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13. 夏の夕暮れ、誰もいない駅(本線・経田駅②) [探訪!! ちてつ百景]

前編の記事から、かなり日があいてしまった。
富山地鉄を乗り歩きながら、“昭和”を感じさせるアイテムを探す、このシリーズ、
第13回は、前回に続いて「経田(きょうでん)」の駅。

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【2012年8月3日16時12分】 富山地鉄本線・経田-電鉄石田(後追い)
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 70.0 mm 露出 F6.3 1/1250秒 +1/3段補正 ISO400
シャッター速度優先AE AIフォーカスAF WBオート

魚津市と黒部市の境界は片貝川。日本海に注ぐ、それほど大きくない川。
その鉄橋で、地鉄電車を<撮り鉄>した帰り道で、この駅に立ち寄った。

……  ……

♪誰もいない駅、2人の...

って、歌なかっただろうか。いや、ある訳ない。日本海には近くても海は見えない。
8月のある夕方に訪ねた無人駅、普段は高校生たちでごった返すのかも知れないが、
この暑い午後の駅舎内には誰もいないのだった。

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【2012年8月3日16時41分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F13.0 1/400秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

風格のある木造駅舎、その歴史は以前ご紹介した通りだが(→ こちら)、
その駅舎を観察してみると、そこにはまるで時間の流れが止まったかのような
光景が広がっていた。

……  ……

昭和5年に開業した石田港駅舎を移築したという、現在の経田駅舎。

0Y6C3265.JPG
【2012年8月3日16時46分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F11.0 1/250秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

ドアがアルミサッシ化されていても、懐かしさは十分に残っている。
その駅舎の中を見渡してみると...

0Y6C3263_2.JPG
【2012年8月3日16時45分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 65.0 mm 露出 F4.5 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

1つの広告看板に目がとまった。なんの変哲もない看板に見えるが、
下の方の赤い文字をよく読んでみると「桜井駅から西」、
そう「電鉄黒部」ではない。「電鉄桜井」の駅名が使われたのは、
1951年(昭和26年)から1989年(平成元年)までの間。
いまも、「桜井駅」が現役で残っているのだ。

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【2012年8月3日16時49分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F5.6 1/80秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

手書きで掲げられた運賃表も、マニア心をくすぐる一品。
1997年に廃駅になった「上横江」が空欄のまま残されているほか、
「大川寺」も画像を拡大すると、うっすらと「大川寺遊園」の文字が透けていた。
(画像を圧縮してしまったのでわかりづらいが...)

さて、ここで今日は2枚。

0Y6C3283.JPG
【2012年8月3日16時50分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 100.0 mm 露出 F5.0 1/25秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

誰のものだろうか、駅舎の片隅に、麦わら帽子がかけれていた。
鏡に映るその姿が、ちょっと寂しげな気がしたが...

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【2012年8月3日16時56分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 300.0 mm 露出 F5.6 1/200秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

そして、窓。穴の位置を合わせて回して締める、このタイプの鍵。
自分の通った小学校の窓に、当時(一部だが)このタイプが残っていた。
1つ1つの窓ごとに、穴を合わせるコツがあったはず。そのちょっと持ち上げる感覚...
あれを覚えていないと、いくら力を入れても全然ダメだったはず。
懐かしかったが、経田駅舎の鍵のコツはわからずじまい。

……  ……

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【2012年8月3日16時57分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F5.6 1/80秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

そろそろ、電車がやってくる。
誰もいない改札口を抜けて、ホームに上がろう。

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【2012年8月3日16時49分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F5.0 1/60秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

主のいなくなった後も、筆書き文字の看板「定期券拝見」。
そう言えば、自分も、小学生の頃、定期券をかざして颯爽と改札口を通過する
電車通学の友達を見て憧れたものだ...。高校生のときに実現したっけ。

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【2012年8月3日16時47分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F8.0 1/125秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

振り返ると、ホームに向かう自分を古びた駅舎が見守ってくれていた。
いくつも見てきた木造駅舎だが、サッシが木製で残っていたのは少ない。
立て付けの悪い所はあったが、ちゃんと開閉できた。

