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国鉄型キハ夜行列車の旅(1)往路は大変だった。 [いすみ鉄道 国鉄型キハ]

いつも、出発するまでの話題を引っぱり続ける自分。
でも、今回は、その“夜行列車”出発までの紆余曲折の方が、
指定されたキハ28の座席で過ごした時間より、はるかに長かったのである。

申し込むのが一大決心(笑)。当日は午前中いっぱい、いすみ鉄道は運転見合せ、
午後には再開の情報はあったが、自分が東京から始発駅の大原までたどり着けるか!?
ハラハラ・ドキドキ・イライラの展開だったのである。

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【2011年4月24日11時55分】 いすみ鉄道・風そよぐ谷国吉-上総中川
<撮影データ>
Canon EOS 5D/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F7.1 1/800秒 ISO400
シャッター速度優先AE AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

朱色とクリーム色のツートンカラー、国鉄気動車標準色で活躍してきた
いすみ鉄道のキハ52 125、2011年の“復活”当初はピカピカだった同車の塗装。
それから、まもなく丸3年が経過するのを機に、痛みの目立ってきた外板塗装が、
朱色5号の塗り潰し塗装(通称“首都圏色”)に変更されることになり、
その塗装作業のため、2月16日をもって、いったんキハの急行列車は運休となる...

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それが“公式発表”されたのは1月のことだった。
そして、その塗り替えを前に、いすみ鉄道からメールが届いた。
(実は“車両オーナー”をやっているんです。)

2月15日晩から16日早朝まで、急行列車のキハ52+キハ28編成を大原-上総中野間で
“夜行列車”として運転し、途中駅では普段撮れない場所からの“撮影タイム”も
設けるのだという。

でも、ここから、なかなか決断できなかったのである。
……  ……

自分も一応、会社員。15日は午前中、16日は朝8時過ぎから夜まで仕事が入っていた。
この仕事、休めるようなものでもなく、実は、重要度の高いものだった。

そして、「ツアー扱いとなり、途中での離脱は認められない」ということで
「やっぱ、ムリか...」一時は断念しようかと考えたのだが、でも、しかし...

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【2012年6月30日19時33分】 いすみ鉄道・風そよぐ谷国吉
<撮影データ> Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 120.0 mm 露出 F7.1 2秒 ISO200
絞り優先AE AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

「夜の駅でキハの姿をバルブ(長時間露光)で決めたい!!」
国吉、上総東、城見ヶ丘で2回、3年間で計4回、夕暮れのホームでカメラを構え、
そして、完膚無きまでの撃沈を繰り返してきた<変態鉄>、何としても撮りたい!!

高速バス、JR...、時刻表を見ながら、
「大原駅または大多喜駅で解散後、新宿の職場には何とか定時出社可能」という
事実を確認。いすみ鉄道ウェブショップから申込みを済ませたのだった。

ちなみに、今回のツアー、大原駅に15日19:00集合、22:00発のキハで
翌16日5:18に大原、6:00に大多喜で解散するまで、キハで大原-上総中野を
往復し続けるという行程。2両とも全席指定席で、
「ボックスシート1人使用」「ボックスシート2人使用」「ロングシート」の3プラン。
それぞれの料金が違ったが...

一番安い!! という理由で「ロングシートプラン」を選択した。
ちなみにお値段は、地方都市のちょっとしたホテルで一泊するくらい。
「1人使用」で“駅前のシティーホテルのシングル1泊”程度か。
「どうせ、眠れない」というのも、ロングを選択した理由の1つ。
でも、「隣の人が自分の肩にもたれかかりながら寝る」など...
若くてかわいいお姉さんならWelcomeだが、どうせ、カメラ片手の“同業者”さん。
そんなことなれば、まさに、悪夢。

「ロングシート」、それが吉と出るか凶と出るか...、それも楽しみだった。

2014年2月15日(土)晴れ

前日、14日は東京も大雪となった。

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その前週(8日)の大雪でも、こんな感じだった自宅前。
このときは、これでは済まなかった。いまも、そのときの雪が積もったまま。
もちろん、関東の交通網は大混乱、東急東横線で追突事故があったのは、このとき。
(原因究明は進んでいるのか!? 
これ、場合によっては関東の鉄道各社にとって「大変な問題」になる可能性もないとは言い切れないのだが...)
そう、秩父や山梨で孤立する集落があったり、
物流が混乱して、都心でもスーパーの棚が空っぽになったのもこのとき。

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【2013年5月5日8時37分】 外房線・大原駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX100 IS
焦点距離 6.0 mm 露出 F4.0 1/320秒 ISO100 WBオート

ケータイで確認すると、特急「わかしお」に乗れば16時に自宅最寄りの三鷹台駅発で、
大原には集合時刻の19時に1時間近い余裕をもって間に合う...

