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ゴハチニハチ最後の「急行」を撮ったとき <後編> [アナログ写真保管庫]

昨日に引き続いて、2004年5月に走った臨時急行「但馬」撮影記。
キハ58系のうち、鳥取で最後まで山陰本線の普通・快速で活躍したグループの
“お別れ運転”は2004年3月の急行「白兎」と5月の「但馬」。
これが、山陰線で活躍した同車にとって最後の晴れ舞台だった。
……  ……

昨日の記事では、山陰線経由で大阪までの回送を二条駅で撮影したところまでを
まとめた。今日はその続きだが、急行「但馬」関連の運転時刻が見つかったので...

<2004年5月1日>
回9842D  豊岡 7:51 → 11:23 向日町(山陰経由、二条通過は11:03)

<2004年5月2日>
回9943D 向日町 7:01 → 7:28 大阪
 9611D 大阪 7:45 → 10:57 豊岡(急行「但馬」 竹田通過は10:21)
 9612D 豊岡 15:30 → 19:10 大阪(急行「但馬」 竹田通過は16:22)
回9942D 大阪 19:19 → 20:18 向日町
回9843D 向日町 21:25 → (ヨ)0:38 豊岡(山陰経由、福知山 23:40-44)

こんな感じ。車両は豊岡に来ており、これが山陰線経由で向日町(京都総)に回送、
翌朝、急行「但馬」となって姫路から播但線回りで豊岡を往復、
当日の深夜に山陰線経由で豊岡に返却される...という結構なハードスケジュール。

……  ……

2004年5月2日(日) 晴れ

福知山 7:05発の豊岡ゆき、クモハ112-3813という、あのヤッツケ仕事的改造車で
撮影地に向かったと、当日の旅行メモには記載がある。(メモがあるなんて珍しい!!)

和田山駅から徒歩20分ほどの「七味踏切」が今日の最初の撮影地。
相当余裕を持ってでてきたが数名の先客、9時過ぎには20名を超え、
<撮り鉄>の駐車をめぐり地元の方とトラブルになり、パトカーが来たとのメモ。

200405_tazima1_01.jpeg
【2004年5月2日】 播但線・竹田-和田山

そんな中を、10時過ぎに、ほぼ定刻で急行「但馬」が通過。
暑いくらいの天候も、窓から手を振る人が多いのはイベント列車ならでは。

すかさず、和田山駅に引き返し、直後の特急「北近畿」で豊岡に駆けつけた。
急行「但馬」の折返し間合いを利用して、構内で撮影会が行われるから。
荷物になるのに、駅弁を購入してから豊岡駅構内の撮影会場。
正午を前に、急行「但馬」編成の周囲はロープが張り巡らされていたが、
家族連れ、撮り鉄、一般の旅行客と混乱を極めた。
係員がハンドマイクで「列車はしばらく動きませんから、ゆっくりと...」

200405_tazima1_09.jpeg
【2004年5月2日】 豊岡駅構内

正午にキハの周囲が開放され、しばらく待つと落ち着いて撮影できた。
順番を待てば、人混みも気にならず形式写真が撮れる程度。

200405_tazima1_06.jpeg
【2004年5月2日】 豊岡駅構内

キハ58「但馬」編成の他、除雪仕様のDE15とこの「セイシェル」も展示されたが
この日ばかりはゴハチニハチが主役。セイシェルの周囲にはかわいそうになるくらい
カメラを構える人が少なかった。

除雪機関車の「ターンテーブル実演」とか「急行・但馬 運転時刻表抽選会」とか
面白そうなイベントは午後も続いていたが、豊岡 12:54発の福知山ゆき。
そう、復路の撮影地を確保しないといけない。

tazimabento.jpeg

満員の113系2連の車内で恥ずかしげもなく、開いた駅弁がコチラ。
最近のJR西日本のイベントで定番となった「特製駅弁」シリーズ。
まさか、餘部鉄橋をゆくゴハチニハチが駅弁の掛け紙になるとは...
この日だけのコレが目当てだったのだ。ちなみに中身は、ごくごく普通の幕の内。

