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神奈川県に“市電”を巡る(10)車両以外にもさまざまな展示が。 [保存車・廃線跡]

それにしても今年は台風が多い。
東京の雨・風のピークは早朝だったが、それにしてもTVで伊豆大島などを見れば...

何度も書いた気がするが、今年の気象は間違いなく異常である。

さて、横浜市電保存館の7両の保存車を昨日までにご紹介した。

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【2013年10月2日13時20分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon PowerShot SX100 IS
焦点距離 12.8 mm 露出 F5.0 1/1250秒 ISO400 WBオート

今日は車両以外の話題。でも、その前に。

yokohama_stamp.jpeg

案外、「記念スタンプ」を収集するのも好きなんですねぇ。
カメラバッグにスタンプ帳を入れているのです。
……  ……

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【2013年10月2日12時38分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F5.0 1/60秒 +2/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

今回は車両の撮影が中心だったので、あまり時間をかけて見なかったが、
車両以外の展示品も充実していた。そういったアイテムを何点か紹介したい。

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【2013年10月2日12時32分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F5.0 1/50秒 +2/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

花の絵が入ったつり革には車内美化を呼びかけるスローガン。
字体や表現にも“昭和のかほり”を感じずには居られなかった。

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【2013年10月2日12時42分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F4.5 1/25秒 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

1942年(昭和17年)頃に製造された車両の台車に装架されていた主電動機。
なお、ここの展示車ではなく、1200型や1400型に使われていたものだとのこと。
カットモデルになっているが、これほど間近で見られるのも展示施設ならでは。

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【2013年10月2日11時51分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.0 1/40秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

初期の電車の集電装置、トロリーポールも実物が展示されていた。
普段は屋根の上にあるものだが、これほど近くで見るとやはり大きい。
先端の車輪が架線を転がりながら集電する仕組みだが、離線しやすいこと、
折返しに際して、“ポール回し”が必要なことなど、使いにくいものであったので、
戦後は、背後に見えるビューゲルが主流となっていった。

ちなみに後ろの1510号車の屋根上にもビューゲルが見えている。
ポールより離線しにくくなったがトロリーポール同様、進行方向後ろ側を向いていないと
いけないため、折返しの際にビューゲルの向きを変えなければならず、
こちらはワンマン化に際して、Zパンタや菱形パンタなど他の集電装置に替わられた。

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【2013年10月2日12時47分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F4.0 1/25秒 +1/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

「大物」も展示されていた。
こちらは軌道関係。分岐器部分のレール、転轍機てこ、そして、レール運搬車。

0Y6C2525.JPG
【2013年10月2日12時38分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 105.0 mm 露出 F5.0 1/8秒 +2/3段補正 ISO800
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

路面電車のレールは、一般的な鉄道のレールと違って敷石やアスファルトで周囲を
かためられてしまうため、同じものも使われているけれど、独特のものもある。
かつては、溝付きタイプのレールが多く用いられていた。
足下を見れば、有蓋貨車の展示場所のレールが溝付きタイプだった。
(ほかの車両の“足下”はスペースの余裕が乏しかったこともあって未確認)

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【2013年10月2日12時15分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F6.3 1/100秒 +1/3段補正 ISO3200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

ショーケースに収められているのは、停留所のポールの上端部分。
ふだん余り気にして見ることのないものだが、横浜のそれは意外と凝ったデザイン。

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【2013年10月2日11時51分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.0 1/40秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

ちなみに、1311号車のところに復元された滝頭電停、そのポールで「いまなお現役」の
ものもあるのだが、ちゃんと写真には撮っていなかった...。

それから、モニュメント的なものも。

0Y6C2407.JPG
【2013年10月2日12時09分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F7.1 1/80秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

代表的なのは停留所標識。館内の多くの柱に掲げられていた。
その中から「横浜らしい」と感じられる標識を2つご紹介。

1つ目は、この朝、通ってきた「野毛大通」電停。こちらは市バスで通った。
ローマ字の書体が何だか懐かしい。

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【2013年10月2日12時08分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F6.3 1/100秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

もう1つは、長い名前が気に入ったというだけで「日本大通県庁前(大桟橋入口)」
副駅名(?)まで付いた長い名称。しかも「大桟橋」という名前に“ミナトヨコハマ”を感じる。

他にも同仕様の「阪東橋」「弘明寺」「浦舟町」「長者町五丁目」「州崎神社前」など
展示車の方向幕に入っていたものを中心に美しく磨き上げられた状態で展示。
やはり、地元の方にとっては馴染みの地名なのだろうか。

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【2013年10月2日13時17分】 横浜市磯子区・横浜市電保存館
<撮影データ>
Canon PowerShot SX100 IS
焦点距離 6.0 mm 露出 F4.0 1/160秒 ISO400 WBオート

エントランスに置かれた記念スタンプの設置台。
何とマスコンとブレーキハンドルが再利用されていた。

……  ……

でも、20年ぶりに訪れて「残念に感じた」点も。
今日の記事、アップが遅くなったのは、この話題を最初は全然違った形で書いていたから。
この保存館見学の感想を書いているうち、この国の“産業遺産”への理解のなさ、
さらには、わが国の“鉄道趣味界の成熟していない点”などテーマが広がりすぎて...

