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番外編 期間限定(?)のテレビカー(鉄道線全線) [探訪!! ちてつ百景]

今春、突如として「かぼちゃ電車」10030形の8本のうちの1本が
その出自である京阪3000系時代の「京阪特急色」に塗装復元された。

0Y6C2802.JPG
【2012年8月3日6時35分】 富山地鉄上滝線・大庄-月岡(後追い)
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F7.1 1/800秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

地鉄移籍後、しばらくはこの塗装を保っていた編成もあったが、
21世紀になるのを前に、突然の京阪カラー復活、しかも「鳩マーク」付きは
沿線でカメラを構える、われわれにとって、嬉しい限りだった...
これが、伏線となっていた。

……  ……

7月に入って京阪電鉄から、3000系特急電車の引退が発表された。
8000系によって置き換えられ、2連8本が富山地鉄に移籍、10030形として活躍中。
台車もモーターも交換され、2両編成と短編成化されたが、
黄色と緑の塗り分けは、沿線の子どもたちから「かぼちゃ電車」とあだ名され、
すっかり富山の顔となっていたこの電車たち。

その中で、1編成だけは京阪電鉄に残り、
8030形と呼び名を変えながらも京阪特急に活躍してきた。
その、京阪に残った3000系最後の1本が来春までに引退するのだという。

それを知ってから考えると、地鉄での車両の検査周期の関係か、
話が前後してしまうことになったのだが、
要は「京阪3000系引退イベントの一環」として地鉄に残る同系電車が
当時の塗装に復元されたということだったのである。

http://www.chitetsu.co.jp/train/keihan_revival_2012.pdf

でも、プレスリリースを読むと、復元されたのは塗装だけではなかった。
そう、つまり、京阪特急と言えば「テレビカー」、
1954年9月、京阪電車の車内に取り付けられた松下電器製のテレビで
NHKの番組放送が開始。当時、白黒テレビとはいえ、「走る街頭テレビ」ともてはやされた。
「時代の変化」の中で、21世紀に入ってからはテレビの撤去が進められ、
本家の方での「テレビカー」はすでに過去のものになったが、
これも「復元」されるという。

0Y6C2789.JPG
【2012年8月3日5時47分】 富山地鉄本線・電鉄富山駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F4.0 1/50秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

このロゴも京阪時代を忠実に再現している。

この地鉄10030形、つまり京阪3000系は当初からカラーテレビ搭載で登場したはず。
聞くところでは、地鉄移籍後もテレビ搭載は引き継がれ、車内ではナイター中継や
NHKニュースが放映されたという。
しかし、地鉄のワンマン化に伴い、運賃表示器などが必要となり、
こちらのテレビも撤去されていた。

0Y6C2796.JPG
【2012年8月3日5時49分】 富山地鉄本線・電鉄富山駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F7.1 1/125秒 -1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

さて、「完全地デジ化」後、初めてのテレビカー、
天井から、重たい、四角いブラウン管テレビをぶら下げる時代ではなく...
「どうするんだろう?」と、いつも通り、余計な心配をしていたら、
今月初めに上滝線を撮影に行く際、早朝の岩峅寺ゆきでこの電車に乗り合わせる
機会を得た。この時点ではテレビ放映ははじまっていないが...

0Y6C2784.JPG
【2012年8月3日5時46分】 富山地鉄・モハ10034車内
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 70.0 mm 露出 F5.0 1/30秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB白色蛍光灯

2連の上市側、モハ10034の連結面に薄型テレビ発見!!
見れば、SHAPEのロゴがある。AQUOSということ、ちなみに、京阪時代は
沿線に工場があることから、松下電器、後に三菱電機のテレビだったという。

0Y6C2785.JPG
【2012年8月3日5時46分】 富山地鉄・モハ10034車内
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 105.0 mm 露出 F5.0 1/15秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WB白色蛍光灯

その左側の壁面にこんな機器が設置されていた。
理系出身でありながら、メカには疎い自分、これが「地デジ」用の機器か
どうかは自信がないのだが...

……  ……

まだ、地鉄のテレビカー、自分はテレビ放映を視ていないのだが、
やはり、NHKを流すのだろうか、音声はどうするのか?
(各座席の音声切り替えスイッチは、地鉄移籍後に撤去済み)

次の富山訪問時に乗って確認してみたい。

アルプスエキスプレスは元西武特急レッドアロー、一方、こちらは京阪特急3000系、
東西私鉄の花形特急電車が、風光明媚な富山の地で余生を送っている。
これらの並びも、キッチリ撮っておきたいものだ。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 6

arail206

アンテナはどうなっているんでしょうか? 気になって眠れません(^^)
チューナーとディスプレイを分けちゃったんですかね・・。
ところで我が家ではまだまだ30インチブラウン管がメインです。
by arail206 (2012-08-17 13:19) 

あるまーき

arail206さん

コメントありがとうございます。
そうですね、言われてみたら外部にアンテナが付いていることはほぼ間違いないわけで、車内のテレビに気を取られて、外観の変化を観察することをスッカリ忘れておりました。いつもながら、頭の悪い自分です。
次回、訪問時にこの車両と巡り会えたら、じっくり観察してみたいと思います。

P.S. ブラウン管テレビ、やっぱり良いですよね。
by あるまーき (2012-08-17 19:05) 

あおたけ

この地デジ時代にテレビカー復活とは、
なかなか粋な計らいですね~!
でも音声はどうするのでしょう・・・
座席壁のイヤホンの穴はまだ生きているのでしょうか?
なにはともあれ、車体サイドのこの懐かしいロゴが
復活しただけでも、ファンにとっては嬉しいですよね。
by あおたけ (2012-08-17 22:57) 

あるまーき

あおたけさん

コメントありがとうございます。
座席横の音声切り替えとイヤホンジャック、現在では残っていなかった気がします。アンテナがどうなっているか、音声はどうしているのか、それ以前に、どのチャンネルを選局するのか(NHKが有力?)、など、このテレビカー・リバイバルは興味の尽きない話題となりました。次回、訪問時に乗車して確認してみたいと思います。

なお、幕板部のロゴは上市方(テレビの付いた方)の1両だけで、京阪時代の切り文字ではなく、ペイントとなっています。
by あるまーき (2012-08-17 23:17) 

triguraf

元京阪の3000系の車内、20年ぶりくらいに見ました。色々といじられてはいますが、転換クロスシートとか雰囲気変わってないですね~。     京阪時代は、シートを淀屋橋と三条京阪へ自動転換するのが名物でしたが、今でも自動転換してるのかな?
by triguraf (2012-08-22 23:10) 

あるまーき

trigurafさん

コメントありがとうございます。
エンジ色のモケットが張られた転換クロスシートは(少々くたびれてきましたが)健在ですが、自動転換は、機能自体残っていないかと思います。
地鉄では、現在、全車が転換式と回転式のクロスシートですが、乗客も進行方向にシートを向ける習慣はあまりないようで、途中、上市でのスイッチバックでも終着駅でも、シートの向きを変える人の方が少数派だったりします。稲荷町の車庫から出庫してくる電車は、転換シートを4人分ずつボックスシートのようにセットされているようです。
by あるまーき (2012-08-22 23:20) 

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