニュアルフォーカス WB太陽光 三脚使用

富山での撮影記は、明日以降にアップする予定。
というわけで、今日の話題。
……  ……

さて、風景印というのは郵便物に捺される、いわゆる消印の1つ。
多くは、その郵便局の周囲の名所などの事物をデザインするのだが...

2014年1月29日(水)晴れ

松陰神社から細い曲がりくねった路地を歩くこと10分あまり。

02_IMG_0482.JPG
【2014年1月29日12時21分】 東京都世田谷区・世田谷若林四郵便局
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 7.20 mm 露出 F4.0 1/640秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

松陰神社前の次の駅、若林駅まで歩いてしまった。その若林駅のすぐ裏手にあるのが
「世田谷若林四郵便局」。その風景印は...

03_f_wakabayashi4.jpeg

何と、松陰神社と松蔭先生が描かれているのだ。
どう考えても、前回の記事で紹介した「世田谷若林三郵便局」の方が松陰神社には
近いはずなのだが...、風景印を蒐集していると、時折、こういうことに出くわす。
それ自体は良いのだが、こういうブログ記事をまとめるには...、悩ましいところ。

さて、<鉄>ブログとして、今日はこの風景印の左下に描かれた電車について
<変態鉄>の変態的思い入れを勝手に語ってしまいたい。

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【2014年1月29日11時31分】 東急世田谷線・宮の坂駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 7.0 mm 露出 F4.0 1/800秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

実は豪徳寺(世田谷線では山下駅)から隣の宮の坂駅まで線路沿いを1駅歩いたのも、
自分の中にある「正しい世田谷線」の面影を探すことに他ならなかった。

東急世田谷線の前身は、国道246号線を走っていた路面電車、通称・玉電の支線。
三軒茶屋から京王線の下高井戸に至る支線は、道路上を走る区間がなかったため、
玉電が廃止されて地下鉄になった後も生き残り、“東急世田谷線”となった。
自分が高校生だった頃には、まだ、その玉電時代からの緑色の半鋼製電車が
元気に走っていた時代だったのである。
その半鋼製の緑色の電車たち、保存計画もあったそうだが、最後まで残った仲間たちも
結局は解体されてしまって、<変態ガキ鉄>(当時)の青春時代を知る電車たちは
現存しないのである。(← 何だ、そりゃ!?)

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【1993年5月頃】 東急世田谷線・西太子堂-若林

さて、当時の<変態ガキ鉄>の最大のお気に入りは80形という電車だった。
戦後すぐの時期に新製された車両で、内装は木。ちょっと薄暗い車内だったが、
シートの裾仕切りも木製で、サッシ化されていた窓枠にも木目調の化粧板が貼られ、
何とも言えない落ち着いた電車だったのだ。

06_IMG_0376.JPG
【2014年1月29日11時26分】 東急世田谷線・宮の坂駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 7.5 mm 露出 F4.0 1/500秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

この80形“全車解体済み”と書いたが、それは東急で最後まで活躍したグループ。
路線縮小時に、いまの江ノ島電鉄に譲渡されたグループのうち、江ノ電601号車と
なった車両が“里帰り”を果たし、宮の坂駅ホーム脇に保存されているのだ。
ステップをカットした“江ノ電仕様”ながら、懐かしい東急グリーンの塗色、
何とも懐かしい姿なのだ。

07_IMG_0382.JPG
【2014年1月29日11時28分】 東急世田谷線・宮の坂駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 5.4 mm 露出 F4.0 1/200秒 +1段補正 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

でも、惜しむらくは車体の向き。
区民センターの1施設として保存されているが、よく見える側が、連結運転のために
運転台を撤去して、のっぺりした感じの方。

08_IMG_0380.JPG
【2014年1月29日11時27分】 東急世田谷線・宮の坂駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 8.0 mm 露出 F4.0 1/1250秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

世田谷線でも見せていた前面は、ホームに上る階段側の見えづらい位置なのだ。
う~ん、残念。ちなみに車内も公開されている。ペンキ塗りになってはいるが、
当時の世田谷線の雰囲気が感じ取れるようになっているのは嬉しいところ。

……  ……

もちろん、世田谷線には当時何度か撮影に訪れた。若林駅周辺でも撮っていた。

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【1993年5月頃】 東急世田谷線・西太子堂-若林

再びのこの写真。若林駅のすぐ南側。いまでは...