「軽薄な文体」、知性など微塵も感じさせない文章だけが“売り”の<鉄>ブログという
拙ブログの“本分”から遠ざかってしまった気がして、全文書き換えてしまった。

ただ、その“1つの例”だけ書いておきたい。

yokohama_panf_02.jpeg

20年前、入場時にいただいたパンフレットは、A4版6ページ相当(3つ折り)。
“表紙”は市内中心部を行く1200型。

中を開けば、車両写真と路線図、開業から全廃までの歴史を簡潔にまとめた文章、
説明板と同じような各車の紹介文、収蔵品の鉄道模型、おまけとして地下鉄の紹介。
内容豊富なパンフレットだった。

今回のものは厚手の紙を3つに折った細長いもの。つまり、総面積は小さくなった。
中身もキャラクターをあしらった館内の平面図が中心。

yokohama_panf_01.jpeg

そう、20年前は灰色のコンクリート製の柱が目立つ倉庫然とした雰囲気だった館内、
明るくなって、展示も映像資料などが増え、軽食や飲み物をひろげられるイスやテーブル、
ゆっくり過ごせるソファーなどが増え、楽しい場所にはなったのだろうが...

展示された車両も、末期のクリーム色に青帯ばかりでは単調だからということか、
現実とは違ったり、詳細がわからない塗装に塗り替えられたり...とマニア的には
ちょっと疑問に思わざるを得ないところもあった。

子どもでも楽しめる“レジャー施設”的な部分と
震災・戦争と激動の60年間を見てきた“街の近代化遺産・産業遺産としての市電の保存”、
保存館の2つの役割を、もう少しうまく融合させていってくれれば最高なのだが...

まぁ、そういうマイナス面を差し引いても、<変態鉄>にも見応え十分、
満足できたというのは、これは絶対間違いないのだが...

……  ……

ちなみに「市電保存館」という施設があるのは、横浜の他、仙台と大阪、
大阪は何かのイベントに合わせて公開日が設けられるが通常非公開。

そのほか、名古屋市交通局は「レトロ電車館」として、市電と地下鉄を保存・展示する
施設があり、札幌市交通局も類似のものがある。
(札幌の施設は、夏期の週末と雪祭り期間のみ開館)

近日中にそれらの施設で撮った過去写真もご紹介したいと思う。

さて、雨が強くなっていく中、ここから市バスに乗り込んで、
上大岡駅に向かったのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。


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コメント 6

johncomeback

僕も鉄旅には必ずスタンプ帳を持参します。
by johncomeback (2013-10-17 08:09) 

あるまーき

johncomebackさん

コメントありがとうございます。
駅だけでなく、見学先などで、見かけると捺さずには居られません。
スタンプの状態が悪かったり、インクが乾いてたりするとイライラしてしまいます。
by あるまーき (2013-10-17 09:42) 

たーぼう

日本大通県庁前 大桟橋入り口の電停名で検索して訪問しました。我が家には昔から、市電の電停があるのです。
日本大通県庁前(大桟橋入り口)の!ただ、保存館にあるものとは違って、前後の電停名は入っていませんが。
当時から掃除せずそのままの状態で保管してきましたが、綺麗にするべきでしょうか。
また保存館に寄贈するべきかも悩みます。

保存館、自分も昔行きましたが、あの殺風景な館内が好きでした。


by たーぼう (2015-06-15 22:30) 

あるまーき

たーぼうさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
横浜の保存館に行ったのも、もう2年近く前になり、コメントを頂戴して記事を読み直し、懐かしく思い出しておりました。

それにしても、電停標識をお持ちとは羨ましいです。
「見てみたい!!」とも思いますが、たーぼうさんにとって、思い出の品かと思いますので、ぜひ、大切に保存なさってください。

自分も20年ぶりの訪問だったのですが、館内がリニューアルされて明るくなったので、写真は撮りやすくなりましたが、「保存館」というより子ども連れの方のレジャースポット的な色合いが強くなったように感じました。
昔の素朴な感じの方が、充実していたような気もします。

by あるまーき (2015-06-16 00:14) 

たーぼう

コメント返して頂けて嬉しいです。
電停標識は親父が滝頭(恐らく)で廃止時に購入したものです。前後の電停名が無いのは、恐らく安全帯に設置されていたものかな?と思っていますが…

自分もブログやっていますのでそこに写真載せてみますね♪
愛車の整備、改造、時々鉄分といったかんじです。

一番好きな車両は相模鉄道の6021と国鉄103系及び派生車種です。

では宜しくお願い致します。
by たーぼう (2015-06-16 02:52) 

あるまーき

たーぼうさん

コメントありがとうございます。
ブログの方も、ちょっとだけお邪魔させていただきました。
こんどじっくり読ませていただきたいと思います。電停標識の写真も楽しみにしていたいと思います。

103系は「当たり前の存在」と思っていたら、ほとんど撮ることもなく、ほんとあっという間になくなってしまいました。自分は、低運転台車が好きでした。大学時代は通学に中央線を使っていたので、緩行線の103系を見るとテンションが上がったものです。

横浜市電の現役時代は見ることができなかった世代ですが、保存館や当時の写真を見るにつれ、トンネル区間があったり、四輪単車が長らく残っていたり、きっと撮っても乗っても面白い路線だったのだろうなぁ...と思います。

拙いブログではありますが、また、お越し頂ければ幸いです。
by あるまーき (2015-06-16 09:11) 

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