消印の中の鉄道(37)香川県 コトデンそごう内郵便局 [消印の中の鉄道情景]
久々にこのシリーズ。
郵便局の何局かに1局の割合で、消印に局周辺の名所などの図柄入りのものがある。
そのうち、期間を決めず、いつでも消印として使われているのが風景入通信日付印。
ちなみに「日付印」は正式には「にっぷいん」と読むらしい。最近まで知らなかった。
局の窓口で「風景印ありますか?」といえば、通じるのである。
記念スタンプと違ってスタンプ帳に勝手に捺して良いものではなく、
額面52円以上のハガキか切手を貼ったものか、
あるいは、実際に発送する郵便物が必要である。
<変態鉄>は普通ハガキを1枚買って、そこに捺してもらって持って帰ることに
している。1回あたり52円かかるが、確実に、その押印日が記録に残るのでありがたい。
そんな中から、局の改称・廃局で、いまでは見ることができないこの風景印を。
…… ……
さて、かつて、私鉄には私鉄らしいターミナル駅があった。
【2012年8月2日17時10分】 富山地鉄本線・電鉄黒部駅
阪堺電車の住吉公園電停だってそうだし、富山地鉄の電鉄黒部や寺田、岩峅寺
などにもそんな雰囲気があるように思える。
東京でも、地下化されてオシャレになる前の東横線渋谷駅、
さらに、90年台までは井の頭線渋谷駅だって、私鉄のターミナル駅に相応しい
風格をそなえた駅だったように思う。
一度しか行ったことがないが、大阪の南海汐見橋駅など風格というより貫禄のような...
堂々とした感じ。“時間が止まったような”とは、ああいう雰囲気を指すのだろうか。
ああいう駅舎、ホームの雰囲気は特に堪らないのである。
国鉄 → JRのターミナル駅とは異質の、私鉄ターミナル駅の風格というのを感じる。
ただ、<変態鉄>がその魅力に気づいてカメラを向けるようになった頃には、
都心部のターミナル駅は再開発の名の下に詰まらない高層ビルに化けてしまい、
地方私鉄のものは経営合理化のため、必要最小限のプレハブのような駅舎や
商業施設併設の駅ビル...というか店舗の一角に間借りしたような駅になっていった。
さて、今回、訪れた高松琴平電鉄、コトデンのターミナル駅である瓦町駅。
【2015年8月1日12時09分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町付近(車内から撮影)
お濠端にある始発駅・高松築港から琴電琴平ゆきに乗って2つめの駅が瓦町。
片原町駅から、商店街の中を進んでいった電車は大きなビルの1階部分に
吸い込まれていく。
でも、この駅もかつては、地平のターミナル駅として風格をそなえた駅だったという。
あいにく<変態鉄>がコトデンを初訪問する何年か前に建て替えられてしまったのだ。
そう、高松の繁華街の真ん中にある瓦町駅を古くさい地平駅のまま置いておくのは
もったいないと思ったのだろうか、当時のコトデンが社運を賭けて(?)、駅ビル化。
【2015年8月1日13時57分】 高松琴平電鉄琴平線・瓦町駅
いまでは、味気ない、まるで地下駅のような薄暗いホームに電車が発着するように
なってしまった。
【2015年8月1日13時51分】 高松琴平電鉄・瓦町駅付近
ちょうどいまから20年近く前に完成した、その瓦町駅ビルのメインとなるテナントが
「コトデンそごう」デパートだった。
それに合わせて「コトデンそごう内郵便局」は1997年4月に駅ビル内に開局。
でも、そごう自体の経営の行き詰まりもあって、コトデンそごうデパートは
数年であっさり撤退。2002年にはビル内の郵便局も「高松コトデンビル内郵便局」に
改称されている。そごうから岡山にあるデパートが経営を引き継ぐことになった。
【2015年8月1日13時57分】 高松琴平電鉄・瓦町駅
でも、その百貨店も、つい最近、香川県から撤退。今秋に専門店街として再オープンすべく
改装工事中として駅ビル内はパネル壁で覆われていた。
それに合わせて、同局も廃局になったみたい。
ちなみに、この瓦町駅ビルの失敗はコトデン本体の経営にも影を落とした。
2000年代初頭には高松琴平電鉄は民事再生法の適用を受けるに至った。
それによる経営再建の中で、<変態鉄>が、もっと撮りたかった旧型電車たちも、
冷房付きの大手私鉄からの譲渡車に世代交代、現役を退いたのだった。
【2015年5月3日10時00分】 高松琴平電鉄琴平線・岡本-一宮
それでも、旧型車4両を動態保存車に指定して、定期的に運転日を設けてくれる
そんなコトデンの姿勢は、<変態鉄>としても嬉しい限り。
さて、再び「コトデンそごう内郵便局」の風景印。
印影があまりハッキリしていなくて...
左には瓦町の駅ビル、当時のコトデンそごうが描かれており、その右下に電車。
【2015年5月3日17時15分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅
屋根の部分のカーブや前照灯、運転台窓上の表示幕など、現在もコトデンの主力車と
して活躍中の、もと京急1000系の特徴をよく掴んでいる。
【2015年5月3日17時55分】 高松琴平電鉄・瓦町駅
この風景印を捺してもらって、早15年が過ぎようとしている。
そごうが天満屋を経て、専門店街に衣替えしても、駅ビルの外観はそれほど変わらず、
瓦町駅はあいかわらずのにぎわいだった。
という訳で、「コトデン繋がり」でちょっと古い風景印の話題を。
それにしてもこの記事、書いていて何だかネガティブな話ばかりになってしまって
何度も書き直したのだが...、う~ん、もうちょっと。
かつての地上駅だった頃の瓦町駅を一度で良いから見てみたかった...