09_IMG_0483.JPG
【2014年1月29日12時22分】 東急世田谷線・若林-西太子堂(後追い)
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 21.0 mm 露出 F5.0 1/500秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

あまり、変わっていない。

実は、この若林駅周辺が世田谷線の一大撮影地になっているのは、この踏切。
世田谷線と環状7号線が交差しているのだ。扱い上は踏切と言うことになるが、
そもそも路面電車出身の世田谷線、道路信号に従って、電車が踏切待ちするのだ。

その環状7号線上を横切る部分だけは、ほんの少しだけ路面電車の雰囲気が
感じられるかと、<変態ガキ鉄>(当時)お気に入りの地点だったのだ。

10_rosatu_setagaya_13.jpeg
【1993年5月頃】 東急世田谷線・西太子堂-若林

見れば、ここも昔と変わっていない。

11_IMG_0479.JPG
【2014年1月29日12時17分】 東急世田谷線・若林-西太子堂(後追い)
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F4.5 1/1250秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

“松原商事不動産”も隣の白いビルも全く変わっていない。
この20年で変わったのは、走ってくる電車が新しい連接車になったこと。

<変態>でないフツーの<鉄>は、環7沿い、少し南側の歩道橋から俯瞰で撮る。
もちろん、自分だって一応は挑戦していた。

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【1993年5月頃】 東急世田谷線・西太子堂-若林

何と言っても環7、大型車の通行も多く、なかなか思ったカットが撮れなかった。
しかも、1月の再訪時には...

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【2014年1月29日12時14分】 東急世田谷線・西太子堂-若林
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F5.6 1/1250秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

その歩道橋が塗装工事中。

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【2014年1月29日12時15分】 東急世田谷線・西太子堂-若林
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 31.2 mm 露出 F5.0 1/1250秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

工事用の覆いの隙間から、何とかカメラを突き出したのだった。

さて、当時の<ガキ鉄>には気づかなかったものも。

14_IMG_0470.JPG
【2014年1月29日12時09分】 東急世田谷線・若林駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 19.2 mm 露出 F5.0 1/500秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

若林駅の北側にやってくると...

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【2014年1月29日12時10分】 東京都世田谷区若林付近
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 4.5 mm 露出 F6.3 1/1250秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

踏切のすぐ脇に、銭湯の高い煙突が聳えていた。

16_IMG_0467.JPG
【2014年1月29日12時09分】 東急世田谷線・若林駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 5.6 mm 露出 F4.0 1/1250秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

20年前にも毎日見ていた風景だったはずだが、当時は、こんなコラボショットを
狙おうなどと言う発想は絶対に出てこなかったのである。
20年経つと、いくら学習能力のない自分でも少しは成長するということか...!?

……  ……

17_IMG_0385.JPG
【2014年1月29日11時29分】 東急世田谷線・宮の坂-山下(後追い)
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 90.0 mm 露出 F6.8 1/1000秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

昔の、自分が生まれる以前の玉電の姿を復刻した2色塗りの連接車が来ても、
それでも、あの半鋼製電車には遠く及ばないと思うのが<変態鉄>。

18_IMG_0485.JPG
【2014年1月29日12時41分】 東急世田谷線・下高井戸駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 10.9 mm 露出 F4.5 1/25秒 ISO200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

高校通学で、毎朝乗っていた世田谷線、遠い過去のことになってしまったと感じつつ、
駅の、ホームの雰囲気だけは、あの頃とあまり変わらない下高井戸駅から京王線に
乗り換えて自宅に戻ったのだった。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 7

いっぷく

なるほど。露天は保存状態が悪そうですね
by いっぷく (2014-04-11 01:47) 