でも、土曜の昼の時点で東京の天候は回復していたが、井の頭線は減便・徐行運転で
ダイヤはめちゃめちゃ。会社から戻って、少し(?)余裕をもって、14時に自宅を
出たのだった。

この日、目的地である、いすみ鉄道の運転にも影響が出ていた。
大雨と強風で全線で運転見合せ、倒木の撤去などが済んで午後から運転を再開した
と、社長ブログで速報されていた。

この時点で、前途が危ぶまれる...、そんな旅の始まりだった。

あの、中央線快速がこういう時に限って(?)、元気に運転中。
東京到着時に「25分遅れ」とアナウンスされた以外、途中は快適だった。
それにしても、土曜の午後とは思えないくらい、閑散とした東京駅のホーム...

本来、雪に強いはずの上越・長野新幹線は、早々に終日運転見合せが発表され、
コンコースは多くの人でごった返していたが、それを横目に京葉地下ホームへ。
中央線ホームから京葉線地下ホームまでは優に500 mはある。
延々と続く“動く歩道”...、特急「わかしお」で大原までスイスイ...と
思っていたら、京葉線ホームに近づいたところで、

「外房線一部運転見合せ、特急は終日運休の見込み」

改札係の駅員さんに確認、普通電車で向かうしかない...ということで
とりあえず、14:46発、快速・蘇我ゆき。モハE233-5013に空席を見つけた。
房総特急の運休に関しては、自分の中で“織り込み済み”の感もあり、
覚悟はできていた。早く出てきて良かった...。
終着の蘇我駅に着いたのは、ほぼ定刻、15:30頃。でも、ここも通路には人だかり。

内房・外房線の電車のダイヤは乱れに乱れており、

「今度の千葉ゆきは内房線、ただいま、木更津駅に停車しております。
当駅の到着は16時10分頃に...」

千葉まで行くのに40分待ち??

外房線・下りに乗り換える自分であっても、このあたりで危機感が...
でも、蘇我駅の駅員さん、マイクでの案内放送がとにかく詳しかった。
自分が乗り換える列車は、所定15:36発の快速・上総一ノ宮ゆきだったが、
「15分遅れで稲毛を発車しました。当駅には15:50頃に到着予定です」
「11分遅れで千葉に到着しています。当駅には15:47分頃に...」
後続の君津ゆきも、先の千葉ゆきも刻一刻と列車の現在位置をアナウンス。

こういうとき、“情報がない”ことが、自分たち利用客のイライラにつながる。
「分かりません」を連呼する京O電鉄にも見習ってもらいたい対応だった。

その上総一ノ宮ゆきは、アナウンス通り、15:47に到着。
終着の上総一ノ宮では、安房鴨川ゆきがこの快速の到着待ち、無事接続できた。

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【2013年5月2日16時21分】 外房線・大原駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 90.0 mm 露出 F9.0 1/250秒 +1段補正 ISO200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

その車内、「行川アイランド-安房小湊間で倒木があり、勝浦ゆきに変更します」
これは、救われた。大原は勝浦の3駅手前。

そんな、ハラハラドキドキを経て、大原に到着したのは17時少し前。
集合時刻まではあと2時間、ホームには16:59発、上総中野ゆきの「いすみ301」

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【2014年2月15日16時46分】 いすみ鉄道・大原駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 6.7 mm 露出 F4.0 1/80秒 ISO800
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

衝動的に乗ってしまった。乗らずには居られなかった。
わずかな乗客で発車した、いすみ301、車内で時刻表を確認すると
この列車で終点の上総中野まで往復すると、戻ってこられるのは19:15、
わずか15分の差で集合時刻に間に合わないのだ。
(自社線の時刻に合わせて集合時刻を設定してくれたら、便利だったのに...)

上下列車が国吉で交換することを確認、手前の新田野駅で下車した。

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【2014年2月15日17時13分】 いすみ鉄道・新田野駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 5.6 mm 露出 F3.5 1/30秒 ISO800
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

ここ、特に何の特徴もないホームだけの無人駅だが、この駅の佇まいが気に入っている。
先日までは、大きなムーミンが飾ってあったのだが...(どこへ消えた??)

でも、誰も居ない夕暮れの無人駅。ここには“何もない”があったのである。
隣の駅で交換して、やって来たのは最古参の「いすみ200」。
国鉄末期からJR初期、昭和60年台に入って、ローカル線の第三セクターへの
転換が進んだ頃、全国で導入された富士重工の“レールバス”。
すでに四半世紀、仲間の多くはすでに役目を終えた。

い鉄でも300番台の形式の新車への置き換えが進んでおり、まもなく最後の時を
迎えることになる。ただ、この「いすみ200」動態保存の計画があるとか、ないとか。

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【2014年2月15日17時34分】 いすみ鉄道・大原駅
<撮影データ>
Canon PowerShot SX280 HS
焦点距離 6.5 mm 露出 F4.0 1/15秒 ISO3200
プログラムAE CONTINUOUS AF WBオート

すっかり暮れた大原駅に降り立ったのだった。
駅のベンチで時間を潰すしかなかった。

いつしか小さな駅の改札前には、カメラバッグを提げたオジサンたちの集団...、
事情を知らない、一般の駅利用者にとっては、きっと異様な光景だったような。

ダイヤの乱れている外房線の電車が到着する毎に、その集団の勢力は拡大し、
いつしか、JRの駅舎内を埋め尽くさんばかりになっていた。(つづく)


(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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