0Y6C3277_9.JPG
【2012年8月3日16時47分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F5.0 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

軒先に踏切の遮断棒があるのは、この小さな駅の駅員さんが踏切故障の
応急処置をするためか、それとも、保線要員の配置があったのか。

0Y6C3258_t.JPG
【2012年8月3日16時47分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 100.0 mm 露出 F6.3 1/125秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

駅舎の左隅には琺瑯の駅名看板。他の駅でも見られる日本酒の広告は
あとから設置された白い箱に隠されてしまっていたが...

……  ……

駅舎の裏手、トイレの横に湧き水を見つけた。
手を洗ってみると、ひんやりして気持ちよかった。

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【2012年8月3日16時43分】 富山地鉄本線・経田駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F10.0 1/320秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

さぁ、向こうの方から電車がやってきた。

(※)この記事の現地訪問に関しては、拙ブログの読者のお1人@赤坂さんより
貴重な助言を頂戴しました。1人称で記載している部分も、一部、そのときのお話を
参考にして書いております。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 7

macinu

この寂れた感がいい感じです~
by macinu (2012-09-09 04:06) 

やぶお

富山地鉄シリーズ・・・毎回楽しみにしています。
地元の方にはただの駅なのでしょうが、
地鉄初心者の私には興味を惹かれるものばかりです。

車両にストラクチャーと、
とても半日や一日では廻りきれませんね。
一度行ったらまた病み付きになりそうです。
有益なレポートをありがとうございます。


by やぶお (2012-09-09 14:13) 

あるまーき

☆ macinuさん

コメントありがとうございます。「古くて寂れている」のは確かなのですが、無人駅であっても、荒廃している様子はなく、地元の方が大切に手入れされているので、こういう駅舎を見るとじっくり観察したくなります。

☆ やぶおさん

いつもありがとうございます。
そうですね。地鉄線には行けば行くほど嵌ってしまいます。
立山連峰を見ながら、<乗り鉄>するだけでも十分楽しめますが、
こういう途中下車も楽しいですね。
続編も書きたいと思いますので、ぜひ、ご覧戴いただけたら幸いです。
by あるまーき (2012-09-09 16:28) 

T1000

あるまーき さん、はじめまして

ご訪問ありがとうございます(^^)
木造駅舎の風情はほんとにいいものですね、自分も時間が出来たらこういう駅舎を撮りに旅をしたいものです♪
by T1000 (2012-09-09 18:13) 

あるまーき

T1000さん

はじめまして。コメントありがとうございます。
地鉄は、北陸本線と並走する区間が長いのですが、北陸特急との並びを撮ろうにも、683・681ばかりで、どれもマーク無し、あとで時刻表と見比べて、編成の特徴を見て、何号との並びなのかを調べる始末。ヘッドマークつきの列車で撮りたかったものです。
さて、こういう木造駅舎、なかなかキレイな状態で残っていない上、気付いて出かけてみると、改築された後だったり...、旅行先で立ち寄った駅舎を観察してみると、古い駅だと結構、貴重な発見ができたりしますね。
by あるまーき (2012-09-09 18:28) 

@赤坂

雰囲気の近い歌ですと、トワエモアの「誰もいない海」がありますね。

かゆいところに手の届く細やかな紹介記事、近隣住民の私も再訪してみたくなるような、すばらしい記事です!!
by @赤坂 (2012-09-09 19:14) 

あるまーき

@赤坂さん

過分なコメント、恐縮しております。
冒頭の歌詞ですが、実は何も考えていませんでした。
とりあえず、南沙織の「17才」のパクリです。(って、わかんないところですよね。ちなみに、この歌手は現在、某有名写真家の奥さんです)

さてさて、このシリーズですが、仕事が順調に片付けば、今期最後の上滝3連も兼ねて、9/30-10/1に続編の現地取材を敢行予定ですので、
どうぞご期待下さい。
by あるまーき (2012-09-09 19:49) 

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