Cedar

煙突とのコラボは私もトライしました。
宮の坂の電車は、TQの持ち物でなく世田谷区の管理ですから、いつまで持つか心配です。ま、5001をチョン切っちゃう鉄道会社も信用なりませんが。
by Cedar (2014-04-11 06:47) 

あるまーき

コメントありがとうございます。

☆ いっぷくさん
そうですね。露天での保存では写真は撮りやすいのですが、特に塗装の色褪せなど痛みは目立ちます。Cedarさんからのコメントもありますように駅に隣接した区の施設の一部として、世田谷区の管理ですので、予算などの制約もあって、維持管理にも限界があるのかも知れません。ただ、車体・車内とも部品欠損や破損などは進んでおらず、同型最後の生き残りとして、1日も長くこの姿を見たいと思います。

☆ Cedarさん
世田谷線の車両置き換えがあった2000年頃、地元を中心に保存を求める声があったそうですが、そのTQとの交渉がまとまらなかったとか...。世田谷線の連接車は、まだしも、このTQ電鉄の2000年くらいからの車両に関することには「?」がつく内容が多い気がしています。かつての「ステンレス車王国」も、立派な理念があった気がするのですが、最近の「昆虫天国」は...。

by あるまーき (2014-04-11 11:35) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
仙台へお越しの際は是非ご連絡下さい。
moku111jp@yahoo.co.jp へメール下さい。
by johncomeback (2014-04-11 13:10) 

あるまーき

johncomebackさん

コメントありがとうございます。
仙台に行くのは、今年の夏頃になる予定です。具体的な予定が決まりましたら、拙ブログで発表したいと思いますので、その際は、おすすめなどありましたら、ぜひ、教えてください。
by あるまーき (2014-04-11 23:26) 

伊豆之国

どうもはじめまして。
2年ちょっと前からこのブログを知り、時折覗かせていましたが、今回初めてコメントを書かせていただきます。Cedarさんのブログでも名乗っているHNの由来は、親父の故郷である西伊豆にちなんでいます。

さて、世田谷は私の生まれ故郷、幼い頃から親しんできた風景。いまだに「世田谷線」と言う呼び名になじめず、どうしても「玉電」と言ってしまいます。床が板張りの、緑一色の電車。姿を消してもう13年も経っているのに、ついこの間の出来事のように思えてきます。最近でも社用でしばしば乗るのですが、沿線の建物は時と共に少しずつ変わっても、往時の面影だけはしっかり残っているような気がしてきます。
…と書いたのですが、若林駅のすぐ横にあったお風呂屋さん、つい先日乗ってみたら、何と…取り壊しの真っ最中! 私自身もお風呂屋さんにご無沙汰して何十年。今の世に残っているのが不思議な存在なのでしょうか…。
宮の坂の元玉電80型、車体だけでなく、レールの幅も江ノ電時代の1
067mmのままで、玉電の1372mmに戻されていないのが残念です…。
by 伊豆之国 (2014-04-12 00:29) 

あるまーき

伊豆の国さん

はじめまして。大変、丁寧なフォローコメントを頂戴いたしましてありがとうございます。自分は、中学・高校が世田谷区内にありましたので、通学や、学校帰りに遊びに行くのに世田谷線をよく利用しました。
246から世田谷通りが分岐する、三軒茶屋交差点のところにあった、旧三軒茶屋駅が再開発で仮駅に移転される頃です。キャロットの完成を見ることなく、高校の卒業式の日も、ベニヤ板張りの三軒茶屋駅で乗り降りしました。

若林の銭湯が取り壊されてしまったのは、とても残念です。コンデジではなく、今度こそ、ちゃんと一眼で撮ろうと思っていたのですが...

仰るように、宮の坂の80型電車は塗装だけ東急グリーンですが、仕様は完全に江ノ電スタイルですね。折角なので、できるだけ東急仕様に復元して欲しい気はします。東急電鉄が、その気になれば世田谷区と交渉することもできるかと思うのですが、最近の、あの会社の姿勢は...

旧玉電の姿を今に伝える電車も、ここと博物館の203号車だけだと思いますので、1日も長く残って欲しいと思っています。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
by あるまーき (2014-04-12 00:50) 

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