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下北半島へ、憧れの「キハ22」に会いに(17)

国鉄末期、「特定地方交通線」に指定された路線は順次、廃線(バス転換)か第3セクター方式への転換を迫られ。
そんな中で、ある種、例外的に地元企業が引き継ぐことになったのが、この下北交通大畑線と弘南鉄道黒石線だった。いずれも、すでに廃止になっている。
両線とも、キハ22形が国鉄から譲渡されたこと、そして、青森県内の路線であることも共通項だろうか。

この大畑線を引き継いだ下北交通は、この日、自分も利用したがこの地区で路線バスを走らせてきた会社。
国鉄大畑線を引き継ぐにあたって、「下北交通」という社名に変えたのだとか。地元のバス会社なら、代行バスを引き受ければよかった筈だが...

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【2023年10月8日14時19分】 旧 南部縦貫鉄道線・七戸駅

この大畑線が第3セクターではなく地元のバス会社が引き継ぐことになったのは、このレールバス...、下北半島の“根元”にあたる野辺地駅に来ていた南部縦貫鉄道の存在が大きかったようで。

南部縦貫は、開業時から沿線は人口希薄な地域。そんな中、砂鉄を使った製鉄所ができるのを期待して...、その線が消えた後は沿線の学校の給食業務とかゴミ回収とか、他の事業で食いつなぎながら、盛岡からの東北新幹線が延伸されるのを夢見て、走っていたという。
その新幹線開業後を見据えて、下北半島周辺への進出を企図して、南部縦貫鉄道が当初、大畑線の引き受けたいに手を上げたという。

自分のテリトリーを脅かされることになった下北バスは、黙っている訳にはいかず。鉄道営業のノウハウなど皆無、急遽、高速バスの共同運行などで繋がりのあった京急からスタッフを招いて、鉄道の運営に乗り出すことに。
そんな経緯があったのだとか。

南部縦貫鉄道も下北交通大畑線も“ミレニアム”に前後して鉄道としての運転を終えており。
でも、両社とも廃止後、ボランティア団体の手によって車両が動態保存されているというのも共通項である。

10月20日の撮影記、キハの入庫作業を最後まで見ることなく、一足早く大畑を離れたのだった。

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