さて、また訪れたのは和田山-竹田間。さっきの踏切より竹田側にある立体交差が
夕方は順光だと、雑誌で読んだからだ。

し・か・し、

その手前「枚田中通」バス停付近で何人かがカメラを構えていた。
近くに行ってみると悪くはなさそう。先客の方が、
「(立体交差のポイントは)見たくないくらいの人だかり」
親切にもオペラグラスを貸して下さり、立体交差の様子を見せて貰った。
「たしかに!!」、狭い陸橋に何十人もいた。
というわけで、あっさりこの地点に変更。除雪用の標識だろうか、
ちょっと目障りな棒があったが、比較的スッキリと撮れた。

20040502_tazima_hukuro_1.jpeg
【2004年5月2日】 播但線・和田山-竹田

16時を回って太陽が期待できなくなり、ポジ派の方は困っていたが、
「ISO400のネガ」という本格派の方から笑われそうな装備の自分は余裕。
ここも最後は20名くらいがカメラを構えた。

……  ……

夕方、福知山のホテルに帰って夕食を済ませ、再び深夜の駅に向かった。
そう、豊岡への回送をバルブ撮影。これが最後の撮影チャンス。

2004002_tazima_barubu_1.jpeg
【2004年5月2日】 山陰本線・福知山駅

地平ホームだった福知山駅。改札前の1番ホームで、2番ホームに入るという
回送列車を狙った。ホームには相当数の三脚が並んだが...
23:40過ぎに入線してきたキハ58編成、ヘッドライトがハイビーム。
「減光して~~!!」めいめいに出せるだけの声で叫んだが、
運転士さんにその声は届かなかったようだ。

バルブ撮影は、最後のゴハチかも知れなかった、その撮影は「ハイビーム撃沈」。

……  ……

結局、夜のホームのキハ58系「納得の1枚」は、2011年1月の西富山まで
7年近くお預けになったのである。

そして全車廃車のはずだった鳥取所属のキハ58+キハ28のうちの2両が、
福井豪雨の影響で分断された越美北線への応援に急遽駆り出され、
2007年春まで、福井の地で、ひっそりと最後のご奉公をしたあと(→ こちら)、
松任でその最期を迎えたのだった。

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コメント 4

やぶお

また遊びに来ました。
急行(但馬)迫力の5連ですね。
8年前にはこんな列車が走ったのですね。
そして今と同じようなたくさんのカメラの砲列を浴びて・・・

レポートを拝見して、あるまーきさんのゴハチニハチにかけるおもいがひしひしと伝わってきました。
夜の回送までモノにしようというやる気・・・大いに見習いたいです。
よいお写真をありがとうございました。


by やぶお (2012-07-20 07:08) 

あるまーき

やぶおさん

コメントありがとうございます。
ゴハチニハチが、長編成で「急行」として本当に活躍していた時代を知らない世代の自分にとって、こういうシーンは一度は撮ってみたかったものでした。やはり、急行型の車両には、白地に赤文字の「急行」が一番良く似合っています。

夜の回送まで...、「撮れるだけ撮らないと損」というくらいのケチな人間だからかも知れません。でも、撮影機会を増やすことばかりに夢中になって「安全策」というか「ありきたりの写真」を量産してしまうのが自分の悪いところなのですが...。
by あるまーき (2012-07-20 09:33) 

あおたけ

キハ58のカッコよさはもちろんのこと、
「セイシェル」の懐かしさに目が留まってしまいました。
数多くあった改造キハの中でも、コレは何とも言えない
カッコわるさがありましたよね。。。(ファンでしたらスミマセン)

私はどちらかというと、キハ58はパノラミックよりも平窓派なので、
この編成はまさに垂涎もののカットです!
by あおたけ (2012-07-20 19:47) 

あるまーき

あおたけさん

自分もゴハチニハチは「平窓」派です。でも、パノ窓も「希少性」も手伝って、ありがたく撮影していました。パノ窓の後期車の方が、洗練されたデザインかも知れませんが、「急行型気動車」のイメージにしっくり来ない気がします。

JR初期に大流行したジョイフルトレインも、最近ではめっきり見かけなくなりましたが、名作とゲテモノが半々くらいでしょうか。「セイシェル」は...、何も言わないことにします(狙って撮ろうとしたことはありませんでした)。
by あるまーき (2012-07-20 20:07) 

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