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酷暑の只見線に“タラコ色”を追って(5)晴れるのか、曇るのか... [会津・越後のキハ[只見・磐越西線]]

まだまだ続く、8月3・4日の只見線撮影記。

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【2019年8月3日17時20分】 只見線・会津若松駅

最終日の朝は、いつも通り、会津若松駅を 6:00発の第423D列車でスタートである。

さて...

学生の頃...自分が受験生だった頃だから90年台。<変態鉄>も、勉強中に、やはり
音楽CDを聞いていた。そう、10代の頃の<変態ガキ鉄>もまた、レコード店の
店頭に貼り出される新譜のポスター、あれを見て、自分のお気に入りの歌手の
新曲が出るのを楽しみにしていた、そんな少年だったのである。

その中の曲に...、当時、流行っていた女性シンガーの曲。
確かTVドラマの主題歌になっていたような(曖昧な記憶)。

  ♪ 人はどちらにつくかで 見方が変わってしまう
      あれは身を引いたのか それとも逃げ出したのか...

あまり書くと、ジ※スラ※※から叱られそうだが...。

というのがあった。そのCDはいまも実家の棚で眠っているはずだが、この一節、
深く記憶に残っている。社会人になって会社員として働くようになって、この詞、
身につまされるような、そんな気がしているのである。

「立ち位置によって見方が変わるもの」というのには...
……  ……

夏から秋にかけて「晴れ」予報の朝、会津地方は霧に包まれることが多い。

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【2018年10月29日6時54分】  只見線・会津高田-会津本郷

それを知らなかった昨年10月の初訪問。

「何もみえねぇ~~っ」
諦める以外に無かったのである。

只見川橋梁も川霧がでることが少なくなく、<変態鉄>は出会ったことが無いのだが
その写真を見ると...う~ん、美しい。

でも、「霧」というのは空気中の水蒸気が冷やされて水滴になって漂っているもの。
それが自分のいる場所(高さ)にできている、自分がその中に居るときが「霧」、
自分の位置より高いところにあると「雲」、自分のいる位置より下にできると
「雲海」なのである。“幻想的な霧の中での1枚”を撮りたいとは思うが、
“薄暗いドン曇りの中での1枚”をわざわざ撮りに行きたいとは思わない。

というわけで、会津地方と言えば霧。特に夏の朝、只見川にでる川霧は...

ただ、こればかりは...

天気予報では分からない。

  どこにできるか? いつできるか? どれくらいの濃さになるのか...、

現地に着いてみないと分からないのである。前回、あの秋の朝の深い霧は、
何も知らなかった<変態鉄>、実に勿体ないことをしたと思っている。

そして、この朝は...


2019年8月4日(日)晴れ

只見線は会津若松駅を出て、まるでアルファベットの「U」の字を描くかのように
会津盆地をグルッと回って会津坂下へと向かう。だから、どの時間帯も(理論上は)
必ずどこかで順光になっているはずで。前夜、地図と睨めっこ、
この朝、選んだのは...

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【2019年8月4日6時27分】 只見線・根岸駅

根岸駅近くの水田地帯だったのである。

旅行客と<撮り鉄>、それに坂下の高校生で混雑した2連のキハ。
それを根岸駅で下車したのは<変態鉄>だけ。

車掌さんにきっぷを渡して列車を降りると...

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【2019年8月4日6時28分】 只見線・根岸駅

駅は片面ホームの無人駅。周囲は一面の水田地帯、朝から猛烈な暑さである。

でも...

会津若松の中心街はスカッと晴れていたのである。そう、ホーム上の待合室には
光が当たっている。背後に見える小高い丘、そのひとつに蓋沼森林公園があって。
その付近、斜面に面したあたりに霧が出ているようで。

写真の左側が東の方向で。遙か向こうに若松の中心街がかすかに...
そちら側には夏の太陽が。でも、駅の背後、西側は灰色に霞んでいて。

たぶん、1~2 kmほど西へ進んだ付近は霧の中。でも、それを遠巻きに見ることになる
線路付近は...、「晴れ」と「霧」の“端境”にあたるような感じで。

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【2019年8月4日6時40分】 只見線・根岸-会津高田

何とも中途半端。遠くの霧は灰色に見えるだけだし...う~ん、困った。
霧の中に入れば、線路周りの雑草も気にせず、列車のヘッドライトを活かして
幻想的な画を目指す...とか、そういうアイデアも出てくるが、この状況は...

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【2019年8月4日6時54分】 只見線・根岸-会津高田

それなら、早起きせずに次の列車にすれば良かった...、何だか撮る前から
「敗戦の弁」を考えてしまうような状況で撮った、第422D列車である。

<変態鉄>の背中には太陽の光が全力で降り注いでおり、だからこそ、キハの
側面には“ギラリ”するかのような感じで光が差していた。
朝7時の撮影ながら、何だか夕方の1枚のようになってしまう不思議な1枚が
撮れたのだった。

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【2019年8月4日6時54分】 只見線・根岸-会津高田(後追い)

蓋沼森林公園下俯瞰の時は、ここからカメラの向きを少しずつ変えながら
ドンドン、シャッターを切っているところ。でも、“地上戦”を挑んだこの朝、
遠ざかっていくキハの姿を目で追ったらカメラをバッグに仕舞うのだった。

ココから水田地帯をまっすぐ南へと走って、ほぼ90度の急カーブ、進路を東へ
変えたところが会津高田駅になる。

さて、次の下り列車は、前日の朝と同じ第425D列車。いま撮ったキハが会津若松駅で
折り返して戻ってくる会津川口ゆきである。8時の発車までちょうど1時間。

遠くに集落は見えるものの、見渡す限りの水田地帯。駅周囲にはジュースの自販機も
見つからないくらいで。

待合室は風が通らない分、外に居るよりも暑く感じるくらいで。長い長い1時間が
始まったのだった。

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【2019年8月4日7時15分】 只見線・根岸駅

そんな駅舎内。駅舎内の備品への破損行為に対する注意というか警告文が貼られて
いるのは、まぁまぁ各地に見かけるのだが、この文面は...

これはちょっと珍しいバージョンかも知れない。

そして...

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【2019年8月4日7時16分】 只見線・根岸駅付近

コレは、時折、見かけるアイテム。不思議な踏切標識である。
「電」を電車の顔に見立てているのだが...

第一、只見線には「電車」は走っていないのである。ディーゼル動車!!
パンタグラフは付いていないのである。それにしても何だか不思議な図柄(?)。

どこにでもあるような片面ホームの無人駅だが、そのスロープのところに...

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【2019年8月4日7時21分】 只見線・根岸駅

「1978-3」の文字。このコンクリート製のホームが造られた時期だろうか。
(根岸駅自体の開業は1934年(昭和9年)、当時から貨物扱いはなかった模様)

1978年(昭和53年)といえば、いま撮っているキハ40系の増備が続けられていた時期、
そして、何より忘れていけないのは、1978年3月、兵庫県内で、<変態鉄>が
誕生したのである。そんな記念すべき時期につくられたホームで列車を待って...

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【2019年8月4日8時06分】 只見線・根岸駅

ようやく姿を現した、第425D列車。いや~ぁ、長かった。

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【2019年8月4日8時14分】 只見線・第425D列車(キハ40 583号車)車内

車掌さんから乗車券を買い求めるのである。
発駅が「(只)根岸」と表記されるのは、もちろん、横浜線の根岸駅と区別する
ためである。福島とか高松とか...( )で線名が入る駅は意外と多くて。

それにしても、また、マニアックな駅を着駅にして。
次はどこで撮るんだ!? (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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