そんなことを思っている<変態鉄>なのだった。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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郵便局の何局かに1局の割合で、消印に局周辺の名所などの図柄入りのものがある。
そのうち、期間を決めず、いつでも消印として使われているのが風景入通信日付印。
ちなみに「日付印」は正式には「にっぷいん」と読むらしい。最近まで知らなかった。
局の窓口で「風景印ありますか?」といえば、通じるのである。
記念スタンプと違ってスタンプ帳に勝手に捺して良いものではなく、
額面52円以上のハガキか切手を貼ったものか、
あるいは、実際に発送する郵便物が必要である。
<変態鉄>は普通ハガキを1枚買って、そこに捺してもらって持って帰ることに
している。1回あたり52円かかるが、確実に、その押印日が記録に残るのでありがたい。
そんな中から、局の改称・廃局で、いまでは見ることができないこの風景印を。
…… ……
さて、かつて、私鉄には私鉄らしいターミナル駅があった。
【2012年8月2日17時10分】 富山地鉄本線・電鉄黒部駅
阪堺電車の住吉公園電停だってそうだし、富山地鉄の電鉄黒部や寺田、岩峅寺
などにもそんな雰囲気があるように思える。
東京でも、地下化されてオシャレになる前の東横線渋谷駅、
さらに、90年台までは井の頭線渋谷駅だって、私鉄のターミナル駅に相応しい
風格をそなえた駅だったように思う。
一度しか行ったことがないが、大阪の南海汐見橋駅など風格というより貫禄のような...
堂々とした感じ。“時間が止まったような”とは、ああいう雰囲気を指すのだろうか。
ああいう駅舎、ホームの雰囲気は特に堪らないのである。
国鉄 → JRのターミナル駅とは異質の、私鉄ターミナル駅の風格というのを感じる。
ただ、<変態鉄>がその魅力に気づいてカメラを向けるようになった頃には、
都心部のターミナル駅は再開発の名の下に詰まらない高層ビルに化けてしまい、
地方私鉄のものは経営合理化のため、必要最小限のプレハブのような駅舎や
商業施設併設の駅ビル...というか店舗の一角に間借りしたような駅になっていった。
さて、今回、訪れた高松琴平電鉄、コトデンのターミナル駅である瓦町駅。
【2015年8月1日12時09分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町付近(車内から撮影)
お濠端にある始発駅・高松築港から琴電琴平ゆきに乗って2つめの駅が瓦町。
片原町駅から、商店街の中を進んでいった電車は大きなビルの1階部分に
吸い込まれていく。
でも、この駅もかつては、地平のターミナル駅として風格をそなえた駅だったという。
あいにく<変態鉄>がコトデンを初訪問する何年か前に建て替えられてしまったのだ。
そう、高松の繁華街の真ん中にある瓦町駅を古くさい地平駅のまま置いておくのは
もったいないと思ったのだろうか、当時のコトデンが社運を賭けて(?)、駅ビル化。
【2015年8月1日13時57分】 高松琴平電鉄琴平線・瓦町駅
いまでは、味気ない、まるで地下駅のような薄暗いホームに電車が発着するように
なってしまった。
【2015年8月1日13時51分】 高松琴平電鉄・瓦町駅付近
ちょうどいまから20年近く前に完成した、その瓦町駅ビルのメインとなるテナントが
「コトデンそごう」デパートだった。
それに合わせて「コトデンそごう内郵便局」は1997年4月に駅ビル内に開局。
でも、そごう自体の経営の行き詰まりもあって、コトデンそごうデパートは
数年であっさり撤退。2002年にはビル内の郵便局も「高松コトデンビル内郵便局」に
改称されている。そごうから岡山にあるデパートが経営を引き継ぐことになった。
【2015年8月1日13時57分】 高松琴平電鉄・瓦町駅
でも、その百貨店も、つい最近、香川県から撤退。今秋に専門店街として再オープンすべく
改装工事中として駅ビル内はパネル壁で覆われていた。
それに合わせて、同局も廃局になったみたい。
ちなみに、この瓦町駅ビルの失敗はコトデン本体の経営にも影を落とした。
2000年代初頭には高松琴平電鉄は民事再生法の適用を受けるに至った。
それによる経営再建の中で、<変態鉄>が、もっと撮りたかった旧型電車たちも、
冷房付きの大手私鉄からの譲渡車に世代交代、現役を退いたのだった。
【2015年5月3日10時00分】 高松琴平電鉄琴平線・岡本-一宮
それでも、旧型車4両を動態保存車に指定して、定期的に運転日を設けてくれる
そんなコトデンの姿勢は、<変態鉄>としても嬉しい限り。
さて、再び「コトデンそごう内郵便局」の風景印。
印影があまりハッキリしていなくて...
左には瓦町の駅ビル、当時のコトデンそごうが描かれており、その右下に電車。
【2015年5月3日17時15分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅
屋根の部分のカーブや前照灯、運転台窓上の表示幕など、現在もコトデンの主力車と
して活躍中の、もと京急1000系の特徴をよく掴んでいる。
【2015年5月3日17時55分】 高松琴平電鉄・瓦町駅
この風景印を捺してもらって、早15年が過ぎようとしている。
そごうが天満屋を経て、専門店街に衣替えしても、駅ビルの外観はそれほど変わらず、
瓦町駅はあいかわらずのにぎわいだった。
という訳で、「コトデン繋がり」でちょっと古い風景印の話題を。
それにしてもこの記事、書いていて何だかネガティブな話ばかりになってしまって
何度も書き直したのだが...、う~ん、もうちょっと。
かつての地上駅だった頃の瓦町駅を一度で良いから見てみたかった...
そんなことを思っている<変態鉄>なのだった。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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